明治安田生命J2リーグ 第1節
2015.3.8 [SUN] 14:00
NACK
大宮
- 86' 家長 昭博
1
-
0
0
前半
0
1
後半
0
金沢
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 1 加藤 順大
DF 27 今井 智基
DF 18 横山 知伸
DF 3 河本 裕之
DF 22 和田 拓也
MF 23 金澤 慎
88'
MF 5 カルリーニョス
MF 41 家長 昭博
MF 17 横谷 繁
FW 8 ムルジャ
66'
FW 9 富山 貴光
60'
控えメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 34 片岡 洋介
88'
DF 20 大屋 翼
MF 15 大山 啓輔
MF 39 泉澤 仁
66'
FW 14 清水 慎太郎
60'
FW 11 播戸 竜二
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 31 原田 欽庸
DF 27 廣井 友信
72'
DF 5 太田 康介
DF 3 作田 裕次
DF 4 チャ ヨンファン
MF 15 辻尾 真二
MF 30 秋葉 勝
MF 8 山藤 健太
MF 10 佐藤 和弘
67'
FW 7 清原 翔平
88'
FW 13 水永 翔馬
控えメンバー
GK 1 原田 直樹
DF 2 阿渡 真也
72'
MF 6 大町 将梧
MF 25 星野 有亮
MF 49 田中 パウロ淳一
88'
FW 11 ジャーン モーゼル
FW 14 金子 昌広
67'
監督
森下 仁之
試合詳細
7 | シュート | 9 |
---|---|---|
9 | GK | 12 |
4 | CK | 6 |
5 | 直接FK | 9 |
1 | 間接FK | 4 |
0 | PK | 0 |
試合データ
主審
井上 知大
副審
村井 良輔
副審
松井 健太郎
第4の審判員
清水 勇人
入場者数
8,635人
天候
曇、弱風
ピッチ状態
全面良芝、乾燥
気温/湿度
13.1℃/67%
家長ゴール!粘り強く、我慢強く、開幕戦を白星で飾る
”勝つ”という最終目的をしっかりと見据え、我慢強く戦ったことが白星スタートにつながった。J2は、タフさが求められる独特の舞台だ。ひとたび試合が始まれば、前年まで10年にわたってJ1で戦ってきた実績も単なる記録でしかない。開幕戦の序盤は、その難しさをまざまざと感じさせられた。
前年のJ3王者である金沢が統率の取れた守備を見せ、攻撃のリズムを生み出せずに苦しんだ。ムルジャと2トップを組んだ富山は「あれだけ固められると、なかなか前線でパスを受けられない」と、息苦しく停滞感があった試合序盤を振り返った。サイドで起点を作ってもサイドハーフの位置が低く、サイドバックが高い位置まで上がることができない。状況を打開しようと富山やボランチの金澤が積極的にフリーランを見せたが、なかなか相手の守備は崩れなかった。
しかし後半に入ると、右サイドを起点に少しずつ攻撃のリズムを作り出していった。一つの要因はハーフタイムの指示だ。金澤とボランチを組んだカルリーニョスは、「前半は自分が最終ラインからパスをもらうために下がることが多かったが、パスを出す役目をDFに任せて少し高い位置に行くように指示があった。そして、相手のボランチの背後を使えるようになっていった」と手ごたえを語った。
もう一つの要因は、攻めあぐねる展開に焦れなかったことだ。家長は「予想の範囲内。我慢が必要。焦って攻めてカウンターを受けることは避けたかった。90分を通して勝てばいい。ずっとボールを支配し続けて、圧倒するなんていうことは考えていない」と、冷静に試合を振り返った。
待望の得点が生まれたのは、終盤の86分だった。サイドへ散らすパスが多かった中で、カルリーニョスが中央へ縦パス。金澤がダイレクトで家長につないだ。金澤のイメージはワンツーだったが、家長は途中出場のFW清水慎へのパスを選択。ゴール前での混戦から家長がヘディングで競り勝つと、「アキ(家長)が勝つと思った」と家長の前に抜け出ていた金澤がラストパスをつなぎ、家長が右足でゴールへたたき込んだ。サイドから攻め続ける中で、一瞬のスキを突いた中央突破が見事に決まった瞬間だった。
先制後は守備力のある片岡を投入し、きっちりとリードを生かして勝ち切った。今井が「ゴール裏は満員に近かったと思う。J2でもこれだけ来てくれたファン・サポーターのためにも勝ちたい」と話したように、舞台が変わっても変わらなかった心強い後押しに、応える勝利となった。
苦しみながらも我慢強く奪ったゴールに価値がある。J2は全42節という長丁場で多種多彩な21クラブと対戦する。金澤は「今までは最後の最後に得点して勝つ形は少なかったし、我慢し切れずに失点して負けることが多かった。カテゴリーは違うけど、こういう新しい勝ち方やスタイルも、J2で勝っていくためには覚えないといけないと思う」と、この日の勝利を今後に生かす意気込みを口にした。
粘り強く、我慢強く、最後は勝つ。1年でJ1へ戻るというクラブ、ファン・サポーターの目標をかなえるために、この姿勢を続けたい。今後に必要なものが示される開幕戦となった。
(総評:平野貴也/写真:山田勉、高須力)
前年のJ3王者である金沢が統率の取れた守備を見せ、攻撃のリズムを生み出せずに苦しんだ。ムルジャと2トップを組んだ富山は「あれだけ固められると、なかなか前線でパスを受けられない」と、息苦しく停滞感があった試合序盤を振り返った。サイドで起点を作ってもサイドハーフの位置が低く、サイドバックが高い位置まで上がることができない。状況を打開しようと富山やボランチの金澤が積極的にフリーランを見せたが、なかなか相手の守備は崩れなかった。
