明治安田生命J1リーグ 2nd 第14節
2016.10.1 [SAT] 14:00 カシマ

鹿島

  • 61' オウンゴール
1 - 3
0 前半 2
1 後半 1

大宮

  • 13' 奥井 諒
  • 41' 横谷 繁
  • 59' 横谷 繁
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 曽ヶ端 準
DF 24 伊東 幸敏
DF 14 ファン ソッコ
DF 23 植田 直通
DF 16 山本 脩斗
MF 40 小笠原 満男
62'
MF 6 永木 亮太
MF 10 柴崎 岳
MF 8 土居 聖真
86'
FW 18 赤﨑 秀平
46*'
FW 33 金崎 夢生

控えメンバー

GK 1 櫛引 政敏
DF 28 町田 浩樹
MF 11 ファブリシオ
62'
MF 20 三竿 健斗
MF 32 杉本 太郎
86'
MF 34 鈴木 優磨
46*'
MF 35 平戸 太貴

監督

石井 正忠

スターティングメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 19 奥井 諒
DF 4 山越 康平
DF 2 菊地 光将
DF 20 大屋 翼
86'
MF 15 大山 啓輔
77'
MF 17 横谷 繁
MF 7 江坂 任
MF 39 泉澤 仁
65'
FW 8 ドラガン ムルジャ
FW 41 家長 昭博

控えメンバー

GK 50 松井 謙弥
DF 13 渡部 大輔
86'
MF 16 マテウス
65'
MF 18 横山 知伸
MF 23 金澤 慎
77'
FW 9 ネイツ ペチュニク
FW 14 清水 慎太郎

監督

渋谷 洋樹
試合詳細
16 シュート 7
4 GK 18
9 CK 3
13 直接FK 15
1 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

上田 益也

副審

中井 恒

副審

穴井 千雅

第4の審判員

柿沼 亨

入場者数

20,086人

天候

雨のち曇、無風

ピッチ状態

不良、水含み

気温/湿度

21.9℃/84%
奥井と横谷のゴールで鬼門突破、年間目標を達成
歴史を塗り替えるシーズンであることを象徴するような試合となった。明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第14節は、鹿島とのアウェイゲーム。県立カシマサッカースタジアムは、いまだJリーグで勝ち星を挙げたことのない鬼門だったが、3-1で勝利を収めることに成功した。年間勝点を50に伸ばし、目標としていた勝点48以上も達成した。DF菊地が「1stステージのときは、ずっと主導権を握られて守備しかできなかった」と振り返った通り、前回の対戦は引分けるのが精いっぱいだったが、内容面でも進歩が見られ、手応えの多い試合となった。

まず、前半の守備が良かった。鹿島は最終ラインの背後を積極的に狙ってきたが、前線からの守備で相手の選択肢を狭め、後手を踏むことなく対応した。菊地は「俺とかヤマ(山越)がサイドに釣り出されても、ボランチとかがうまく連動してカバーをしてくれ、スペースを空けることなくサッカーをできた」と手応えを話した。守備が機能したことで、前回とは違い互角の戦いができた。

次に、攻撃面では連動性を失うことなく継続できた。13分、家長のクロスに飛び込んだ江坂は相手GKとの交錯によって倒れ込んだが、こぼれ球を拾った家長はプレーを切ることなく、ペナルティーエリア内に横パス。泉澤には合わなかったが、ムルジャのフォローから大山が左足でシュート。ミートしきれなかったボールを足下で受けた奥井が、落ち着いてシュートを決めた。奥井が「ファウルをしたわけではないので、プレーを切る必要はなかった。全員が集中して準備を続けたことが実った」と話した通り、連動し続けた結果がゴールにつながった。

さらに前半終了間際、家長がドリブルで右サイドをかけ上がってカウンター攻撃。横パスを受けた泉澤がゴール正面で相手をかわそうとしたところでファウルを受け、FKを獲得。横谷がGKの逆を突く見事な直接FKを決めて追加点を決めた。2日前の練習で同じ場所から高確率の成功を収めたという横谷は、「セットした瞬間に右が空いていたので蹴りたかったけど、練習通りのキックを選んだ」とGKが立っていた方向に蹴り込み、見事に相手の逆を突いた。敵陣近くまで足を運び、奥井を通じて相手の壁が守りにくくなるように指示を出していたGK塩田も、「後ろから見ていても逆に蹴ると思っていたし、すごかった」とうなる素晴らしい一撃だった。

