

2010第1節3月7日(日) 15:05キックオフ
| スタジアム | NACK | 入場者数 | 10,210人 |
|---|---|---|---|
| 主審 | 佐藤 隆治 | ピッチ状態 | 全面良芝/水含み |
| 天候 | 雨 | 気温/湿度/風 | 4.7℃/77%/弱風 |
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|---|---|---|---|---|---|---|
| 大宮アルディージャ | VS | セレッソ大阪 | ||||
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前半
後半
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| 3 |
2
1
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0
0
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0 | |||
44分 石原 直樹 82分 ラファエル |
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32分 深谷 友基 76分 安 英学 83分 杉山 新 |
29分 上本 大海 81分 羽田 憲司 |
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| 背番号 | 選手名 | ポジション | スタメン | 背番号 | 選手名 | ポジション |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 北野 貴之 | GK | 1 | 松井 謙弥 | GK | |
| 32 | 杉山 新 | DF | 2 | 羽田 憲司 | DF | |
| 4 | 深谷 友基 | 3 | 茂庭 照幸 | |||
| 3 | マト | 22 | 上本 大海 | |||
| 26 | 村上 和弘 | 20 | 高橋 大輔 | MF | ||
| 23 | 金澤 慎 | MF | 6 | アマラウ | ||
| 5 | 安 英学 | 10 | マルチネス | |||
| 11 | 藤本 主税 | 16 | 尾亦 弘友希 | |||
| 17 | 橋本 早十 | 8 | 香川 真司 | |||
| 9 | 石原 直樹 | FW | 7 | 乾 貴士 | FW | |
| 10 | ラファエル | 9 | アドリアーノ |
| 21 | 江角 浩司 | GK | サブ | 27 | 丹野 研太 | GK |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 14 | 坪内 秀介 | DF | 4 | 藤本 康太 | DF | |
| 25 | 土岐田 洸平 | DF | 17 | 酒本 憲幸 | MF | |
| 6 | 青木 拓矢 | MF | 19 | 石神 直哉 | MF | |
| 7 | 内田 智也 | MF | 26 | 山口 螢 | MF | |
| 13 | 藤田 祥史 | FW | 11 | 播戸 竜二 | FW | |
| 19 | 市川 雅彦 | FW | 14 | 家長 昭博 | FW |
| OUT | IN | 分 | 選手交代 | 分 | IN | OUT | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 67 | 播戸 竜二 | ← | 上本 大海 | |||||
| 橋本 早十 | → | 内田 智也 | 74 | |||||
| 安 英学 | → | 青木 拓矢 | 87 | |||||
| 石原 直樹 | → | 市川 雅彦 | 89 |
張 外龍 監督
ホームでの初戦に勝利することができたことを、だれよりも泰史(塚本選手)が一番よろこんでくれました。神様に感謝するとともに、泰史の手術が成功するように神様に祈っています。
――昨年までは縦に速い攻撃が特徴でしたが、今日の試合では遅攻のときの相手DFをはがす動きが非常によくできていたのでは?
そこが、我々が今年変わったところです。昨年は確かに、縦一本での攻撃で相手を崩しきれないところがあり、その反省点からサイド攻撃ができる選手を補強しました。1月19日からチームが指導して、グアム、西都、最後の調整と3段階でトレーニングをしっかり積んできて、我々が目指すサッカーが今日の公式戦でどれくらい表現できるか、それを今日は見てみたいと思っていました。
――ラファエル選手は今年の大宮のサッカースタイルの核になる選手だと思いますが、今後そのラファエルを欠く事態になることも考えられますが?
我々のサッカーというのはスタイルどうこうではなく、基本がしっかりできるかどうか。基本さえできれば、だれが入ってもシステマティックに機能します。残念ながら最後にラファエルが負傷しましたが、長丁場のリーグの間ではいろいろなことが起こり得ます。今年と昨年が違うのは選手層の厚さで、だれが入ってもチームが一つになって戦えるように準備しています。
――新戦力の活躍をどう評価しますか?
