Jリーグヤマザキナビスコカップ 予選リーグ Aグループ 第3節
2013.4.3 [WED] 19:30 ニッパ球

横浜FM

0 - 1
0 前半 1
0 後半 0

大宮

  • 28' チョ ヨンチョル
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 榎本 哲也
DF 13 小林 祐三
DF 4 栗原 勇蔵
DF 15 ファビオ
DF 5 ドゥトラ
MF 8 中町 公祐
MF 14 熊谷 アンドリュー
46*'
MF 7 兵藤 慎剛
MF 17 端戸 仁
60'
FW 19 藤田 祥史
76'
FW 18 マルキーニョス

控えメンバー

GK 30 六反 勇治
DF 26 ジョン ドンホ
MF 27 富澤 清太郎
MF 25 中村 俊輔
46*'
MF 20 佐藤 優平
MF 11 齋藤 学
MF 37 長澤 和輝

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 30 渡部 大輔
70'
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 26 村上 和弘
MF 13 渡邉 大剛
MF 6 青木 拓矢
MF 7 上田 康太
83'
MF 9 チョ ヨンチョル
80'
FW 28 富山 貴光
FW 32 長谷川 悠

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 8 下平 匠
DF 34 片岡 洋介
DF 27 今井 智基
MF 25 宮崎 泰右
MF 23 金澤 慎
FW 19 ノヴァコヴィッチ

監督

試合詳細
16 シュート 7
3 GK 8
10 CK 1
18 直接FK 8
1 間接FK 6
0 PK 0
試合データ

主審

岡部 拓人

副審

田中 利幸

副審

数原 武志

第4の審判員

竹田 和雄

入場者数

7,214人

天候

晴、中風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

15.7℃/45%
成長を証明する、1点を守り抜いての完封勝利
ヤマザキナビスコカップ第3節。リーグ戦では昨季から続く不敗記録を15試合とするアルディージャが、ニッパツ三ツ沢球技場で横浜FMに挑んだ。4試合を消化したリーグ戦で首位につける横浜FMは、ナビスコカップでも2勝0敗と公式戦6連勝。水曜日のナイトゲームは、好調なチーム同士が勢いを加速させたい一戦となった。
 
両チームとも、4日前のリーグ戦から少しメンバーを代えてきた。横浜FMは天野、中澤、富澤、佐藤、中村の5人が外れ、小林、ファビオ、熊谷、端戸、マルキーニョスが先発に名を連ねた。対するアルディージャは下平、金澤、ノヴァコヴィッチの3人が控えに回り、ケガから戦列復帰した村上が最終ラインの左サイド、中盤の底には上田、リーグ戦2得点ナビスコカップ1得点と好調のルーキー富山が前線で長谷川とコンビを組んだ。チームの総合力が問われる試合は、アルディージャのキックオフでスタートした。

キックオフ直後の2分、「(中澤や栗原など)代表経験者と対戦できるのはすごく楽しみ。自分がどれだけできるのか証明したい」と語っていた富山に、いきなり決定機が訪れる。相手CKのこぼれ球を拾った富山は村上にボールを預け、そのまま一気に前線へ。村上のパスを受けたチョ ヨンチョルがボールを中へ運び、中央で待ち構える富山へパスを送る。GK榎本のポジションを見極めた富山は、左足のループでゴールを狙ったが、必死に戻った榎本のセーブの前にボールはゴールの上へ弾き出された。
 
富山は、その後もスピードを生かして横浜FMの守備陣の裏を突くなど、コンディションの良さを見せながら攻撃を活性化する。13分には、青木のスルーパスに反応してペナルティエリア内でドリブルを仕掛け、左足で思い切りよくフィニッシュ。DFに当たったボールに激しく詰めてキーパーチャージとなったが、得点の匂いを漂わせ続けた。
 
15分を過ぎると試合は落ち着きを見せ、ともにゆっくりとボールを回す時間が長くなる。アルディージャの4バックと上田、青木のボランチコンビは、連動性のある動きと素早い戻りでマルキーニョス&藤田の2人に仕事をさせなかった。20分、右サイドを突破されて最後はマルキーニョスにシュートを許したが、これは北野が防いで難を逃れた。
 
迎えた28分、こう着状態を打ち破ったのはチョ ヨンチョルの今季初得点だった。やや左寄りの位置で青木からのパスを受けると、右足で狙い済ましたシュートを押し込んだ。リードを奪ったアルディージャは、ピッチの両サイドを使いつつ追加点を狙う。31分には上田のパスを受けたチョ ヨンチョルが左サイドを独走し、低いクロスから富山がゴールを脅かす。さらに3分後、今度はカウンターから渡邉が素晴らしいトラップで抜け出し、惜しい場面を作り出した。ピンチらしいピンチもなく1-0で折り返した前半は、控え目なベルデニック監督をして「前半は悪くない」という内容だった。

ホームで勝点3を奪いたい横浜FMの樋口監督は、後半開始から果敢に動いてきた。熊谷を下げてキャプテンの中村を投入。60分には、端戸に代えて齋藤を送り込んできた。攻撃のキーマン2人を早めに起用し、本気でゴールを狙いにきた格好だ。アルディージャは横浜FMの圧力に押されて、受け身になった。それでも、守備が破綻することはなかった。不動のセンターバックコンビである菊地と高橋が要所を締め、ゴール前では身体を張った守備で失点を防いだ。久々の実戦となった村上も、「リーグ戦で続けているチームのいい流れを切らないように」という意識で堅守に貢献した。
 
