第95回 天皇杯 1回戦
2015.8.29 [SAT] 18:00
NACK
大宮
- 9' 播戸 竜二
- 15' 清水 慎太郎
- 84' 富山 貴光
- 89' マテウス
4
-
0
2
前半
0
2
後半
0
栃木ウーヴァFC
試合経過
メンバー
スターティングメンバー
GK 21 塩田 仁史
DF 22 和田 拓也
DF 28 福田 俊介
DF 34 片岡 洋介
DF 20 大屋 翼
86'
MF 5 カルリーニョス
MF 15 大山 啓輔
MF 16 マテウス
MF 14 清水 慎太郎
79'
FW 9 富山 貴光
FW 11 播戸 竜二
56'
控えメンバー
GK 31 清水 慶記
DF 25 高山 和真
86'
DF 29 藤井 悠太
MF 39 泉澤 仁
79'
FW 41 家長 昭博
56'
監督
渋谷 洋樹
スターティングメンバー
GK 1 瀧澤 進吾
DF 28 山崎 侑輝
DF 20 鈴木 翼
DF 17 市瀬 勇樹
DF 30 阿部琢久哉
MF 13 石井 晃樹
MF 34 濱岡 和久
MF 15 足立 高俊
68'
FW 14 坪井 秀斗
61'
FW 8 平泉 衝
56'
FW 16 内山 俊彦
控えメンバー
GK 21 蜂巣 良哉
MF 10 安間 ム月
FW 7 岩城 正明
61'
FW 11 市川 稔
68'
FW 25 若林 学
56'
監督
前田 和也
試合詳細
19 | シュート | 6 |
---|---|---|
9 | GK | 9 |
4 | CK | 1 |
10 | 直接FK | 7 |
4 | 間接FK | 1 |
1 | PK | 0 |
試合データ
主審
清水 修平
副審
津野 洋平
副審
鈴木 渓
第4の審判員
多田 稔
入場者数
2,997人
天候
曇、無風
ピッチ状態
全面良芝、水含み
気温/湿度
22.1℃/86%
新鮮なメンバー構成で大量ゴール! 快勝で初戦突破
今年も、この季節がやって来た。天皇杯は、夏から冬にかけて、プロ、アマチュアを問わず、日本中のチームが頂点を目指す歴史あるトーナメントだ。ピッチの中も外も、Jリーグとは雰囲気が異なる。1回戦の相手は、アマチュア最高峰のJFLに所属する栃木ウーヴァFC。プロ対アマチュアの構図だが、単にプロが格上で優位とは言い難い。相手は高いモチベーションで思い切ってプレーをしてくる。最も避けたいのは、受けて立つ姿勢だ。渋谷監督は、GK塩田、MFマテウスの今季公式戦初先発など、リーグ戦とは大きく異なる布陣を用意した。出場機会に飢えている選手たちの起用は、積極性を生む意味で効果がある。そして塩田が「1回戦は勝って当たり前という見方をされる大会。でも、今日はいつもと同じ雰囲気で応援してくれてうれしかった。1回戦からここまでの雰囲気を作ってもらえる試合はあまりない」と話したスタンドの雰囲気もチームを後押しした。
試合の立ち上がりは、思惑通りに進んだ。右サイドのマテウスを経由した攻撃で積極的にゴールへ迫ると、9分にはマテウスのクロスを播戸が流し込んで早くも先制。播戸は「なかなかゴールが生まれないと、相手が(自信を得て)さらに頑張ってくるもの。そこは意識していた。ファーストチャンスを決められて良かった」と先制点の重要性を話した。その後も満足することなく攻め続け、15分にはカウンターで抜け出した清水慎が左から鮮やかな右足シュートを決めて追加点を奪った。しかし、やはり連係面では準備時間が短いだけにミスが多かった。2点を取った後はパスの意図が合わず、攻撃が停滞した。前半終了間際には相手の流れるようなパスワークでバイタルエリアを崩されるピンチもあったが、GK塩田がタイミングを逃さずに前へ出て相手の決定機を阻んだ。
