明治安田生命J2リーグ 第40節
2015.11.8 [SUN] 13:00
ピカスタ
讃岐
- 54' 高橋 祐治
1
-
1
0
前半
1
1
後半
0
大宮
- 31' ムルジャ
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 清水 健太
DF 5 高橋 祐治
DF 30 エブソン
DF 3 藤井 航大
DF 4 沼田 圭悟
MF 19 仲間 隼斗
MF 26 山本 翔平
MF 7 永田 亮太
MF 10 高木 和正
FW 9 我那覇 和樹
85'
FW 8 大沢 朋也
79'
控えメンバー
GK 24 瀬口 拓弥
DF 2 小澤 雄希
MF 6 藤田 浩平
85'
MF 15 綱田 大志
MF 29 森川 裕基
FW 23 木島 徹也
79'
FW 33 木島 良輔
監督
北野 誠
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 13 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 5 カルリーニョス
MF 18 横山 知伸
MF 17 横谷 繁
85'
MF 39 泉澤 仁
74'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ムルジャ
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 34 片岡 洋介
DF 22 和田 拓也
MF 10 渡邉 大剛
FW 9 富山 貴光
FW 11 播戸 竜二
85'
FW 14 清水 慎太郎
74'
監督
渋谷 洋樹
試合詳細
8 | シュート | 9 |
---|---|---|
6 | GK | 7 |
6 | CK | 4 |
6 | 直接FK | 16 |
1 | 間接FK | 4 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
池内 明彦
副審
竹田 明弘
副審
勝又 弘樹
第4の審判員
西山 貴生
入場者数
3,864人
天候
晴、無風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
22.1℃/84%
ムルジャの3戦連続ゴールも引分け。堅守に苦しみ連勝逃す
タイトルが懸かったシーズン終盤の戦いとは、これほどまでに難しいのか。2015明治安田生命J2第40節、讃岐とのアウェーゲームは引分けに終わった。ムルジャが3試合連続となるゴールを決めて先制し、同点に追いつかれた後も攻め手を休めたわけではなかった。しかし、勝点1を積み上げればJ2残留確定の可能性があった讃岐は、残り時間が少なくなると前線に誰も残さず全員で守備。徹底的に守る相手から追加点を奪うことはできず、連勝は飾れなかった。
試合の立ち上がりは、ムルジャが単独で左から鋭い突破を見せたり、横谷のミドルシュートのはね返りをムルジャが狙ったりと攻勢に出たが、試合のペースを一気に奪うことはできなかった。相手も元日本代表FW我那覇のキープや、攻撃参加を繰り返した左サイドバック沼田の左足のクロスで反撃。一進一退の攻防が続いた。しかし、31分に敵陣深くまで入り込むと、バイタルエリアでフリーとなったカルリーニョスが強烈なミドルシュート。これは相手GKに弾かれたが、こぼれ球をムルジャがきっちりと押し込んで先制点を奪った。
1点リードで迎えたハーフタイムには、渋谷監督が相手の左サイドへの対応を修正して守備は持ち直した。50分に泉澤が左サイドからドリブルシュートを放ち、後半も攻撃で先手を奪ったように見えたが、直後にはMF高木にミドルシュートを打たれるなど、容易にはペースを握れなかった。そして54分、右コーナーキックから二次攻撃を受けると、左サイドからクロスを上げられ、DF高橋にヘディングシュートを決められてしまう。同点に追いついた讃岐は息を吹き返し、守備がどんどん強固になった。77分に横谷が直接FKで鋭いキックを見せた場面があったが、流れの中からシュートに持ち込むことができなくなっていく。結果的には、先制後に追加点を奪えなかったことが大きく響いたと言える。