横浜FMの攻撃に耐えつつカウンターから追加点を狙う苦しい展開のなか、70分にベンチが動く。渡部を下げて1対1の勝負に強いルーキーの今井を起用した。それでも、なかなか流れを引き戻すことができない。72分にはセットプレーのこぼれ球から藤田に得意の左足を振り抜かれ、クロスバーに助けられるヒヤリとするシーンもあった。

その2分後、ようやくチャンスが訪れる。今井がマルキーニョスに競り勝ってつないだボールを渡邉が中央へ送ると、走り込んだ長谷川のヘディングが炸裂する。ドンピシャのタイミングで放たれた一発は、しかしクロスバーに嫌われて追加点には至らなかった。
 
終盤、セットプレーの場面で中村の左足が幾度となくアルディージャのゴールを脅かす。耐える時間が異様に長く感じられる……。ベルデニック監督はチョ ヨンチョルを下げてノヴァコヴィッチを前線に投入。そして残り10分を切り、上田に代えて片岡をピッチに立たせた。リーグ戦では清水戦、新潟戦で試合の終わらせ方に課題を残しただけに、最後のカードとして守備力の高い片岡を選択したのだろう。
 
85分、小林のクロスを受けたマルキーニョスのヘディング、89分、壁を抜けた中村の強烈な直接FKなどピンチが連続して、3分のアディショナルタイムも気の抜けない展開が続く。しかし、小林のクロスに反応した兵藤のヘディングシュートが枠の左に外れた直後、アルディージャの勝利を告げるタイムアップの笛が鳴り響いた。

試合後、ベルデニック監督は「これまでの大宮には勝ち切る強さがなかった。しっかり相手のプレッシャーを受け止めて、メンタル的にも逃げ切れたのは自分たちの新しい形、成長の証だと思う」と手応えを口にした。また、逃げ切りでの完封勝利に貢献した片岡は、「最後は防戦一方だったけど、勝ち切れたのは大きい。ディフェンスの選手は安心するし、自信にもなる。こういう試合を続けていきたい」と、3日後のFC東京戦を見据えていた。

(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
今日は、勝利したことはもちろん、特に前半の自分たちのプレーに対して非常に満足しています。ただ後半については、自分たちでボールを保持できなくなり、相手に簡単にボールを渡してしまうような場面も目立ちました。もっと頭を使って賢くプレーしていかなければ、相手のチャンスが増えてしまいます。その点は今後、改善していかなければいけません。
 
選手たちには試合前に、ボールを大事にして相手の嫌なところに運んでいくことによって勝利できる、そういうプレーができれば勝利が確信できるチームになるという話をしました。守備面でもコンパクトに、アグレッシブにボールにアタックする、そういったことをしっかりやっていこうと指示しました。特に前半はそれができたことによって得点を取ることもできました。今日は勝利に値する試合内容でした。

Q:後半、防戦一方になってしまった要因は?
横浜FMが得点を狙ってプレッシャーを掛けてきて、ある意味力でねじ伏せてくるようなところもありました。それに対して、少し受け身に回ってしまったことが影響したと思います。後半の戦い方は、あまり好ましくないものでした。ただし、そこは選手たちが試合を通して学んでいく中での1つの過程です。そうした経験を積んで成長していかなければいけませんし、実際に成長できているところもあると思っています。

Q:終盤きっちり逃げ切れていることが、勝点を積み上げられている要因か?
こういった試合を勝ち切る強さは、今までの我々にはありませんでした。相手のプレッシャーや攻撃をしっかり前向きに受け止めながら逃げ切るスタイルは、我々の新しいスタイルであり、成長の証だと思います。
選手コメント
MF 9 チョ ヨンチョル
Q:得点シーンを振り返って。
右サイドにボールがあって、自分は逆サイドで待っていましたが、青木からいいボールが来ました。ゴールにかなり近い位置だったので、トラップしてシュートまで持っていくイメージを持ってましたが、落ち着いて決めることができて良かったです。

Q:今季公式戦初ゴールとなったが?
うれしいのはうれしいですが、これからもっともっとたくさんのゴールを取りたいので、また土曜日に向けていい準備をして、得点を狙いたいです。

Q:中2日でのFC東京戦に向けて意気込みを。
先週土曜日に試合があって、今日試合して、また3日後に試合なので、まずはいい回復をして、またいいパフォーマンスを出せるようにしっかり準備したいです。
DF 26 村上 和弘
Q:今シーズンの公式戦初出場だったが、どんなテーマを持って試合に臨んだのか?
やはり、今のチームのいい流れを切らないように、というところがすべてですかね。

Q:90分間プレーした感想は?
意外にできちゃったかな、という感じです(笑)。ベンチが気を遣ってくれたのではないかと思います。

Q:シュートブロックや1対1など気持ちの入ったプレーが見られたが?
気持ちが切れたら辞め時だと思っています。どういう状況でも気持ちの部分はチームに落とし込めると思っていますし、1-0で勝ったということは、それだけ集中してやれたというところもあると思います。自分も含めて、最後まで集中できました。

Q:復帰を果たした今、次の目標は?
チームとしては、ヤマザキナビスコカップでまず予選リーグを突破すること。J1リーグ戦も、今はいい流れとはいえ勝ち切れないところもあるので、常に勝点3が積み上げられるようにチームとして戦っていきたいです。個人的には数字的なところもこだわってやりたいと思ってはいますが、まずは「チームありき」で考えています。チームの成績がいいほうが、個人としての評価も上がると思っています。まずは大宮というチームの評価を、今後も続けて上げていきたいですね。
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