しかし後半に入ると、右サイドを起点に少しずつ攻撃のリズムを作り出していった。一つの要因はハーフタイムの指示だ。金澤とボランチを組んだカルリーニョスは、「前半は自分が最終ラインからパスをもらうために下がることが多かったが、パスを出す役目をDFに任せて少し高い位置に行くように指示があった。そして、相手のボランチの背後を使えるようになっていった」と手ごたえを語った。
もう一つの要因は、攻めあぐねる展開に焦れなかったことだ。家長は「予想の範囲内。我慢が必要。焦って攻めてカウンターを受けることは避けたかった。90分を通して勝てばいい。ずっとボールを支配し続けて、圧倒するなんていうことは考えていない」と、冷静に試合を振り返った。
待望の得点が生まれたのは、終盤の86分だった。サイドへ散らすパスが多かった中で、カルリーニョスが中央へ縦パス。金澤がダイレクトで家長につないだ。金澤のイメージはワンツーだったが、家長は途中出場のFW清水慎へのパスを選択。ゴール前での混戦から家長がヘディングで競り勝つと、「アキ(家長)が勝つと思った」と家長の前に抜け出ていた金澤がラストパスをつなぎ、家長が右足でゴールへたたき込んだ。サイドから攻め続ける中で、一瞬のスキを突いた中央突破が見事に決まった瞬間だった。
先制後は守備力のある片岡を投入し、きっちりとリードを生かして勝ち切った。今井が「ゴール裏は満員に近かったと思う。J2でもこれだけ来てくれたファン・サポーターのためにも勝ちたい」と話したように、舞台が変わっても変わらなかった心強い後押しに、応える勝利となった。
苦しみながらも我慢強く奪ったゴールに価値がある。J2は全42節という長丁場で多種多彩な21クラブと対戦する。金澤は「今までは最後の最後に得点して勝つ形は少なかったし、我慢し切れずに失点して負けることが多かった。カテゴリーは違うけど、こういう新しい勝ち方やスタイルも、J2で勝っていくためには覚えないといけないと思う」と、この日の勝利を今後に生かす意気込みを口にした。
粘り強く、我慢強く、最後は勝つ。1年でJ1へ戻るというクラブ、ファン・サポーターの目標をかなえるために、この姿勢を続けたい。今後に必要なものが示される開幕戦となった。
(総評:平野貴也/写真:山田勉、高須力)
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選手コメント
MF 17 横谷 繁
リスクを冒すとカウンターを受ける危険があったので、ボールロストしないことを強く意識しました。後半20分過ぎくらいからは相手も疲れてスペースができていましたし、自分にもチャンスがあったので決めなければいけないと思います。次はもっといいプレーができるように頑張ります。
MF 18 横山 知伸
最初は少しバタバタしてしまいましたが、ワンプレーごとにみんなで声を掛け合うことで、しっかりと気持ちを整理できました。簡単に勝てないとは思っていましたけど、苦しみながら勝点3を取れたのは非常に大きいです。
MF 23 金澤 慎
300試合達成は自分だけの力ではなく、ファン・サポーターの皆さんに支えられての記録なので、本当に感謝しています。開幕戦ということで難しい展開でしたけど、勝つことができてホッとしています。良いスタートを切るきっかけができたと思いますので、しっかりと次につなげたいと思います。
MF 41 家長 昭博
今日は雨の中ありがとうございました。金沢もしっかりとした守備をするチームだったので、なかなか決定的なチャンスを作れなかったですが、得点シーンはシュートを打つだけでした。また応援よろしくお願いします。
ただ後半は、しっかりとボールを動かしてサイドにボールを散らせました。4-4-2の相手のときはサイドで起点をつくるイメージを私自身も持っていましたし、選手にも伝えていました。そして、昨年にはあまりなかった中央のコンビネーションで得点が取れたことは非常にうれしく感じますし、キャンプでやってきたことができてうれしく思います。
J2に降格したにもかかわらず、雨の中8,000人の方が来てくれたことに非常に感謝していますし、それは選手たちにも伝えました。『J2に落ちたときだからこそ、本当のファンの方は見てくれている。そこで勝利をプレゼントとして届けなければいけない』と。開幕戦をホームで勝てたということで、この一戦から次のセレッソと、目の前の相手に一戦必勝でということを忘れないで戦いたいと思います。
Q.前半はサイドハーフが前に張り過ぎ、ボールが回らなかったような印象を受けたが?
その通りだと思います。それは、ボランチが下がり過ぎてしまったからで、そうなると選手たちが外に逃げていくしかなくなります。ボランチが中央にいれば、サイドバックが高い位置を取れ、サイドハーフが中に入ったりできるので、ボランチが後ろ目になっていたところを後半は修正しました。前半は金沢さんの守備を崩せないままボールを回していたと思います。
Q.J2の厳しさを感じたか。
いいえ。金沢さんもしっかりとしたチームですから、厳しい戦いになると思っていました。ボールをつける場所、テンポや距離感を変えたりしながらできればもっと良かったと思いますが、落ち着かない展開のままプレーしていて、前半は全くゲームコントロールできなかったと感じています。J2だからではなく、相手がしっかりとやってくるときは、自分たちもしっかり準備しなければいけないと強く感じました。
Q.スペースがない中で、どうやって崩すイメージを持っているのか。
(相手の守備の)スペースを広げるためには、ボールをしっかり持って縦に入れていくという当たり前のことが必要です。どちらの足にパスをつけるかや、タイミングをどうするかなど、質を高めていかなければいけないと思います。また、どんなに狭いスペースでも動くことで何かが起こると思うので、立ち止まったままクロスを上げるとかではなく、一瞬のスキを突くことなども含めて質を高めていきたいと思います。