第96回 天皇杯 2回戦
2016.9.7 [WED] 19:00 NACK

大宮

  • 51' ネイツ ペチュニク
1 - 0
0 前半 0
1 後半 0

鳥取

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 50 松井 謙弥
DF 13 渡部 大輔
DF 4 山越 康平
DF 25 高山 和真
DF 5 沼田 圭悟
MF 15 大山 啓輔
MF 18 横山 知伸
MF 10 岩上 祐三
MF 14 清水 慎太郎
FW 9 ネイツ ペチュニク
77'
FW 11 播戸 竜二
46*'

控えメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 20 大屋 翼
77'
MF 16 マテウス
46*'
MF 26 小島 幹敏
MF 39 泉澤 仁
FW 29 川田 拳登
FW 30 藤沼 拓夢

監督

渋谷 洋樹

スターティングメンバー

GK 39 福島 春樹
DF 6 中島 崇典
DF 15 稲森 克尚
DF 17 秋山 貴嗣
DF 28 山道 淳司
59'
DF 40 片岡 洋介
MF 7 廣田 隆治
MF 13 林 誠道
MF 16 池ヶ谷 颯斗
68'
MF 18 河合 秀人
FW 10 フェルナンジーニョ
80'

控えメンバー

GK 21 井上 亮太
DF 3 川鍋 良祐
DF 19 亀島 周
MF 8 小谷野 顕治
59'
MF 29 山本 蓮
FW 11 バルチ ジュニオール
68'
FW 48 前田 俊介
80'

監督

柱谷 哲二
試合詳細
7 シュート 6
9 GK 5
4 CK 5
15 直接FK 8
4 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

榎本 一慶

副審

堀越 雅弘

副審

作本 貴典

第4の審判員

水野 智也

入場者数

2,456人

天候

晴、中風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

27.2℃/84%
数的不利の苦境をセットプレーで打破、3回戦に進出
簡単な勝利はないと、あらためて思わされる試合だった。天皇杯2回戦は、J3リーグに属する鳥取との対戦。リーグのカテゴリーは2つ下だが、トーナメント初戦の難しさがあり、普段対戦していないチームの特徴はつかみづらく、容易には攻略できないものだ。まして、自チームに問題が生じれば、なおさらだ。

5連戦の4試合目で渋谷監督が選択した布陣は、GK松井が今季2度目の先発を飾るなど出場時間の少ない選手が多く並ぶものだった。それでも、今季は多くの選手が公式戦でプレー機会を得ているため、序盤はスムーズな攻撃を見せた。9分に岩上のクロスを播戸が折り返して清水がシュート。10分には沼田のクロスを岩上が折り返し、ペチュニクがゴールを狙った。11分にフェルナンジーニョに個人技で打開される場面もあったが、ペースとしては悪くなかった。

ところが、26分のアクシデントで展開は一変した。ボールコントロールをミスした山越が慌ててスライディングをした場面で、ファウルの判定を受けて退場処分を下された。数的不利で攻撃のビルドアップはペースダウン。相手からボールを奪える機会も減り、攻撃の回数自体が激減した。

しかし、ハーフタイムを経て戦い方は明確になった。自陣に守備ブロックを築き、速攻を仕掛ける狙いが統一されてリズムをばん回。少ないチャンスでいかに得点するかが問題だが、早々に答えは出た。51分、ペチュニクが左サイドで得たFKを大山が蹴り、中央に飛び込んだ沼田がヘディングでそらし、ファーサイドでペチュニクが押し込んで先制点を奪った。

大山は「セットプレーで1点、カウンターで1点を狙おうということはハッキリしていた。FKは、ニアが空いていたので、触らなくてもファーサイドでゴールに入るような速いボールを通そうと思った」と、相手守備の手薄なポイントを的確に突き、沼田も「絶対に啓輔がニアに速いボールを蹴ると思っていた。直接打つのは難しかったので、そらしたらうまくいった」と、意図をくんだ連係でゴールを陥れた。

1点のリードは、試合展開を大きく変えた。焦って攻める相手のパスをカットする場面が増えたのは明らかだった。無理に2点目を狙うのではなく、パスワークで全体を押し上げながら時間を使うことで、数的不利を感じさせずに試合の主導権を握り続けた。終盤には昨季まで大宮でプレーしていた鳥取の主将、片岡に鋭いミドルシュートを打たれたが、「見えないところから出て来るので難しかったが、うまく止められて良かった」と話した松井がしっかりとセーブ。しっかりと1点のリードを守り切って勝利した。

渋谷監督は3日前のルヴァンカップ準々決勝で敗退した悔しさを引き合いに出し、「本当に悔しい試合をしてしまったので、この試合は次の広島戦に向けても大きな一戦だった。また、ルヴァンカップはベスト8で負けてしまったので、天皇杯ではそれ以上の2005年(ベスト4)以上を目指していく」と、クラブの歴史を塗り替えるという目標をあらためて宣言した。

試合を終えたばかりだが、3日後には明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第11節の広島戦が控えている。1stステージ第4節で1-5の惨敗を喫した後、J1での戦い方を確立してきたチームの成長を見せつけたい試合だ。アウェイでのゲームになるが、天皇杯で苦境をはね返して勝った勢いに乗り、5連戦の最後を白星で締めくくりたい。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
今日は平日のナイトゲームにもかかわらず、またシーズンシート対象外の試合であるにもかかわらず、足を運んで試合を見てくださった約2,400人のファン・サポーターの方々に感謝していますし、その方々に勝利を届けることができて非常にうれしく思います。天皇杯の初戦は難しい展開になるものです。鳥取さんもJ1クラブを打ち破ろうと最初からプレッシャーをかけてきましたし、ラインも高い位置を取って戦ってきました。それに対して、我々は落ち着いてボールを動かそうとしていましたが、残念ながら山越選手が退場になって10人になってしまいました。しかし、10人になってやることがはっきりしたことが、勝利につながる要因だったかと思います。