後半に入ると鹿島が攻撃のテンポを上げてきたが、59分に右サイドをカウンター気味に崩すと、クロスのこぼれ球を江坂が拾って中央へパス。泉澤の縦パスから家長のポストプレーでつなぎ、横谷がノートラップでミドルシュートをゴール右にたたき込んだ。直後から相手のサイド攻撃に苦しみ、左サイドから何度もクロスを供給され、61分にはクリアし切れずにオウンゴールで1点を奪われたが、その後は体を張ってゴールを死守。3-1でしっかりと勝ち切った。

鬼門を突破し、年間勝点48という目標に到達。チームの明確な進歩を感じられ、過去にはなかった充実感と喜びを伴う勝利となった。しかも3試合を残しており、まだ勝点を伸ばすことができる状況だ。上位で戦えるクラブへの成長を目指す上で、渋谷監督は「チャンピオンシップに出られるわけではありませんし、クラブとしては過去最高かもしれませんが、喜んでいる場合じゃない」と満足せず、さらに上を目指すことを宣言した。

暫定ながらステージ順位を上げ、上位との勝点差も近い。横谷も「ACLの出場権をまだ狙える」とさらなる上昇へ意欲を示した。J1の戦いは、残すところ3節。約3週間の中断期間を挟み、次節はホームで湘南を迎え撃つ。連勝でさらに勝点を伸ばしたい。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
今日は雨にもかかわらず、カシマスタジアムまで約1,300人ものファン・サポーターが来てくださり本当にうれしく思います。厳しい試合でしたが勝点3を取ることができたのも、ファン・サポーターの皆さんの後押しのおかげです。本当にありがとうございました。また、今日は鹿島さんの25周年記念試合ということで、2万人を超える多くの方が良い雰囲気を作ってくださり、ピッチ上の選手たちが躍動感を持ってプレーできたことが勝利につながったのではないかと思います。Jリーグ自体も20年以上の歴史を積み重ねてきて、これからさらに盛り上げていかなければと私自身も感じています。
 
試合については、先制の場面では江坂選手が倒れている中でも足を止めずにゴールまでいくことができました。守備にも言えますが、攻守において最後までプレーを止めない姿勢が実った得点だったと思います。そして、カウンターのような形から得たセットプレーで2点目を奪うことができ、あれが相手にとっては痛かったのではないかと思います。直接FKを決めた横谷選手は、黒崎ヘッドコーチたちとトレーニングを積んできていますし、やはり練習は嘘をつかないと感じました。
 
その後は、鹿島さんが攻撃にパワーを掛けてくるだろうと思っていましたし、後半の1つ目のプレーから前半とは違うと感じたので、どこかでやられてしまうこともあるかと考えていました。そんな中で横谷選手が追加点を奪えたのは、良い守備があったからこそですし、全員で取った3点目だと思います。しかし、その直後に失点してしまった点は課題です。あの時間帯で3−1になってしまうと、もう1点取られたら1点差ですし、1点差になってしまうと最後に追いつかれてしまう危険性もあります。3点差のまま時間を進め、さらに4点目を奪うなり、ボール保持率を高めるなりしていければ良かったです。ただ、クラブの年間目標である勝点48を超えることができました。以前は残留争いをしていましたが、今日メンバー外の選手たちも含めて全員が一丸となり、勝利して目標を達成することができて非常にうれしく思います。残り3試合のリーグ戦と天皇杯に向けてしっかりと休んで、まずはリーグ戦3試合を全勝できるように戦っていきたいです。

Q. ボランチに横谷選手と大山選手を起用したのは攻撃的に戦う意図があったかと思いますが、その中で横谷選手が2得点したことに手応えを感じていますか?
チームとしてボールを保持するために、彼らは恐れずにパスを受けてくれましたし、パスを出す方も彼らを意識してくれました。相手にアタックされて何度か攻撃されてしまいましたが、特に大山選手に関しては、守備力の高い相手に対してどれくらいパスを受けられるか、そしてプレッシャーをどれくらい交わせるかがポイントでした。その上では家長選手の動きが重要ですし、周囲のサポートも良かったと思います。彼ら2人が特別に良かったのではなく、前半は全体の距離感が良かったです。前からプレッシャーに来た相手をワンタッチで交わせる場面が多く、相手をリズムに乗らせなかったのではないでしょうか。ただ、ボールを奪われたときはピンチになっていましたし、プレッシャーの速い鹿島さんに対してどれくらいプレーできたのかを、選手たち自身が感じてもらえればと思います。もっともっとサイドチェンジをしたり、縦パスを入れたりできるはずですが、今日はそれほどできていませんでした。ボールを持つ選手のプレースピードだけでなく、周りでサポートする選手のスピードをもっと高めなければ上のレベルにはいけませんので、トレーニングの中で取り組んでいきたいです。しかし結果として試合に勝つことができましたし、実際にボランチのところでボールを持ったときは良い攻撃ができていましたので、落ち着いて攻撃する回数を増やしていきたいです。