横山は「無理をして前に人数を掛けるとカウンターをくらうので、チャンスを見極めて行こうと考えた」と話し、大屋も「攻撃の時間はあったけど、ボールを持たされている感じだった。相手のカウンターが速いので、ダイナミックに行けなかった」と、バランスを重視していたという。結果的に攻撃は迫力不足だったが、それぞれの立場の違いが生み出す試合運びの難しさでもあった。それでも、最後まで勝利を目指してサイド、中央と狙いを振り分けながらゴールへ迫った。終盤は、途中出場の清水慎が惜しいヘディングシュート。アディショナルタイムにも、カルリーニョスが右から上げたクロスに再び清水慎がボレーで合わせたが、クロスバーに嫌われた。
引分けという悔しい結果に終わり、2位の磐田が同時刻の試合で長崎を下したことで、2位との勝点差は2に縮まった。19時試合開始の福岡が群馬に敗れればJ1復帰が決まる状況ではあるが、絶対目標であるJ2優勝を果たすためには、何としても次戦を勝ちたいところだ。相手は大分であり、再び残留をかけた相手との対戦になる。同点のまま終盤に入ると勝点1でも得たい相手は守備を固めてくるだろうし、2位との勝点差が縮まったことによりプレッシャーは大きくなるが、ムルジャは「今日の試合を勝っていたとしても、次の試合を勝たなければならないことに変わりはない。首位のチームでも1年間をパーフェクトな内容で勝ち続けることは不可能だ。我々は勝っているときと同じように良いトレーニングができているので、最終的に勝者としてリーグを終えられると信じている」と前向きな姿勢を失わなかった。「ここまできたら、あとはメンタル。自信を失わないことが大事」と、大屋も気持ちを切り替える重要性を強調した。次節は今シーズンのホームラストゲーム。いまだ首位で優位な立場にいることに違いはなく、残り2試合を勝てば自力でリーグ優勝ができる。それを信じない理由など、ない。他チームの状況がどうであれ、ホームで大声援を受け、勝利に向かってひた走るだけだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
試合の立ち上がりは、ムルジャが単独で左から鋭い突破を見せたり、横谷のミドルシュートのはね返りをムルジャが狙ったりと攻勢に出たが、試合のペースを一気に奪うことはできなかった。相手も元日本代表FW我那覇のキープや、攻撃参加を繰り返した左サイドバック沼田の左足のクロスで反撃。一進一退の攻防が続いた。しかし、31分に敵陣深くまで入り込むと、バイタルエリアでフリーとなったカルリーニョスが強烈なミドルシュート。これは相手GKに弾かれたが、こぼれ球をムルジャがきっちりと押し込んで先制点を奪った。
1点リードで迎えたハーフタイムには、渋谷監督が相手の左サイドへの対応を修正して守備は持ち直した。50分に泉澤が左サイドからドリブルシュートを放ち、後半も攻撃で先手を奪ったように見えたが、直後にはMF高木にミドルシュートを打たれるなど、容易にはペースを握れなかった。そして54分、右コーナーキックから二次攻撃を受けると、左サイドからクロスを上げられ、DF高橋にヘディングシュートを決められてしまう。同点に追いついた讃岐は息を吹き返し、守備がどんどん強固になった。77分に横谷が直接FKで鋭いキックを見せた場面があったが、流れの中からシュートに持ち込むことができなくなっていく。結果的には、先制後に追加点を奪えなかったことが大きく響いたと言える。
横山は「無理をして前に人数を掛けるとカウンターをくらうので、チャンスを見極めて行こうと考えた」と話し、大屋も「攻撃の時間はあったけど、ボールを持たされている感じだった。相手のカウンターが速いので、ダイナミックに行けなかった」と、バランスを重視していたという。結果的に攻撃は迫力不足だったが、それぞれの立場の違いが生み出す試合運びの難しさでもあった。それでも、最後まで勝利を目指してサイド、中央と狙いを振り分けながらゴールへ迫った。終盤は、途中出場の清水慎が惜しいヘディングシュート。アディショナルタイムにも、カルリーニョスが右から上げたクロスに再び清水慎がボレーで合わせたが、クロスバーに嫌われた。