後半も主導権は握るものの連係ミスが多く、攻撃のテンポが上がらない。渋谷監督は56分にMF家長を投入し、改善を狙った。59分にはGK塩田が単独でセーブする危険な場面が訪れたが、攻撃面では次第に家長にボールが集まり、密集地帯を細かいパスワークで打開するシーンが増えていった。78分にはパス交換による中央突破で最後は富山がGKと1対1になったが、シュートはGKに防がれた。その後も決定機を迎えながら防がれ続けた富山は「狙ったところに蹴っても、そこに手が残っているのか!という感じ。今日は決められないんじゃないかと思った」と焦りが生じたことを明かしたが、スタンドからはため息が漏れるどころか、何度も富山のチャント(応援歌)を歌うことで励まし、背中を押し続けた。待望の3点目が生まれたのは、84分だった。家長のシュートが相手に当たって浮き上がると、富山が豪快なボレーシュート。ゴールへ突き刺さった瞬間、ピッチの中にも外にも笑顔が咲いた。その後は、プロデビュー戦となる高山を投入するなどして時間が経過。試合終了間際には、カウンターで抜け出した富山が獲得したPKをマテウスが決めて4点目をマークした。
終わってみれば、4-0の快勝だ。新鮮なメンバー構成での勝利は、チームの底上げを促すものだ。自分がプレーして勝利を得た自信と、実戦で苦しみを味わった経験が、選手とチームをさらに高める。播戸は「2点目を奪った後、ゴールへ早く攻めるのか、しっかりとボールを動かすのかという点で(バランスが)中途半端になった」とチームの課題を指摘。大山は「試合に勝てたことはうれしいし、良かった。でも個人ではダメ。今日の自分のプレーでは、監督にリーグ戦で使いたいと思わせることはできない。連係のことを言い訳にはしたくない。僕のレベルがもっと高ければ、最後まで味方の動きを見て合わせられるはず」と自身を厳しく評価し、強い悔しさを感じていた。もっと良い選手に、もっと良いチームになれる。そんな雰囲気がチームに生まれつつあることが、最大の収穫だ。2回戦は9月6日。NACK5スタジアム大宮で東京ヴェルディと対戦する。今季のリーグ戦ではホームで苦杯をなめさせられた相手だ。きっちりと借りを返し、再開するリーグ戦へと勢いを持ち込みたい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
試合の立ち上がりは、思惑通りに進んだ。右サイドのマテウスを経由した攻撃で積極的にゴールへ迫ると、9分にはマテウスのクロスを播戸が流し込んで早くも先制。播戸は「なかなかゴールが生まれないと、相手が(自信を得て)さらに頑張ってくるもの。そこは意識していた。ファーストチャンスを決められて良かった」と先制点の重要性を話した。その後も満足することなく攻め続け、15分にはカウンターで抜け出した清水慎が左から鮮やかな右足シュートを決めて追加点を奪った。しかし、やはり連係面では準備時間が短いだけにミスが多かった。2点を取った後はパスの意図が合わず、攻撃が停滞した。前半終了間際には相手の流れるようなパスワークでバイタルエリアを崩されるピンチもあったが、GK塩田がタイミングを逃さずに前へ出て相手の決定機を阻んだ。
後半も主導権は握るものの連係ミスが多く、攻撃のテンポが上がらない。渋谷監督は56分にMF家長を投入し、改善を狙った。59分にはGK塩田が単独でセーブする危険な場面が訪れたが、攻撃面では次第に家長にボールが集まり、密集地帯を細かいパスワークで打開するシーンが増えていった。78分にはパス交換による中央突破で最後は富山がGKと1対1になったが、シュートはGKに防がれた。その後も決定機を迎えながら防がれ続けた富山は「狙ったところに蹴っても、そこに手が残っているのか!という感じ。今日は決められないんじゃないかと思った」と焦りが生じたことを明かしたが、スタンドからはため息が漏れるどころか、何度も富山のチャント(応援歌)を歌うことで励まし、背中を押し続けた。待望の3点目が生まれたのは、84分だった。家長のシュートが相手に当たって浮き上がると、富山が豪快なボレーシュート。ゴールへ突き刺さった瞬間、ピッチの中にも外にも笑顔が咲いた。その後は、プロデビュー戦となる高山を投入するなどして時間が経過。試合終了間際には、カウンターで抜け出した富山が獲得したPKをマテウスが決めて4点目をマークした。
