第96回 天皇杯 準決勝
2016.12.29 [THU] 15:05 日産ス

大宮

0 - 1
0 前半 0
0 後半 1

川崎F

  • 85' 谷口 彰悟
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 塩田 仁史
DF 19 奥井 諒
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
DF 20 大屋 翼
MF 15 大山 啓輔
77'
MF 17 横谷 繁
MF 16 マテウス
64'
MF 39 泉澤 仁
86'
FW 7 江坂 任
FW 8 ドラガン ムルジャ

控えメンバー

GK 50 松井 謙弥
DF 13 渡部 大輔
MF 18 横山 知伸
MF 23 金澤 慎
77'
MF 9 ネイツ ペチュニク
FW 14 清水 慎太郎
86'
MF 41 家長 昭博
64'

監督

渋谷 洋樹

スターティングメンバー

GK 1 チョン ソンリョン
MF 6 田坂 祐介
MF 5 谷口 彰悟
DF 23 エドゥアルド
DF 20 車屋 紳太郎
MF 21 エドゥアルド ネット
MF 14 中村 憲剛
DF 18 エウシーニョ
DF 2 登里 享平
61'
FW 11 小林 悠
78'
FW 13 大久保 嘉人

控えメンバー

GK 30 新井 章太
DF 28 板倉 滉
MF 10 大島 僚太
61'
MF 19 森谷 賢太郎
MF 22 中野 嘉大
MF 26 三好 康児
78'
FW 9 森本 貴幸

監督

風間 八宏
試合詳細
11 シュート 11
11 GK 10
8 CK 4
16 直接FK 18
3 間接FK 5
0 PK 0
試合データ

主審

木村 博之

副審

相樂 亨

副審

山口 博司

第4の審判員

聳城 巧

入場者数

23,087人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

16.0℃/27%
川崎Fに0−1で敗れ、2016年の全日程を終了。来季は、さらなる飛躍へ!
抜けるような青空を見上げると、鮮烈な記憶がよみがえる。11年前の2005年12月29日。国立競技場の上空は、今日と同じような好天に恵まれていた。浦和と対戦した天皇杯の準決勝。120分を戦い抜いて2−4で敗れた。

再び決勝戦に進むチャンスが訪れた。アルディージャが天皇杯の準決勝を戦うのは、あの浦和戦以来だ。いざ、吹田へ。アルディージャがさらなる高みへ進むための、歴史的な一戦が幕を開けた。

立ち上がり、固さはなかった。いつものようにボールを動かしながら、川崎Fのゴール前へと攻め込んでいく。守備では前から積極的にプレッシャーを掛け、相手を外へ外へと追いやっていた。

ハードワークがチャンスにつながったのは11分だ。右サイドの深い位置にボールが入った。いったんは相手にボールを奪われるが、マテウスがすぐに奪い返す。ドリブルでゴール前に侵入すると、中央のムルジャへ。ムルジャのシュートは相手DFに阻まれたが、アルディージャにとって最初の決定機になった。

さらに2分後には、泉澤のパスを受けたマテウスがループシュート。しかし、ボールはわずかにゴールマウスを逸れた。前半も真ん中を過ぎると、川崎Fが徐々に盛り返してくる。川崎Fのセットプレーが続いた。しのぐアルディージャ。1分のアディショナルタイムに耐え、前半をスコアレスで折り返した。

アルディージャにビッグチャンスが訪れたのは、後半開始早々の50分だ。江坂が粘りながらドリブルで中央突破。左に流すと、ボールを受けた泉澤がコースを狙ってシュートを放つ。しかし、ボールは左ポストを直撃した。はね返ったボールはフリーのムルジャの下へ。左足で合わせたが、ボールはゴールマウスをとらえられなかった。

さらに53分、横谷の左からのクロスにマテウスが飛び込んだ。しかし、懸命に伸ばしたつま先は、わずかに届かなかった。2度のチャンスで、試合の流れはアルディージャへと傾き出した。素早くベンチも動く。64分、マテウスと家長をスイッチ。77分には金澤を投入し、攻守の安定を図った。

しかし、最後に明暗を分けたのはセットプレーだった。85分、川崎FにCKのこぼれ球を押し込まれて失点。4分のアディショナルタイムも攻め込んだが、最後まで川崎Fのゴールをこじ開けることはできなかった。試合終了を告げるホイッスルが高らかに鳴り響き、0−1で敗れた。

2016シーズンの最後の試合を終えた。惜しくも初の決勝進出はならなかった。しかし、クラブ史上最高の成績を残した今季の活躍は、いつまでも色あせることがない。攻守の主導権を握るというアルディージャらしさも最後まで貫いた。

