Jリーグ ディビジョン1 第7節
2012.4.21 [SAT] 18:30 NACK

大宮

  • 8' チョ ヨンチョル
  • 27' ラファエル
2 - 0
2 前半 0
0 後半 0

浦和

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 14 坪内 秀介
DF 2 菊地 光将
DF 20 キム ヨングォン
DF 22 下平 匠
MF 5 カルリーニョス
MF 6 青木 拓矢
MF 13 渡邉 大剛
87'
MF 9 チョ ヨンチョル
MF 8 東 慶悟
82'
FW 10 ラファエル
90+1'

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 4 深谷 友基
82'
DF 30 渡部 大輔
MF 23 金澤 慎
MF 7 上田 康太
MF 16 金久保 順
87'
FW 32 長谷川 悠
90+1'

監督

鈴木 淳

スターティングメンバー

GK 18 加藤 順大
DF 2 坪井 慶介
DF 17 永田 充
DF 20 槙野 智章
MF 14 平川 忠亮
MF 13 鈴木 啓太
46'
MF 22 阿部 勇樹
MF 7 梅崎 司
MF 8 柏木 陽介
MF 10 マルシオ リシャルデス
FW 16 ポポ
73'

控えメンバー

GK 1 山岸 範宏
DF 26 濱田 水輝
MF 5 高橋 峻希
MF 3 宇賀神 友弥
MF 27 小島 秀仁
FW 24 原口 元気
46'
FW 21 デスポトビッチ
73'

監督

ペトロヴィッチ
試合詳細
10 シュート 15
8 GK 2
3 CK 15
12 直接FK 7
2 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

飯田 淳平

副審

相樂 亨

副審

大川 直也

第4の審判員

中村 太

入場者数

12,709人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

12.1℃/58%
攻守にスキなし!ダービーで快勝!
NACK5スタジアム大宮が、試合前から揺れていた。選手たちがウォーミングアップに登場すると、アルディージャのファン・サポーターの声援がピッチに降り注ぐ。いつも以上に熱く、激しく、魂が込められている。アウェイ側の声援に負けない熱気が、すでに戦いが始まっていることを告げる。そう、今日はダービーなのだ。
頼もしい選手が戦列に戻っている。負傷欠場していた東が、満を持してスタメンに名を連ねてきたのだ。周囲の選手の特徴を引き出し、自らも生きることができる彼の復帰は、勝利への期待を加速させる。
新監督を迎えた相手は好調だが、現時点の調子や成績が意味を成さないのは、過去のゲームが教えてくれている。「浦和を想定して一週間準備をしてきたことを表現したい」という渡邉の意気込みは、チーム全体に共通するものだ。
リーグ戦ホーム初勝利をつかむために。ファン・サポーターと、歓喜を分かち合うために。譲れない思いを胸に秘め、選手たちはダービーに挑む。

キックオフ後のざわめきがおさまりかけた8分、スタジアムにオレンジ色の歓喜が走り抜ける。左サイドの渡邉からスルーパスを受けたチョ ヨンチョルが、カットインから見事な一撃をゴール右スミに突き刺したのだ。「パスコースが見えたので迷いなく出せた」と渡邉は話し、「すごくいいパスが出てきたので決められて良かった」とチョ ヨンチョルも振り返る。完璧な意思の疎通から生まれた先制弾だった。
その後もアルディージャは、しっかりとした守備をベースにゲームをコントロールする。「攻」から「守」へ切り替わった瞬間にブロックを敷き、相手に意図的にボールをまわさせる状況を作り出す。「中を締めるのは意識していて、梅崎選手にボールを出させた瞬間に坪内と挟むようにしました。そこはうまくいったと思う」と語ったのは渡邉である。また、ダブルボランチの一角を担う青木は、「今日はカルリーニョスが右、自分が左とできるだけ分けるようにしました」と言う。個々の役割を明確化し、そのうえで組織としての機能性を高めていったのである。
さらに加えて、選手同士の距離感も絶妙だった。ボールホルダーへの的確なサポートが、スムーズかつ鋭利なカウンターを実現させていたのである。
27分に追加点が生まれたのは、試合の流れを考えれば当然だっただろう。チョ ヨンチョルが左サイドからあげたクロスを、ラファエルがヘディングで決めたのだ。ダービーに抜群の強さを発揮する背番号10が、この日も"浦和キラー"ぶりを見せつけた瞬間である。
リードを2点に拡げたアルディージャは、引き続きゲームをコントロールする。「ボールの奪い方が良かったので、カウンターにうまくつなげられていた」とは青木だが、28分にもビッグチャンスを迎えるなど、危なげない展開で前半終了のホイッスルを聞いた。

