明治安田生命J2リーグ 第22節
2015.7.8 [WED] 19:00
札幌ド
札幌
- 14' 古田 寛幸
- 23' 前 寛之
2
-
3
2
前半
1
0
後半
2
大宮
- 42' 家長 昭博
- 60' 横谷 繁
- 75' 和田 拓也
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 25 ク ソンユン
DF 6 前 貴之
DF 5 櫛引 一紀
DF 24 福森 晃斗
MF 38 前 寛之
MF 18 深井 一希
41'
MF 10 宮澤 裕樹
MF 31 堀米 悠斗
FW 15 古田 寛幸
80'
FW 27 荒野 拓馬
FW 13 内村 圭宏
61'
控えメンバー
GK 1 金山 隼樹
DF 14 上原 慎也
MF 20 上里 一将
41'
MF 22 神田 夢実
MF 28 菊岡 拓朗
61'
MF 32 中原 彰吾
MF 44 小野 伸二
80'
監督
バルバリッチ
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 13 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
18'
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 18 横山 知伸
MF 5 カルリーニョス
MF 17 横谷 繁
86'
MF 14 清水 慎太郎
FW 41 家長 昭博
FW 11 播戸 竜二
61'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 28 福田 俊介
MF 20 大屋 翼
86'
MF 23 金澤 慎
18'
MF 10 渡邉 大剛
MF 39 泉澤 仁
61'
FW 9 富山 貴光
監督
渋谷 洋樹
試合詳細
12 | シュート | 13 |
---|---|---|
8 | GK | 9 |
2 | CK | 7 |
12 | 直接FK | 14 |
2 | 間接FK | 1 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
野田 祐樹
副審
穴井 千雅
副審
堀越 雅弘
第4の審判員
長谷 拓
入場者数
9,140人
天候
屋内、無風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
23.2℃/47%
和田のプロ初ゴールが決勝点、2点差から大逆転!
2点差からの大逆転は、勝点を積み重ねながら磨いてきた修正力の賜物だ。シーズン後半のスタートとなるアウェイでの札幌戦は、前節の長崎戦から中3日、さらに長距離の移動を伴い、コンディション調整の難しい一戦だった。試合開始早々、左CKから播戸のバックヘッド、さらに家長のボレーと立て続けにシュートを放って上々の出だしに見えたが、先に勢いに乗ったのは、この場面をGKク・ソンユンの連続ファインプレーでしのいだ札幌だった。14分、相手の左サイドからゴール前にパスを入れられると、キープした宮澤のスルーパスに古田が走り込んで先制ゴールを許す。序盤に河本が頭部を負傷、18分には主将の菊地が負傷を訴えて金澤と交代するアクシデントもあり、なかなか波に乗れなかった。23分には相手の左クロスからダイビングヘッドで追加点を奪われた。3バックの外にウイングバックを配置した相手に数的優位を作られ、サイドの攻防で後手を踏むパターンが多かった印象だ。
しかし、チームはピッチの上で修正に取り掛かっていた。ボランチで先発し、菊地の交代以降はセンターバックでプレーした横山は、守備の修正点を次のように説明する。「鶏が先か、卵が先かみたいな話だけど、最初はFWが前からプレスを掛けにいこうとしていたのに、DFは前でプレスが掛からないから下がるという感じで、バランスが取れていなかった。でも、失点してしまって、このままではいけないと前からコースを限定し、後ろも少し位置を押し上げるように統一した。それで相手のセンターバックにプレッシャーを掛けられるようになって、攻撃も良くなった」。攻撃では形を極端に変えるわけではなく、ボールを動かす得意の形を継続して試合を好転させていった。
