Jリーグ ディビジョン1 第4節
2013.3.30 [SAT] 15:00 NACK

大宮

  • 36' 金澤 慎
  • 53' ノヴァコヴィッチ
  • 79' 富山 貴光
3 - 1
1 前半 1
2 後半 0

鹿島

  • 15' ダヴィ
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 30 渡部 大輔
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 13 渡邉 大剛
84'
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
MF 9 チョ ヨンチョル
FW 32 長谷川 悠
71'
FW 19 ノヴァコヴィッチ
89'

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 34 片岡 洋介
89'
DF 27 今井 智基
84'
MF 7 上田 康太
MF 25 宮崎 泰右
FW 14 清水 慎太郎
FW 28 富山 貴光
71'

監督

スターティングメンバー

GK 21 曽ヶ端 準
DF 22 西 大伍
DF 3 岩政 大樹
DF 5 青木 剛
DF 6 中田 浩二
80'
MF 40 小笠原 満男
MF 20 柴崎 岳
MF 25 遠藤 康
62'
MF 8 ジュニーニョ
72'
MF 35 野沢 拓也
FW 11 ダヴィ

控えメンバー

GK 1 佐藤 昭大
DF 4 山村 和也
DF 17 前野 貴徳
80'
MF 16 本田 拓也
MF 27 梅鉢 貴秀
MF 10 本山 雅志
62'
MF 13 中村 充孝
72'

監督

試合詳細
15 シュート 14
11 GK 7
1 CK 5
7 直接FK 14
9 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

東城 穣

副審

山口 博司

副審

竹田 明弘

第4の審判員

野口 達生

入場者数

11,492人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、水含み

気温/湿度

9.6℃/64%
強敵の鹿島から怒涛の3ゴール!ホーム初勝利をあげる!
W杯予選による中断を経て、J1リーグ戦が2週間ぶりに再開した。アルディージャが聖地で迎え撃つのは、強敵の鹿島だ。警戒すべきは、甲府から加入したダヴィ。昨シーズンはJ2で38得点を獲得したストライカーを封じることが、戦いの行方を左右すると言ってもいいだろう。さらに神戸から復帰した野沢をはじめ、小笠原、ジュニーニョなど豊富なタレントを要する中盤は、1本のパス、ドリブルで試合の流れを変える力を持っている。
 
通算成績は1勝5分け10敗だが、ここ数年は1点差位以内のゲームが続いている。過去の対戦は関係ない。アルディージャも昨年9月から続く無敗記録を「14」まで伸ばし、好調を維持している。今シーズンは3戦すべてで先制点を奪うなど、多彩な攻撃が機能。惜しくも勝ち星を逃しているものの、戦い方は安定している。リードをいかに早く奪い、どう試合を終わらせるのか。ベルデニック監督のベンチワークにも注目が集まる。両軍のサポーターの声援が、寒空のNACK5スタジアム大宮を熱く盛り上げた。15時3分。いよいよ試合が始まった。

立ち上がりは鹿島のペースで進行した。15分には、わずかなすきを突かれて先制点を喫する。すばやいリスタートから柴崎にディフェンスラインを破られると、GK北野がはじいたこぼれ球をダヴィに押し込まれた。
 
今シーズンのリーグ戦では初めて追いかける展開になった。前から圧力をかけてくる鹿島の前に、セカンドボールが拾えない。ボールを奪う位置も低く、前線が孤立した。カウンターアタックが機能せず、鹿島のペースに引きずり込まれた。しかし、この時間帯をしのいだことが、アルディージャの逆襲につながった。
 
口火を切ったのが、金澤の一撃だ。36分、青木が献身的につないだボールを受けると、ミドルレンジから左足を一閃。地を這ったボールは右のポストに当たり、そのままゴールに吸い込まれた。
 
1-1のまま折り返したハーフタイム。ロッカールームではベルデニック監督の檄が飛んだ。

「立ち上がりは自分たちがやるべき内容ではなかった。また、自分がプランした内容でもなかった。問題は戦術ではなく、メンタルにある。選手たちがプレーを恐れていたり、メンタル的に落ちているのを見てかなり喝を入れた」

後半に入ると、目を覚ましたアルディージャが猛チャージをかけた。見違えるように攻撃が機能し、チャンスを生み出した。そして53分、待望の逆転ゴールが生まれる。お膳立てはセンターバックの高橋だ。左サイドでボールを奪うと、長谷川にくさびを入れてそのまま前線にオーバーラップ。ディフェンスラインの裏で折り返しを受け、相手GKの動きを見て冷静に逆サイドへパスを送った。待ち構えていたのは、フリーのノヴァコヴィッチだった。空いたゴールマウスに流し込んで、ついに逆転に成功した。
 
1点をリードしたあとは、完全にアルディージャのペースだった。「後半はコンパクトでアグレッシブな守備ができた。ボールをテンポよく動かしたことで、チャンスもつくることができた」とベルデニック監督。セットプレーからピンチを招く場面もあったが、ジュニーニョの決定的なシュートはGK北野が封じた。ベンチワークも的確だった。71分に富山を送り込んで、前線の守備を固めた。そして、代わったばかりの大卒ルーキーが、またも大きな仕事を成し遂げる。79分、中盤でノヴァコヴィッチのパスを受けた富山が右サイドを突破。ドリブルで中へ切り込むと、左足を振り抜いて強烈なシュートを突き刺した。
 