後半開始とともに、浦和が選手交代のカードを切り、より攻撃的な布陣で挑んでくる。しかし、アルディージャは冷静に対応する。「相手ボールのときはしっかり我慢して、奪ったら自分たちでボールを動かすことができていた」と渡邉は振り返る。51分に3対2の局面からつかんだ決定機が、彼の言葉を裏付けるだろう。
後半だけで10本のシュートを浴び、相手のCKは前後半を通じて15本を数えた。守備の時間が長かったのは確かである。ただ、「コンパクトにして粘り強くできた」と青木が振り返ったように、アルディージャの守備網はわずかなスキも作らない。何度か許した際どいシュートは、GK北野が確実に処理した。菊地や下平のクリアもチームを救った。
82分には東に代えて深谷を投入し、長身FWを加えていた相手のパワープレーを封じ込める。「久しぶりに引いて守る時間が長かったですが、チームに一体感がありましたし、いい意味ではっきりとしたサッカーができたと思います」と深谷が話すように、相手の圧力に屈することなく、最後まで集中を切らさない対応は無失点にふさわしいものだった。

1得点1アシストのチョ ヨンチョルは、「大事な試合だったので、勝てて本当に嬉しい。この雰囲気を次の試合につなげたい」と語った。「勝った次の試合が良くないことが多いので、ここで喜びに浸るのではなく、次の試合に意識を向けていきたい」と深谷も話す。
ダービーの勝利はあくまでもきっかけに過ぎない。ここから始まる反攻を、誰もが思い描いている。

(総評: 戸塚 啓 /写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 鈴木 淳
非常にハードなゲームになりましたが、選手は最後までよく頑張ってくれて、失点を0に抑えて勝点3を取ることができました。前半から浦和の攻撃をどう抑えるかというのが課題でしたが、それはある程度うまくいきました。攻撃面では、DFラインではある程度ボールを持てると思っていましたので、サイドチェンジをうまく繰り返していく中でサイドが薄くなってくると考えていました。それは選手にも指示していたことで、サイドバックが持った時に相手のDFラインの背後や3バックの脇をうまく使おう、という狙いがうまくいったのではないかと思います。
後半、浦和が選手交代やシステム変更したことで、中盤でフリーになる選手が多く出てしまいましたので、うちも選手のポジションを少しずつ変えて対応しました。失点0で終えられたのは非常に収穫になると思います。

Q:復帰した東のプレーはどうだったか?
非常によくやってくれたと思います。ラファエルやチョ ヨンチョルをうまく使って、ラストパスを出して走らせてくれましたし、中盤で十分にボールをキープして後ろの選手が上がってくる時間を作ってくれました。後半については守備でも非常にハードワークしてくれて、ゲームからしばらく遠ざかっていましたので最後はちょっと息切れしましたが、非常に良くやってくれたと思います。

Q:これまで内容がいいのに結果が伴わないというアンバランスな状態が続いていたがどう考えているか?
今までのゲームは攻撃に重心を置いていました。攻撃の人数があまりにも多すぎて、その中で悪い形で失ってカウンターを食らい、1失点するとまたさらに前がかりになって2失点目、という形が非常に多かったと思います。今週に関しては、浦和のカウンターアタックが一番脅威だと考えていましたので、攻撃にさほど人数を割かずに、サイドチェンジを繰り返しながら突破口を開いていこう、という戦いをしました。それが結果に出たのではないかと思います。攻撃に人数を掛けて、そこで点が取れればいいのですが、なかなか取れないことで結果が出なかったのではないかと考えています。
選手コメント
FW 9 チョ ヨンチョル
Q:得点シーンを振り返って。
浦和のDFラインの間にスキがあることは、試合前からの分析ではっきりわかっていたので、狙っていました。(渡邉)大剛さんから素晴らしいパスが入ってきたので、あとはもう流し込むだけでした。このNACK5スタジアム大宮で、さいたまダービーでゴールを決めることができてすごくうれしいです。

Q:次の試合に向けて意気込みを。
今日の勝利は今シーズンのホーム初勝利ですが、また次の試合も勝って2連勝、3連勝とできるように、今日の勝利に驕ることなく気持ちを切り替えて、またしっかりと準備していきたいと思います。
FW 10 ラファエル
Q:得点シーンを振り返って。
ストライカーらしいゴールだったと思っています。なかなかチャンスがない中で、いいボールが(チョ)ヨンチョルから来ました。いいボールが来たところを確実に決めるということがストライカーとしての仕事だと思いますし、数少ないチャンスを決めるという最低限の仕事ができたのでよかったです。

Q:これで今季ホーム初勝利となったが?
今日の勝利はいいことですが、先ほども言ったようにこれで完璧ではありません。また来週、札幌戦が待っています。札幌戦にしっかり勝って、その後も勝ち癖をつけて連勝するということをチーム全員で求めていく、そういう姿勢を持ち続けなければいけないと思っています。
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