

2009第33節11月28日(土) 17:04キックオフ
| 会場 | NACK | 入場者数 | 13,299人 |
|---|---|---|---|
| 主審 | 柏原 丈二 | ピッチ状態 | 全面良芝/乾燥 |
| 天候 | 曇 | 気温/湿度/風 | 14.1℃/59%/弱風 |
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|---|---|---|---|---|---|---|
| 大宮アルディージャ | VS | 柏レイソル | ||||
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前半
後半
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0
1
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0
1
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1 | |||
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72分 橋本 早十 82分 藤本 主税 |
50分 近藤 直也 67分 パク ドンヒョク 70分 小林 祐三 81分 菅沼 実 |
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| 背番号 | 選手名 | ポジション | スタメン | 背番号 | 選手名 | ポジション |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21 | 江角 浩司 | GK | 33 | 菅野 孝憲 | GK | |
| 4 | 波戸 康広 | DF | 13 | 小林 祐三 | DF | |
| 6 | 片岡 洋介 | 6 | パク ドンヒョク | |||
| 3 | マト | 3 | 近藤 直也 | |||
| 5 | 冨田 大介 | 22 | 橋本 和 | |||
| 26 | 青木 拓矢 | MF | 25 | 村上 佑介 | MF | |
| 17 | 橋本 早十 | 28 | 栗澤 僚一 | |||
| 11 | 藤本 主税 | 7 | 大谷 秀和 | |||
| 7 | 内田 智也 | 27 | 大津 祐樹 | |||
| 9 | 石原 直樹 | FW | 10 | フランサ | FW | |
| 16 | ラファエル | 8 | 澤 昌克 |
| 1 | 高木 貴弘 | GK | サブ | 21 | 南 雄太 | GK |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 19 | 村山 祐介 | DF | 2 | 鎌田 次郎 | DF | |
| 34 | ソ ヨンドク | MF | 39 | 茨田 陽生 | MF | |
| 15 | 斉藤 雅人 | MF | 15 | 菅沼 実 | MF | |
| 25 | 土岐田 洸平 | MF | 41 | 田中 順也 | FW | |
| 13 | 藤田 祥史 | FW | 11 | ポポ | FW | |
| 27 | 市川 雅彦 | FW | 9 | 北嶋 秀朗 | FW |
| OUT | IN | 分 | 選手交代 | 分 | IN | OUT | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 67 | 北嶋 秀朗 | ← | 橋本 和 | |||||
| 76 | 田中 順也 | ← | 村上 佑介 | |||||
| 76 | 菅沼 実 | ← | 大谷 秀和 | |||||
| ラファエル | → | 藤田 祥史 | 85 | |||||
| 石原 直樹 | → | 土岐田 洸平 | 86 |
張 外龍 監督
ホームでJ1残留を決めることができて、神様に感謝するとともに、サポーターの皆さん、選手たちにも、感謝します。我々がシーズン前に掲げた目標には届かなかったことは悔しいですが、残る大分戦もしっかり戦って、一つでも上の順位を目指したいと思います。
試合前に「今日は大事なポイントが3つある」と選手たちに話しました。まず、ホーム最終戦であるということで、プロとして結果を残せと。次に、相手の状況を知ること。そして3つめに、冷静さを保つこと。(退場者を出すことなく)11人で90分を戦い終えようと。選手たちはそれらを最後までよく守って、結果を残してくれました。
