明治安田生命J1リーグ 2nd 第8節
2016.8.13 [SAT] 19:00 ニッパツ

横浜FM

  • 90+2' ファビオ
1 - 1
0 前半 0
1 後半 1

大宮

  • 68' 泉澤 仁
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 榎本 哲也
DF 13 小林 祐三
88'
DF 22 中澤 佑二
DF 5 ファビオ
DF 24 金井 貢史
79'
MF 28 喜田 拓也
MF 8 中町 公祐
MF 20 マルティノス
MF 29 天野 純
71'
MF 11 齋藤 学
FW 9 カイケ

控えメンバー

GK 21 飯倉 大樹
DF 4 栗原 勇蔵
MF 7 兵藤 慎剛
MF 18 遠藤 渓太
79'
MF 25 前田 直輝
88'
FW 17 富樫 敬真
FW 16 伊藤 翔
71'

監督

エリク モンバエルツ

スターティングメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 13 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 23 金澤 慎
MF 17 横谷 繁
MF 39 泉澤 仁
84'
MF 7 江坂 任
89'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ドラガン ムルジャ
90+1'

控えメンバー

GK 1 加藤 順大
DF 5 沼田 圭悟
89'
DF 22 和田 拓也
MF 18 横山 知伸
90+1'
MF 15 大山 啓輔
MF 16 マテウス
84'
FW 9 ネイツ ペチュニク

監督

渋谷 洋樹
試合詳細
9 シュート 11
10 GK 7
11 CK 1
14 直接FK 12
1 間接FK 2
0 PK 0
試合データ

主審

山本 雄大

副審

山口 博司

副審

中野 卓

第4の審判員

福岡 靖人

入場者数

13,009人

天候

曇、中風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

26.1℃/70%
届かなかった勝点3。攻守の課題が見えた痛恨のドロー
前節、福岡とのホームゲームで連敗を止めた選手たちは、「次の横浜FM戦が大事になる」と口をそろえた。悪い流れを断ち切り、勢いを完全に取り戻すためには、明治安田生命J1リーグ2ndステージで無敗を守る横浜FMを相手に勝点を積み重ねる必要がある、と感じていたのだろう。渋谷監督は、「我々にはJ1で長く残留争いを続けてきた歴史がありますが、クラブの歴史を変えるためには、横浜FMのような伝統的なクラブを打ち破って越えていくことが必要だと考えています」と、この一戦の位置づけを口にした。

キックオフから2分、最初に決定機を迎えたのはアルディージャだった。右サイドから横谷が放ったCKを江坂がヘディングで狙うが、ボールはわずかに枠を外れてしまった。立ち上がりは両チームとも主導権を握るには至らず、一進一退の攻防となる。両サイドに張るマルティノスと齋藤のスピードを生かしてスペースを突いてくる相手に対して、アルディージャは粘り強い守備で対応。この日、30歳の誕生日を迎えた大屋が身を投げ出してクロスをカットし、菊地と河本がことごとくボールをはじき返した。

2度目のチャンスは12分。左サイドからのスローインを受けた泉澤がエリア内に侵入し、シュート性のクロスを入れる。飛び込んだムルジャがボールに触ることはできなかったが、ゴールへの期待が高まるシーンだった。30分以降は押し込まれる展開となったが、それでもゴールは割らせない。塩田が果敢な飛び出しでピンチを防ぎ、金澤と横谷がセカンドボールを拾って波状攻撃を食い止め、右サイドバックの渡部は、菊地と力を合わせて対峙した齋藤に仕事をさせなかった。

スコアレスで迎えた後半も両者譲らず、攻守が目まぐるしく入れ替わる展開に。家長のフィニッシュ、江坂のドリブルシュート、そして横谷が仕掛けた後の時間帯は、一転して攻め込まれる展開となる。57分には自陣のゴール前でパスをつながれ、天野にシュートを許してしまう。塩田が横っ飛びでボールをはじき出したが、試合は一瞬も気が抜けないまま進んだ。

泉澤のカウンターから家長がゴール前へ送ったボールをGK榎本にキャッチされた直後には、一気の逆襲でゴールを脅かされた。菊地の体を張った守備で難を逃れたが、手に汗握るカウンターの応酬。得点こそ決まらなかったものの、両チームともどん欲にゴールを目指す姿勢に、スタジアムの熱気が膨らむ。ムルジャと中澤が激しくボールを奪い合い、横谷が攻守両面で抜群の存在感を発揮し、ゴール前では菊地を中心とした守備陣が懸命のディフェンスを続けた。