攻撃に関してはFW1人を前に残し、ある程度ゾーンを敷いて守備をしてから2人目、3人目が前に出て行く、というイメージを前半の途中から持てていましたので、ハーフタイムに再確認して後半に臨みました。セットプレーから得点に至ったのは、普段のトレーニングで取り組んでいることが出た成果だと思います。鳥取さんもしっかりとボールを動かしてきたので、速攻のチャンスが何回かありましたが、なかなか前に出て行くことができませんでした。鳥取さんも非常にレベルの高いサッカーをしていると感じていましたので、その相手に勝ててうれしく思います。

今日は普段、試合に向けた練習で対戦チーム役をやったり、播戸選手や松井選手などのように長く先発から外れていたりする選手もいる中で全員がしっかりとプレーしてくれ、残り7試合のリーグ戦と天皇杯につながる試合になったと思います。3日後に対戦する広島さんにはホームで惨敗を喫し、1-5という試合をファン・サポーターの方々に見せてしまいました。とにかくアウェイで勝つために、今日の勝ちをつなげて全員でハードワークしたいと思います。また、今日は鳥取から遠く大宮まで観戦に来られていた方々の思いに刺激を受けましたし、鳥取さんのこれからの発展を祈念しています。

Q.得点から15分後程までの戦い方が良かったと思いますが、いかがだったでしょうか。
相手の4-4-2に対して10人でどうするか悩みましたが、そのまま守備をしっかりするという意図で4-4-1にしました。攻撃ではFWと両サイドハーフが重要になってきますので、試合の中で彼らの立ち位置を修正していきました。守備は普段やっていることと大きく変わりませんし、最近の練習で8対8をやっていたので、そのイメージが今日の試合につながったかと思います。相手はボールを動かす際に少し迷いがあるように見え、タイミングが少しずつズレていたので、そこで奪って攻撃に出て行けると思っていました。一方で、やや大きな展開をされたときにピンチになってしまいがちだったので、選手たちにはその部分をケアするように伝えていました。攻撃ではもっともっとボールを持って、逆サイドハーフの選手が走り込んで得点を奪うとか、2列目から飛び出していって得点を奪うとか、何回か良い形はできていたので、そこで得点できればもっと楽に戦えたと思います。しかし、選手たちがタフに、ハードワークしてくれた点は非常に良かったです。

Q.試合前、今日の鳥取戦を見て広島戦のメンバー構成を考えたいとおっしゃっていましたが、実際に試合を終えていかがでしょうか。
今日のメンバーから広島戦に絡む選手が何人かいると思いますが、コンディションを考慮する必要があります。残念ながら60分以上、10人で戦えば体力的な影響は大きいものです。相手がJ1だろうがJ3だろうが関係なく、10対11であれば1人ひとりが走る距離が長くなりますから、コンディションを考慮しながら決めていきたいと思います。もちろん、非常に安定したプレーを見せてくれた選手がいるのはうれしいです。先日のルヴァンカップでは非常に悔しい試合をしてしまったので、今日の試合で勝つか負けるかは次の広島戦に向けても大きな意味がありました。ルヴァンカップではベスト8までしかいけませんでしたので、天皇杯ではそれ以上、そして2005年のベスト4以上ということを考えれば、決勝まで勝ち進むために全員の力を結集していきたいと思います。次の広島戦については、ゆっくりと考えたいと思います。
選手コメント
MF 9 ネイツ ペチュニク
このようなオープン大会は上位カテゴリーのチームにとっては難しいものです。私もイングランドのチャンピオンシップ(2部相当)でプレーしていたときに、プレミアリーグのフルハムにカップ戦で勝利したことがあります。

さらに今日は、早い時間に10人になってしまいました。一人少ない状況になったときには、各選手が少しずつ、より多くの働きをすること、そして心理面で落ち着いて戦うことが大切になります。カギを握っていたセットプレーで得点することができてうれしいです。
MF 10 岩上 祐三
想定外の展開となりましたが、トーナメントなので結果がすべてですし、次に進むことが大切でした。今日は3つのポジションをやりましたが、自分にできることはやりましたし、90分間走り切ることができました。

今日勝ったことで、もう一度チームに勢いが生まれると思います。最近あまり試合に絡めていませんが、腐らずに現実を受け止めて、この後も良い準備をしていきたいと思います。
DF 25 高山 和真
試合前から難しい展開になると話していましたが、落ち着いてプレーしていれば相手の守備をはがせると思っていました。退場によって選手の距離感が変わって少しバタバタしてしまいましたが、結果的に勝てて良かったです。ボールを回すときにもう少し丁寧にプレーしたり、ビルドアップでもう少し押し上げたりできていれば、もっと良い展開にできたと思いますので、僕自身も練習からもっともっと高めていきたいです。
GK 50 松井 謙弥
早い時間帯で10人になったので、落ち着いて時間を使うことを意識していました。また、1人少なくなるとどうしてもラインが下がりがちになってしまうので、ズルズルと下がらないように気をつけていました。和真はプレーは問題ないのですが、声が止まってしまうときがあるので、そこも声を掛けていました。今日は絶対にゼロで抑えたかったですし、みんなで守備をすることができた結果だと思います。
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