第92回 天皇杯 2回戦
2012.9.9 [SUN] 13:00 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

大宮

  • 45+4' カルリーニョス
  • 68' チョ ヨンチョル
2 - 0
1 前半 0
1 後半 0

秋田

試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 26 村上 和弘
DF 2 菊地 光将
DF 3 河本 裕之
14'
DF 22 下平 匠
MF 5 カルリーニョス
MF 23 金澤 慎
71'
MF 6 青木 拓矢
MF 13 渡邉 大剛
FW 9 チョ ヨンチョル
FW 32 長谷川 悠
79'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 4 深谷 友基
14'
DF 24 鈴木 規郎
MF 7 上田 康太
71'
MF 16 金久保 順
MF 18 橋本 早十
FW 29 清水 慎太郎
79'

監督

スターティングメンバー

GK 21 鈴木 彩貴
DF 4 二戸 将
DF 3 江崎 一仁
DF 2 野本 安啓
DF 13 新里 彰平
46*'
MF 19 島川 俊郎
MF 22 今井 昌太
MF 14 川田 和宏
MF 16 三好 洋央
MF 11 松ヶ枝 泰介
FW 10 松田 正俊
16'

控えメンバー

GK 1 浅井 俊光
DF 5 小林 宏之
MF 17 北森 陽介
MF 18 鈴木 健児
74'
MF 7 前山 恭平
46*'
FW 9 富樫 豪
16' 74'

監督

試合詳細
16 シュート 2
7 GK 11
7 CK 1
7 直接FK 9
2 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

村上 伸次

副審

西尾 英朗

副審

大川 直也

第4の審判員

荒木 友輔

入場者数

1,439人

天候

晴、弱

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

34.0℃/47%
難しい天皇杯初戦、前半は苦戦も2ゴールで完封勝利
夏の熊谷、午後1時のキックオフ。雲が流れると照りつける日差しが強い。まだ厳しい残暑が続いているが、この試合から冬に向けた戦いが始まる。天皇杯2回戦、初戦の相手は昨季まで大宮ユースの指揮を執っていた横山雄次監督が率いるJFLのブラウブリッツ秋田。すでに1回戦を勝ち、勢いに乗っている相手を迎え撃つ初戦は、難しい試合になりがちだ。しかし、アルディージャとしては、J1のプライドを示すとともにリーグ戦へ弾みをつける勝利を手にしたいところだ。先発メンバーはGK北野、4バックには右に戦列復帰した村上、中央に菊地と河本、左に下平。中盤は青木、金澤がダブルボランチを組み、右にカルリーニョス、左に渡邉。前線は長谷川とチョ ヨンチョルがツートップを組んだ。

試合は波乱の幕開けとなった。10分過ぎ、コーナーキックを競った河本と秋田のFW松田が激しく衝突。頭を押さえて倒れた両者は、ともに早々の交代を余儀なくされた。そして、試合は思わぬ展開で進んだ。アルディージャは守備意識の高い秋田を崩すことができず苦しんだ。秋田はアルディージャの最終ラインにプレッシャーをかけ、縦パスを入れたところへさらに強力なプレッシャーをかけてボールを奪って攻め込んだ。42分には、ロングスローからゴール前でヘディングを合わされ、ヒヤリとさせられる場面もあった。アルディージャはセットプレーから菊地がヘディングシュートを放ったが、ゴールの枠を捉えられなかった。下平は「相手がラインを下げてくると思っていたけど、結構アグレッシブに来ていた。もっと裏へシンプルに蹴って、前を向いた状態の選手が多い状況を増やせば良かったと思うけど、相手にはめられたところでパスを出して取られるシーンが多かった」と、相手の戦術から抜け出せなかった要因を挙げた。苦しんでいたアルディージャが先制点を奪ったのは、前半のアディショナルタイム。敵陣でボールを奪った渡邉が左から中央へパスを出すと、カルリーニョスのミドルシュートは相手に当たったが、そのままゴールへ吸い込まれた。

後半は、敵陣に生まれ始めたスペースを効果的に使ったアルディージャが一方的に攻め立てた。68分に長谷川、渡邉がともにシュートフェイントで相手をひきつけてパスをつなぐと、最後はチョ ヨンチョルが右足でシュートを決めて追加点を奪った。試合終了間際には、青木の縦パスで抜け出した途中出場の清水慎が相手に倒されてFKを獲得。上田が得意の左足で直接ゴールを狙ったが、相手GKに阻まれた。結果的に前半と後半で1点ずつを奪い、2-0で勝利。

金澤が「試合の入り方と、対応に時間がかかった部分は次に向けて修正しなければいけない」と指摘するとおりに課題は残ったが、終わってみれば公式記録に残された相手のシュート数は前半の2本のみ。出足の悪い立ち上がりではあったが、しっかりと修正して勝利という結果につなげたことは収穫となる。渡邉は「まず、勝ったことが大切。次のリーグ戦は同じ会場なので、スタジアムの雰囲気や芝生の感覚が分かったことも収穫。きょうとは違った戦い方になると思うので、またしっかりと準備をしたい」と話し、長谷川は「相手のボランチの脇でボールを受けたりできたのは良い感覚。調子を落とさずに次の試合につなげたい」と手ごたえを語った。勝利の成果と反省を胸に、チームは再びリーグ戦へと戦闘モードを切り替える。