「選手には感謝の言葉しかありません。スタッフも私の力足らずをサポートしてくれた。クラブは今年一年、違う景色を見ることができた。これまで残留争いをしてきた中で、いろいろなことを学ぶことができました。この結果を悔しいと思い、来年も上位で戦い続けられるクラブにしていきたいと思います」

渋谷監督は試合後の会見で、今季をこう振り返った。選手も一人ひとりが様々な思いをかみ締めている。

「決め切る、勝ち切る力があるかないかが、上に行くか行かないかの差。今季はいろんな節目で勝負強さが出せなかった。来年はそこを改善し、今年以上の成績を残せるように頑張りたい」と金澤。

菊地も「セットプレーでやられたことに悔しさが残る。こういう試合をしっかり勝ち切らないとタイトル争いはできない。しっかり課題を持って、来年もまたみんなでやっていきたい」と締めくくった。

アルディージャが大きな飛躍を遂げた2016年は、間もなく終わろうとしている。来季はさらなる高みへとステップアップしなければいけない。今日この日から、アルディージャの新たな戦いが始まった。

(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
2005年以来2回目の準決勝進出で、当時を越えようという思いで戦いましたが、残念ながらセットプレーの失点で負けてしまい、越えることができませんでした。非常に悔しいです。今年一年、選手たちが非常に頑張ってくれましたし、勝たせてあげられなかったのは私の責任だと感じます。そして、今日も大宮から日産スタジアムに多くのファン・サポーターの方々が勝利を期待して応援しに来ていただきました。年末のお忙しいときにいらしていただいたにもかかわらず、勝利を届けられなかったことは本当に申し訳なく思います。

試合出場がかなわなかったり、良いプレーができなかったりと、選手にもいろいろな悔しい思いをさせてしまいましたが、今年の選手たちは一つひとつ、一試合一試合、毎日毎日を大事に励んでくれ、リーグ戦ではクラブとして最高勝点、最高順位という結果に結び付けてくれました。選手たちには本当に感謝しています。その言葉しかありません。チームスタッフも私が力足らずの部分をサポートしてくれたおかげで結果に結び付いたと思います。さらに、クラブスタッフも上位を目指すチームを様々な面でサポートしてくれ、クラブとして今年は今までと違う景色を見られたのではないかと思います。ここ10年J1で残留争いを続けてきましたが、もっとこうしたら良いのではないかと多くを学ぶことができました。

今年はリーグ戦で年間5位、ルヴァンカップは準々決勝で敗退、天皇杯は準決勝で敗退したが、この結果を悔しいと思って、来年は上位に居続ける強いクラブにしなければいけないと思っています。結果を求めて戦って負けてしまったので、今日の内容は大きな意味を持ちません。もちろん、選手たちがハードワークしてくれて得点チャンスもありましたが、それを決め切る、試合を勝ち切るチームにならなければ、来年も非常に厳しい戦いが待っていますので、その部分を上積みしていきたいと思います。

Q.選手たちが自発的にハードワークしているように見えましたが、そのあたりはいかがでしょうか。
私は、フットボールはバランスが大事だと思っています。攻守においてチームのバランスが良いと、ハードワークしているように見えるのではないでしょうか。例えば、チームとしてボールの失い方が予測できれば、守備で戻る位置が常に分かりますし、そして奪った瞬間には、相手の動きを考えた上でボールを運ぶことができます。そうしたスムーズな動きによって、ハードワークしているように見えるのでしょう。一方で、選手たちが自分で決断してプレーすることが重要ですから、選手たちが経験を積んでいくに連れ、彼らの頭の中で私の意図が整理されたと思います。

Q.シーズンの集大成として今日の試合を振り返ると、どのような部分でチームの成長を感じたでしょうか。
皆さんがどう見られたかは分かりませんが、私としては前半もう少しボールを持つ時間を作れたと思いました。あの展開では疲弊してしまいますので、スペースがあるから常に前へ攻めて行くのではなく、ゲームをコントロールして落ち着かせるという部分を、もっと取り組まなければならないと感じました。その点では川崎さんの方が上でしたし、大島選手が入ってから安定してボールを運ばれ、危ない形を作られました。我々もゲームをコントロールすることができなければ、より上にはいけないと思います。ただ見ている方からすれば、非常にアグレッシブで良い戦いができたと思いますので、両方のバランスを取って戦うことができれば、もっと決定的なシーンが増やせるはずです。今日の試合を課題として、また来年に向かっていきたいです。先日の湘南戦もそうでしたが、相手の最終ラインが5人で構成されている中でも、相手ゴール前にボールを運べたり、チャンスを作ったりということがある程度できたので、そのレベルを高めていきたいです。守備では下がることなくハードワークし、相手を自由にさせないということができていましたが、もっともっと高いレベルを目指していかなければいけないと思います。