引分けという悔しい結果に終わり、2位の磐田が同時刻の試合で長崎を下したことで、2位との勝点差は2に縮まった。19時試合開始の福岡が群馬に敗れればJ1復帰が決まる状況ではあるが、絶対目標であるJ2優勝を果たすためには、何としても次戦を勝ちたいところだ。相手は大分であり、再び残留をかけた相手との対戦になる。同点のまま終盤に入ると勝点1でも得たい相手は守備を固めてくるだろうし、2位との勝点差が縮まったことによりプレッシャーは大きくなるが、ムルジャは「今日の試合を勝っていたとしても、次の試合を勝たなければならないことに変わりはない。首位のチームでも1年間をパーフェクトな内容で勝ち続けることは不可能だ。我々は勝っているときと同じように良いトレーニングができているので、最終的に勝者としてリーグを終えられると信じている」と前向きな姿勢を失わなかった。「ここまできたら、あとはメンタル。自信を失わないことが大事」と、大屋も気持ちを切り替える重要性を強調した。次節は今シーズンのホームラストゲーム。いまだ首位で優位な立場にいることに違いはなく、残り2試合を勝てば自力でリーグ優勝ができる。それを信じない理由など、ない。他チームの状況がどうであれ、ホームで大声援を受け、勝利に向かってひた走るだけだ。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
DF 3 河本 裕之
1点目は、引いてきた相手に対する理想的な得点の仕方だったと思いますし、その後にもう1点取れれば良かったのですが、逆に追いつかれてしまいました。相手は引分けでも良い状況でしたので、そういうチームを相手に苦しい試合展開になってしまいました。菊地選手とは、相手のカウンターに気をつけて、お互いに声をかけながらやっていました。次の試合は勝つだけです。結果を出せるように頑張ります。
MF 17 横谷 繁
非常に残念な結果ですが、次は今年最後のホームゲームですし気持ちを切り替えてしっかり戦いたいです。先制点を取れているのに、追いつかれてその後の時間帯でもしばらく流れを持っていかれてしまいました。もっと細かいところで声を出し合ってやるべきかなと思います。もう本当に勝つしかありませんので、サポーターの皆さんには前のホームゲームのような雰囲気を作っていただいて、僕たちを後押ししてくれると嬉しいです。
MF 39 泉澤 仁
先制点をうまく取ることができましたが、追加点をとれずに最終的にはもったいない試合になってしまいました。自分自身も、相手を突破する回数が少なく反省点ばかりが残ります。試合前にサイドをうまく使っていこうと話をしていて、前半はうまくいっていましたが、後半はうまくいきませんでした。もう1試合も落とせませんし、ホームでサポーターの皆さんの力も借りて勝利を手に入れたいと思います。
試合に関しては、讃岐さんも序盤は前線から守備をしてくるだろうと、競り合いの局面でタフに戦ってくるだろうと考えていましたので、我々はしっかりとボールを動かす意識で試合に入りました。それにより前半の最初はチャンスが作れていましたが、途中からは4-4-2システムで守備組織を構成した相手を崩し切れず、段々と相手のペースになって試合が進んでいきました。しかし、守備組織を作った相手にはミドルシュートが有効だという話をしていた中で、カルリーニョス選手のシュートからムルジャ選手がセカンドボールに反応して先制点を取ってくれました。彼らには感謝しています。一方で守備では、我々の右サイドで相手選手へのプレッシャーが少し弱かったので、それを修正して後半に臨みました。
失点はミスが原因です。泉澤選手が相手にフリーキックを与えてしまい、その直後に渡部選手のクリアがコーナーキックになり、結果としてコーナーキックのセカンドボールから失点してしまいました。ああいったところの対処は、もっともっと突き詰めていかなければいけません。選手の立ち位置やサポートなど、攻撃面ではスムーズに動けるようになっていますので、守備面でも声を掛け合うなど修正していきたいと思います。終盤はFW登録の2選手を入れてリズムをつかもうという狙いの下、相手ゴールに3、4回はシュートが行きましたが、最後までゴールを割れずに1-1という残念な結果に終わりました。J2優勝・J1復帰というものを、神様はまだまだ我々に与えてくれないんだと、今日も実感しました。次は今シーズンのホーム最終戦ですし、試合にスムーズに入って迷わずにプレーできるようにして、皆さんの大きな期待にしっかりとこたえられるように、また一週間いい準備をしていきたいと思います。
Q.試合を通じてリズムに乗り切れなかった要因は、相手にあったのでしょうか。自分たちにあったのでしょうか。
