明治安田生命J2リーグ 第27節
2015.8.1 [SAT] 18:00
本城
北九州
- 36' 井上 翔太
1
-
2
1
前半
2
0
後半
0
大宮
- 13' 家長 昭博
- 34' ムルジャ
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 阿部 伸行
DF 3 星原 健太
DF 5 前田 和哉
DF 6 西嶋 弘之
DF 19 川島 大地
MF 7 風間 宏希
MF 8 八角 剛史
MF 10 小手川 宏基
MF 11 井上 翔太
79'
FW 9 原 一樹
67'
FW 25 小松 塁
75'
控えメンバー
GK 21 鈴木 彩貴
DF 2 宮本 亨
DF 13 多田 高行
MF 24 新井 純平
FW 14 渡 大生
67'
FW 15 大島 秀夫
75'
FW 28 大塚 翔平
79'
監督
柱谷 幸一
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 34 片岡 洋介
DF 28 福田 俊介
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 18 横山 知伸
MF 23 金澤 慎
75'
MF 17 横谷 繁
MF 39 泉澤 仁
90+3'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ムルジャ
90+1'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 22 和田 拓也
DF 24 高瀬 優孝
MF 15 大山 啓輔
75'
MF 10 渡邉 大剛
90+3'
FW 9 富山 貴光
FW 14 清水 慎太郎
90+1'
監督
渋谷 洋樹
試合詳細
5 | シュート | 13 |
---|---|---|
9 | GK | 8 |
5 | CK | 3 |
6 | 直接FK | 5 |
1 | 間接FK | 3 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
山本 雄大
副審
手塚 洋
副審
聳城 巧
第4の審判員
三原 純
入場者数
2,617人
天候
晴、中風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
27.1℃/86%
最後までタフに戦い抜き、アウェイで7連勝を飾る
苦しい勝利だった。後半は自陣深くに押し込まれる時間帯が続き、何とか耐え抜いて勝点3を手に入れた。渋谷監督が掲げた「一度勝利している相手には前回を上回る力を示して勝つ」という課題は、この日に限ってはクリアすることができなかった。ただし、苦しみながらつかんだ勝点3の価値は大きい。7月4日からの連勝記録は7に伸びたばかりか、5月9日からのアウェイ8連勝はJ2リーグのタイ記録。選手たちは勝利という結果を糧に、さらに自信を深めたはずである。
立ち上がりはアルディージャのペースで進んだ。最終ラインから確実にボールをつなぎ、ゴール近くでは細かいパスワークとコンビネーションで打開を試みた。特に左サイドで横山、泉澤、家長の3人が絡む崩しが効果的で、試合開始早々から幾度となくゴールを脅かすシーンが見られた。人数を割いて守備を固めてきた北九州に対し、アルディージャはピッチの横幅を使って揺さぶり続ける。すると12分、貴重な先制点が生まれた。左サイドでパスを受けた家長が、相手のプレスが甘いと判断するや一気に加速。スピードに乗ったドリブルからの右足つま先でのシュートはポストをたたいたが、こぼれ球を拾った片岡が狙い済ましたクロスを送り、家長が頭で合わせてネットを揺らした。
先制した試合の勝率が100%のアルディージャは、早い時間帯での先制点で完全にゲームを支配した。19分に相手のクリアボールに反応した泉澤がボレーで狙い、30分にも泉澤がやや遠い位置から積極的に2点目を狙う。相手にボールを持たれる時間帯もあったが、慌てず対応することでピンチには至らなかった。34分の追加点はセットプレーから。鋭い出足で相手ボールを奪った片岡がスローインを得て、自ら縦へ。ヒールでうまくボールを浮かして相手を抜いた横谷がクロスを入れると、待ち構えていたムルジャが右足ボレーで追加点につなげた。2分後、原のロングスローのこぼれ球を井上に決められて1点差となったが、流れを譲らずハーフタイムを迎えた。
後半開始直後、泉澤にビッグチャンスが訪れる。サイドライン際からの片岡のクロスに反応した渾身のダイビングヘッドはGK阿部の好守に阻まれたが、「0−0のつもりで後半に入ること」という渋谷監督の指示を体現するプレーだった。ところが、その後は防戦一方の展開に。「前半はイメージどおりに試合を進められたが、後半は相手に合わせてしまった。手を抜くことなく、90分を通して戦えるようにならないといけない」とは家長の分析だ。コンパクトな陣形が崩れ、最終ラインと前線の距離が遠くなってしまう。ルーズボールを拾うことができず、ボールを失って逆襲を食らうシーンが繰り返された。中央を突破され、サイドを切り裂かれ、際どいクロスを何本も放り込まれた。公式記録では後半の北九州のシュート数は3本だが、ワンサイドと表現してもおかしくないほど劣勢だった。