終わってみれば、4-0の快勝だ。新鮮なメンバー構成での勝利は、チームの底上げを促すものだ。自分がプレーして勝利を得た自信と、実戦で苦しみを味わった経験が、選手とチームをさらに高める。播戸は「2点目を奪った後、ゴールへ早く攻めるのか、しっかりとボールを動かすのかという点で(バランスが)中途半端になった」とチームの課題を指摘。大山は「試合に勝てたことはうれしいし、良かった。でも個人ではダメ。今日の自分のプレーでは、監督にリーグ戦で使いたいと思わせることはできない。連係のことを言い訳にはしたくない。僕のレベルがもっと高ければ、最後まで味方の動きを見て合わせられるはず」と自身を厳しく評価し、強い悔しさを感じていた。もっと良い選手に、もっと良いチームになれる。そんな雰囲気がチームに生まれつつあることが、最大の収穫だ。2回戦は9月6日。NACK5スタジアム大宮で東京ヴェルディと対戦する。今季のリーグ戦ではホームで苦杯をなめさせられた相手だ。きっちりと借りを返し、再開するリーグ戦へと勢いを持ち込みたい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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選手コメント
FW 9 富山 貴光
外しまくっていたので、最後に決められて良かったです。サポーターの皆さんが何度も僕のチャントを歌ってくれて後押してくれていたので、本当に励みになりました。PKは僕も蹴りたかったですが、マテウスが今年初めての出場でしたので、マテウスにも点を取ってほしいと思って譲りました。とにかく得点という結果を残せて良かったです。次も全力で頑張ります。
MF 16 マテウス
最初から最後までサポーターが後押ししてくれて、すごくプレーしやすかったです。苦しいときやミスをしたときも、応援があるからこそ立ち直って、また走ろう、もう少し頑張ろうと思えますし、非常に感謝しています。PKになった瞬間にボールを取りに行ったら、みんなが『自信があるなら蹴れ』と言ってくれました。どの選手も天皇杯を勝ち進みたいと思っています。来週も頑張ります。
GK 21 塩田 仁史
ピッチに立ちたいとずっと思っていたので、ピッチに立ててうれしかったです。天皇杯の初戦でしたが力強い声援を送ってくれて本当に感謝しています。半年間、自分のことを見守ってくれた皆さんにプレーで恩返しをしようと思っていました。いつもより大きな声援を自分に送ってくれていることはひしひしと感じていました。試合に出ていないときの自分の姿勢も見てくれていたのかなと思うとすごくうれしいです。
Q.リーグ戦につながる活躍をした選手がいたら教えてください。
次につながる選手は何人もいましたし、ポジション変更した選手もいたので、そういった意味でもプラスになりました。アタッカーの選手が前線で4人並ぶとボールが動かないと分かったことや、ゲームの滞りが出ると分かったことも私自身プラスになりました。修正点があるのは悪いことではなく、それを次につなげることが非常に大切です。うまくボールが動かないときに、どうやって動くかということはトレーニングに生かせますし、うまくいかないときに選手たちがそれを解決するかというのは重要なので、そういった点も次につながると思います。選手の特長を生かした配置にすれば、ある程度の試合はできると思いますが、同じような特長の選手が並ぶとこういった展開になると分かり、私自身プラスになりました。例えば、塩田選手も試合に出ればこれだけ活躍してくれますし、播戸選手も久しぶりに先発して先制点を取ってくれました。選手たちはそれぞれの役割を持って、本当に全員が次につながるプレーをしてくれました。
Q.家長選手と泉澤選手を起用した理由を教えてください。
彼らは得点の取れる選手です。スコアが動かない展開の中では個人で相手をはがすというプレーが必要なので、相手に対して優位性を持つために、差をつけるために彼らをサブに置いていました。彼らを使わないという考え方もあると思いますが、播戸選手がまだ長い時間プレーできる状態ではなく、家長選手はリーグ戦が2試合出場停止になっているので、少しでも長くプレーさせるという意図もありました。家長選手は試合勘をなくさないため、泉澤選手は清水慎太郎選手が点を取っていたこともあったので、シュートまで持っていくことやアシストにつなげるプレーをもう一度イメージさせるために投入しました。