明治安田生命J1リーグ 2nd 第12節
2016.9.17 [SAT] 18:00 熊谷陸

大宮

  • 44' 家長 昭博
  • 84' 家長 昭博
  • 89' 江坂 任
3 - 2
1 前半 0
2 後半 2

川崎F

  • 63' 中村 憲剛
  • 81' 小林 悠
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 19 奥井 諒
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 23 金澤 慎
83'
MF 17 横谷 繁
MF 7 江坂 任
MF 14 清水 慎太郎
75'
FW 41 家長 昭博
FW 8 ドラガン ムルジャ
68'

控えメンバー

GK 50 松井 謙弥
DF 13 渡部 大輔
MF 18 横山 知伸
MF 15 大山 啓輔
83'
MF 16 マテウス
68'
MF 39 泉澤 仁
75'
FW 9 ネイツ ペチュニク

監督

渋谷 洋樹

スターティングメンバー

GK 1 チョン ソンリョン
DF 18 エウシーニョ
71'
DF 5 谷口 彰悟
DF 23 エドゥアルド
DF 20 車屋 紳太郎
MF 21 エドゥアルド ネット
MF 10 大島 僚太
MF 6 田坂 祐介
61'
MF 14 中村 憲剛
FW 11 小林 悠
FW 13 大久保 嘉人

控えメンバー

GK 30 新井 章太
DF 3 奈良 竜樹
DF 28 板倉 滉
MF 7 橋本 晃司
MF 19 森谷 賢太郎
71' 90'
MF 26 三好 康児
61'
FW 9 森本 貴幸
90'

監督

風間 八宏
試合詳細
12 シュート 7
7 GK 5
5 CK 5
10 直接FK 16
2 間接FK 5
1 PK 0
試合データ

主審

扇谷 健司

副審

川崎 秋仁

副審

武部 陽介

第4の審判員

山岡 良介

入場者数

13,787人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

27.4℃/65%
波乱の熊谷決戦、再逆転で首位の川崎Fを撃破!
年に一度行われる恒例の熊谷でのホームゲームは、とてつもない熱量を感じる試合となった。退場やゴールの取り消しでドタバタしたが、試合は両チーム合わせて5ゴールの打ち合いとなった。明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第12節は、ホームでの川崎F戦。リーグ1位の得点力を誇る首位を熊谷スポーツ文化公園陸上競技場に迎えた。

じわじわと押し込まれる展開でスタートしたが、26分には相手のパスをカットした横谷がすかさずロングシュートを放って場内を沸かせた。アクシデントが起きたのは、36分だ。接触プレーで選手がもみ合いとなり、FW大久保が退場。そして、相手の集中力が落ちた一瞬のスキを見事に突いた。44分、横谷が高い位置でボールを奪ってムルジャを経由し、パスを受けた家長がドリブルでPKを獲得し、自ら決めて先制した。

数的優位でリードを得て前半を終え、圧倒的に優位なはずだったが、後半、絶妙なスライドで数的同数の局面を作り出して攻撃する川崎Fの攻撃に押し込まれた。横谷は「2点目を取りにいかなければならなかったのに、数的優位でリードしたことで運動量が落ち、プレスも甘くなった」と振り返った。

ボールを奪いに行けない守備では、相手の攻撃は止められない。63分、左サイドを3人の連係プレーで崩されてMF中村に同点とされた。79分に左コーナーキックの流れから、クロスを菊地が頭で折り返して河本がシュートを狙う場面があったが、決め切れなかった。

そして、次のゴールを奪ったのは川崎Fだった。81分、再び左サイドを崩され、日本代表FW小林悠がゴール。苦しくなったが、ここで不屈の闘志を見せた。84分、途中出場の泉澤がドリブルで相手を引き寄せて横パスを入れると、横谷が鋭い縦パスを通して家長がゴール。

さらに87分に大きな好機が訪れた。泉澤の横パスから江坂が抜け出し、一度はGKに防がれながらもボレーシュートを決めたが、別の場所で横谷がファウルの判定を受けたため、得点は認められなかった。江坂は「メンタルを持っていかれた」と大きな落胆を味わったことを明かしたが、勝利への執念は捨てていなかった。