どちらが先制しても不思議ではない展開の中、68分に観衆の度肝を抜く強烈な一撃が生まれた。大屋のクリアで攻撃に転じ、正確にパスを回し、ピッチ中央で実に12本目のパスを金澤から受けた泉澤が右足を強振。「勝ちたかったので、とにかく思い切り打ちました」という弾丸シュートがゴール右上に突き刺さった。

リードを奪ったアルディージャは、さらに畳みかけた。左サイドをかけ上がった泉澤のクロスをムルジャが狙い、右ポストを直撃したボールに江坂が詰める。追加点とはならなかったが、勢いは完全にアウェイチームにあった。さらに71分には、果敢な追い込みで相手ボールを奪い、そこから突破を仕掛けた家長を後ろから引っ張った喜田が一発退場。残り20分で数的優位に立ち、勝点3はさらに近づいたかに見えた。

しかしアディショナルタイム、1-0で試合を終わらせることができず、カイケのクロスボールに合わせたファビオに痛恨の同点ゴールを奪われてしまった。「10人になった相手にいいコンビネーションで守れていたのですが、最後の最後、思い切ってプレッシャーに行けませんでした」と振り返ったのは河本。江坂は「もう少し前線に人数を掛けていれば、厚みのある攻撃ができていたと思います。しっかり追加点を奪わないと、パワープレーでやられるしまうこともある…」と、悔しさをにじませた。

横谷は、攻守両面で見えた課題に関して「1点リードしている状況で、どう攻めて、どう追加点を奪うか。あとは交代選手を含め、最後までいかに連動した守備を見せるか」と、分析している。アウェイでの横浜FM戦は、1stステージに続いて後半アディショナルタイムに勝点2を失う格好となった。あと一歩で届かなかった勝利に悔しさが募る。

ただし、下を向く必要はない。浮き彫りになった課題に向き合い、日々の練習で修正し、次なる戦いに臨むだけである。横浜FMとの再戦は8月31日と9月4日、ルヴァンカップ準々決勝で訪れる。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

続きを読む

監督コメント
監督 渋谷 洋樹
今日はお盆休みの中、大宮からアウェイ横浜まで約1,700人の方々にお越しいただき、マリノスさんも含めて13,000人以上の中での戦いとなりました。マリノスさんに引分けで良くやったと思う方がいるかもしれませんが、1stステージも2ndステージも我々はリードしていたので、最後のところで失点してしまったことは本当に悔しいの一言です。私だけでなく、選手やファン・サポーターの方も含め、本当に悔しい試合になったと思います。

試合に関しては、相手のビルドアップに対して前線からの守備でリズムをつかむことができましたが、そこばかりに力を掛けてしまいました。もちろん、自分たちがボールを動かしながら戦うことを意識していましたが、良いコンビネーションがあまり見られませんでした。押し込んでから攻撃を仕掛けないとカウンターを受けてしまうので、後半は相手の陣地でビルドアップをしながら、サイドを使ってチャンスを作り出せればと考えていましたし、選手たちがそのイメージを持って得点につなげてくれました。

守備においては、家長選手が見せてくれたように、相手選手を退場に追い込むようなプレッシャーを掛けてくれましたが、試合を通じて非常に集中していたと思います。ただ、試合終盤に失点してしまったことは、今後のリーグ戦に向けてしっかりと修正していかなければいけません。マリノスさんとはルヴァンカップでホーム&アウェイで戦えますし、リーグ戦では勝ち切ることができなかったので、次の対戦ではしっかりと勝ち切りたいと思います。とはいえ、来週には仙台さんとのリーグ戦があります。選手が入れ替わっていることで、攻撃のコンビネーションが少し足りない部分があると感じていますが、選手たちがイメージを共有できたことは次につながると思います。非常に悔しい試合になりましたが、しっかりと切り替えて次につなげていきたいです。

Q.相手に退場者が出た後、速い攻撃を仕掛けて時間を作ることができなかったと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
相手も"攻め残り"していましたが、1点リードしているとはいえ、後ろからの押し上げがもう少し必要だったかと思います。カウンター頼みになってしまった面もあり、ボールを相手に渡してしまったので、もっともっとボールを動かしてほしいと考えていましたが、その中でもチャンスが生まれていました。いくら相手が10人とはいえ、相手もリスクを負って攻めてきますから、カウンターで追加点を奪えればと思っていました。右サイドバックの小林選手が泉澤選手の位置に上がってきていたので、そこにマテウス選手を起用してボールを奪った瞬間にマテウス選手を使い、ムルジャ選手と江坂選手の得点につなげるというイメージでした。相手の陣地に攻め込んだときには、我々の右サイドを起点にする狙いでしたが、結果的に得点にはつながらなかったので、それが同点にされてしまった遠因と言えるかもしれません。今日のような展開での戦い方や集中力の部分を、もう一度取り組まなければいけないと思いました。