(シーズン前の目標を達成できたなかった要因は?) 私のJ1での経験不足と、選手を見極める時間がなかったことです。AFCチャンピオンズリーグへの出場はそう簡単なことではないということです。
(張監督がもう一つ掲げていた世代交代については?) その手応えはあります。青木、土岐田、慎(金澤選手)など、昨年までレギュラーではなかった選手たちが定着しました。しかも本来のところではないポジションにコンバートされた選手も、しっかり結果を出していますから、ある程度は成功していると言っても良いと思います。
橋本 早十 選手
ホームだし何とかここで残留を決めたかったので、ホッとしてます。普段感じることのない緊張感でしたが、逆にこういう機会はめったにないので楽しもうと思って試合に臨みました。柏は絶対に勝たないといけない状況だけに、すごい勢いで来たので、まずはしっかり守備から入ることを意識して、みんな粘り強くディフェンスできたと思います。
こういう貴重な試合で得点できて、周りには「持ってる」と言われましたけど、これだけ試合に使ってもらっていて絶対に降格したくなかったし、期待も感じていたので、ここでやらないと男じゃないと、気合が入っていました。直樹(石原選手)がボールを持ったときにイメージができて、あとで直樹に聞いたら同じイメージを持っていたみたいで、そういうときにはああいう良い形でゴールが生まれますね。最初の右足のトラップが上手くいったので、落ち着いて左足で決めることができました。今までのゴールの中で一番気持ち良いゴールでした。本当は、子供が生まれた藤田のためにゆりかごダンスをやろうと試合前にみんなで言っていたんですけど、決まった瞬間はうれしくて、興奮して、忘れてしまいました(笑)。藤田にはあとで謝っておきます(笑)。
今シーズンは新しくボランチのポジションでプレーさせてもらって、その難しさや楽しさを感じることができました。できればもっと上の順位に行きたかったですけど、この経験を来年につなげていきたいと思います。次の大分戦でまだ順位を上げられるチャンスはあるので、もう一度気を引き締めて、必ず勝って帰りたいと思います。
J1に昇格してから観客動員100万人を今日突破したということで、本当にファン・サポーターの皆さんには感謝しているのと同時に、毎年苦しい思いばかりさせてしまって申しわけなく思います。来年こそもっと順位を上げて、そこで皆様に楽しんでもらえるように日々頑張っていきます。本当にありがとうございました。
藤本 主税 選手
自力で残留をつかむことができて良かったです。試合に入る前は、興奮しすぎるのも良くないけど変に冷静なのも嫌だなとか、いろんな葛藤があって非常に難しい心境でしたが、試合に入ったらいつもと変わらずにできました。向こうが前に出てくるのは分かっていたから、しっかり守ってカウンターをねらっていましたが、想像以上に攻撃の人数をかけてきたためにこちらの中盤も後ろに下がらざるを得ず、前に行く機会が少なすぎました。彼らのボールに対する執着や気合も違っていて、押し込まれてしんどい時間が多かったですけど、本当にみんなが頑張ってよく耐えたと思います。球際もかなり強く来たけど、そこで僕らも負けなかったし、非常に良い戦いができました。
(試合終了のホイッスルを聞いた瞬間はどんな気持ちでしたか?) 本当にホッとしたのと同時に、またこういう(残留争いの)くり返しになってしまったな、という感じでした。今シーズンも良い経験になったと思います。ガンバや鹿島、浦和に勝ったかと思えば、何でこんなゲームになるんだろう?と思うようなゲームをしてみたり、好不調の波が例年より大きかったですね。今年はそれをなるべくなくすことをテーマにシーズンに入ったのですが、上手くできなくて残念です。残留という結果は、大事な試合に勝ってきたからでもありますが、勝たないといけない試合もいくつかあったし、引き分けに持っていかないといけない試合もあったし、反省する点は非常にたくさんあります。
残り1試合、来シーズンにつなげるためにも一つでも上の順位に行くことが最終的な目標ですし、ファン・サポーターの皆さんに「プレッシャーがなくなって良いサッカーができているな」と感じてもらえるような試合にしたいと思います。僕は出られないですけど(笑)。
大宮のサポーターは優しすぎると言われますけど、試合後のセレモニーでも言ったように僕は大好きだし、そういう優しさが選手を良い方向に導いてくれていると思っています。そのサポーターに対して僕らはグラウンドで結果を出して返さないといけないし、そういう意味で今年はまた下の順位でハラハラドキドキさせてしまったので、来年はとにかく上の順位でドキドキさせてあげたいと思うし、しっかり準備して出直します。この1年間、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
ホームで決めた! みんなでつかんだ!