Q.これまで届かなかった勝点50という数字を、J1復帰1年目に達成できた点についてはいかがでしょうか。
選手たちが意識高くプレーしてくれている点が大きいと思いますが、その時々で状況が違いますから、一概に過去のシーズンが悪かったとは思いません。これまでの最高は勝点45でしたが、相手との兼ね合いもあるものです。私は大宮の選手たちがJ2のレベルではないと感じていましたが、昨年J2で優勝してJ1に復帰し、J1でしっかりとしたプレーを見せるんだという選手たちの気持ちが結果に表れていると思います。メンバー全員がトレーニングの中で日々努力していることが勝点50という結果につながっていますが、一方でチャンピオンシップに出られるかと言ったら現実的には厳しいわけです。クラブとしては過去最高かもしれませんが、ここで喜んでいる場合ではありません。J2に降格した悔しさを持ってクラブとして取り組んでいかなくてはいけませんし、雰囲気を含めて上のレベルで戦えるようなチーム作り、クラブ作りが必要です。
 
例えば鹿島さんは毎試合、絶対に勝たなければいけないプレッシャーの中で戦っているはずですし、我々もそういうクラブにならなければ安定した強さを発揮できるようになれません。毎年毎年、目の前の試合に臨んでいくことで、勝って当たり前の常勝軍団になれれば、そして周りからもそう思われるようなクラブになれば、勝点50は普通のことになると思います。最終的に今年は勝点をどこまで伸ばせるか分かりませんが、今年の数字を基準にして毎年積み重ねていけば、上のレベルに行けるのではないかと思います。これまでも色々な歴史を乗り越えてきましたので、今後は上で戦えるようになれればと思います。
 
リーグカップ戦で対戦したときにもお話しましたが、鹿島さんはグループステージ敗退が決まっているにもかかわらず、約2,000人のお客さんが応援にかけ付けていました。そういうことがACLに出る、チャンピオンになる、常勝軍団になるという結果につながると思います。ファン・サポーターの皆さんは本当に苦しいときにも全力で応援してくれますので、そういった方々のためにも勝利することで喜びを与えたいですし、それを続けていきたいと思います。目標を達成したことはうれしいですが、もっともっと上を目指していかなければいけないですし、ここからさらに上に行きたいと思います。
選手コメント
DF 2 菊地 光将
3点目を奪った後、すぐ1点返されて少しバタバタしましたが、最後の局面でみんなが体を張れていたと思います。もう少し自分たちの時間を長く作れれば良かったですが、1点返された後にズルズルいくこともなく勝利できて良かったです。これまで大宮はJ1で立てた目標を達成できていませんでしたので、良い歴史を作れたと思います。

今日に限らずいつも熱い声援を送っていただき、ファン・サポーターの皆さんにはありがとうという気持ちでいっぱいです。でも、あと3試合ありますから、これで満足することなく、1つでも上の順位を目指して頑張りたいです。
MF 17 横谷 繁
鹿島まで来て応援してくれた皆さんに感謝しますし、勝てて良かったです。フリーキックは決して厳しいコースに蹴れたわけではありませんが、壁に入った選手がGKの視界を遮ってくれましたし、フリーキックといえど皆で奪ったゴールだと思います。

啓輔と組むことで攻撃はできると思っていたので、守備をサボらずにやろうと声を掛け合っていました。去年J2を勝ち抜いた経験が生きていると感じますし、勝つことで自信がついてきた部分もありますが、ブレずに続けることで結果が出ていると思います。
DF 19 奥井 諒
前半に2点取れたことが大きかったです。先制点の場面ではトラップでいいところに置けたので、力を抜いてシュートを打てました。ただ、今日は相手のシュートミスに救われたところもあったので、改善しないといけない点も残りました。

シーズン前に立てた目標を達成できたことは、全員で勝ち取った結果だと思います。もっともっと上に行けるチャンスがありますし、上の順位で終われるように残り3試合でいい戦いをしたいです。
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