Q.前半は特に、最終ラインの裏を取られる場面が気になりましたが、どのように感じていましたか。
おっしゃるとおり、私も気になりました。相手の動き方に対して前線のプレスがはまっていませんでした。前半は左サイドを崩される場面もありましたが、途中から慣れてきて対応できていましたし、大屋選手も安定してきていたと思います。後半は齋藤選手のサイドを入れ替えてきましたが、それでもしっかりと対応してくれましたし、中の選手もよく対応してくれて失点にはつながりませんでした。後半は、相手の狙いどころを意識したポジショニングができたと思いますが、最初の場面では突破されたことで、背後へのランニングに対しては予測が遅いと感じました。2回、3回と繰り返しやられてしまったら問題ですが、よく修正してくれたと思います。大屋選手や最終ラインの問題というよりは、前線からプレスが掛からないと連動した守備は難しいですし、その影響で失点してしまったら問題です。もちろん修正しなければいけない部分ですし、相手のミスにも助けられて今日は1失点で済みましたが、次の仙台さんとの対戦ではもう少し慌てずに守備できるようにしたいと思います。攻撃時のボールの失い方の影響が大きいと感じていて、前半は我慢して0-0でいってくれればと考えていましたし、後半はチャンスが来ると考えていた中で、しっかりと得点につなげてくれて良かったです。

Q.90分まで交代カードを残していましたが、クロスボールを入れてくる相手に対して、DFを入れるという選択肢はなかったのでしょうか。
それはありませんでした。5バックにするという選択肢もありましたが、ムルジャ選手に代えて横山選手を投入し、家長選手を前線に、横谷選手をその下に入れて、基本的には4-4-2でプレッシャーを掛けるイメージでした。高さに関しては、河本選手と菊地選手は競り負ける感じではなかったですし、横山選手もいれば問題ないと考えていました。しかし彼が入ったことで、周りの選手が横山選手が対応してくれるだろうと考えて、ボールに対してのポイントを失ってしまったかもしれません。高さのない選手が入っていたら、菊地選手が迷わずに対応できたと思いますし、そういったことが要因にあるかもしれません。どちらかというと、最終ラインを上げられなかったことや、クロスを上げさせてしまったことが課題でした。DFを増やしたら守り切れたかもしれませんが、5-4-1にしてしまうとプレッシャーが掛からず、クロスを入れられてしまう方が怖いと思いますので、4-4-2というか4-4-1-1のような形にしました。しかし相手は10人でしたし、もっとボールを持って時間を作らなければいけないと反省しています。また次につなげたいと思います。
選手コメント
MF 7 江坂 任
今日はアキさんの位置取りを見ながらポジションチェンジをしていました。自分たちの守備ができていましたし、攻撃も速攻と遅攻を使い分けられていたので、最後の精度が少し足らなかったと思います。

1stステージのマリノス戦と同様に最後の最後で追いつかれましたが、ゲームを通して良い守備ができていたので、次は試合終了のホイッスルが鳴るまでそれを続けることと、攻撃の最後の場面での精度を上げて、2点目、3点目が取れるようにしたいです。
MF 23 金澤 慎
仁が素晴らしいゴールを決めてくれました。その後、相手に退場者が出て有利な状況になりましたが、リスタート絡みから失点して勝点2を失ったことは残念ですし悔しいです。失点の場面は、一瞬の集中力が足らなかったと思います。

みんなが今日の引分けはすごく悔しいと感じていると思うし、この悔しさは試合でしか晴らせないので、次のホーム仙台戦では絶対に勝点3を取れるように頑張っていきたいです。マリノスとはルヴァンカップで対戦するので、そのときにはしっかり勝ち切りたいと思います。
MF 39 泉澤 仁
ゴールシーンは、相手の守備が少しルーズになっていた時間でしたし、慎さんもいいボールをつけてくれました。気持ち良かったです。相手が10人になった後、もっとメリハリをつけることができれば良かったと思います。

今日はアウェイでしたが、とても多くの方が応援に来てくれていたので勝点3を取り切れずに残念です。次の試合は勝点3を取れるように、また、ルヴァンカップではマリノスに勝って準々決勝を勝ち抜けられるように頑張りたいと思います。
フォトギャラリー

カテゴリー


X

パートナーバナー