それでも、アルディージャの選手たちは耐えた。暑さがあり、連戦の疲労もあったに違いない。しかし、誰もが最後まで体を張ることを止めなかった。後半から出場した大山は懸命にボールを追い、何度かわされても相手に食らいつき、スライディングでボールを奪った。試合後は止まらない汗をぬぐいながら「ボールの取りどころがなく、結構厳しい展開でした。だけど、一度取りに行ってかわされたら、もう一度取りに行く覚悟でプレーしていました。もっとパスを配給できれば良かったですが、今日は守備に専念することが自分の役割だと割り切っていました。内容は良くありませんでしたが、結果的に勝てたことが大きかったと思います」と、安堵の表情を見せた。
体を張った守備と積極的な飛び出しでゴールを守った加藤は「こんな試合もある」と振り返りながら、「北九州のコンビネーションが良く、最終ラインを上げられませんでした。耐える時間が続き、相手には高さのあるFWもいましたが、クロスに対しては自信を持って飛び出せました。もっといい守り方もあったと思いますが、勝って課題を見つけることができました。また、これまでの出来過ぎと言える試合と違って、1点を争う展開で勝てたことにも意味があると思います」と手応えを口にした。
「これまでにも苦しい戦いはありましたが、選手たちは本当にタフに戦い、勝点3を手に入れました。意味のある1勝だったと思います」と振り返ったのは渋谷監督だ。酷暑と疲労の中、本来のパフォーマンスとはほど遠い内容ながらも勝点3を手にしたアルディージャの選手たちは、また1つたくましさを増して、次なる戦いに向かう。
(総評:粕川哲男/写真:山田勉)
立ち上がりはアルディージャのペースで進んだ。最終ラインから確実にボールをつなぎ、ゴール近くでは細かいパスワークとコンビネーションで打開を試みた。特に左サイドで横山、泉澤、家長の3人が絡む崩しが効果的で、試合開始早々から幾度となくゴールを脅かすシーンが見られた。人数を割いて守備を固めてきた北九州に対し、アルディージャはピッチの横幅を使って揺さぶり続ける。すると12分、貴重な先制点が生まれた。左サイドでパスを受けた家長が、相手のプレスが甘いと判断するや一気に加速。スピードに乗ったドリブルからの右足つま先でのシュートはポストをたたいたが、こぼれ球を拾った片岡が狙い済ましたクロスを送り、家長が頭で合わせてネットを揺らした。
先制した試合の勝率が100%のアルディージャは、早い時間帯での先制点で完全にゲームを支配した。19分に相手のクリアボールに反応した泉澤がボレーで狙い、30分にも泉澤がやや遠い位置から積極的に2点目を狙う。相手にボールを持たれる時間帯もあったが、慌てず対応することでピンチには至らなかった。34分の追加点はセットプレーから。鋭い出足で相手ボールを奪った片岡がスローインを得て、自ら縦へ。ヒールでうまくボールを浮かして相手を抜いた横谷がクロスを入れると、待ち構えていたムルジャが右足ボレーで追加点につなげた。2分後、原のロングスローのこぼれ球を井上に決められて1点差となったが、流れを譲らずハーフタイムを迎えた。
後半開始直後、泉澤にビッグチャンスが訪れる。サイドライン際からの片岡のクロスに反応した渾身のダイビングヘッドはGK阿部の好守に阻まれたが、「0−0のつもりで後半に入ること」という渋谷監督の指示を体現するプレーだった。ところが、その後は防戦一方の展開に。「前半はイメージどおりに試合を進められたが、後半は相手に合わせてしまった。手を抜くことなく、90分を通して戦えるようにならないといけない」とは家長の分析だ。コンパクトな陣形が崩れ、最終ラインと前線の距離が遠くなってしまう。ルーズボールを拾うことができず、ボールを失って逆襲を食らうシーンが繰り返された。中央を突破され、サイドを切り裂かれ、際どいクロスを何本も放り込まれた。公式記録では後半の北九州のシュート数は3本だが、ワンサイドと表現してもおかしくないほど劣勢だった。
それでも、アルディージャの選手たちは耐えた。暑さがあり、連戦の疲労もあったに違いない。しかし、誰もが最後まで体を張ることを止めなかった。後半から出場した大山は懸命にボールを追い、何度かわされても相手に食らいつき、スライディングでボールを奪った。試合後は止まらない汗をぬぐいながら「ボールの取りどころがなく、結構厳しい展開でした。だけど、一度取りに行ってかわされたら、もう一度取りに行く覚悟でプレーしていました。もっとパスを配給できれば良かったですが、今日は守備に専念することが自分の役割だと割り切っていました。内容は良くありませんでしたが、結果的に勝てたことが大きかったと思います」と、安堵の表情を見せた。
体を張った守備と積極的な飛び出しでゴールを守った加藤は「こんな試合もある」と振り返りながら、「北九州のコンビネーションが良く、最終ラインを上げられませんでした。耐える時間が続き、相手には高さのあるFWもいましたが、クロスに対しては自信を持って飛び出せました。もっといい守り方もあったと思いますが、勝って課題を見つけることができました。また、これまでの出来過ぎと言える試合と違って、1点を争う展開で勝てたことにも意味があると思います」と手応えを口にした。
