明治安田生命J2リーグ 第38節
2015.10.25 [SUN] 13:00 西京極

京都

  • 8' 山瀬 功治
  • 55' 伊藤 優汰
2 - 2
1 前半 1
1 後半 1

大宮

  • 26' ムルジャ
  • 65' 家長 昭博
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 清水 圭介
DF 2 菅沼 駿哉
DF 20 バヤリッツァ
DF 26 下畠 翔吾
DF 30 石櫃 洋祐
MF 5 金 南一
MF 7 駒井 善成
MF 11 伊藤 優汰
MF 14 山瀬 功治
90'
FW 13 宮吉 拓実
77'
FW 17 有田 光希
70'

控えメンバー

GK 33 山田 元気
DF 22 磐瀬 剛
DF 24 内田 恭兵
MF 10 原川 力
77'
MF 19 田森 大己
90'
MF 36 荻野 広大
FW 31 大黒 将志
70'

監督

石丸 清隆

スターティングメンバー

GK 1 加藤 順大
DF 34 片岡 洋介
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 5 カルリーニョス
90+1'
MF 18 横山 知伸
MF 17 横谷 繁
63'
MF 39 泉澤 仁
77'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ムルジャ

控えメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 28 福田 俊介
DF 13 渡部 大輔
MF 20 大屋 翼
77'
MF 10 渡邉 大剛
63'
FW 9 富山 貴光
FW 11 播戸 竜二
90+1'

監督

渋谷 洋樹
試合詳細
14 シュート 6
11 GK 13
10 CK 3
8 直接FK 8
5 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

福島 孝一郎

副審

越智 新次

副審

林 可人

第4の審判員

大原 謙哉

入場者数

9,380人

天候

晴、強風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

18.4℃/22%
引分けで連敗ストップ、ムルジャと家長のゴールで2度追いつく
連敗を止めることはできたが、試合後の選手に安堵の表情はなかった。明治安田生命J2第38節は、アウェイでの京都戦。首位を堅持しているものの2連敗中であり、直近9試合で2勝2分け5敗とシーズン終盤で苦しんでいるだけに、停滞感を吹き飛ばす勝利が欲しい状況でキックオフを迎えた。

ところが、立ち上がりは最悪と言っても良い内容だった。向かい風で迎えた8分、相手のコーナーキックをはね返して攻撃に転じようとしたところでボールを奪われる。マークが乱れている状況で自陣右サイドからクロスを入れられると、逆サイドでフリーになっていた山瀬にボレーシュートを決められ、あっさりと先制を許してしまった。その後も風上の京都が何度も連続でコーナーキックを得る展開が続いた。15分、こぼれ球をシュートされた場面は片岡が必死にクリア。24分には、コーナーキックから直接クロスバーをたたくボールを入れられて冷や汗をかいた。河本は「相手がこちらの背後をどんどん狙って来るのは分かっていたし、注意はしていたけど、1つ簡単にやられて押し込まれてしまった」と、難しい時間を振り返った。

それでも、風下で対処が難しい中どうにか追加点を与えずに耐え、チャンスを引き寄せた。26分に右サイドから攻め込むと、家長が中央へ戻したパスをカルリーニョスがピックアップ。前を見るやいなや、浮き球のパスを右前方へ送り込んだ。中央から抜け出した泉澤を越えたボールの先に現れたのは、背番号8だった。右サイドから抜け出したムルジャが鋭角から強烈なハーフボレー。見事にゴールネットを揺らした。得点後は先日、子宝に恵まれた小川トレーナーのために、みんなでゆりかごダンスを披露した。同点に追いついたことで勢いを取り戻し、逆風を巧みに利用して相手の守備ラインの裏を何度も急襲。横山や泉澤の浮き球のパスでムルジャが抜け出すシーンが増えた。

風上になった後半は、ボール支配率を高めて敵陣に押し込むことに成功。ところが55分、ハーフウェーライン手前で横谷がファウルの判定を受けた際、相手のクイックリスタートで不意を突かれた。縦パスへの対応が遅れて右サイドを突破されると、低いクロスボールに対して飛び込んで来た相手を捕まえることができず、ゴールを奪われた。またもセットプレーの流れからリードを奪われる展開になったが、オレンジ軍団の闘志が衰えることはなかった。

65分、投入されたばかりの渡邉が蹴った右コーナーキックがファーに流れると、家長が相手に囲まれながらもトゥーキックでゴールへ突き刺して再び同点。しかし、その後は全体が間延びしてしまい、相手攻撃陣の個人の突破力によって危機にさらされ、攻撃はカウンター頼みとなって精度を欠いた。渡邉は「最後は攻撃よりも守備がうまくいかなくて、前でプレッシャーが掛からず、プレッシャーに行けばかわされる、行かなければ前に蹴られるという中途半端な対応になり、ゴール前ではね返すばかりになった。ああいう苦しい時間帯に、もう一度みんなで守備をやらないといけないと思う」と、勢いを保てなかった要因を振り返った。終盤はカウンターの打ち合いとなったがゴールは生まれず、そのまま2-2の引分けに終わった。

