明治安田生命J2リーグ 第14節
2015.5.17 [SUN] 16:00
NACK
大宮
- 83' ムルジャ
1
-
1
0
前半
0
1
後半
1
磐田
- 73' ジェイ
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 13 渡部 大輔
DF 18 横山 知伸
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 5 カルリーニョス
MF 23 金澤 慎
MF 17 横谷 繁
81'
MF 39 泉澤 仁
FW 41 家長 昭博
FW 11 播戸 竜二
68'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 2 菊地 光将
DF 27 今井 智基
MF 15 大山 啓輔
MF 10 渡邉 大剛
81'
FW 8 ムルジャ
68'
FW 14 清水 慎太郎
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 21 カミンスキー
DF 25 櫻内 渚
DF 19 伊野波 雅彦
DF 33 藤田 義明
DF 5 駒野 友一
MF 7 上田 康太
54'
MF 13 宮崎 智彦
MF 9 太田 吉彰
84'
MF 4 小林 祐希
88'
MF 15 アダイウトン
FW 8 ジェイ
控えメンバー
GK 1 八田 直樹
DF 14 坪内 秀介
DF 35 森下 俊
MF 17 清水 貴文
84'
MF 22 松井 大輔
88'
MF 40 川辺 駿
54'
FW 34 中村 祐輝
監督
名波 浩
試合詳細
14 | シュート | 10 |
---|---|---|
10 | GK | 7 |
6 | CK | 4 |
15 | 直接FK | 11 |
4 | 間接FK | 6 |
1 | PK | 0 |
試合データ
主審
木村 博之
副審
田中 利幸
副審
山際 将史
第4の審判員
宇田 賢史
入場者数
13,285人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
28.2℃/34%
ムルジャの左ボレーで同点、熱気あふれる上位決戦は惜しくもドロー
勝てば首位が見える状況での上位対決は、勝点1を分け合う結果となった。濃厚な90分だった。5連戦を4勝1分で切り抜けて勝点を27に伸ばした大宮は、試合前の時点で4位。第14節は、勝点差1で首位に立つ磐田をホームに迎えて行われた。優勝を目指すチーム同士の大一番とあって、入場者数は、NACK5スタジアム大宮で行われた試合で歴代3位となる1万3285人を記録。会場は熱気に包まれていた。
ピッチでは、期待に違わぬ白熱した試合が繰り広げられた。立ち上がりは、磐田が勢いを見せた。テンポの良いパス回しからパワーと技術を兼ね備える長身FWジェイが脅威となり、次々にシュートを打たれた。しかし、金澤が「最近は前半だけ良いとか後半だけ良いという試合があり、90分トータルで戦おうと選手同士で事前に話していたので、動揺はなかった」と話したとおり、大宮はピンチをしのぎつつ、冷静に守備の対応と攻撃の構築を進めて徐々にペースをばん回。15分過ぎからは、攻勢に転じ、金澤や横谷のダイレクトミドルシュートなどで頻繁に相手ゴールへ迫った。
試合が動きを見せたのは、後半だった。依然として試合を優位に進めていたが、73分にセットプレーから先制点を奪われた。磐田の元日本代表DF駒野のキックにヘディングで合わせたのは、長身のジェイ。警戒していた相手にマークを振り切られてしまった。しかし、多くのファン・サポーターの後押しもあり、大宮は力強い反撃を見せた。終盤の81分に投入された渡邉がボールを持つと、渡部が追い越して攻撃を活性化。相手がサイドに釣られている間に、途中出場のムルジャが相手の背後へ飛び出す連係プレーが右サイドで機能した。「攻守の切り替えの早さでチャンスを作るのが、サイドバックの仕事。(今日は暑かったが)そういう日こそ相手よりも走ったらチャンスになる」と話した渡部が必死に走って上げたクロスを渡邉が右足でボレー。体勢が崩れた状態でうまくミートすることはできなかったが、ボールは、ムルジャの足下へ。得点に飢えていたストライカーは、すかさず左足のボレーでゴールへたたき込み、同点に追いついた。その後は、カウンターの応酬で両チームに決定機が生まれたが、ともに体を張ったプレーでゴールを死守。悔やまれるのは87分に家長が倒されて得たPKを失敗したことだ。ムルジャが左に蹴ったが、カルリーニョスの直接FKを好守でしのぐなど高いパフォーマンスを示していた磐田の守護神カミンスキーに止められてしまった。ムルジャは「同点のゴール自体はとても良かったが、その後の失敗が悔やまれる。もっと強く確実なシュートを打てば、相手のGKはより困難に陥ったはずだった」と唇をかんだ。
結果は、1-1の引分け。ホームで勝って首位を奪うことはできなかった。しかし「勝ちにこだわり過ぎて相手に勝点3を与えてしまったC大阪戦や千葉戦を考えると、負けなかったことは重要」(渡部)、「当然、勝ちたかったという思いはあるけど、1番大事なのは最終節を終えて首位に立っていること」(渡邉)と選手が話したように、首位に逃げ切らせなかったことの意味は大きい。今後も首位を追い続ける資格を得た一戦とも言える。7戦無敗。肩を落として勢いを止める必要は、ない。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
ピッチでは、期待に違わぬ白熱した試合が繰り広げられた。立ち上がりは、磐田が勢いを見せた。テンポの良いパス回しからパワーと技術を兼ね備える長身FWジェイが脅威となり、次々にシュートを打たれた。しかし、金澤が「最近は前半だけ良いとか後半だけ良いという試合があり、90分トータルで戦おうと選手同士で事前に話していたので、動揺はなかった」と話したとおり、大宮はピンチをしのぎつつ、冷静に守備の対応と攻撃の構築を進めて徐々にペースをばん回。15分過ぎからは、攻勢に転じ、金澤や横谷のダイレクトミドルシュートなどで頻繁に相手ゴールへ迫った。
