Jリーグヤマザキナビスコカップ グループステージ Aグループ 第7節
2016.6.5 [SUN] 14:00 NACK

大宮

  • 87' ネイツ ペチュニク
1 - 0
0 前半 0
1 後半 0

鹿島

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 50 松井 謙弥
DF 13 渡部 大輔
DF 4 山越 康平
DF 28 福田 俊介
52'
DF 20 大屋 翼
MF 10 岩上 祐三
MF 15 大山 啓輔
MF 16 マテウス
67'
MF 39 泉澤 仁
FW 7 江坂 任
60'
FW 9 ネイツ ペチュニク

控えメンバー

GK 32 加藤 有輝
DF 25 高山 和真
52'
MF 18 横山 知伸
MF 26 小島 幹敏
67'
FW 14 清水 慎太郎
60'
FW 29 川田 拳登
FW 41 家長 昭博

監督

渋谷 洋樹

スターティングメンバー

GK 1 櫛引 政敏
DF 35 平戸 太貴
DF 5 青木 剛
DF 28 町田 浩樹
59'
DF 14 ファン ソッコ
MF 26 久保田 和音
67'
MF 20 三竿 健斗
MF 34 鈴木 優磨
82'
MF 36 田中 稔也
FW 18 赤﨑 秀平
FW 37 垣田 裕暉

控えメンバー

GK 29 川俣 慎一郎
DF 22 西 大伍
67'
DF 23 植田 直通
59'
MF 8 土居 聖真
82'
MF 25 遠藤 康
MF 30 大橋 尚志
MF 32 杉本 太郎

監督

石井 正忠
試合詳細
10 シュート 11
17 GK 4
6 CK 5
9 直接FK 9
2 間接FK 0
0 PK 0
試合データ

主審

バルトシュ フランコフスキ

副審

コンラッド サペラ

副審

ミハル オブコヴィツ

第4の審判員

三上 正一郎

入場者数

9,316人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

26.3℃/58%
終了間際に劇的ゴール! 6戦無敗で準々決勝へ進出!
ここまで3勝2分けでグループステージ Aグループ2位の大宮アルディージャは、既に11年ぶりのノックアウトステージ進出を決めている。ただ、この日の鹿島戦には無敗での8強入りとグループ首位通過が懸かっている。選手たちのモチベーションは高い。

フレッシュなメンバーで臨む。ニューヒーロー賞の対象選手がスタメンに4人、控え選手に5人並ぶ。一方で今シーズンから在籍する30歳のGK松井が、公式戦初出場を果たす。DF福田は3月20日の明治安田生命J1リーグ 1stステージ第4節・広島戦、渡部は4月2日の第5節・磐田戦以来のスタメンとなる。

最終ラインは右から渡部、福田、山越、大屋で形成。大屋はゲームキャプテンにも指名された。中盤では岩上と大山がダブルボランチ、2列目の右サイドはマテウス、同左サイドは泉澤だ。2トップはネイツ ペチュニクと江坂である。澄み切った青空と色鮮やかな緑のピッチ、それにオレンジのコントラストが眩しいNACK5スタジアム大宮で、14時04分にゲームが動き出した。

リーグ戦とはメンバーを入れ替えているものの、ゲームの入りは悪くない。アルディージャが最初に相手ゴールへ迫ったのは19分、江坂のパスを受けたマテウスが右サイドを突破する。内側へ持ち直して左足を振り抜くと、強烈な一撃がクロスバーをたたいた。

26分にも鹿島ゴールを脅かす。岩上の右足ミドルがGKを襲い、江坂の右足シュートがゴールをかすめるように左へ逸れていく。30分には岩上のロングスローをきっかけに2次攻撃を仕掛け、江坂の左足シュートがGKのセーブにあった。

渋谷洋樹監督から「全体をコンパクトに保とう」と指示された後半は、コンビネーション豊かに厚みのある攻撃を繰り広げていく。57分、中盤でパスを受けた江坂がドリブルで抜け出し、ペナルティーエリア内まで持ち込んで右足でシュートする。決定的なシーンだったものの、これもGKに防がれてしまった。

60分には江坂が退き、清水が投入される。スタンドの大声援に送り出された背番号14は、今シーズン公式戦初出場だ。63分には岩上のロングスローから、その清水がヘディングでゴールを狙った。67分にはマテウスに代わって小島がピッチに立つ。前半に比べてややオープンな展開になったこともあり、鹿島に攻撃を許すシーンも生まれていく。

ここで輝いたのがGK松井だ。73分、77分、85分と決定機をしのぎ、最後方からチームを盛り立てる。最終ラインが後退せずにコンパクトさを保ったことも、失点を与えなかった一因にあげられるだろう。福田に代わって52分から出場した高山も、試合の流れへスムーズに入っていった。

