Jリーグ ディビジョン1 第14節
2013.7.6 [SAT] 19:00 NACK

大宮

  • 17' 青木 拓矢
1 - 1
1 前半 0
0 後半 1

鳥栖

  • 83' 池田 圭
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 13 渡邉 大剛
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
89'
MF 9 チョ ヨンチョル
80'
FW 32 長谷川 悠
72'
FW 19 ノヴァコヴィッチ

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 34 片岡 洋介
DF 26 村上 和弘
MF 7 上田 康太
MF 30 渡部 大輔
MF 24 鈴木 規郎
FW 28 富山 貴光

監督

スターティングメンバー

GK 1 赤星 拓
DF 15 丹羽 竜平
DF 20 呂 成海
DF 5 坂井 達弥
DF 10 金 民友
MF 8 水沼 宏太
MF 28 高橋 義希
MF 23 末吉 隼也
89'
MF 18 野田 隆之介
89'
FW 22 池田 圭
84'
FW 11 豊田 陽平

控えメンバー

GK 12 奥田 達朗
DF 3 磯崎 敬太
DF 4 小林 久晃
DF 24 金井 貢史
89'
MF 7 船谷 圭祐
MF 29 岸田 翔平
89'
FW 25 早坂 良太
84'

監督

試合詳細
14 シュート 8
9 GK 8
6 CK 5
13 直接FK 9
2 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

家本 政明

副審

西尾 英朗

副審

間島 宗一

第4の審判員

金井 清一

入場者数

12,449人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

29.3℃/67%
後半に流れを取り戻せず、再開初戦は勝点1に終わる
選手たちの多くが「試合が楽しみ」と言い、「前半戦と変わらない勢いで戦えるように自分たちのサッカーをしたい」と言葉を続けた。2位の浦和に勝点差「5」をつけて首位を独走するアルディージャにとって、コンフェデレーションズカップ開催に伴う中断期間は望んでいないブレイクだったかもしれない。だが、10日間の休養を挟んで再始動したチームは、嬬恋キャンプも経て攻守を磨き上げた。選手たちは自信を深めている。だから再開を心待ちにしていたのだろう。早く自分たちの力を試したい、と。
 
42日ぶりとなるJ1リーグ第14節の相手は鳥栖だ。昨季は5位と大躍進したが、今季は13試合終了時点で15位に沈んでいる。巻き返しに燃えているに違いない。そんな相手を迎える今日のホームゲームは、今後を占う大事なリスタートの一戦である。

この試合に照準を絞ってきた両者の戦いは、開始早々から激しく攻守が入れ替わった。ともに相手の出方をうかがう様子はなく、人とボールが目まぐるしく行き交う。右サイドバックの今井が鳥栖のペナルティエリアまで侵入した直後に、対面する左サイドバックの金民友が鋭いオーバーラップを仕掛けてくる。一向にボールが落ち着かない展開が続いた。ベルデニック監督と尹晶煥監督、ふたりともサイドラインぎりぎりまで飛び出して盛んに指示を送る。そんなシーンも目についた。
 
最初に決定機を迎えたのはアルディージャだった。7分、長谷川のスルーパスを受けたノヴァコヴィッチが1対1の場面を迎える。しかし、右足でのフィニッシュはGK赤星の身体に当たって先制点とはならなかった。それでも17分、2度目の決定機がスタジアムに歓喜を運んだ。渡邉のクサビを受けに入った長谷川は潰されたが、こぼれ球を今井が拾い、ゴール中央へ冷静に折り返す。飛び込んできた青木が右足でゴールに流し込んだ。
 
リードを奪ったアルディージャは、その後も立て続けにチャンスをつかんだ。前線までポジションを上げていた高橋がペナルティエリア内で相手をかわし、長谷川がつないで、青木が狙う。飛び出した長谷川が、素晴らしいトラップから思い切りよく左足を振り抜く。さらには渡邉、下平のコンビネーションからノヴァコヴィッチが左サイドを崩し、最後はチョ ヨンチョルがヘディングシュートを放つ。いずれも追加点には至らなかったものの、アルディージャの勢いが感じられる畳み掛けるような攻撃だった。

1点リードで迎えた後半、開始早々にいきなりピンチが訪れた。47分、水沼の積極的なシュートがアルディージャのゴールを襲う。ここはGK北野がファインセーブで逃れたが、完全に主導権を握った前半とは異なる空気が流れ始めた。
 
そこから試合終盤まで耐える時間帯が続く。ロングボールを多用し、落ちない運動量でセカンドボールを拾い、シンプルにゴールを目指す鳥栖にゲームを支配されてしまった。それでも、アルディージャの最終ラインは落ち着いていた。「90分のうち鳥栖の時間帯は必ずある。ここは我慢して守ろうと声を掛け合っていました。崩されてはいなかったし、守り切る自信はありました」と振り返ったのは、高橋とゴール中央を固めたキャプテンの菊地だ。実際、クリアするのが精一杯という苦しい展開のなかでも、絶体絶命のピンチを迎える場面はなかった。
 