(総評:平野 貴也/写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
我々の出した結果、そして後半のプレーについても満足していますが、前半については満足できるものではありませんでした。3部のチームが1部のチームと戦う時は、非常に高いモチベーションでアグレッシブに戦ってくること、それに対して真摯に取り組み、自分たちも高いモチベーションで戦わなければならないということは、試合前からわかっていたはずです。
 
確かに、両チームの選手に対して暑さがネガティブな影響を与えたということは言えると思います。相手のチームの高いモチベーションが試合を通じ最後まで発揮されるのは難しいとも思っていたので、我々はチームコンセプトに則って試合を進め、場合によっては忍耐強く戦い、それによって得点チャンスまで結び付けていこうという考えでした。
 
選手たちに求めたのは、プレーヤーとしてのクオリティの高さを示すことです。ボールをしっかり走らせて、DFの背後を取る、あるいはサイドからクロスを上げ、または2列目からシュートを打つということです。また、守備面ではコンパクトさと、その中で規律正しく守ることを要求しました。それによって相手のカウンターや、ロングパスでDFの背後を狙おうとする攻撃に対し、簡単にチャンスを与えないということも要求してきました。
 
しかしながら前半は、それが十分にはできませんでした。相手がより一層アグレッシブに出てきたこともありますし、それに加えてこの暑さの中で、選手が十分にモチベーションを高められなかったこともあるかもしれません。相手を崩すような形、または我々が大きくイニシアチブを取るような展開にはなりませんでした。
 
その中で、先制点は我々にとって非常に好ましい時間帯に入りました。1-0で前半を折り返し、精神的にも優位な状況で後半に入っていくことができました。
 
後半に関しては、我々の本来のクオリティをある程度見せることができたと思います。ダイレクトでのボールのつなぎがあり、そこから縦パスが入り、または3人目の動きが入り、得点チャンスを作り出すことができました。そうして主導権を握ったことで、相手のカウンター攻撃もある程度コントロールできました。我々がしっかりボールを保持し、攻撃のチャンスを相手にそれほど与えない戦い方ができたと思います。
 
後半にできたことがなぜ前半はできなかったのか、チームに対して「なぜ?」と投げかけなければいけません。前半も後半のようにプレーすべきでした。しかし、今日のこの勝利、特に後半の戦い方は、今後のJリーグの試合にポジティブな雰囲気を持ち込むことができるものだと思います。今日の勝利は、我々のJリーグの順位表での今の位置から抜け出すために、非常に重要なものだったと感じています。

Q:久々の先発出場で得点も決めたチョ ヨンチョルの今日のプレーはどうだったか?
闘争心やスピードは常に発揮してくれているので、今さら何も言うつもりもありません。ただ、コンビネーションを使っての突破はまだ少ないと感じています。今日のゲームでは、持ち味であるスピードを生かして抜け出したり、得点チャンスを作り出ることはできていました。得点の場面もいい形でシュートを決めました。流れの中からチャンスを作り出すこと、そして、自分がシュートを決めるだけではなく味方にシュートを打たせることを含め、まだまだ改善できる部分もありますが、先発だろうとベンチスタートだろうと、常にチームの一員として準備し、働いてくれることに感謝しています。
選手コメント
MF 5 カルリーニョス
Q:先制点の場面を振り返って。
いい感じでボールをミートできました。相手DFの足に当たったと思いますが、それでコースが変わりいい感じで入ってくれました。今日はまず最初の1点が大事だったので、取れて良かったです。また次のゲームでも取れるように頑張りたいです。

Q:前週のリーグ戦に続く右サイドでのプレーはどうだったか?
前半は、中に入って数多くボールのつなぎに絡むよう努めていましたが、ロングパスも多く通せました。後半は、少しサイドに開いたような形で、中に入る回数や攻撃に絡む回数は少なくなったと思います。でも、それによってチームとしては逆に左サイドからのプレーが多くなりました。ヨンチョルのゴールも左サイドの攻撃から生まれたゴールなので、チーム全体のバランスとしては良かったと思います。

Q:この勝利が今後のリーグ戦にもたらすものは?
勝利することでチーム全体に自信がもたらされるので、今日の勝利は非常に大きなものだととらえています。また次のJリーグでもしっかり勝つことで、我々の置かれている状況から脱出できます。特にJリーグでは勝点3が大事になってくるので、次も勝利を求めて戦いたいと思います。
MF 9 チョ ヨンチョル
Q:久々の先発出場となったが、どんな気持ちで試合に臨んだか?
久しぶりに先発メンバーに入って、個人的には結果を残したいという思いが強くありました。得点が取れて良かったです。

Q:得点場面を振り返って。
そのゴールの前に、もう1つ決定的なシーンがありましたが決められませんでした。その次に来たチャンスは絶対に生かしたいと思っていたし、コースも見えていてうまく足に当たったので、とても気持ちよく入ってくれました。今日も結果を出せなかったら、また悔しい気持ちで次に臨まなければなりません。結果が出て、次もいい流れで試合の準備ができるし、何より自信がつくので、とても良かったと思います。

Q:90分プレーできたことは収穫か?
今日はとても暑い中で、距離もすごく多く走っていました。試合が終わった後に体重が3キロぐらい減っていてびっくりしました(笑)。早く回復して、来週に向けていい準備をしたいです。

Q:今後のリーグ戦につながる部分は?
結果が出たので、またJリーグでも得点を、それからアシストもできるように、どんどん自信を持ってアグレッシブにプレーできるようになると思います。
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