攻守両面にわたる頑張りが、ゴールへつながったのは87分だ。左サイドで大屋からのパスを受けた泉澤が、緩急鋭いドリブルでゴールラインのギリギリまで侵入。ゴール正面に詰めていたペチュニクが右足でプッシュし、NACK5スタジアム大宮に歓喜を呼び込む。後半アディショナルタイムにも小島がGKとの1対1を迎えるなど、最後まで攻撃の姿勢を貫いたアルディージャは1-0の勝利をつかんだ。

決勝ゴールをあげたペチュニクは「仁の突破が素晴らしかった。得点のほとんどは彼のものです」と泉澤をたたえ、泉澤は「結果がついてきて良かった」と自らの活躍よりもチームの勝利に声を弾ませた。キャプテンを務めた大屋も、チーム全体の奮闘を勝因にあげた。

「ヤマザキナビスコカップでは後半に押し込まれることが多く、今日もそういった展開になりましたが、しっかりチームで守ることができた。リーグ戦に出ていない選手はアピールしたい気持ちを強く持ってこの試合に臨んでいて、その中で結果が出たのは良かったです」

同時刻開催のゲームでグループ首位の神戸が勝利したため、アルディージャはAグループの戦いを2位で終えた。それでも、無敗での8強入りは大きな意味を持つ。「チームのやり方が浸透していると思います。誰がピッチに立っても、渋谷監督のサッカーを理解できている」という福田の肌触りは、好調を維持するチーム状況を的確に言い当てている。

グループステージ6試合を振り返り、渋谷監督は「ヤマザキナビスコカップをリーグ戦へつなげ、リーグ戦をヤマザキナビスコカップへつなげるという相乗効果がありました。今日も我々にとっては消化試合ではなく、ホームでファン・サポーターへ勝利を届けることを目指して戦い、結果を残すことができました。今後のリーグ戦へつなげる試合ができたと思います」と総括した。この日の勝利により、リーグ戦への期待はさらに高まっている。

(総評:戸塚啓/写真:山田勉)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
我々はノックアウトステージ進出が、鹿島さんはグループステージ敗退が決まっている中で、9,000人以上のお客さんが来てくださったことに対して感謝の言葉しかありません。ファン・サポーターの皆さんが最後まで後押ししてくださったことで最後の1点につながりました。こういった状況でも多くのお客さんに来ていただけたことで、選手たちはパワーを持って試合に臨むことができましたし、グループステージを無敗で終えられたのはチームが総力戦で戦えた証しだと思います。また、強く感じたのは、鹿島さんの応援に関してです。既にグループステージ敗退が決まっているにもかかわらず、今日も約2,000人の方がいらしていました。私自身は、どれくらいの方がいらっしゃるかと思っていた中で、強いチームや強いクラブにはああいう方々がいるものだと感じました。鹿島さんの歴史や強さは、敗退が決まっていても選手たちに試合に懸ける思いを持たせられる、そういうファン・サポーターの方々がいるからだと思いました。もちろん我々のファン・サポーターの方も含め、今日の試合、そしてJリーグを盛り上げてくださったことに感謝しています。

試合では、先日のリーグ戦からはメンバーを大きく代えました。松井選手を今シーズン初めて起用したり、ケガ明けの選手を起用したりしましたが、普段からエネルギーを持ってトレーニングに臨んでくれていることが今日の結果につながったと思います。試合に出ている選手も出ていない選手も、全員が試合に向けて良い準備をしようという状況が相乗効果となって、今の結果が生まれてきていると感じます。今日もミスやできないことがありましたが、みんながカバーしあってくれました。2試合メンバーから外れていた泉澤選手がアシストし、それほど出場時間の多くないペチュニク選手が結果を出してくれての1勝は、リーグ戦に向けても非常に大きなものになりました。この6月、残り3試合となった1stステージ、全員で勝利を目指して戦っていきたいと思います。

Q.リーグ戦に向けた最後のテストとも言える試合だったと思いますが、内容に関する評価はいかがでしょうか。
鹿島さんが速いプレッシャーでボランチをつぶしに来ていたので、そこでパスが引っ掛かっていたり、短い距離のパスからボールを失っていたりし、特に前半は落ち着かない試合でした。相手のプレッシャーが速かったですし、我々もアグレッシブに戦っていましたから、ああいった展開になるだろうと思っていました。ただ、ワンタッチプレーを入れたりすることでスペースは生まれてきていたので、そのギャップを見付けてランニングすることができればチャンスにつながると感じていました。守備に関しては、もっとサイドのエリアで厳しい守備やプレスバックをしなければ、失点につながりかねない場面があったと思います。
 
