Jリーグ ディビジョン1 第17節
2012.7.7 [SAT] 18:30 カシマ

鹿島

  • 74' 西 大伍
1 - 0
0 前半 0
1 後半 0

大宮

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 曽ヶ端 準
DF 22 西 大伍
DF 4 山村 和也
DF 6 中田 浩二
72'
DF 7 新井場 徹
MF 20 柴崎 岳
MF 40 小笠原 満男
66'
MF 11 ドゥトラ
MF 25 遠藤 康
FW 9 大迫 勇也
FW 13 興梠 慎三
86'

控えメンバー

GK 1 佐藤 昭大
MF 10 本山 雅志
66'
MF 14 増田 誓志
MF 15 青木 剛
72'
MF 28 土居 聖真
FW 8 ジュニーニョ
86'
FW 19 岡本 英也

監督

スターティングメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 26 村上 和弘
DF 4 深谷 友基
DF 2 菊地 光将
DF 22 下平 匠
MF 6 青木 拓矢
MF 5 カルリーニョス
MF 8 東 慶悟
69'
MF 30 渡部 大輔
82'
FW 9 チョ ヨンチョル
FW 32 長谷川 悠
71'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 24 鈴木 規郎
DF 34 片岡 洋介
MF 7 上田 康太
MF 13 渡邉 大剛
82'
MF 23 金澤 慎
69'
FW 29 清水 慎太郎
71'

監督

試合詳細
23 シュート 9
8 GK 15
8 CK 4
12 直接FK 9
1 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

西村 雄一

副審

相楽 亨

副審

名木 利幸

第4の審判員

竹田 和雄

入場者数

12,787人

天候

雨、中風

ピッチ状態

全面良芝、水含み

気温/湿度

19.5℃/93%
敵地で惜敗。連勝を逃す
清水をホームに迎えた前節のゲームで、アルディージャはベルデニック監督就任後初勝利をあげた。しかも、リーグ戦では2試合連続の無失点である。守備の再構築は進み、チーム状態は上向いている。
 
鹿島と対峙する今節は、勝ち点19同士の激突だ。アウェイのカシマスタジアムでは過去2分5敗と白星がないが、データが縛めになることはない。今日こそ勝利をつかむという気概に、チーム全体が満ちている。
 
強風が霧雨をあおるスタジアムには、今日もアルディージャのファン・サポーターの声援が轟いている。前半戦最後のゲームとなるこの試合で、今季2度目の連勝を果たしたい。

序盤の主導権を握ったのは、アウェイのアルディージャだった。開始早々に東が右足ミドルを放つと、相手GKがファンブルしてCKを獲得する。水分を含んだピッチコンディションを考えると、中長距離のシュートは効果的だ。
 
9分には決定機を迎える。左サイドのFKをカルリーニョスがゴール前へ送り、混戦から深谷が右足ボレーで狙う。ワンバンドした一撃は、惜しくもバーを越えていった。
 
アルディージャのチャンスは続く。14分、自陣からのロングフィードを、2トップの一角を担うチョ ヨンチョルがヘッドで後方へ流す。走り込んだ東がボールを収め、フリーで抜け出す。しかし、シュートはGKに防がれてしまった。
 
20分にも相手守備陣を崩した。中盤から複数の選手が連動し、なおかつダイレクトのパス交換を織り交ぜることで、ボールを奪うスキを与えない。青木のフィニッシュは惜しくもゴールに至らなかったが、流麗なパスワークは相手守備陣の予測を上回るものだった。
その後もカルリーニョスのロングパスからチョ ヨンチョルがゴールへ迫るなど、アルディージャはゲームを支配したままハーフタイムを迎えた。「前半はリズムも良く、ボールもまわっていたと思う」と、東も振り返っている。