Q.強力な川崎Fの攻撃陣を抑え、内容的にも良かったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
相手がボールを動かす際に、守備のスイッチをしっかりと入れることができ、奪いに行けば取れるのではないかという場面を作ることができました。守備はハードワークができるかできないかが重要ですし、ハードワークしてボールを奪い、そこからしっかりとつなぐという狙いでした。相手がオーガナイズを崩してボールを動かしていたこともあり、1本のスルーパスが通っていれば、1本のシュートが入っていればという場面がありましたので、そこを決め切れなければいけないと思います。ハーフタイムに選手には伝えましたが、良いゲームをしているからこそ、勝ち切る試合をしなければいけません。守備では良かったですが、攻撃でもう少し落ち着いてプレーすることが今後の課題だと考えています。

Q.今季、最も手応えを感じたのは、どんな部分でしょうか。
昇格の勢いが大きかったと思います。また、勝たなければいけない、優勝しなければいけないプレッシャーの中でJ2を戦い抜き、高いレベルでプレーしてきた選手たちが、さらに強くなったと思います。ですから、先制したら相手が出てくるから少し引いて交わそう、失点しても落ち着いてゲームを進めようなど、試合を読む力という部分で昨年の蓄積がありました。J1では甲府が明らかに特殊なくらいで、それ以外は戦い方のパターンが多いわけではありません。相手の出方を見ながら戦うということに関しては、選手たちの能力が高いこともあって結果につながったと思います。そして、シーズン最初の4試合でJ1のレベルの高さを感じ、全員がトレーニングを通じてレベルを上げようと、成長と向上を意識して臨んでくれた結果です。この一年を振り返ると、やはり決め切る力が勝ち切る力になってくると感じました。守り切る力に関しては、J1に戻ってきて様々な楽しさを感じながら戦ってくれたと思いますが、私としては現状で足りない部分も分かっていますので、他クラブにそこを突かれないようにレベルを高めた上で、チームとして勝ち切る力を付けたいと思います。
 
最後に、よろしいでしょうか。大宮アルディージャがJ1に戻ってきて、旋風を巻き起こすことはできませんでしたが、頑張ったと思ってもらえたらいいと思います。少しでも我々の戦いを頭に残していただき、来年を楽しみにしていただければ幸いです。正直、大宮アルディージャは地味な感じで、いつも残留争いをしてきましたが、しっかりと上位で戦えるだけの力を付けて来年に臨みたいと思います。年末のお忙しいときに、そして一年間ありがとうございました。
選手コメント
MF 7 江坂 任
今年1年の中でも、今日はかなり良い戦いができたと思います。チームとしてまとまっていたし、フロンターレを相手に主導権を持てる時間も長かったので、だからこそ勝てなくて悔しいです。自分自身も良いシーンはいくつかありましたが、そこで決め切れないといけません。

天皇杯の準決勝を戦ってみて、伝統のある大会ならではの良い雰囲気でしたが、決勝に進みたかったという悔しい思いの方が強いです。惜しかったで終わらせずに、良い経験として今後に生かしていきたいですし、チームを引っ張っていけるような選手になりたいです。
MF 15 大山 啓輔
11年ぶりのベスト4でしたが、クラブの記録を更新することはできませんでしたので、満足はしていません。今はただ悔しい気持ちでいっぱいです。相手は前からのプレッシャーを嫌がっていましたし、リスペクトし過ぎることなく、今年一年の集大成と言えるプレーができました。

今年は良い結果だったと思われていますが、個人としてもチームとしても、もっと上を目指して取り組んでいきたいです。
MF 17 横谷 繁
勝つことができず、ファン・サポーターの皆さんに申し訳ないです。自分自身も、たくさんの人が注目する決勝の舞台に立ちたかったです。みんな必死でプレーしましたし頑張りましたが、1点を取ることができず、セットプレーで少しルーズになったところを拾われてしまいました。

あと一歩のところで負けてしまいましたが、これを教訓に来年、もっともっと努力していきたいと思います。
GK 21 塩田 仁史
僕たちの時間帯も多かったし、準備してきた攻撃ができていました。グループでまとまった守備もできていました。なので、セットプレーでやられてしまい残念です。失点シーンはアンラッキーな部分もありましたが、そういう運を呼び込めるかどうかというところも含めて力の無さだと思います。

僕たちはまだまだだと言われているような気がしましたし、僕たちの努力はまだまだ小さいのだと思います。強いクラブは毎年こういう戦いをしているし、1回だけではなくて何回もここまで勝ち上がってくることが大切です。優勝争いができるように、さらなる努力をしていきたいと思います。
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