後半は幅を持って落ち着いて攻撃してくれ、その中でチャンスが生まれていました。プレッシャーが甘いことで、クロスやラストパスを送られてしまい決定的なピンチもありましたが、松井選手の対応に加えてディフェンスラインが下がらずにプレーできたので、無失点で最後の得点につなげることができました。メンバーが代わっていても、渡部選手や福田選手のように久しぶりに出場した選手がいても、全体的によくコミュニケーションを取ってプレーしてくれました。また、終盤に出場した選手たちも普段から取り組んでいるプレーのイメージを持ってくれていましたので、質の部分をもっともっと上げてほしいと思います。

Q.グループステージ6試合の振り返りと、ノックアウトステージへの意気込みを教えてください。
ノックアウトステージ進出は11年ぶりです。過去には、直前のリーグ戦と同じメンバーが何人いなければいけないという決まりがありましたが、今回はそういった規約もなかったので色々なトライをしたいと考えていました。なぜなら、昨年の思いがあったからです。シーズン中に疲弊してきた選手を入れ替えなければいけない判断をする際、公式戦に出ている選手であれば起用しやすいからです。そういった意味でグループステージでは常に選手たちの見極めをしていましたし、ヤマザキナビスコカップで良いプレーをし、そしてリーグ戦でも良いプレーをするという相乗効果を生むことができたと思います。また、選手たちが1試合1試合に向けてエネルギーを持って臨んでくれ、プレーに躍動感を出してくれました。例えば、リーグ戦とは違う形で前線からプレッシャーを掛けるというトライをし、それをリーグ戦にもつなげていく。その繰り返しでチームが少しずつ出来上がってきたと思います。この6試合で多くの選手が公式戦に出場し、いろいろなトライができ、本当にリーグ戦につながる試合ができました。
 
ノックアウトステージは2005年以来ですし、当時はベスト8で終わってしまっていますから、今回はベスト4、決勝、タイトルというものを目指して、少し期間が空きますが8月末に切り替えられるようにしたいと思います。11年ぶりのノックアウトステージ進出がすごいことではなく、必ずノックアウトステージに進出するようなクラブにならなければいけませんし、そうなることが重要です。10年以上J1にいるのであれば、毎年ノックアウトステージに進出するのが当たり前で、タイトルを取るか取らないかという戦いができるクラブになれるように、今年はその1歩目として戦っていきたいと思います。また、来週はリーグ戦がありますから、今日活躍した選手を含めて全員で新潟さんとの試合に向かい、良い準備ができた選手を起用したいですし、この勝利を次のリーグ戦につなげていきたいと思います。
選手コメント
MF 9 ネイツ ペチュニク
両チームに勝つチャンスのある試合をモノにすることができました。試合中に自分を応援してくれている声が聞こえて勇気づけられましたし、非常に良い雰囲気を作っていただいたことに対して勝利を届けられてうれしいです。我々はチームとしてリーグ戦、カップ戦ともに良い結果が出せていますし、自分自身も努力してゴールを増やしていきたいです。
MF 16 マテウス
前半は仕掛けるプレーができていたと思いますし、クロスバーに当たってしまいましたが良いシュートも打てました。今日はゴールを決められませんでしたが、ここで下を向かずに、今後も積極的にゴールを狙っていきたいと思います。グループステージを無敗で終えることができたのは自分たちが日々頑張っている証しです。この勢いを維持して上を狙っていきたいです。
DF 20 大屋 翼
リーダーは大切ですから、今日はキャプテンということで責任を感じました。前半は自分たちのペースでサッカーができましたが、後半は押し込まれる展開になりました。その中でも全員でしっかりとした守備をできたことが収穫です。今日はどんな状況でも声を出し続けようと思っていましたし、人生で一番声を出した試合かもしれません。誰が出ても遜色ないプレーができていますし、チーム力も上がっていると思うので、自分も良いアピールをしてチームに貢献していきたいです。
GK 50 松井 謙弥
久しぶりの公式戦でしたが、良い緊張感を持ってプレーすることができました。危ないシーンもありましたが、相手のFWは若かったですし、落ち着いて良い対応をすることができたと思います。

キーパーは1人しか出られないポジションです。いつ出てもいいように準備してきましたし、自分のプレーに自信もありました。大宮のファン・サポーターの皆さんの前で1回もプレーをしていなかったので、今日で自分のプレーが分かってもらえたと思いますし、その上で失点をゼロに抑えて結果を出せて良かったです。
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