後半開始とともに、試合の構図が変化する。CKやFKを立て続けに許すが、相手が勢いを持って臨んでくるのはアルディージャも想定内だったはずだ。守備陣の冷静かつ厳しい対応に、綻びは見られない。この日がJ1通算200試合出場となった深谷と、ゲームキャプテンを務める菊地の両センターバックは、2トップへのくさびを丹念にケアし、攻撃の起点を潰していく。彼らだけでなくチーム全体がハードワークを怠らず、堅固な守備組織を築いた。
 
ベルデニック監督は69分に金澤、71分に清水を投入し、チーム全体の活動量を維持しながら攻撃を活性化しようとする。ところが74分、西にゴールを奪われてしまう。味方DFにわずかに触れたシュートは、GK江角から逃げるようにサイドネットへ突き刺さってしまった。

「後半も我慢強く守ることはできていた。あのシュートも僕の指に触っていたので、何とか弾き出したかったんですが…」と、江角は悔しそうに話した。前半から曖昧なポジションを取っていたドゥトラのマークがはっきりとせず、彼のドリブルを起点に失点を喫したことも悔やまれた。
 
アルディージャも反撃に転じる。76分、カルリーニョスのクロスから、清水が決定的なヘッドを浴びせる。83分には途中出場の渡邉が、ゴール左からの直接FKをゴールマウスへ持っていく。どちらも素晴らしい一撃だったが、得点には結びつかなかった。

 
今季2度目の連勝とはならなかったものの、この日は最少失点でしのいでいる。「守備の意識を高く持ち、粘り強く戦うことはできている。鹿島相手に決定機を作れているわけだし、ブレずにやり続けていきたい」と江角は前を向く。自身の節目のゲームにフル出場した深谷も、「反省するところはあるけれど、自信を持っていいところもある。前半はすごくリズム良くできていた。いい守備がいい攻撃につながるので、下を向かずにハードワークしていきたい」と話した。
 
前半戦は5勝4分8敗の勝点19で折り返すこととなったが、試合内容は進歩を感じさせるものだ。ラファエルとキム ヨングォンはチームを去ったが、清水のようなイキのいい若手が台頭している。後半戦の巻き返しへ向けて、アルディージャは地力を蓄えている。

(総評: 戸塚 啓 /写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
今日の試合は、我々が考えていたような展開にはなりませんでした。鹿島が前半から攻めてきて、それに対してどう攻撃を仕掛けていくかということを考えていましたので、組織的に守り、前に速く出ていって得点のチャンスをうかがおうというゲームプランでした。しかし前半は、逆に鹿島は引いて、そこから速いカウンター攻撃を仕掛けてきました。そこで我々のプランは少し変わったように思います。

それでも前半、我々には2回の大きな得点チャンスがありました。鹿島にも、前半の残り20分から終了間際にかけて、チャンスが十分にあったと思います。

後半はその逆で、鹿島は我々に対して前からプレッシャーを掛けてきました。そのため、コーナーキックなど我々のゴールに近い場所でのセットプレーや、2列目からのシュートが増えてきました。我々はそれに対して引き過ぎてしまい、なかなかそこから抜け出すことができませんでした。

失点自体は、それほど危険ではない状況からのものでしたが、鹿島が我々にプレッシャーを掛け続け、攻撃的にプレーし続けた結果ではないかと思っています。彼らは勝利に値する戦い方をしたと思いますが、我々もそこからしっかりと学んでいかなければなりません。守るべきゴールに近過ぎる場所での守備が長々と続いてしまうと、ああいう形での失点につながっていく、ということです。

このように口で言うことは簡単ですが、実践していくのはそうではありません。攻守のバランスについてまだまだ改善の余地があると思います。

Q:東、長谷川から金澤、清水慎と次々に選手交代した意図は?
0-0の状況で、また、相手のプレッシャーが強い中で、しっかりと走れる選手、攻守両面で動ける選手、守備から攻撃に出た時にボールをキープできる選手、という狙いで選手を代えました。そのため、運動量が落ちてきていた東に代えて金澤、長谷川に代えて(清水)慎太郎という交代となりました。自分たちのゴールからできるだけ離れたところでの守備をし、奪ったら素早く前へ攻撃することを狙いましたが、残念ながらその通りにはなりませんでした。