チームの立ち上げから、今年は攻撃から守備への切り替えを強調してきました。ワールドカップでの中断期間までそれがどれくらいできるか、それができるのであればその後も勝負をかけるという意気込みで臨んでいます。ゴールキーパーを含めて最終ラインを補強によって強化したわけですが、守備力を高めるには前線からのハードワークが必要ですから、全体の守備への意識を求めました。それが今日はある程度できた手応えがあります。2戦目、3戦目と続けていけるように、これから良い準備をしていきたいと思います。
橋本 早十 選手
開幕戦が大事だということはみんな分かっていたし、泰史(塚本選手)のこともあって特別な試合でもありましたから、本当にみんな心を一つにして結果にこだわってプレーした結果だと思います。
僕のゴールに関しては、「入っちゃった!?」って感じで正直驚いたというかラッキーでしたけど、それも気持ちが入ってたからなのかな。まあ、うれしかったです。
セレッソは若い選手、能力の高い選手がいっぱいいるので警戒していましたし、スペースを与えないように意識しながらプレーして、それが上手くいって自分たちのサッカーができたかなと思います。個人的には、今日はサイドハーフでの出場でしたから、相手の嫌な位置にポジションを取ることを意識しました。ただ、それができていないところもありましたから、もっと相手の脅威になるようなプレーをしていきたいですね。
始まったばかりで順位は気にしていないし、何もまだ得ていないし、これから長いシーズン、一試合一試合頑張っていきます。次の相手の仙台は昨年の天皇杯で負けているので、そのリベンジという意味でも必ず勝って大宮に帰ってきたいと思います。
今日は勝って泰史を勇気づけられたか分からないけど、僕らにできることはそれだけしかありません。泰史もピッチに降りてきて笑顔で迎えてくれたので、「次はお前が頑張れよ」と伝えました。一つでも多くの勝利を見せていきたいと思います。
石原 直樹 選手
先制できて楽になったからこその試合の流れでした。先制点が取れたことが、3-0という結果に結びつく良いきっかけになったと思います。チームの出来としては、ちょっと押されていた時間帯もあったし、決めるべきところを決められなかったりしたので、60~70点くらいかなと思います。
僕の得点シーンは、ラファエルが良い感じでボールを持っていて、一瞬ですけど目が合ったので、ゴールのイメージはできていました。泰史のためにも勝ちたかったので、追加点で楽になったと思います。個人的に今年は二桁得点が目標ですが、点を取ってチームも勝てて、良いスタートが切れました。
今日は泰史に僕らが頑張っている姿を見せたかったし、勇気や希望を少しでも与えられたらいいなと思ってプレーしましたし、本当に勝てて良かったです。また次に切り替えて、仙台戦に向けて良い準備をしたいと思います。
藤本 主税 選手
できすぎかなと思うくらいの内容でしたね。自分たちのサッカーをすればこんなにできるんだと実感しました。セレッソは怖かったですけど、僕らもキャンプを含めてすごく雰囲気が良かったし、練習試合の内容も試合をするたびに良くなっていたので、自信もありました。いろんなモチベーションの要素があったので、それが背中を押してくれたかなと思います。
セレッソにある程度ボールを回されるのは覚悟していましたから、自分が裏に飛び出すのは難しいと思って、逆にラファエルや直樹(石原選手)を裏に走らせるようなボールを出そうと意識してプレーしました。
今日の試合に入る前もそうだし、今週はずっとみんなで「泰史のために開幕戦を戦おう」と話をしていました。彼を勇気づけることだけを考えていたので、この結果はすごくうれしいです。試合後に泰史と一緒にグラウンドを回りながら、昔のいろんなシーンを思い浮かべたり、「このグラウンドで泰史のフリーキックをまた見たいな」なんて考えて、泰史はやっぱり僕たちの仲間なんだなと感じました。
次は仙台戦ですが、今日はできすぎだと思うので逆に気を引き締めなおして、僕たちの目指すサッカーを徹底してやりぬきたいと思います。
泰史のために! チーム一丸となって勝利をつかむ!