2試合連続で左MFとして先発した清水慎は、「サイドの守備が難しかったけど、途中から前に行って良いと言われてハッキリした」と迷いを振り切っていた。すると前半終了間際の42分、カルリーニョスからパスを受けて前を向いてドリブルで縦に突破。左足でクロスを上げると、播戸の背後からゴール前に侵入した家長が、飛び込みながらヘディングシュートを決めて1点を返した。60分には、横谷が2試合連続のゴールを決めて同点に追い付く。渡部の縦パスを受けて前を向いた横谷はドリブルで前進。「クロスで折り返す余裕がなくて、あれしかなかった。でも、前半は打てそうな場面でパスかどうか迷い、その瞬間に相手に詰められて打てなかったので、打ちにいった」というシュートは、相手GKが構えた手元に飛んだが、股下をすり抜けてゴール。幸運だったが、前半に足りなかった積極性を見せた結果の得点だった。
さらに、途中出場の泉澤がキレのあるドリブルで左サイドをかき回して攻撃を加速させた。75分、泉澤のドリブル突破からマイナス気味の横パスが入り、家長がバイタルエリア内でダイレクトパスを送ると、後ろから走り込んだ和田が右足でファーサイドへのシュートを決めて、ついに逆転に成功した。和田はプロ7年目で初ゴール。「長く掛かってしまったので、ちょっと恥ずかしかった。喜ぶというか、どうしていいか分からなかった」と照れ笑いを浮かべたが、この一発が価値ある決勝点となった。厳しい連戦を連勝で乗り切り、和田は「7月、8月は試合が多い。ここを乗り切れれば優勝が見えてくると思う」と今後の展望を語った。厳しい試合ではあったが、首位の座は渡さないというチームの意地が感じられる逆転劇だった。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
しかし、チームはピッチの上で修正に取り掛かっていた。ボランチで先発し、菊地の交代以降はセンターバックでプレーした横山は、守備の修正点を次のように説明する。「鶏が先か、卵が先かみたいな話だけど、最初はFWが前からプレスを掛けにいこうとしていたのに、DFは前でプレスが掛からないから下がるという感じで、バランスが取れていなかった。でも、失点してしまって、このままではいけないと前からコースを限定し、後ろも少し位置を押し上げるように統一した。それで相手のセンターバックにプレッシャーを掛けられるようになって、攻撃も良くなった」。攻撃では形を極端に変えるわけではなく、ボールを動かす得意の形を継続して試合を好転させていった。
2試合連続で左MFとして先発した清水慎は、「サイドの守備が難しかったけど、途中から前に行って良いと言われてハッキリした」と迷いを振り切っていた。すると前半終了間際の42分、カルリーニョスからパスを受けて前を向いてドリブルで縦に突破。左足でクロスを上げると、播戸の背後からゴール前に侵入した家長が、飛び込みながらヘディングシュートを決めて1点を返した。60分には、横谷が2試合連続のゴールを決めて同点に追い付く。渡部の縦パスを受けて前を向いた横谷はドリブルで前進。「クロスで折り返す余裕がなくて、あれしかなかった。でも、前半は打てそうな場面でパスかどうか迷い、その瞬間に相手に詰められて打てなかったので、打ちにいった」というシュートは、相手GKが構えた手元に飛んだが、股下をすり抜けてゴール。幸運だったが、前半に足りなかった積極性を見せた結果の得点だった。
さらに、途中出場の泉澤がキレのあるドリブルで左サイドをかき回して攻撃を加速させた。75分、泉澤のドリブル突破からマイナス気味の横パスが入り、家長がバイタルエリア内でダイレクトパスを送ると、後ろから走り込んだ和田が右足でファーサイドへのシュートを決めて、ついに逆転に成功した。和田はプロ7年目で初ゴール。「長く掛かってしまったので、ちょっと恥ずかしかった。喜ぶというか、どうしていいか分からなかった」と照れ笑いを浮かべたが、この一発が価値ある決勝点となった。厳しい連戦を連勝で乗り切り、和田は「7月、8月は試合が多い。ここを乗り切れれば優勝が見えてくると思う」と今後の展望を語った。厳しい試合ではあったが、首位の座は渡さないというチームの意地が感じられる逆転劇だった。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
FW 14 清水 慎太郎
0-2になってからは、まず1点を返すことだけを考えてプレーしていました。前半は札幌のプレスが良かったですが、前半の内に1点返せたことが大きかったと思います。今日は失点にも絡んでしまいましたが、みんなの声で切り替えることができました。次は古巣の岡山戦ですが、アウェイではスコアレスドローだったので絶対に勝ちたいです。勝つことが恩返しになると思っています。