ようやく80分、点差を広げる絶好の機会が訪れた。ノヴァコヴィッチが青木のパスに反応して抜け出し、相手を振り切って強引にゴールへ向かう。だが、シュートはわずかに右に逸れて追加点は奪えなかった。すると直後の83分、ショートカウンターから同点に追いつかれるゴールを押し込まれてしまった。アルディージャの選手たちは「自分たちのミスだった」と悔やんだが、足をつりながらもネットを揺らした池田の同点弾は、鳥栖の諦めない姿勢が実を結んだと言える、見事なゴールだった。
 
4分のアディショナルタイムを含め、試合時間は残り僅か。アルディージャは決勝点を奪うべくゴールを目指した。終了間際にはCKから青木、ノヴァコヴィッチが立て続けにチャンスを迎えたがポストに嫌われ、ゴール前に壁を築いた鳥栖の守備を崩せず、勝利を手にすることはできなかった。

結局、鳥栖を迎えての再開初戦は勝点1を分け合う結果となった。ベルデニック監督は「決して満足できる結果ではない」とコメントし、金澤は「もったいなかった」と悔やみ、高橋は「情けない」と不満そうな表情を見せた。確かに、12日間で4試合を消化する過密日程の初戦を白星で飾れば、勢いに乗って連戦に臨めただろう。とはいえ、次なる戦いに生かせる課題が見つかったのも事実である。「相手の時間帯のとき、どうプレーするのか。90分をとおしてのゲームコントロールを改善したい」と語ったのは菊地である。
 
勝点3を奪えなかったアルディージャの選手たちが、その悔しさをどう活かすのか――。次の試合は4日後、ホームの名古屋戦だ。

(総評: 粕川哲男 /写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
前半の立ち上がり30分間の自分たちのプレーについては満足いくものだと思っていますが、結果に関しては決して満足できるものではありませんでした。今日の狙いは、鳥栖の競り合いや球際での強さといったアグレッシブさをいかに削いでいくかということで、マイボールを大事にテンポ良く動かし、サイドや中央、バイタルエリアやDFラインの背後をうまく突いて崩していくというものでした。それができた時間帯もありましたが、やりきれなかったところもありました。意図的に崩していくことが、鳥栖の強さであるロングボール、そこからの3人目の動きやカウンターに対抗するものの1つだととらえていました。ただ、鳥栖のロングボールは非常に精度が高く、そこからシュートまで持っていくクオリティの高さには非常に驚かされました。
 
後半は相手陣内でプレーできた時間帯もありますし、その中で決定的な場面もありましたが、なかなか自分たちのサッカーをやらせてもらえませんでした。前半のようなサッカーを後半やり切れなかった原因について、今この場で答えるのは非常に難しいです。1つ言えるのは、ロングボールにも耐えながらマイボールにして、攻撃につなげるところまではなかなかいきませんでした。結果について、そして後半の自分たちのプレー内容にも満足できないものがあったと思っています。

Q:J1リーグ戦再開初戦の今日の試合をどのように位置づけていたのか?
中断明けの一戦というのは非常に重要な試合だととらえていました。この試合を物にすることで、その後を精神的に少し余裕を持って、前向きに向かっていけるような、ポジティブな要素が増えると思っていました。

Q:後半運動量が落ちていたように見えたが、夏場の連戦を控えどう考えているか?
特に後半、鳥栖は自分たちのストロングポイントを出すことがうまくいき、それによってモチベーション、メンタル面が非常に上がり、自信を持って戦いに臨めていたと思います。精神的な部分で彼らは後半、非常に優位に立っていました。それに対して我々は、少し受け身に回ってしまった部分がありました。もちろんその中でも主導権を奪い返す強さが必要でしたが、それがなかなか出せませんでした。少しメンタル面が左右したのではないかと思います。決してコンディション面で何か自分たちに問題があったとは思っていません。
選手コメント
DF 27 今井 智基
Q:先制点のアシストを振り返って。
(渡邉)大剛さんがハセくん(長谷川)に当てたところで、フリーでいいところにボールが来ました。青木くんがフリーなのが見えたので、ボールを預けたら決めてくれて良かったです。

Q:今日の修正点と次への課題は?
後半は相手が前からすごく圧力を掛けてきました。ロングボールを放り込んできて、セカンドボールを相手の中盤に拾われてしまいました。そこで自分たちのサッカーができず、蹴り合いになってしまったところもあったので、それは修正していきたいと思います。

Q:この後の連戦に向けて意識していくことは?
連戦なので疲労も出てくると思います。誰が試合に出るかわからないですし、日々の練習から常にいい準備をして、1試合1試合勝点3を取れるように頑張っていきたいと思います。
MF 6 青木 拓矢
Q:先制点の場面を振り返って。
メロ(今井)からいいボールが来たので、落ち着いて決めることができました。

Q:自分たちのサッカーをする上で、前半と後半の違いは?
足が止まってしまったので、ボールが回らなくなってしまったのは大きかったと思います。

Q:足が止まってしまったのは暑さのせいか?
やはりそれはあったと思います。リーグ戦を90分戦うというのは再開後は初めてで、そういう影響があったと感じています。これを次にしっかりと生かしたいですね。
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