一日遅れの開幕戦は、あいにくの小雨模様となった。真冬の寒さがNACK5スタジアム大宮を覆っている。吐く息が白い。
しかし、チームは万全の状態でこの日を迎えていた。期待の新加入選手が定位置争いを活性化し、既存の戦力が存在感を発揮する。コミュニケーションとコンビネーションを深めながら、ギリギリまで激しい競争が繰り広げられてきた。
試合開始前には、塚本がユニフォーム姿でピッチに現れた。ファン・サポーターに深々と頭を下げると、スタンドからは惜しみない歓声と拍手が沸き上がった。『想いはひとつ 泰史とともに』という横断幕は、アルディージャに関わるすべての人々に共通する思いだろう。開幕を待ち望んでいたファン・サポーターで、スタジアムは埋め尽くされた。
ロッカールームでは、選手たちが気持ちをひとつにしていた。試合へ向けたトレーニングから、ずっと抱いてきた思いを確認した。
「泰史のためにやろう。彼を勇気づけるような試合をしよう!」
ゲームの主導権は、序盤からアルディージャが握った。ラファエルと石原の2トップに右サイドMFの藤本がいい距離感で絡み、右サイドバック杉山が積極的に飛び出す。右サイドが詰まり気味であれば、アンと金澤のダブルボランチを経由して左サイドへ展開する。タテと横の揺さぶりを意識したアルディージャの攻撃は、セレッソの守備陣を翻弄していく。
先制点は14分だった。橋本の右CKが、逆サイドネットに吸い込まれたのだ。「正直、驚いた」と本人も苦笑いの一撃だったが、相手の攻撃をまったく寄せ付けていなかったことを考えれば、このタイミングでリードを奪うのは必然だったと言っていい。ちなみに、橋本は06年11月の対戦でも2ゴールをあげているが、「まあ、相性がいいということにしておきます」と付け加えた。
前半終了間際の44分には、追加点をあげる。藤本のタテパスから右サイドを突いたラファエルが、まとわりつくマーカーを深く鋭い切り返しで振り切る。鮮やかなステップワークだ。「ラファエルと一瞬目があった」という石原は、切り返しに合わせて動き直し、最適のポジションを取る。グラウンダーのクロスを、右足ダイレクトで合わせたのだった。30分前後からやや攻め込まれていただけに、この時間帯の追加点は試合の流れに大きな影響を与えただろう。
後半に入っても、アルディージャのペースは変わらない。48分には村上のラストパスから杉山が決定機をつかみ、61分にはマトがスライディングでピンチを防ぐ。攻守が一体となったスキのないゲーム運びだ。
NACK5スタジアム大宮のファン・サポーターが、勝利を確信したのは82分だ。マトが得意の左足から直接FKを放つと、相手GKの頭上を越えたボールがバーを直撃する。ゴール前に跳ね返ってきたボールは、ラファエルが落ち着いて右足で流し込んだ。ラファエルと石原の2トップが揃ってゴールを決めたのは、これで通算3度目である。そして、過去二度と同じように、この日もアルディージャが勝利をつかむ。
終盤に訪れたいくつかのピンチは、GK北野がしっかりと対応した。最終ラインも最後まで統率が保たれ、相手攻撃陣からスペースと時間を奪った。「前半はアドリアーノにてこずったけど、全体的には落ち着いてプレーできた。今日は自分たちのサッカーが90分できたと思う」と深谷が言えば、「中盤でのプレッシングがうまくいった。FWから連動して目ざしていたことができた」とアンも手ごたえを口にしている。これで、開幕戦は07年から4年連続無失点だ。
試合後には塚本とともに選手たちがピッチを一周した。「オレら、やったぞ。次は泰史が頑張れよ」。温かい拍手に包まれながら、選手たちの間で新たな誓いが交わされた。大切なものを胸に刻み込んだこの日の勝利は、長いシーズンを戦っていくうえでのエネルギーになるだろう。もちろん、手術を控える塚本にとっても、かけがえのない支えとなるはずだ。2010年3月7日は、アルディージャにとって決して忘れることのできない一日となった。
あの日があったから、この瞬間がある。そんな日が、きっと訪れることを信じてやまない。チームにも、塚本にも。
(総評:戸塚 啓/写真:山田 勉 早草紀子)