MF 23 金澤 慎
試合序盤はバタバタとしてしまいましたが、勝てて良かったです。0-2になっても誰も諦めていなかったし、その気持ちが逆転につながったと思います。時間が経つにつれて相手ボールを回収できるようになったし、自分たちに流れがきたところで同点に追いつけたことが大きかったと思います。みんなでたぐり寄せた、みんなが頑張ったから手にした勝点3だと思います。
MF 41 家長 昭博
前半はミスが多かったし、ボールロストも多く、あまり良い出来とは言えませんでした。札幌はかなり厳しくディフェンスをしてきていましたが、それが90分間続くことはないし、どこかでチャンスが来ると思っていました。後半は相手の運動量が減ったと思います。(決勝ゴールのシーンは)リターンをもらうこともイメージしてパスを出しましたが、和田選手のシュートが上手かったです。
札幌さんは平均年齢22歳強と非常に若いメンバーで、本当にアグレッシブで素晴らしいゲームをしてきました。我々も相手に対して構えるのではなく、自分たちから動き出して戦おうと伝えてはいましたが、最初は相手のパワーに押されてしまいました。バックラインが下がったり、中盤でプレスに行けなかったりと守備面で構えてしまったために、ああいった形で失点してしまったのではないかと思います。次の試合までも中3日しかないですが、そこはしっかりと修正したいと思います。
ただ、攻撃に関しては2失点する前も後もチャンスを作っていましたし、前半終了間際にクロスから得点したことによって息を吹き返すことができました。そして後半は、我々がもらったスペースをしっかりと使って、相手を引き出すプレーができました。普段のトレーニングでやっていることを選手たちが実践してくれ、非常にうれしく思います。空いているスペースを見付けてプレーするという、サッカーにおいて一番大切なことを選手たちはピッチで感じ取ってくれ、最後は相手を仕留めることができました。
今日は後半戦の1試合目です。今後は全チーム1回ずつしか対戦しませんから、1試合1試合をトーナメントだと思って集中して戦っていきたいと思います。選手たちが最後まで粘り強く戦ってくれていることは本当にうれしく思いますし、見ている方が感動するようなプレーをしてくれという私の要求にこたえてくれています。また中3日間しかありませんが、次の岡山戦に向けて頑張っていきたいと思います。
Q.選手交代によってシステムを少し変えましたが、その意図を教えてください。
決定的な仕事のできる小野伸二選手を抑えなくてはいけないと思いました。実際に4−1−4−1システムで守備のトレーニングをする時間はありませんでしたが、私のイメージは選手たちに伝えていましたので、選手たちがそれを実践してくれました。特に、交代出場した大屋選手は積極的にボールを取りにいってくれましたし、引いて守備をするのではなく、自分たちからボールを奪いにいく戦いができたと思います。最後に1度、小野選手にシュートを打たれてしまいましたが、システム変更にも迷わずプレーできた選手たちは素晴らしいと思います。
Q.前回の対戦では、相手選手の退場で数的有利になりながら勝ち切ることができませんでした。それに対して今日は2点ビハインドからの逆転。この3ヶ月で、どのような点が成長したのでしょうか。
今日の後半は札幌さんの1点リードで始まりました。その状況で相手が前掛かりになることはあまりありません。札幌さんが前からプレスに来るのではなく引いて守る形になったことで、我々の後ろの選手にプレッシャーが掛からなくなりました。そのため、彼らが狙ってパスを出せるゆとりが生まれたことはポイントだと思います。この3ヶ月で何かが大きく変わったというよりは、選手同士の距離感が良くなったり、お互いのプレースタイルを理解できたため他の選手の動きを感じ取る力が上がったりと、そういった部分だと思います。シーズン序盤は少しボヤッとしたイメージでプレーしていましたが、ある程度トレーニングを積み重ねたことで、『こういった状況なら、こうなるのでは』と、選手たちが少しずつ理解を深めたことが一番大きな要因だと思います。ただ、2失点してしまったことは立て直さなくてはいけません。この3日間で守備のところをしっかりとトレーニングしたいと思います。