明治安田生命J2リーグ 第3節
2015.3.21 [SAT] 17:00
NACK
大宮
- 54' カルリーニョス
- 89' 河本 裕之
2
-
1
0
前半
0
2
後半
1
京都
- 67' 大黒 将志
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 13 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 23 金澤 慎
MF 5 カルリーニョス
90+1'
MF 39 泉澤 仁
89'
MF 17 横谷 繁
FW 9 富山 貴光
83'
FW 14 清水 慎太郎
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 34 片岡 洋介
DF 27 今井 智基
MF 18 横山 知伸
90+1'
MF 15 大山 啓輔
MF 10 渡邉 大剛
83'
FW 11 播戸 竜二
89'
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 杉本 大地
DF 6 黄 大城
DF 20 バヤリッツァ
DF 3 山口 智
DF 30 石櫃 洋祐
MF 7 駒井 善成
MF 5 金 南一
MF 13 宮吉 拓実
59'
MF 32 佐々木 勇人
85'
FW 9 ダニエル ロビーニョ
FW 31 大黒 将志
控えメンバー
GK 33 山田 元気
DF 2 菅沼 駿哉
DF 24 内田 恭兵
MF 8 黄 辰成
MF 11 伊藤 優汰
85'
MF 14 山瀬 功治
59'
MF 23 和田 篤紀
監督
和田 昌裕
試合詳細
10 | シュート | 12 |
---|---|---|
7 | GK | 6 |
4 | CK | 9 |
14 | 直接FK | 12 |
2 | 間接FK | 4 |
1 | PK | 1 |
試合データ
主審
佐藤 隆治
副審
大塚 晴弘
副審
西尾 英朗
第4の審判員
森川 浩次
入場者数
7,173人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
12.6℃/36%
加藤のPKセーブで奮起。河本の決勝点で劇的勝利!
粘り強い戦いが、最後の最後で勝点3につながった。第3節はホームでの京都戦。前節でC大阪に敗れているため、最悪でも連敗は阻止せねばならず、さらに言えばホームで白星を飾って勢いを取り戻したい試合だ。渋谷監督は「いろいろな戦い方があるけど、とにかく迫力を持ってプレーしてほしいというテーマでやってきた」と、闘争心あふれるプレーを選手に要求した。
しかし、立ち上がりは気合いが少し空回りし、開始わずか3分に相手のCKからPKを取られてしまった。この窮地はGK加藤が見事なセーブでしのいだが、その後は気持ちが高ぶったのか、球際にプレッシャーを掛けようとするあまり、守備陣形が崩れる場面もあった。それでも15分過ぎからは守備が安定。攻撃は泉澤のドリブルから何度かカウンターを仕掛ける程度で、シュート数もわずかに1本と少なかったが、少しずつペースを手繰り寄せていった。ハーフタイムには、「加藤の好守を無駄にするな」という声が次々に挙がっていた。苦境をしのいだチームは、より高めた結束力を後半の勢いに変えた。54分、今度はCKの流れからPKを獲得。カルリーニョスが決めて先制に成功した。
ところが、楽に勝てる試合はない。京都にカウンターとアーリークロスで攻勢を強められると、67分に失点を喫した。相手の右サイドからのクロスを渡部はコーナーキックに逃れたが、このセットプレーで自身がマークしていたエース大黒にヘッドで決められてしまう。1つのミスが失点につながるとはよく言われるが、渡部にとっては少し酷な流れとなった。しかし、MF金澤が「ミスをカバーしきれる流れが、今のチームの良さ。ネガティブになり過ぎない。(加藤)順大は次に良いプレーをしようと考え続けられる選手で、後ろからすごく良い雰囲気、流れを引き寄せてくれている」と話したように、チームとして落ち込むことなく次の1点を全力で取りにいった。
どちらも勝点3が欲しい試合終盤、大宮の不屈の精神が結実した。自陣でFKを得ると、長身の選手を前線に上げてパワープレーを展開。カルリーニョスのロングフィードは弾かれたが、こぼれ球を拾った渡邉からバックパスを受けた渡部がアーリークロス。ゴール前で待ち受けた河本が打点の高いヘッドを鮮やかに突き刺し、これが勝利を呼び込む決勝点となった。