試合が動きを見せたのは、後半だった。依然として試合を優位に進めていたが、73分にセットプレーから先制点を奪われた。磐田の元日本代表DF駒野のキックにヘディングで合わせたのは、長身のジェイ。警戒していた相手にマークを振り切られてしまった。しかし、多くのファン・サポーターの後押しもあり、大宮は力強い反撃を見せた。終盤の81分に投入された渡邉がボールを持つと、渡部が追い越して攻撃を活性化。相手がサイドに釣られている間に、途中出場のムルジャが相手の背後へ飛び出す連係プレーが右サイドで機能した。「攻守の切り替えの早さでチャンスを作るのが、サイドバックの仕事。(今日は暑かったが)そういう日こそ相手よりも走ったらチャンスになる」と話した渡部が必死に走って上げたクロスを渡邉が右足でボレー。体勢が崩れた状態でうまくミートすることはできなかったが、ボールは、ムルジャの足下へ。得点に飢えていたストライカーは、すかさず左足のボレーでゴールへたたき込み、同点に追いついた。その後は、カウンターの応酬で両チームに決定機が生まれたが、ともに体を張ったプレーでゴールを死守。悔やまれるのは87分に家長が倒されて得たPKを失敗したことだ。ムルジャが左に蹴ったが、カルリーニョスの直接FKを好守でしのぐなど高いパフォーマンスを示していた磐田の守護神カミンスキーに止められてしまった。ムルジャは「同点のゴール自体はとても良かったが、その後の失敗が悔やまれる。もっと強く確実なシュートを打てば、相手のGKはより困難に陥ったはずだった」と唇をかんだ。
結果は、1-1の引分け。ホームで勝って首位を奪うことはできなかった。しかし「勝ちにこだわり過ぎて相手に勝点3を与えてしまったC大阪戦や千葉戦を考えると、負けなかったことは重要」(渡部)、「当然、勝ちたかったという思いはあるけど、1番大事なのは最終節を終えて首位に立っていること」(渡邉)と選手が話したように、首位に逃げ切らせなかったことの意味は大きい。今後も首位を追い続ける資格を得た一戦とも言える。7戦無敗。肩を落として勢いを止める必要は、ない。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
FW 8 ムルジャ
我々の方が上回っていたと思います。アンラッキーな形で失点しましたが、同点にすることができました。しかし、勝利する時間があった中で、自分がPKを外してしまったことが悔やまれます。今シーズンは不運なケガもありましたが、これからは連続して試合に出て、チームに貢献していきたいと思います。
FW 11 播戸 竜二
今日は多くのお客さんが入ってくれ、非常に良い雰囲気でプレーできました。前半は守備の時間が長かったですが、それでも自分たちの形を作れていました。ボールをキープして勝てるチャンスもありましたし、今までやってきたことの積み上げができているので、自信を持っていきたいです。次の試合に向け、自分のやるべきことをしっかりとやって結果を出したいと思います。
MF 18 横山 知伸
ジェイは体が強かったですが胸で止めることが多かったので、トラップした後を狙っていました。失点シーンは悔いが残ります。もう少し強くいけば良かったです。今日はムルジャが同点ゴールを決めてくれて彼に救われたし、自分も彼のようにチームを救える存在になりたいです。今日は勝ちきれませんでしたがホームで負けてないことをポジティブに捉えて次の試合に臨みたいと思います。
MF 41 家長 昭博
勝ちきれなかったのでとても残念です。中央でプレーすることでボールに多く絡むことができましたし、相手のディフェンスラインが高かったので裏に抜けてボールを受けることも狙っていました。最後の10分が勝負どころだったと思います。ディフェンス陣が頑張ってくれていますし、自分は結果を出せていないので結果を出さないといけないと思っています。
Q.まだまだと感じたのは、どの部分でしょうか。
やはり1点を取られていますし、我々は1点しか取ることができませんでした。そういった1つのシュートやパスを極め、精度を上げていくことが大切だと思います。
Q.試合を通じて、インテンシティ(※)を保てたことの評価をお願いします。
選手たちは、ボールを回すときの立ち位置をしっかりと取り、自信を持って判断し、プレーしてくれました。ボールを失ってカウンターを受けもしましたが、磐田さんがスピードダウンしてくれて助かった場面もありました。また、前半10分くらいまでに失点してもおかしくない場面もありましたし、それほど主導権を握っていたとは思いません。私自身は、後半の方がボールを動かせたと感じています。普通は先に点を取られてしまうと、焦って攻めてしまったり、プレーが雑になったりしてしまうのですが、選手たちはしっかりとゲームをコントロールして攻撃の形を作ってくれました。
※注:プレーの強度、激しさの度合いのこと
Q.播戸選手と家長選手の得点力について。また、ムルジャ選手を途中から出すことの狙いを教えてください。
プロフェッショナルである以上、しっかりとした競争が必要です。前の群馬戦と北九州戦を良い形で終えていますので、良いプレーをしている選手を起用しました。ムルジャ選手は少し試合から離れたこともあり、もう少ししたらよりフィットしてくると思います。トレーニングを通じてアタッキングエリアでの立ち位置などを詰めていますので、周りの選手たちとのプレーの距離が離れてしまうこともあります。チームとして、その精度をもう少し高められないと、アタッキングエリアでの優位性が保てないと思いますので、もう1週間、もう1週間と積み上げていきたいと思います。確かにFW陣が得点を取れていませんが、得点を取るための最後の局面については、これからもっと詰めていければと思います。ここまでは、後ろでボールを回しながら意図的に相手を食いつかせてギャップを突く、ということを中心にやってきましたので、今後は得点を取る最後の部分を詰めていきたいと思います。