ひとまず連敗を止められたことは良かったが、河本が「失点の仕方がもったいない。もう少し、しっかり守れれば良かった。攻撃面では2点取ってくれているので、失点はゼロに押さえなければいけなかった」と悔しがったように、力を発揮し切れていない内容は気掛かりだ。ハーフタイムには、渋谷監督が「決めるところ、守るところの“キワ”の部分をこだわっていこう」と指示を送ったが、まさに残り4試合で見せるべきポイントにも当てはまる部分だ。次節はホームでの長崎戦。今度こそ5試合ぶりとなる勝利を飾りたい。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
我々のバスがスタジアムに入るとき、そして選手がロッカールームに入るときに、多くのファン・サポーターの皆さんが応援歌を歌ってくれました。また、アップのときもずっと我々の背中を押してくれる声を出し続けてくださいました。さいたま市内でもパブリックビューリングがあったと聞いていますが、今日ここに来てくださった800人以上の方々や、いろいろな形で応援してくださった方々に対し、勝利を届けられなかったことを本当に申し訳なく思います。負けた試合はもちろんですが、今日の引分けも非常に悔しい試合の1つです。

ゲーム内容に関しては前半、我々は風下だったため、ある程度は相手に攻められるだろうし、多少はセットプレーもあるだろうと考えていました。そんな中、1本目のコーナーキックの流れから失点してしまいました。3試合連続して似たような形での失点ですが、もちろん意識はしていましたし、昨日のトレーニングでも声を掛け合いながら取り組んでいました。それにもかかわらず失点してしまったので、もう一度しっかりと修正していかなければならないと思います。ただ、立ち上がりからボールをしっかりと動かし、相手の背後のスペースへボールを入れてシュートまで持っていくことができました。ムルジャ選手が点を取ってからもビッグチャンスがいくつかありましたし、そこで追加点を取れなかったことが、最近のこういった結果につながっているのかと思います。

後半は、相手の素晴らしい攻撃にサイドを崩されて失点してしましたが、逆にセットプレーから得点を返すことができました。今日のゲームは両チームとも同じような形からの得点でしたが、この勝点1を必ずやJ1復帰やJ2優勝につなげたいと思います。先日の磐田戦でもお話ししましたが、この勝点1が価値あるものにしたいですし、価値あるものになるように次のゲームに向けてやっていきたいと思います。後半もサイドの幅を使った攻撃ができましたが、9枚で固めた相手の守備を打ち破るためには、パスのテンポとタイミングがあまり合いませんでした。もっとサイドから攻撃できたと思いますが、あまりいけなかったので改善していきたいと思います。これからは本当にラスト、ホーム2試合とアウェイ2試合のみですが一試合一試合、目の前の相手に向かってしっかりと準備することを今年1年やってきましたので、我々の目標を達成できるように次に向かっていきたいと思います。

Q.2失点目の要因をどう考えますか?また、大屋選手の起用の意図を教えてください。
右サイドの石櫃選手は攻撃の起点になっていますし、彼のサイドで数的優位を作ってきましたが、相手の右からのクロスに対してはしっかりと対応していました。反対サイドを崩されることはそれほどイメージしていませんでしたが、クロスを上げる選手に対して寄せる厳しさとか、守備でのスライドの遅さとか、ゴール前の人を意識したマークとか、そういった面でズレがあったということですから、それは意識してやり続けなければいけないと思います。泉澤選手は前半から何度もボールを受けたり、裏へ動き出したりしていたこともあって少し疲弊していたので、まずは守備を安定させるために大屋選手を入れました。彼は攻撃時に中へ飛び込んでいける選手なので、渡邉選手からのクロスに合わせるというプレーをプラスアルファで期待していました。ムルジャ選手や家長選手もクロスに対してゴール前に飛び込んでいきますが、逆サイドで合わせられる選手という狙いで大屋選手を投入しました。

Q.昇格を目前にして4試合勝ちがなく少し歯車が狂っているように感じますが、どうお考えですか?また、現在のチームのストロングポイントを教えてください。
ここ10試合で2勝3分け5敗。これまでやってきたことを突き詰めてはいますが、得点につながらなかったり、失点につながったりしています。勝っていた試合では、危ない場面で失点しないことが多かったですし、攻撃でもしっかりとゴールを仕留めて1点目、2点目、3点目と得点を奪えていましたが、最近はそういったことができなくなっています。相手のシュートミスや我々のGKのファインセーブなど、そういったかみ合わせがうまくいっていません。選手たちのプレーは勝っているときと大きく変わっていませんし、ボールを動かすことに関しては、共通のイメージを持って私が求めることをやってくれています。ただ最近は、それが相手の嫌がるプレーにつながらず、得点につながることなく中途半端になってしまってカウンターを受けてしまう。そこが一番のポイントだと思います。私自身は勝てない時期もあるという認識でいますが、それが長くなると選手たちが疑問を感じるリスクもあります。しかし、毎日のトレーニングに対して集中力高く臨めていますし、実際に試合で得点チャンスを作れている場面もあります。先日の徳島戦もポゼッションをした上で多くのチャンスがありましたが、最終的に得点が入らず逆に失点してしまうという、最近の現状が表れたような試合でした。それを受けて今日は、何が何でも失点しない、得点を決めるということを念頭に置いたのに失点してしまったので、選手たちの意識を変えていく必要を感じています。