アシストした渡部は「セットプレーでやられて迷惑を掛けてしまったが、逆転できたことはチームとして収穫。(アシストでホッとしたか?)かなり・・・。あのまま終わっていたら、本当に申し訳なかった」と試合を振り返ったが、今のチームにはパーフェクトではない内容でも、現実をしっかりと受け止めながら改善して前に進む力がある。この日、前節でクリアミスが失点につながってしまった加藤が活躍したように、渡部にも取り返すチャンスがやって来た。GK加藤は「こうやって勝点3を取りながら、課題が出ているというのが大きいと思う」と話した。勝ちながら反省をして、さらに一歩前へ。そうした実直で我慢強い戦いが、今後も今日のような劇的勝利を呼び込むはずだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
しかし、立ち上がりは気合いが少し空回りし、開始わずか3分に相手のCKからPKを取られてしまった。この窮地はGK加藤が見事なセーブでしのいだが、その後は気持ちが高ぶったのか、球際にプレッシャーを掛けようとするあまり、守備陣形が崩れる場面もあった。それでも15分過ぎからは守備が安定。攻撃は泉澤のドリブルから何度かカウンターを仕掛ける程度で、シュート数もわずかに1本と少なかったが、少しずつペースを手繰り寄せていった。ハーフタイムには、「加藤の好守を無駄にするな」という声が次々に挙がっていた。苦境をしのいだチームは、より高めた結束力を後半の勢いに変えた。54分、今度はCKの流れからPKを獲得。カルリーニョスが決めて先制に成功した。
ところが、楽に勝てる試合はない。京都にカウンターとアーリークロスで攻勢を強められると、67分に失点を喫した。相手の右サイドからのクロスを渡部はコーナーキックに逃れたが、このセットプレーで自身がマークしていたエース大黒にヘッドで決められてしまう。1つのミスが失点につながるとはよく言われるが、渡部にとっては少し酷な流れとなった。しかし、MF金澤が「ミスをカバーしきれる流れが、今のチームの良さ。ネガティブになり過ぎない。(加藤)順大は次に良いプレーをしようと考え続けられる選手で、後ろからすごく良い雰囲気、流れを引き寄せてくれている」と話したように、チームとして落ち込むことなく次の1点を全力で取りにいった。
どちらも勝点3が欲しい試合終盤、大宮の不屈の精神が結実した。自陣でFKを得ると、長身の選手を前線に上げてパワープレーを展開。カルリーニョスのロングフィードは弾かれたが、こぼれ球を拾った渡邉からバックパスを受けた渡部がアーリークロス。ゴール前で待ち受けた河本が打点の高いヘッドを鮮やかに突き刺し、これが勝利を呼び込む決勝点となった。
アシストした渡部は「セットプレーでやられて迷惑を掛けてしまったが、逆転できたことはチームとして収穫。(アシストでホッとしたか?)かなり・・・。あのまま終わっていたら、本当に申し訳なかった」と試合を振り返ったが、今のチームにはパーフェクトではない内容でも、現実をしっかりと受け止めながら改善して前に進む力がある。この日、前節でクリアミスが失点につながってしまった加藤が活躍したように、渡部にも取り返すチャンスがやって来た。GK加藤は「こうやって勝点3を取りながら、課題が出ているというのが大きいと思う」と話した。勝ちながら反省をして、さらに一歩前へ。そうした実直で我慢強い戦いが、今後も今日のような劇的勝利を呼び込むはずだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 2 菊地 光将
僕がPKを取られ、悪い流れになりかけたところをノブさんに助けられ、切り替えてもう一回やろうという気持ちになれました。我慢の時間もありましたけど、みんなが最後まであきらめることなく勝点3を取れたのは大きいと思います。
DF 3 河本 裕之
自分たちのプレーをしようと話していたので、全体的に落ち着いてできました。前節の反省を生かして練習したことも出せていました。勝ちたいという気持ちが最初から出せていましたし、それを90分間続けられて良かったです。
MF 5 カルリーニョス
PKになった瞬間、決める自信がありました。普段から練習している結果がゴールにつながったと思います。みんなで勝ち取った勝点3はすごく大きい。チームは成長している時期なので、こういう試合を増やしていきたいです。
FW 14 清水 慎太郎
