Jリーグ ディビジョン1 第15節
2013.7.10 [WED] 19:00 NACK

大宮

  • 62' ノヴァコヴィッチ
  • 65' 長谷川 悠
2 - 1
0 前半 1
2 後半 0

名古屋

  • 7' 中村 直志
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 26 村上 和弘
81'
MF 13 渡邉 大剛
90'
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
MF 9 チョ ヨンチョル
FW 32 長谷川 悠
FW 19 ノヴァコヴィッチ
75'

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 34 片岡 洋介
75'
DF 30 渡部 大輔
81'
MF 7 上田 康太
MF 5 カルリーニョス
FW 14 清水 慎太郎
FW 28 富山 貴光
90'

監督

スターティングメンバー

GK 1 楢崎 正剛
DF 32 田中 隼磨
DF 22 ダニエル
DF 4 田中 マルクス闘莉王
DF 6 阿部 翔平
MF 8 藤本 淳吾
MF 28 田口 泰士
66'
MF 7 中村 直志
75'
MF 10 小川 佳純
FW 11 玉田 圭司
84'
FW 16 ケネディ

控えメンバー

GK 50 高木 義成
DF 3 牟田 雄祐
DF 23 石櫃 洋祐
MF 9 ヤキモフスキー
84'
MF 13 磯村 亮太
FW 19 矢野 貴章
66'
FW 35 田中 輝希
75'

監督

試合詳細
12 シュート 9
14 GK 8
9 CK 2
7 直接FK 5
4 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

飯田 淳平

副審

五十嵐 泰之

副審

蒲澤 淳一

第4の審判員

大友 一平

入場者数

9,644人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

30.5℃/65%
ノヴァ、長谷川のゴールで逆転勝ち! 首位を堅持する!
長い中断から開けたJ1リーグ戦は、タイトな日程が組まれている。前節の鳥栖戦から17日の川崎戦まで、12日間で実に4試合。その2戦目となる名古屋戦が、“聖地”NACK5スタジアム大宮で行われた。
 
前節の鳥栖戦は、終盤にカウンターから失点し、1-1で引き分けた。それでも、前半は豊富な運動量で統率の取れた守備を披露した。得点シーンも鮮烈だった。渡邉のスルーパスから長谷川の献身的なポストプレー、今井の果敢な押し上げと、青木のゴールに至るまでの道筋を鮮やかに描いた。勝点3は奪えなかったが、中3日で行われる今日の試合で、再び「強いアルディージャ」を印象付けたいところだ。

対戦相手の名古屋も勢いに乗っている。順位こそ13位と苦しんでいるが、前節の清水戦は小川の劇的なゴールで3カ月ぶりの勝利を手にした。個の能力が高いだけに、勢いに乗せると危険な相手だ。FWのケネディ、センターバックの闘莉王と空中戦には絶対の強さを持つ。菊地、ノヴァコヴィッチとの制空権争いは、この試合の見どころの一つと言えるだろう。19時3分、アルディージャのキックオフで試合は幕を開けた。
 
試合の入り方は悪くなかった。最初の決定機は立ち上がりの4分。中盤で相手のパスをカットしたノヴァコヴィッチからのカウンターが一閃した。右サイドに開いた長谷川にボールが入ると、逆サイドに抜けたボールをチョ ヨンチョルがシュート。惜しくも相手DFに阻まれたが、これでアルディージャがリズムをつかんだかに思われた。
 
しかし直後の7分、最終ラインでの不用意なミスから、相手にボールを奪われて先制点を許す。アルディージャが先制点を許したのは、今シーズン唯一の黒星である第11節の仙台戦以来だ。追いかける立場となったアルディージャだが、前への推進力は高まっていた。長谷川が高さを生かして制空権を握り、渡邉も巧みなスルーパスで名古屋の守備を揺さぶった。今井は豊富な運動量で右サイドのアップダウンを繰り返し、金澤も高い位置で攻撃に絡んだ。菊地は身長で上回るケネディを相手に、空中戦で互角以上に渡り合っている。前半は1点のビハインドで折り返したが、チャンスの数では名古屋を上回っていた。

