開始10分で2失点。後半に猛攻仕掛けるも追いつけず
試合ごとに順位表を確認し、残りのカードを確認する日々だ。プレーオフ出場圏ギリギリの6位で迎えた明治安田J2第39節は、京都とのホームゲーム。残り4試合に上位との直接対決は残されておらず、J1復帰には運も必要だが、まずは人事を尽くさなければならない。同じ気持ち、同じユニフォームで臨むサポーターとNACK5スタジアム大宮で戦えるのは、あと2試合。何としても勝利を挙げたいところだ。
開始2分、右サイドバックの酒井のクロスをシモヴィッチが頭で反らし、茨田のシュートにつなげた場面は良かったものの、全体的に出足が重くなってしまった。石井監督が「下がって対応したことで、ペナルティーエリア付近まで来させてしまった」と話したように、相手のハイボールに押し込まれ、引いて守ると足下でパスをつながれた。
4分、カイオと元日本代表・闘莉王のコンビネーションから低いパスをゴール前に通され、レンゾ ロペスに先制点を決められた。10分にはカイオにミドルシュートをたたき込まれ、2点目を失った。畑尾は「集中していなかったわけではない。もっと前の段階で潰せたかもしれないし、何が悪かったとすぐには言い切れないけど、シュートを打たれたということは寄せきれていないということ」と悔しそうに振り返った。
ハイボールは相手の強みだが、それだけなら対応しやすかったかもしれない。酒井は「センターバックが競った(こぼれ球の)フォローを考えていた」と話しており、実際に後半の立ち上がりなどは、相手の攻撃をはね返せていた。しかし、意表を突かれるような形で苦境に立たされた。
それでも、攻撃では主導権を握り、押し返すことができた。31分、波状攻撃で得た右CKを大山が蹴ると、マークを外そうとした河面がファウルを受けてPKを獲得。得点ランク首位の大前がしっかりと決めて1点を返した。シモヴィッチがマークを振り切ってシュートを放つ場面も多く、良いリズムで前半を終えた。
後半も攻撃場面は多く、シュート数は90分間で計18本を記録した。75分に大山が蹴った右CKをフリーになった茨田が頭で合わせた場面や、89分に途中出場の嶋田のクロスを大前が滑り込みながらボレーで合わせ、クロスバーをたたくシュートを打った場面は、ゴールまであと一歩に迫った。
しかし、J2残留のために譲れない京都も必死だ。守備が本職の闘莉王を最終ラインに下げて対応してきた。結果、攻め続けたが同点ゴールは奪えなかった。序盤の2点が重くのしかかった格好だ。大前は「シュートを打つまで、スピードがすごく上がった状態の攻撃が多かった。もう少しコントロールできれば、もっと良い攻撃、チャンスを作れたと思う」と、攻め急いで精度を欠いた課題を指摘した。
残り3試合でプレーオフ圏外の順位となったが、可能性は十分に残されている。次節は、金沢とのアウェイゲーム。勝利で可能性を広げたい。
(総評:平野貴也/写真:早草紀子)
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石井正忠監督 会見コメント
選手コメント

DF2 菊地 光将 (#2菊地)
「久しぶりの出場でしたが、コンディションは問題なかったですし、落ち着いてゲームに入ることができました。ただ、立ち上がりに2失点してしまい、それが最後まで響いたと思います。もったいない試合になってしまいました。今日の試合のように、立ち上がりにビハインドを背負ってしまうと苦しい試合展開になってしまいます。残り3試合ですが、可能性は残っているので、勝利することだけを考えてしっかり頑張っていくだけです」

MF7 三門 雄大 (#7三門)
「ゲーム内容は悪くなかったですが、最近の試合ではセットプレー以外で得点が取れていません。崩しの細かい部分を、もう一度みんなで詰めていかないといけません。また、意図が少しズレてもプレーが切れるまでは、一人ひとりにもっとやれることがあると思いますし、チームのために犠牲を払わないといけません。サポーターの皆さんは試合中だけではなく試合後も大きな声援を送ってくれました。サポーターの皆さんが諦めていない中で、僕たち選手が諦めるわけにはいきません。とにかく最後までやるしかありません」

FW9 ロビン シモヴィッチ (#9シモヴィッチ)
「ただただ残念な結果です。悪くない内容だったと思いますし、チャンスは作れていましたが、スコアに結びつきませんでした。長い間、あまりチャンスがありませんでしたが、ここ数試合は先発で出ているので調子は上がってきています。今日は声援を送ってくれた皆さんに勝点3をプレゼントできなくて残念ですが、やり続けるしかありません。私たちは、残り3試合で勝点9が必要です。勝点9を取ることだけを考えてやっていきます」
「たくさんのファン・サポーターの皆さんが来てくださったNACKでのホームゲームで、しっかり勝点を積み重ねることができず非常に残念です。
試合の内容としては、立ち上がりの入り方、入らせ方が悪く、先に2失点してしまいました。1点を返す前あたりから自分たちがしっかりボールを保持して攻撃する形ができるようになり、後半も続けて良い形で入ってチャンスもつくれたのですが、最終的にゴールにつなげることができず、非常に残念な結果になってしまいました。
たくさんのファン・サポーターの皆さんが来てくださった中で勝点3を取れなかったことは非常に悔しいです。選手は最後の最後まで、追いついてさらに逆転するためにハードワークしてくれたと思うので、試合の入らせ方という点で私自身の責任というのは非常に大きいと感じています」