その3分後、家長が高い位置でボールを奪うと、フォローに走り込んだ横谷が、さらに追い越しを掛けてきた江坂にパス。江坂は相手を切り返しでかわすと、左足でシュート。ポストをかすめたボールがネットを揺らすと、飽くなき執念が実った再逆転に、ピッチもベンチも多くの観衆が集ったスタンドも大いに沸いた。

金澤が「相手が退場してから逆転された。もっとボールを保持できなければといけない」と言ったとおりに課題も出たが、首位チームとの打ち合いを制した成果は大きい。天皇杯3回戦を挟んで行われる次節は横谷と河本が累積警告で出場停止となるが、ホームで鳥栖を破れば今季初の3連勝で目標の年間勝点48を超えることができる。

2試合連続得点の江坂は、「自分のゴールもうれしいけど、接戦を勝てていることが良い。試合に出ている人も出ていない人も一つになって、チーム全体でさらに勝点を積み重ねたい」と、勢いをつなげていくことを誓った。過去の歴史を上回るシーズンへ、最後まで力強くかけ抜けたい。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
今日は両チームがタフに戦ったゲームだったと思います。川崎さんが1人少ない中で我々が先制したわけですが、そこから逆転されてしまい、さすが上に立っているチームだと感じました。川崎さんの方も3,000人近くいらしていましたが、今日は全体で13,000人以上の方々にお越しいただき、すごく大きな力で後押ししていただきました。終盤に再逆転できたことは、選手やスタッフの頑張りはもちろんですが、ファン・サポーターの方々の熱い応援があったからこそだと思います。

試合に関しては、守備のスイッチが入らず相手にボールを持たれましたが、最後のところで止めることはできていました。大久保選手の退場で数的優位になってPKで先制することもできましたが、試合は相手のペースで進んでいましたし、中村憲剛選手や小林悠選手などは、得点を取る力が非常に高い選手だと感じました。しかし、我々も先発の選手だけでなく交代選手も含め、全員でボールを動かして得点を奪うことができました。特に2点目の場面では、昨年から取り組んできた幅を持った攻撃ができて非常にうれしく思います。相手も何としても勝ちたいと思っている中で、我々も当然勝ちたかったですし、江坂選手はノーゴールの判定を受けた後で、最後の最後に決勝点を挙げてくれました。今日の勝利は、0-2で敗れた1stステージでの悔しさを持ってタフに戦ってくれた結果です。10人の相手に3-2という結果ですから良かったとは言えませんし、本来なら3-0などで勝ち切らなければいけませんが、川崎さんも非常に強いですから勝利できたことは大きいです。J1では年間勝点45が過去最高だった中、選手やスタッフだけでなくクラブ全体の力で勝ち得た結果ですので、ここからさらに勝点を伸ばしていきたいです。

Q.再逆転できた要因は何でしょうか。
相手が引いたことです。それでボールをしっかりと動かすことができ、幅を持った攻撃を仕掛けることができました。後半は、ある程度のイメージを伝えれば大丈夫かと思ったのですが、選手たちのポジションニングを明確にすれば良かったです。これは私自身の責任ですが、ビルドアップ時の立ち位置があまり良くなく、ボールを失ったときの立ち位置も良くありませんでした。1失点目に大屋選手がボールを失った場面では、周りの選手が本来のポジションにいませんでした。横谷選手が前に出ていて、金澤選手は少し遠かったため、中央にパスを送ろうしても出せずに奪われてしまいました。そして、ボールを失った瞬間は選手たちが広がっていて、中央に入られてしまうというシンプルな失点でした。逆転されてからは金澤選手を普段の位置に戻し、ボールを動かすように意識しました。金澤選手が足をつった時点で大山選手を投入して、全員の立ち位置をはっきりさせることで、良い攻撃を仕掛けることができました。