Q:特に後半は、簡単なボールロストやセカンドボールを拾えない状況が目立った。相手が前からプレッシャーを掛けてきたことと引き過ぎたことが原因だと思われるが、その点についてどう考えているか?
その通りだと思います。私は選手に対して、マークを厳しくすること、しかもフィールドの中央付近で相手のボールを奪うこと、そして、マイボールをフィールドの中央で失わないことを求めていました。しかし、そこで技術的なミスが起こっているのは、我々の弱点である思っています。特に、中盤の選手に疲れが見えてくる時間帯でプレーに正確性が欠けてしまいます。それに対して鹿島は、技術的に高い選手が揃っていたのではないかと思います。

セカンドボールに対しても、やはりマークをし続けることによっての疲れがそのまま、セカンドボールが拾えないということにつながっているのではないかと分析しています。
選手コメント
MF 5 カルリーニョス
Q:後半押し込まれる時間帯が増えた原因は?
前半は、失点こそありませんでしたが、自分の目からはまだまだ足りないところもありました。逆に後半は、失点はしましたが、いい形で守れていたと思っています。コンパクトさを保ち、ボールを奪ってから速い攻撃を仕掛ける。いいタイミングで攻撃も仕掛けられていたと思うし、全体的な守備の形としては悪くありませんでした。ただ、時間帯的に失点してはいけない時間帯でゴールを奪われてしまった、それが大きく響いたと思っています。

Q:ベルデニック監督就任後、一番攻撃の形ができていた試合のように見えたが、特に意識していたことは?
立ち上がりをしっかりした守備から入ってゲームを始める、というのが今のテーマです。それが今、チームとしてできつつあると思っています。いい守備からボールを奪い、そこから速い攻撃を仕掛ける。いい攻撃をするためには、やはり守備が欠かせないという意識でいます。それが少しずつチームとして形になってきています。もちろん監督によってやり方がいろいろと違うのは当然のことですので、今、監督が求めていることを忠実にこなし、結果に早く結び付けたいと思っています。

Q:前半戦17試合を終えたが、後半戦に向けてどう取り組んでいきたいか?
監督が代わって、特に守備の面が、少しずつですが上向きになってきていると感じています。それを少しでもパーフェクトに近づけるために、努力しなければいけないと思いますし、そうすることで後半戦もいい形で戦っていけるでしょう。早く自分たちの守備を完成形に近づけるようにしたいと思っています。
DF 4 深谷 友基
Q:今日でJ1通算200試合出場となったが、どんな気持ちで試合に臨んだか?
特に200試合ということは意識せず、いつも通り勝利のためにいい準備をして試合に入ろうと思っていました。

Q:後半になって押し込まれる時間が長くなった要因は?
前半よりも守備の意識をもっと強く持とう、と監督から言われ、攻撃にもあまり枚数を掛け過ぎず、シンプルな戦い方をしようと後半は臨みました。攻め込まれる時間が多く、なかなか攻撃に行くことができないまま、悪いリズムになった時に失点してしまったので、攻撃にもう少し枚数を掛けてもよかったかなと思います。

Q:攻め込まれ続け、耐えきれずに失点したという印象だったが?
いつやられてもおかしくないような展開でしたが、そこを乗り越えれば、しっかり守り切れれば絶対チャンスが来ると思っていました。最後まで粘り強く守りきれなかったために失点してしまったので、もっと集中力も必要だったと感じています。

Q:今日で前半戦17試合が終了したが、後半戦はどう戦っていきたいか?
今取り組んでいることをもっとしっかりやっていきたいです。いい守備ができればいい攻撃もできると思うので、まずは守備で、みんなでハードワークして守るというところを見せていきたいです。そして、そこからいい攻撃を作るような、攻守の切り替えの速さを見せていきたいと思っています。
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