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【総評追加・再掲載】第39回 日本クラブユース選手権(U-18)大会 決勝の試合結果
ユースが過去最高の全国準優勝、初優勝には届かず

 快進撃を見せたが、惜しくも初の栄冠には届かなかった。高校年代の夏の日本一決定戦として知られる「第39回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の決勝戦が、8月1日(土)にニッパツ三ツ沢球技場で行われ、大宮アルディージャユースは3-5で横浜F・マリノスユースに敗れて準優勝となった。

 大宮ユースが全国大会の決勝戦に進出したのは初めてのこと。会場には各カテゴリーに所属するアカデミーの選手や、同日開催のトップチームのアウェイゲームに行けなかったファン・サポーターが駆け付けて声援を送った。2得点を挙げたFW藤沼拓夢は「応援してくれたのに結果を出せず、申し訳ない思いでいっぱい」と悔しさをかみしめた。優勝を逃した悔しさはぬぐえないが、猛暑の群馬・前橋で行われたグループステージから、7試合を戦い抜いて価値ある成績を収めた。

 決勝は、動きに硬さが見られて苦しい立ち上がりとなった。7分にカウンターから失点、11分にMF黒川淳史のスルーパスから藤沼が決めてすぐさま同点に追いついたが、23分にはロングパスで最終ラインの背後を取られて失点。1点を追う展開でハーフタイムを迎えると、後半もショートカウンターで先にゴールを奪われて1-3。2点差とされる厳しい展開となった。しかし、Jr.ユース時代に全国大会で2回の準優勝を経験した3年生が意地を見せ、一気に攻撃の圧力を強めると、劇的な展開に持ち込んだ。56分に左CKからDF朝妻佑斗が豪快なヘディングシュートを決めて1点差に詰め寄ると、直後の58分にはインターセプトしたFW松崎快が縦パス。抜け出した藤沼が前に出て来たGKの鼻先から頭上を越す技ありのボレーシュートを決めて一気に同点に追いついた。

 これで試合のペースも引き戻すことに成功した。次の4点目を奪えれば、初優勝を手繰り寄せられるはずだった。しかし、80分にカウンターから豪快なダイビングヘッドで勝ち越し点を決められて万事休す。その後もあきらめずに攻めたが、83分にはダメ押しの5点目を奪われた。終わってみれば3-5という打ち合いに敗れ、悲願の初優勝は次のチャンスに持ち越された。

 とはいえ、大宮ユースは初の準優勝。個人ではチーム最多得点タイの松崎がMIP賞を獲得した。松崎は「個人賞はうれしいけど、勝っていればMVPだったかもしれないし、やっぱりチームとしてのタイトルが欲しかった。Jr.ユースのときも準決勝までは安定して戦えているのに決勝では急に失点が多くなる。そこを改善しないと優勝はできない。今度はチームを勢い付ける得点を奪いたい」と、次の目標に視線を切り替えた。

 Jr.ユース時代に比べて選手たちはタフさを身につけた。また、控え選手も含めて高いクオリティーを示したことも見逃せない成長だった。それでも、まだ足りなかった何かを求めて、チームは再び動き出す。ユースは今後、8月下旬に再開する「高円宮杯U-18サッカーリーグ2015」のプレミアリーグEAST、そして10月に開幕する「2015Jユースカップ第23回Jリーグユース選手権大会」で再び日本一を目指す。

■伊藤彰監督コメント



「結果については残念です。選手の動きが少し硬く、本来の姿を見せることができませんでした。前半、自分たちのペースでボールを動かして試合をコントロールする積極性が出せず、相手の速いプレッシャーに押されて大胆な攻撃ができませんでした。後半から積極的に点を取りにいって3-3に追いついたことは評価できますが、そこで攻撃がトーンダウンしてしまいました。しかし、暑い中での厳しい戦いを経て選手たちは成長しました。今大会初の決勝進出でクラブとしては一歩進めたので、また次の一歩を進められるように頑張っていきたいと思います」




■試合
第39回 日本クラブユース選手権(U-18)大会 決勝

■日時
8月1日(土) 15:00キックオフ

■会場
ニッパツ三ツ沢球技場

■形式
90分(前後半各45分)

■結果
3 ● 5 (1-2/2-3) 横浜F・マリノス

■メンバー
GK:加藤
DF:古谷、北西、野崎、朝妻
MF:黒川、山田、長谷川
FW:松崎、川田、藤沼

■サブ
加治屋、土田、立石、高柳、鈴木、小柏、奥抜

■交代
73分:黒川→小柏
89分:長谷川→高柳

■得点経過
失点(7分、23分、51分、80分、83分)、藤沼(11分、58分)、朝妻(56分)

(原稿:平野貴也/写真:佐藤博之)
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