鮮やかなゴールでダメ押しとなる3点目を奪った。あとは残された時間をどう消化するか。ベルデニック監督は今井を投入して、右サイドの守備を固めた。ノヴァコヴィッチに代えて、最終ラインに切り札の片岡を送り込んだ。菊地、高橋のセンターバックは高いラインを維持して鹿島のダヴィをオフサイドに誘い込んだ。ゴール前の競り合いにも負けなかった。アディショナルタイムは4分。アルディージャの勝利を告げるホイッスルが、NACK5スタジアム大宮の上空に鳴り響いた。

今シーズンのホーム初勝利をあげた。無敗記録も「15」に伸ばした。開幕ダッシュは成功したと言える。「ホームで勝てたこと、そして後半の内容に満足している。波がある中でも、チームはしっかりと前を向き、成長している」とベルデニック監督。のちにシーズンを振り返ったとき、この日の勝利は大きな意味を持つだろう。強敵の鹿島を圧倒した自信は、躍進のきっかけとなる大きな試金石となるに違いない。

(総評:岩本 勝暁/写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
今日は非常に喜んでいます。何と言ってもホームで勝つことができましたし、特に後半のプレー内容はとても満足のいくものでした。
 
前半はキックオフ直後から、我々がやるべき内容ではなかったですし、自分がプランした内容ではありませんでした。鹿島は技術的に優れた攻撃力のあるチームなので、まずはそれをしっかり抑えること、コンパクトに守り鹿島に自由を与えないように、選手たちには要求しました。攻撃では、鹿島は速い攻撃に対してはうまく対応できないことがわかっていたので、奪ったボールを素早くカウンター攻撃につなげること、さらに、カウンターだけでなく自分たちが意図的に速くボールを動かして揺さぶっていくことを狙いとしていました。しかし自分たちがやるべきことをやらなかった結果、相手のサッカーが良く機能してしまいました。前半はあと2~3点奪われてもおかしくない状況でした。
 
ハーフタイムには、選手たちに戦術面ではなくメンタル面の問題だということを話しました。選手たちがメンタル的に落ち、プレーすることを恐れているのを見て、私はかなり強く檄を飛ばし、喝を入れました。そして、後半は冷静に、しっかり闘おうと指示しました。
 
その結果、後半は立ち上がりから自分たちらしいサッカーを展開することができました。本来なら前半の立ち上がりからやるべきプレーではありましたが、そのおかげで後半は追加点を取れて、勝利を物にすることができました。後半はコンパクトにアグレッシブに守備ができたこと、ボールをテンポ良く速く動かした結果、鹿島はうまく守ることができなかったのではないでしょうか。数多くのチャンスもしっかり作れましたし、それは選手たちが日々、真面目にしっかりと練習に取り組んでいる成果だと思います。上がったり下がったりと多少の波がある中でも、個々の選手の成長がうかがえると試合になりました。

Q:若い選手のトライ&エラーをどう見守っているのか?
今シーズンの新加入選手や若い選手たちは、我々のプレーモデルにしっかりと適合し、日々成長しています。クラブはタレント性、将来性のある選手をしっかりと獲得してくれました。富山選手はゴールを挙げましたし、今井選手も守備の部分で非常にいいパフォーマンスを見せています。今日出場のなかった宮崎選手も、技術とスピードを兼ね備え、将来が非常に楽しみな選手の1人です。
選手コメント
FW 28 富山 貴光
Q:後半途中からの出場だったがどんな指示を受けていたのか?
基本的には守備の面で、小笠原選手と柴崎選手をしっかりマークするようにと言われて入りました。攻撃は、アグレッシブにどんどん裏を狙っていけと言われたので、それが点に結びついて良かったです。

Q:得点シーンを振り返って。
裏へ抜け出して中に切り込んでいって、思いっ切り打ってやろうと蹴ったら、いいコースに行ってくれました。持ち味である弾丸シュートが決まってうれしかったです。

Q:今日のゴールはどんな味か?
今日は、すごく甘いゴールでしたね(笑)。

Q:次の試合への意気込みを。
この後は連戦になりますが、今日のホーム初勝利が連勝のスタートになるように頑張っていくので、これからも応援をよろしくお願いします。
MF 23 金澤 慎
Q:過去の戦績で分が悪い鹿島にやりづらさがあったか?
やりづらさというのは感じませんでしたが、点が入るまでは、全体の雰囲気として自信なさそうな感じが出てしまいました。相手が前からプレッシャーを掛けてきたのに、その中でも無理していつも通りつなごうとしたのも良くなかったですね。そういうところは改善していかなければならないと感じています。

Q:得点シーンを振り返って。
青木からパスをもらって、前を向いたらけっこうスペースが空いていたので、思い切ってシュートを打ったら入っちゃった、という感じです。思ったよりボテボテのシュートでしたが、誰かの股間を通ったせいでGKは見えなかったのではないでしょうか。それで運良く入ったのかなと思います。あのコースを狙ったわけではありません(笑)。

Q:後半は一転大宮ペースとなったが、ハーフタイムの指示は?
監督から「このままでいいのか?」「お前ら、こんなんじゃだめだぞ」と厳しい言葉を掛けられました。「もっとできるだろ」ということを前提に言ってくれたのだと思います。それでやっと目が覚める、ということではいけないのですが、全員がしっかりと気持ちを持ってやろうと自覚してプレーした結果ではないかと思います。

Q:ファン・サポーターの皆さんへホーム初勝利の喜びを。
まずはホームで1勝できたのは良かったと思いますが、まだ自分たちは何も成し遂げてはいません。この調子で、毎試合勝てるように今後も頑張っていきたいと思います。
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