明治安田生命J2リーグ 第42節
2015.11.23 [MON] 14:00
石川西部
金沢
- 19' 太田 康介
1
-
2
1
前半
0
0
後半
2
大宮
- 52' 清水 慎太郎
- 68' 福田 俊介
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 31 原田 欽庸
DF 4 チャ ヨンファン
DF 5 太田 康介
DF 3 作田 裕次
DF 18 野田 紘史
68'
MF 7 清原 翔平
MF 30 秋葉 勝
MF 25 星野 有亮
MF 24 大槻 優平
78'
FW 19 玉城 峻吾
73'
FW 49 田中 パウロ淳一
控えメンバー
GK 21 大橋 基史
DF 15 辻尾 真二
DF 16 メンデス
DF 20 嶺岸 佳介
68'
MF 29 茂木 駿佑
FW 9 辻 正男
78'
FW 11 ジャーン モーゼル
73'
監督
森下 仁之
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 34 片岡 洋介
80'
DF 28 福田 俊介
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 5 カルリーニョス
67'
MF 18 横山 知伸
MF 10 渡邉 大剛
MF 14 清水 慎太郎
FW 8 ムルジャ
FW 11 播戸 竜二
46*'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 29 藤井 悠太
80'
DF 22 和田 拓也
67'
MF 23 金澤 慎
MF 16 マテウス
MF 39 泉澤 仁
46*'
FW 9 富山 貴光
監督
渋谷 洋樹
試合詳細
4 | シュート | 6 |
---|---|---|
6 | GK | 7 |
4 | CK | 4 |
8 | 直接FK | 9 |
0 | 間接FK | 3 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
今村 義朗
副審
山村 将弘
副審
西橋 勲
第4の審判員
藤田 和也
入場者数
8,826人
天候
晴、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
17.2℃/63%
清水慎、福田のゴールで逆転!勝利で有終の美を飾る
苦しみはしたが、見事な逆転勝利で最終節を締めくくった。明治安田生命J2第42節は、アウェイでの金沢戦。前節でリーグ優勝を決めたため、順位を気にすることなく臨める試合となった。しかし、勝利を目指すことに変わりはない。狙うは、有終の美。勝って「強い大宮」を印象付けて今シーズンを締めくくるための一戦だ。
立ち上がりは、片岡が右から上げたクロスにムルジャが頭から飛び込むなどチャンスがあったが、10分が過ぎるとボールを保持される時間が増え始めた。そして19分、相手の左コーナーキックから波状攻撃を受けると、右からのグラウンダーのクロスをDF太田に決められて先制点を奪われた。その後も、ミスから中盤でボールを失うことが続いてリズムに乗れず、再三にわたって相手のショートカウンターに脅かされた。25分、右サイドから上げられたクロスは渡邊がヘディングでカット。しかし、左コーナーからMF清原に鋭いヘディングシュートを打たれ、GK加藤のスーパーセーブがなければあわや失点というシーンを作られた。さらに34分にはバックパスをさらわれ、FW田中にGKとの1対1に持ち込まれたが、シュートミスに救われた。
シュートを1本しか打てずに前半を終えると、渋谷監督は後半開始から播戸に代えて泉澤を左MFに投入。同ポジションで先発した清水慎を前線に上げた。すると52分、右から渡邊が上げたクロスを清水慎が得意のヘディングシュート。相手GKに触られたが、ボールの勢いは止まらずゴールイン。この同点ゴールで勢いに乗ると、今度は一気に反撃ムードに転じた。62分、右サイドを崩して清水慎のクロスからムルジャがシュート。2分後にも片岡のクロスにムルジャが飛び込むなど、1点差で得点ランク1位のジェイ(磐田)を追うエースがゴールへ襲いかかった。
そして70分、左サイドで得たFKから渡邊が高く大きな弧を描くボールを送ると、福田が打点の高いヘディングシュートをたたき込んで逆転に成功。2アシストを記録した渡邊は、「先に点を取られて嫌な感じがしたが、後半は意図的にボールを動かせるようになって勢いが出た。キックの精度は最近、調子がとても良かったし、1点目も2点目もニアで相手に触られなければ、ヘディングの強い選手が中にいるので競り勝つと思った。チームとしては目標を達成できて良いシーズンだったけど、個人的には良かったとは言えない1年だった。だから、最後は本当に勝って終えられて良かった」と、自らの意地も込めた逆襲劇だったという。終盤には、リーグ戦初出場となるDF藤井が右サイドバックとして投入され、フレッシュな力も加えてチーム一丸で最後まで戦い抜いて勝利を収めた。