Q.鳥栖戦で勝てば目標の年間勝点48を超えます。次節に向けた意気込みをお願いします。
その前に天皇杯があります。天皇杯は2005年のベスト4が過去最高ですし、一発勝負のトーナメントに関してはルヴァンカップで悔しい負け方をしたので、まずは天皇杯に向けて準備したいと思います。鳥栖戦で勝つことで年間勝点48というクラブの目標は達成できますが、私としては過去最高の14勝を超える15勝を意識していましたし、15勝を目指すことが大切だと思います。広島戦、川崎戦では勝つことができたものの、ボールを動かすことはできませんでしたので、もっともっとその点を取り組まないと上には行けないと思います。鳥栖戦は天皇杯の3日後のため、どのような状況かは分かりませんが、ボールを持って主導権を握るように、短い時間の中で意識して取り組んでいきたいです。鳥栖さんも非常にパワーのあるチームですが、今シーズン初の3連勝を目指して鳥栖戦に向かいたいと思います。

Q.上位を狙う上では、相手の変化に対する選手たち自身の状況判断も大切だと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
相手が強ければ守備の割合が増えますが、私は相手のシステムに合わせた守備をしていません。今日の試合で言えば、中村選手や小林選手といったポイントになる選手にマークをつけることはぜず、その選手たちへの距離感を詰めるように指示する程度です。しかし、彼らにパスを出す選手へのプレスが甘いと、キーマンに繰り返しボールが入ってしまいますから、今日の守備に関してはその点を修正できれば良かったと思います。

攻撃に関しては、相手のシステムに合わせてイメージを伝えていますが、自分のポジションから違う位置に行ったり、相手の動きを見ずに動き過ぎてしまったりしてしまい、うまくボールが回りませんでした。例えば、マテウス選手が右サイドから左や中央へドリブルすることで、本来の右サイドにポジションを取っていない時間帯があり、我々がボールを回すときに右サイドハーフの位置に誰もいなくなってしまいました。そのため、右サイドに展開できない影響で左サイドへボールを運んだところで奪われてしまいました。我々の2点目のシーンでは、全体のバランスが非常に良かったからこそ家長選手のスペースが空きましたが、相手が4バックでも5バックでもポジションニングのイメージはある程度つけてきたつもりです。あとは、相手のプレッシャーの強さなどを選手たちに感じてほしいと思います。また、相手の守備時のポジションニングが変わればプレッシャーの掛かり方も変わりますから、その点は練習で取り組みたいと思います。おそらく風間さんは、相手の守備を見ながら戦うように指導されているはずですが、それは私も大切な部分だと思いますし、普段のトレーニングでの積み上げが必要だと思っています。攻撃のクオリティーを上げるためのトレーニングをしていきたいです。
選手コメント
FW 8 ドラガン ムルジャ
立ち上がりから我慢し続けた結果、少しずつリズムを作ることができました。守備では中央を使われないように真ん中を閉じることを意識し、攻撃では相手の高いラインの裏に空いたスペースを狙っていましたが、家長選手がPKを得た場面では自分がパスの出し手になることでチャンスを生むことができました。重要なのは、チーム全員が粘り強く戦って勝利できたことだと思います。
FW 14 清水 慎太郎
広島、川崎Fという強豪との連戦で続けて先発で使ってもらったので、まずはしっかり守備から入って自分のサイドを破られないように意識しました。その中で自分の良いところを発揮して前に出て行きたかったですが、そこはまだ課題が残ったと感じています。もっと周りとの連係を深めていき、チームに貢献できるように頑張っていきたいと思います。
DF 19 奥井 諒
しっかり守って先制した前半は良かったですが、後半はもう少しうまく戦えればと感じています。リードしていたことで全体が少し下がり気味になってしまっていたので、数的優位の状況を生かしてもっとボールを動かしたかったです。広島、川崎Fと1stステージで敗れた相手に連勝できましたし、次の鳥栖戦で勝てば目標である勝点48を超えられるので、早めにクリアしたいと思います。
GK 21 塩田 仁史
大味なゲームになりましたが、勝つんだというメンタリティーを全員が持って戦った結果だと思います。年に一度の熊谷での試合でしたが、満員の良い雰囲気の中で戦うことができ、皆さんの声援に感謝しています。普段のホームゲームには来られない人も多く来てくれていたと思いますし、その声援が最後の後押しになって逆転につながったと思います。上を目指していくためには、引分けではなく勝っていかないといけません。1つひとつ勝利を目指して戦っていきたいです。
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