「これまでにも苦しい戦いはありましたが、選手たちは本当にタフに戦い、勝点3を手に入れました。意味のある1勝だったと思います」と振り返ったのは渋谷監督だ。酷暑と疲労の中、本来のパフォーマンスとはほど遠い内容ながらも勝点3を手にしたアルディージャの選手たちは、また1つたくましさを増して、次なる戦いに向かう。
(総評:粕川哲男/写真:山田勉)
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選手コメント
FW 8 ムルジャ
二桁得点に達しましたが、大切なのは自分の記録ではなくチームが勝つことです。(得点シーンでは)シゲルが良いセンタリングを送ってくれました。素晴らしいボールがきたので、ボールをしっかりミートすることだけを考えて打ちました。大宮サポーターの皆さんが応援してくれている姿が目に入ると力が湧きます。次はホームですので、さらにたくさんの皆さんで応援に来てください。
DF 20 大屋 翼
とても疲れました。連戦ということもありましたし、地方の陸上競技場が持つ独特の雰囲気があり難しい試合でした。早い時間帯に得点を奪えて良かったですが、後半に押し込まれるシーンが増えてしまったのは課題です。ボールを奪った後に、すぐに失うシーンが多かったので、遅攻と速攻の判断をしっかりして、修正したいと思います。どこまでいけるか、連勝にチャレンジしたいです。
DF 28 福田 俊介
前半は良かったと思いますが、後半はボールロストからピンチを招いてしまいました。競り合いの後のセカンドボールを拾うことが大切ですので修正していきたいと思います。今日は相手に助けられた部分もあったと思いますが、勝点3を取れたことをプラスに考えたいです。暑い中での試合ではサポーターの皆さんの声援が選手の力になりますので、次のホームもいつものような力強い声援をお願いします。
我々と北九州さんは守備に関して同じようなイメージを持っているチームですが、攻撃では1点目、2点目ともに良い形でした。しかし途中からボールロストの仕方が悪くなり、ゲームのリズムを崩してしまいました。そして2点目を取った後で、すぐに相手の強みであるロングスローから失点。本来であれば、我々が3点目を取らなければいけませんでしたが、あれで北九州さんが勢い付き、後半は耐えなければいけない時間が長くなってしまいました。今後は修正していかなくてはいけない点だと思います。
ただ、選手たちは失点した教訓をすぐに生かし、組織で守るだけでなく、個人で最後まで体を張るなどして粘り強く戦ってくれました。体の寄せ方やプレッシャーの掛け方などは普段のトレーニングから積み重ねていて、実際に失点の少なさにつながっています。選手たちには非常に感謝していますし、今後も続けていかなければいけないと思います。攻撃面では、もっと選手の立ち位置をはっきりさせていきたいと思います。そこをしっかりとやれば相手の守備網を崩していけるのですが、今日は少しずつズレがあったり、距離が短かったり長かったりという場面があったので、そこをもっともっと突き詰めていきたいと思います。
7月を6戦全勝という良い形で終わって8月に入り、選手たちは『ここから、もう1回』という気持ちで臨んでくれています。前回の対戦を上回る戦いをしようという狙いの中、前回2-0で勝った北九州さんに対して今回は2-1で、攻められている回数も前回より多かったと思いますので、次のホームゲームに向けて全員で一週間、良い準備をしていきたいと思います。
Q.後半、攻撃におけるハードワークが減ってしまったように見えましたが、その要因について教えてください。
ボランチをうまく経由できなかったからだと思います。ボランチを使って1度、相手の守備を食い付かせてから背後を取りたかったのですが、ボランチを経由しないと相手の守備が整った状態で前線にボールが入ることになり、前の4人だけで攻めるような場面が増えてしまいました。ただ、それでも良い形で前線にボールが入り、得点チャンスが作れてもいたので、あとはそれが得点になるかならないかだと思います。後半が始まってすぐの泉澤選手のヘディングが決まっていれば、ゲームが決まっていたかもしれません。今後は、そういった決着を付ける意識を高く持たせるようにしたいですし、得点というシビアな部分の精度を上げられるようにしたいと思います。
Q.今日は後半にかなり押し込まれた中で、耐えて得た勝利でした。これまでの勝ちとは違う意味があるのでしょうか。
今日だけでなく、後半に押され気味になるというか、引き気味になってピンチを迎えてしまう試合はありましたし、選手たちにも『こういうゲームはある』と伝えました。42試合の中で今日のようなゲームで勝利を得たというのは、選手たちが普段からしっかりとトレーニングをしてくれ、最後まで粘り強く戦ってくれているからです。負けている相手がリスクを負って攻めてきたときに、それでもパスをつないで点を取っていくのが理想ですが、選手たちは本当にタフに戦って勝点3を得てくれました。カウンターで追加点を取ってくれれば、さらに良いゲームだったと思います。この1勝は非常に大きな1勝ですし、これを続けていきたいと思います。