得点王のタイトルが懸かり、ファン・サポーターからひと際大きな声援を送られていたムルジャは、「期待は感じていたから、達成できずに残念。でも、私の個人タイトルは重要ではない。選手、スタッフ、サポーターと、クラブに関わる人たちが1つになることで、J2優勝・J1昇格を達成できた。そのことに本当に感謝しているし、最後も勝って終わることができた。オフは毎年訪れるけど、目標を達成して迎えられることは、いつもあることではないから、本当に楽しみだね」と、ゴールを挙げられなかったことよりも、充実した1年を終えられた安堵感から笑顔を見せた。
長かった1年間の戦いを終え、まずは選手にもスタッフにもファン・サポーターにも、充実の休息時間を満喫してもらいたい。そして、来季は再びJ1で戦うことができる。過去10年の挑戦では、残留争いを避けることができなかった。11年ぶりのJ2での1シーズンを経て、生まれ変わった姿が見たい。今シーズン積み上げてきたものに、さらなる上乗せを加え、クラブを愛するすべての人々が一丸となって新たな挑戦へと向かう。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
立ち上がりは、片岡が右から上げたクロスにムルジャが頭から飛び込むなどチャンスがあったが、10分が過ぎるとボールを保持される時間が増え始めた。そして19分、相手の左コーナーキックから波状攻撃を受けると、右からのグラウンダーのクロスをDF太田に決められて先制点を奪われた。その後も、ミスから中盤でボールを失うことが続いてリズムに乗れず、再三にわたって相手のショートカウンターに脅かされた。25分、右サイドから上げられたクロスは渡邊がヘディングでカット。しかし、左コーナーからMF清原に鋭いヘディングシュートを打たれ、GK加藤のスーパーセーブがなければあわや失点というシーンを作られた。さらに34分にはバックパスをさらわれ、FW田中にGKとの1対1に持ち込まれたが、シュートミスに救われた。
シュートを1本しか打てずに前半を終えると、渋谷監督は後半開始から播戸に代えて泉澤を左MFに投入。同ポジションで先発した清水慎を前線に上げた。すると52分、右から渡邊が上げたクロスを清水慎が得意のヘディングシュート。相手GKに触られたが、ボールの勢いは止まらずゴールイン。この同点ゴールで勢いに乗ると、今度は一気に反撃ムードに転じた。62分、右サイドを崩して清水慎のクロスからムルジャがシュート。2分後にも片岡のクロスにムルジャが飛び込むなど、1点差で得点ランク1位のジェイ(磐田)を追うエースがゴールへ襲いかかった。
そして70分、左サイドで得たFKから渡邊が高く大きな弧を描くボールを送ると、福田が打点の高いヘディングシュートをたたき込んで逆転に成功。2アシストを記録した渡邊は、「先に点を取られて嫌な感じがしたが、後半は意図的にボールを動かせるようになって勢いが出た。キックの精度は最近、調子がとても良かったし、1点目も2点目もニアで相手に触られなければ、ヘディングの強い選手が中にいるので競り勝つと思った。チームとしては目標を達成できて良いシーズンだったけど、個人的には良かったとは言えない1年だった。だから、最後は本当に勝って終えられて良かった」と、自らの意地も込めた逆襲劇だったという。終盤には、リーグ戦初出場となるDF藤井が右サイドバックとして投入され、フレッシュな力も加えてチーム一丸で最後まで戦い抜いて勝利を収めた。
得点王のタイトルが懸かり、ファン・サポーターからひと際大きな声援を送られていたムルジャは、「期待は感じていたから、達成できずに残念。でも、私の個人タイトルは重要ではない。選手、スタッフ、サポーターと、クラブに関わる人たちが1つになることで、J2優勝・J1昇格を達成できた。そのことに本当に感謝しているし、最後も勝って終わることができた。オフは毎年訪れるけど、目標を達成して迎えられることは、いつもあることではないから、本当に楽しみだね」と、ゴールを挙げられなかったことよりも、充実した1年を終えられた安堵感から笑顔を見せた。
長かった1年間の戦いを終え、まずは選手にもスタッフにもファン・サポーターにも、充実の休息時間を満喫してもらいたい。そして、来季は再びJ1で戦うことができる。過去10年の挑戦では、残留争いを避けることができなかった。11年ぶりのJ2での1シーズンを経て、生まれ変わった姿が見たい。今シーズン積み上げてきたものに、さらなる上乗せを加え、クラブを愛するすべての人々が一丸となって新たな挑戦へと向かう。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
続きを読む
選手コメント
GK 1 加藤 順大
勝てたので良かったのですが、自分たちで苦しい試合展開にしてしまうのはもったいないです。それではJ1では厳しいと思うし、本当に意識してやっていかないといけないと思います。J1に戻れることは嬉しいですし、今日もたくさんの人が金沢まで来てくれて力になりました。今日で1年が終わりますが、サポーターの皆さんと一緒に素晴らしいシーズンを送ることができました。さらにいいチームになるように取り組んでいきますので、来年も一緒に戦いましょう。
DF 28 福田 俊介