我々の良さは、ボールを動かすことに対して全員がハードワークしている部分と、取られた後の切り替えの部分です。これは大宮が志向してきたスタイルですし、NTT関東から大宮アルディージャに変わるときにオランダ人監督が来たときから、ショートパスとロングパスを織り交ぜながらボールを動かして相手を動かすという戦い方を続けてきました。4-4-2システムのゾーンディフェンスからカウンターを仕掛けるチームというイメージを持っている方もいると思いますが、もちろん守備のときは4-4-2でしっかりと守る。そういったことを今の選手たちはまっとうしてくれていますし、今年はしっかりとボールを動かしながら、切り替えを速くして失点しないというイメージで戦ってくることができたと思います。最近は結果が出ていないので説得力がないかもしれませんが、ずっと取り組んできたのはそういった形です。

Q.前半から相手の裏を狙いながらも、シュートまでつながる場面は少なかったように思いますが、どの点はどうお感じですか。
前半は風下だったので、中盤などでは相手の圧力が掛かりますし、シンプルに相手の裏へ出してもボールが止まります。後半はサイドで抜け出す形がありましたが、クロスなどが得点に直結しませんでした。しかし、得点につながるコーナーキックは渡邉選手が裏へ抜け出して得たものですし、ああいったランニングがチャンスにつながっていたので、前半とやることは大きく変わりませんでした。共通のイメージとして裏へ抜け出す形もありましたが、相手が引いてスペースが減ってしまった中では、裏へ抜け出す選手がいてもパスの質が少し足りなかったと思います。後半ももっとチャンスができて良かったと思いますが、ムルジャ選手のカウンターばかりになってしまいました。

Q.試合前には「死力を尽くして戦いたい」と話していましたが、ハードワークするという部分への評価をお願いします。
後半はボールを持っている時間が長かったですし、風を背中に受けている時間が長かったので、そこまで体力を消耗していた感じではありませんでした。もっともっとランニングして、相手の嫌なスペースに入り込んでチャンスを作ってほしかったので、そういった部分ではハードワークできていなかったと思います。もっとできたかもしれませんが、一方で相手の怖さもありますから、後ろの選手たちはある程度は止まった状態があったと思います。とはいえ、試合後に倒れ込むくらい走り切るという部分は、もっともっと突き詰めていかなければならないと思います。

Q.今日は加藤選手が先発しました。塩田選手から代えた意図と、監督が考えるGKの起用法について教えてください。
本人たちには話をしましたし、白井コーチとも話をしていますが、この場では色々なことを考えた結果とだけにさせてください。加藤選手はチームが勝ち続けているときに試合に出続けていて、チームが調子を落としたときは塩田選手が先発していました。彼ら個人のミスがどうということではなく、チーム全体の雰囲気を考慮しながら起用しています。もちろん細かな理由は他にもありますし、失点したからメンバーを代えるわけではありません。選手たちの能力を元に、そのときの状況を考えた上で起用しています。
選手コメント
GK 1 加藤 順大
先制点を与えないこと、悪い時間帯に失点しないことを意識して試合に臨みましたが、どちらもできませんでした。こういう展開が続いていることは良くないことだと思いますし、早い時間帯に失点しているということは主導権が握れていないということだと思います。苦しい試合が続いていますが、残り4試合も仲間を信じて戦いたいですし、サポーターの皆さんも一緒に戦ってくれればと思います。
FW 8 ムルジャ
カルリーニョスが素晴らしいパスを送ってくれました。シュートコースも見えましたし、強い気持ちを持ってシュートを撃ちました。前半は相手の浅いディフェンスラインの裏を使えましたが、後半はうまくいきませんでした。サポーターの皆さんの声援が私たちの助けになりましたし、2回のリードを追いつけたことをポジティブに捉えたいと思います。残り4試合、とにかく勝つだけです。
MF 41 家長 昭博
コーナーキックからボールがこぼれてきたので、キーパーのタイミングを外してうまく決めることができたと思います。(初めての二桁得点となったが)そこは意識していませんでした。今日は相手ディフェンスラインの裏のスペースをうまく使いたかったですが、うまくいきませんでした。皆さんの期待に応えられるように頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします。
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