両方あると思います。我々がいい位置取りをしていても、相手がしっかりと対応していましたし、そこからカウンターを仕掛けてきました。ただ、我々が相手陣内の深い位置までボールを運んでいたこともあり、カウンターの回数は多くなかったと思います。前半は拮抗した展開だったため、最後のパスが通るか通らないかという勝負でした。通ったらチャンスですし、通らないならセカンドボールを拾って、再び幅を使って攻めるというイメージでした。ただ、もっと思い切ってクロスを送る、もっと思い切って中央を使っていくといったプレーを、よりできるようにしなければいけないと感じました。後半のように、ピッチの横幅を大きく使って攻めてから、中央を使って攻めていくというバランスが重要です。サイドのスペースを使って攻めたからこそ、途中から中央のスペースも使えるようになったと思います。終盤に相手が人数を掛けてゴール前を固めてきたときもチャンスは作れていましたので、これまでやり続けてきたことを突き詰めながら、技術的な部分と選手のイメージの共有をより高めていきたいです。
Q.2位の磐田と勝点2差となったことについては、いかがでしょうか。
私自身は磐田さんも福岡さんも勝つだろうと考えていますので、彼らの結果については意識していません。選手たちはタフに戦ってくれていますし、今日も“1"とはいえ勝点1を積み重ねています。下から追い上げてきているという考え方ではなく、我々がしっかりと勝点3を取れば状況は変わってきます。もちろん優勝に向けてという意味では、1試合で入れ替えられる可能性はありますが、我々は首位に立っていますから、自信を持って次のゲームに向かっていきたいと思います。
とはいえ、これまでは他チームの結果というよりは、自分たちのことをしっかりと取り組むという意識でしたが、今度は勝点2差になったということで、逆転されるかもしれないプレッシャーを感じながら戦う必要が出てきました。J1でも広島さんや浦和さんのように、1つの勝点をめぐって厳しい戦いをしています。我々はJ2ですが、ここでどれくらいできるのかが大事です。ここで逆転されてしまうようだと、J1に戻っても同じようなことが起こり得ますから、来年J1でどれくらいできるのかを試されているのだと思いますし、それは選手たちにも伝えています。首位に立って、下から追い上げられるプレッシャーがどれくらい厳しいものなのか、それを感じながら戦えることを力にして次の試合に臨みたいと思います。
Q.残り2試合、リーグ優勝するためには何が必要だと思いますか。
私自身のイメージとして、最近は選手たちがスムーズに動けていないと感じています。例えば、本来なら守備でもう少し相手に寄せる場面で行けていなかったり、攻撃で裏へ飛び出す場面が少なかったりというプレーが、今日も序盤に見られました。ホームではアグレッシブな戦いができているのに、アウェイではそれができず不安定な部分があります。そういう意味では次はホームですから、全員でしっかりとハードワークして戦いたいと思います。そういった細かな1つ1つの積み重ねが、最近の結果に表れているかと思います。
Q.残りの2試合でも、今シーズン取り組んできたボールを動かす戦いをして、来年のJ1へつなげていきたいという思いがあるのでしょうか。
私自身、ボールを持つということが、いかに重要かは分かっているつもりです。広島さんや浦和さんのようにJ1の上位チームを見ても、しっかりとボールを持っているからこそオーガナイズされた守備もできますし、ボールを持って自分たちの時間を作ることができないと、守備一辺倒になってしまいます。守備一辺倒で勝点を拾える試合もありますが、本当に上位を狙うにはしっかりとボールを動かすことが重要です。特にこの1年間は、最終ラインの選手たちがボールを動かすということに取り組んできました。後ろで時間を作って、良い形で前の選手へボールを入れ、前の選手が楽にプレーするという狙いです。守備では前線の選手たちがタフに戦い、前で奪って速い攻撃を仕掛けるというように、ボールポゼッションとカウンターの両方を兼ね備えたチームにしたいという思いで、この1年間やってきました。
残りの2試合だからと言って最終ラインからのロングボールを増やしても、我々の選手の特長を考えればうまくいかないでしょう。しっかりとボールを動かして相手の守備網に空きを作り、そこに飛び込んでクロスに合わせるなどといった戦いができればと思います。一方で、今日も失点にはなりませんでしたがピンチはありましたので、残り2試合ではそういった場面を少なくすることが大切です。そのためには、ボールを動かしながらカウンターを受けないようにリスクマネジメントをすることや、4-4-2で守備のオーガナイズを作ったときの全員の意思統一を、少ない時間で取り戻したいと思います。