先制されて苦しい展開になりましたけど、いつも通りのサッカーができて後半に逆転することができて良かったです。久しぶりの先発出場でしたが、監督や周りの選手からは、いつも通りやれば大丈夫と言ってもらえたのでスムーズに試合に入れました。昨日の練習からセットプレーでは僕にボールを集めてくれていたので、決められて良かったです。遠くまで本当に多くのサポーターが来てくれたので感謝しています。とても励みになりました。ありがとうございました。
DF 29 藤井 悠太
(リーグ戦初出場となりましたが)最終戦で試合に出ることができて良かったです。1点リードしている試合終盤からの出場だったので、まずは同点に追いつかれないように集中して試合に入りました。攻撃時には高い位置を取る必要もありましたが、まずは守備からという意識でプレーしました。緊張しましたけど、周りの人の助けもあってしっかりプレーすることができました。今日は皆さんからの声援が心強かったです。来年も応援よろしくお願いします。
ゲームについては、金沢さんのオートマティックな、オーガナイズされた守備網に対して、なかなか我々の良い形を出すことができず何度もカウンターを受け、またセットプレーの流れから失点してしまいました。優勝を決めた後の試合でも、しっかりと準備をしてきたつもりでしたが、一方で最後を勝って終わろうという気負いが見えました。ただ、選手たちがそういう気持ちを持ってプレーしてくれたことが、サイドからクロスで点を取り、その後はセットプレーで点を取ってくれることにつながりました。欲を言えば、最後にカウンターからムルジャ選手が得点してくれればと思っていましたが、サッカーはそんなにうまくいくものではありません。
この1年間、選手たちは目の前の1試合1試合に向けて本当に良い準備をしてくれ、厳しい時期もありましたが、しっかりと結果を出してくれました。選手たちが粘り強くプレーする、地道に努力をするということに取り組んでくれたことが、J2優勝・J1復帰という結果につながりました。多くのファン・サポーターの皆さまからいただくご声援はもちろん、選手たちも含めた一体感で今日も勝つことができましたし、来年はJ1で戦えることを私自身もうれしく思います。来年も、しっかりと普段からトレーニングを重ねていかなければいけないですし、絶対にJ1で良い形で戦えるようにしたいと思っています。選手たちは今日も最後まで粘り強く戦ってくれましたが、これが今年の一番良かった点ですし、有終の美を飾れたことをうれしく思います。
Q.後半からリズムが出てきた要因は何でしょうか。
前半は“形でサッカーをやっている”状態でした。ボールを回しているときに、選手たちは良い立ち位置には入っているのに、ボールを受けた選手へのサポートが全体的に遅かった。本来ならば良い位置にボールが入ったときは、周りの選手がサポートの距離を変えたり、スピードを変えたりすることが必要でしたが、それが全体的にできていませんでした。きれいなサッカー、きれいなボールの動かし方で得点を取りたいというのが前半の状況でした。後半は選手たちの立ち位置を変えたこともあり、少しスムーズにボールが流れるようになりましたし、アタッキングゾーンで前への意識を持たせました。リードしていた金沢さんがゾーンを低めにしていたので、我々が攻守の切り替えを速くする意識を高めたことで、リズムをつかむことができました。
Q. 当初の目標だった勝点86を達成しましたが、来年にどのようにつながっていくと思われますか。
昨日もリーグ最終戦を見ましたが、J1はレベルが高いと思います。今年やってきたことを続ける継続力も大切ですが、来年J1でやっていけるのかというと、もっともっと1ランク・2ランクずつ、スピードを上げることであったり、厳しくいくことであったり、たくましくしていくことであったりが必要だと思います。例えば、ボールを回していて相手に引っ掛かるのであれば、もっと速く良いポジションを取ったり、もっとプレースピードを上げたりする必要があります。ゴール前での相手のレベルも1ランク上がりますし、我々が決定機を作る回数も減りますから、1つ1つの精度や質を上げていかなければいけません。そこはトレーニングでしか解決できないので意識付けをしていきたいですし、我々にはうまい選手がたくさんいますから、より良い選手に育ってもらうために、スピードや厳しく戦う部分を意識させたいです。また、そういう意識を持たないと、またJ1で厳しい状況が続くと思います。
勝点というより、今日は勝って終わりたいという思いが強かったです。勝点86という目標は、私が4回目のJ2を戦うにあたり、これまでの経験から2試合で勝点4という計算でした。それで40試合で勝点80、プラス最後に2勝ということで、今年は本当に最後の2勝で目標を達成しました。こんなに計算どおりに終わったのも不思議ですが、優勝が懸かった試合や、勝って終わろうという選手たちの気持ちが大きかったと思います。実は、今日の勝利で26勝にするのも1つの目標でした。それは最近J1昇格を決めたチームが、31勝の湘南さん以外は25勝以下だったからです。今年は湘南さんがJ1で年間8位、過去にはガンバさんや柏さんが昇格直後にJ1で優勝しています。このJ2の勝ち数がJ1での結果にどういった影響を及ぼすのか分かりませんし、選手たちには言っていませんでしたが、私の中では26勝を挙げたかったですし、今年ずっと続けてきた“一戦必勝”ということを続けただけです。