15時20分に選手バスが到着すると、待ち構えたファン・サポーターから大きな拍手と歓声があがった。バスの通用口には、大きな横断幕も掲げられている。チケットは今シーズン3度目の完売となった。いつもと同じ空間が、今日ばかりは特別な空気を帯びている。
紛れもない決戦だ。勝点4差で16位の柏との直接対決である。引き分け以上で残留が決定するが、勝点3を譲れば一気に状況は緊迫化してしまう。今シーズンはもちろん、チームの未来をも左右する一戦と言っていい。
16時25分、柏の選手たちがウォーミングアップに現われる。すぐにアウェイゴール裏から歓声があがるが、ほとんど間をおかずにアルディージャの選手たちがピッチに登場する。今度はオレンジの大歓声が沸き上がり、大きなうねりとなってスタジアム全体を包み込んでいく。
J1残留をかけたヒリヒリするような緊張感は、何度経験しても慣れることがない。ただ、じっとしているわけにはいかないのだ。ファン・サポーターはウォーミングアップから声を張り上げ、選手もまた高い緊張感で身体を温めていく。
両チームの選手たちが、それぞれのポジションへ散らばっていく。スタジアムに一瞬の静寂が訪れる。やがて、柏原主審のホイッスルが、張りつめた空気を切り裂いた──。
ゲームの勝敗には《幅》がある。引き分けでも残留が決まるアルディージャは、必要以上にリスクを背負う必要はない。一方の柏も、大量得点での勝利というよりは、とにかく勝点3を奪いたいはずである。両チームが置かれた立場から考えられるこの試合の幅は、ロースコアの攻防と言うことができただろう。
そこでは、慎重さと大胆さのバランスをいかに見出すのかがポイントになる。精神的に受け身にならず、それでいて細心の注意を払うことが求められていた。
ゲームの入り方は申し分なかった。
開始早々にCKを2本獲得し、9分にはラファエルが左サイドを突破する。マイナスのセンタリングに石原が飛び込んだこの場面は、相手守備陣の警戒心を煽るのに十分だった。直後の10分にも青木のクロスを石原が頭で合わせ、アルディージャは攻撃のリズムを作っていく。
相手攻撃陣への対処にもスキはない。2トップへのロングボールやクサビは、マトと片岡がきっちりケアした。右サイドから切り崩しにかかる大津の突進は、波戸が冷静な対応でスポイルしていった。ルーズボールの奪い合いや1対1の局面でも、激しさを全面的に押し出す柏に一歩も引くところはない。
「緊張感はなかった」と波戸は言い、「試合が始まったら、いつもどおりにプレーできた」と藤本も話す。彼らだけでなく、チーム全体から固さは感じられなかった。0-0で終了した前半は、アルディージャのカウンターアタックの鋭さと、ディフェンスの安定感を知らしめるものだった。
難しい時間帯があったとすれば、後半開始10分から20分あたりまでだっただろう。ゴール前へのクロスを際どくクリアするシーンがあり、フランサに2本連続でシュートを浴びた。アルディージャもラファエルが決定機をつかむが、試合の流れは柏へ傾きかけていた。
ここでしっかりと踏みとどまることができるのは、チーム全体が集中力を保っていたのはもちろん、際どい勝負を何度も乗り越えてきた経験によるものでもあっただろう。相手にシュートを許すたびに、アルディージャの選手たちは声をかけあい、手を叩き、お互いを鼓舞した。ファン・サポーターの声援を、余すところなく力に変えていった。
そして生まれたのが、74分の先制点だった。「前を向いたときに、時間もスペースもあった」という石原が、ゴール前のラファエルにミドルパスを送る。胸トラップでラファエルがボールを弾くと、落下点には橋本が走り込んでいた。
「ボランチが上がったらシュートで終わらないと、と思っていた」という橋本は、ワントラップでシュート態勢へ持ち込み、得意の左足を振りぬく。「冷静に打つことができた」と振り返る一撃が、NACK5スタジアム大宮に地鳴りのような歓喜を呼び込んだ。
1-0とした2分後には同点に追いつかれるが、「それでまた、いい意味で気持ちを切り替えられた」という石原の言葉どおり、1-1となってからはチーム全体がディフェンスの意識を明確にする。青木をアンカーとする4-1-4-1へ布陣を変更したのも、引き分けでも残留決定というこの試合の意味に即したものだっただろう。
ロスタイムは長かった。わずか4分が、いつも以上に長く感じられた。だが、試合終了は刻々と近づいていく。そして──。
「ホームで残留を決めることができて、ファン・サポーター、選手に感謝している」
試合後の記者会見で張 外龍監督が語った言葉は、アルディージャに関わるすべての人々の思いが、J1残留につながったことを意味していたはずだ。長い苦闘の末に訪れた安堵に、今日ばかりは浸ってもいいだろう。
(総評:戸塚 啓/写真:山田 勉、早草 紀子)