厳しい時間の方が長かったですし、自分としてはシュートも少なかったので悔いの残る試合でしたけど、チームが勝てて良かったです。しっかり練習して、もっとうまくなりたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。
前半は最初にPKを取られましたが(加藤)順大が止めてくれ、こういう試合もあると思っていましたし、我々にもチャンスがあるのではと思っていました。そして後半に我々がPKを決めたため、イニシアチブを取れるかと思ったのですが、逆に少し押され気味になり、1-1にされてしまいました。しかし、この間のセレッソ戦を踏まえて全員が最後まで走りきったこと、それで勝利をつかんだことは非常にうれしく思いますし、選手たちが最後まで本当に戦ってくれたと思います。
内容については、前半の入りはそれほど悪くなかったですが、相手の背後を取るような動きが少なく、押し込まれた中でPKを取られて始まってしまいました。もっと自信を持ってアタッキング(エリア)の立ち位置を取ることができたら、もっと良くなったのではと思います。また、距離感ももう少し変えられたら良かったかもしれません。拮抗した試合のため、選手も自信を持ち切れなかったのかもしれませんが、カウンターからチャンスも作っていましたし、後半もそのまま続けてほしいと話しました。
後半の入りも悪くなく、CKの流れから今後はPKを取ってもらえました。全体的にもう少し自信を持ってボールを動かすことと、守備では気迫あるプレッシャーを増やしていくことが大事だと思います。しかし、交代選手を含めて選手たち全員が戦って勝利をつかめて良かったと思います。
Q.富山選手が後半になって、非常に良い位置でボールを受けるシーンがありましたが、何か指示をしたのでしょうか。
立ち位置に関しては普段のトレーニングから声を掛けていますが、それが今日の試合では相手の守備の仕方との兼ね合いで“ジャスト”だったのだと思います。そこにボールが入って、失うか失わないかは非常に大きなポイントになるのですが、今日はタイミング良くボールが収まったこともあり、タイミング良くサポートできた場面が多々ありました。幅を取っている分、後半途中からは相手もやりづらそうに見え、我々が主導権を取れたと思います。ただ、それによって最後のフィニッシュや前向きのサポートが増えているかが重要で、そこはもっと詰めなければいけないと思います。
Q.河本選手が2戦連続で得点を決めてくれました。
神戸では、京都の和田監督の下でずっとプレーしていたので、恩返しをしたのでないかと思います。私は2012年に彼が大宮にいたときから、また対戦相手として見ていたときから、非常に安定してプレーできるということや、空中戦では絶対的なものを持っていることは分かっていますので、“普通に”プレーしてくれていると思います。厄介な守備ができる選手というよりは、とにかく落ち着いてプレーできる選手ですので、彼ならやってくれると思っています。菊地キャプテンもそうですが、高さでは本当にJ1クラスです。あそこでヘディングを決めることは、そう簡単にできることではないですし、技術的にも高いと思います。クロスを上げた渡部選手も、非常にいいタイミングと高さだったため、ああいったゴールが生まれたと思います。
Q.交代の意図を教えてください。
富山選手は何回もランニングをしてプレッシャーを掛けてくれていました。それを彼ができなくなったときに相手に攻められていたので、交代のタイミングは考えていましたが、彼のところでチャンスになってもいました。交代は、ランニングしてシュートを打てなかったときに判断しました。
渡邉選手を入れたのは、あそこにスペースがあると分かっていましたし、今日は流れの中で渡部選手のオーバーラップもあると思っていました。大剛はクロスがすごくいいですから、清水(慎太郎)選手も中にいますし、あそこから外に持っていくのではなく、中央から上げる場面があれば相手も嫌だろうと考えました。そこでセカンドボールを拾えればチャンスも生まれてきます。パスが横に流れて・流れてから大輔のクロスでは、クロスを上げるときには中で相手に待たれてしまうので、その前の段階で上げられればと思っていました。
交代の時間帯については、拮抗しているというよりは同点だったので、誰をどう動かして、どういう攻撃をしたいかと考えていました。ボランチにより前へ出る選手を入れるか、また、久しぶりの試合だった渡部選手のコンディションも考えながらでした。播戸選手は突っ込める選手ですので、クロスが上がってきていましたし、チャンスができつつあったから投入しました。