「走るスピード、運動量、プレーのスピードを30パーセント以上、上げていこう」

ハーフタイムのロッカールームで、ベルデニック監督が選手に檄を飛ばした。これで、攻撃のギアが一段階アップした。しっかりとボールを保持し、青木が鋭いタテパスを前線に供給する。ノヴァコヴィッチがつなぎ、2列目からの押し上げで波状攻撃を仕掛けた。
 
そして、ついにゴール裏が歓喜に沸いた。62分。カウンターから青木のスルーパスを受けたノヴァコヴィッチがドリブルで突破。角度のない位置から放たれたシュートが、見事にゴールネットを揺らした。さらにアルディージャの勢いは止まらない。同点ゴールからわずか3分後。チャンスを演出したのは、またも青木の目の覚めるようなスルーパスだった。ゴールに背を向けてボールを受けた長谷川は、その場で素早く反転。左足から放たれたシュートは、GK楢崎の手をかすめてゴールマウスに吸い込まれた。
 
わずか3分の逆転劇で、スタジアムの空気は一変した。名古屋はすぐさま高さのある矢野を前線に投入。攻撃の枚数を増やしてきたが、アルディージャも負傷で交代を余儀なくされたノヴァコヴィッチに代えて最終ラインに片岡を送り込む。名古屋のパワープレーを、ゴール前に築いたブロックで跳ね返した。ケネディに突破された場面も、菊地が身をていして封じ込めた。中盤では青木が前線からプレッシャーをかけて、ボールの出どころを食い止めた。混戦から至近距離で許したシュートも、北野が顔面でブロックした。
 
アディショナルタイムの4分をしのいで、試合終了のホイッスル。消耗戦を制したアルディージャが、ホームで勝点3を手に入れた。

「後半の30分は非常にいいプレーができた。名古屋のパワープレーでプレッシャーをかけられたが、北野の素晴らしいセーブもあって救われた。全員が体を張って、『何が何でもこの試合をものにする』という気迫もあり勝利を手にすることができた」
 
試合後にこう振り返ったベルデニック監督。前節の鳥栖戦は後半に失点して引分けに持ち込まれている。それだけに、中3日のこの試合を、後半の2ゴールで逆転勝ちした意味は大きい。「昨年に比べて、選手たちは明らかに成長している」(ベルデニック監督)。アルディージャが新たな新境地を切り開いた一戦だった。

(総評:岩本勝暁/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 ベルデニック
今日の結果には非常に満足しています。試合のいろんな部分で驚きがありましたが、もちろんいいプレーもありましたし、最終的に勝利を収めたことに非常に満足しています。
 
立ち上がりで自分たちのミスから失点してしまったことで、自信やプレーの確実性、精度が少し失われたところがありました。ハーフタイムには選手たちに、走る速さや判断の速さ、ボールの動き、運動量、そういったものを30%以上、上げていこうと指示しました。そして、ピッチをより広く使って相手を揺さぶっていこう、そこでスペースが空いたところにボールを入れて相手を崩していこう、そこにはスプリントで進入していこう、という話をしました。実際に後半の30分間は、非常にいいプレーができたと思います。
 
逆転した後は名古屋がパワープレーを仕掛けてきたので、それを受け止めながらしのいでいく、ということを選択しました。名古屋にかなりのパワーを掛けられ、ゴール前でプレッシャーを掛けられ、北野のスーパーセーブで救われた場面もありましたし、それ以外にも相手にチャンスを作られました。しかし、全員が体を張って、「何が何でもこの試合を物にしてやる」という気迫を見せてくれたことで、勝利を収めることができました。
 
名古屋のパワープレーを簡単に受け入れることは、本来いいことではないと思っています。もっと高い位置でプレッシャーを掛けて、長いボールを蹴らせない、蹴らせてもチャンスを作らせない、その上で自分たちが攻撃できれば良かったのですが、まだ今日の試合では我々にそういった余裕はありませんでした。それは、我々がまだまだ学んでいかなければいけない部分だと思います。

Q:ノヴァコヴィッチの状態は?
今の時点で言えることは足首付近の怪我だということだけで、正直はっきりしたことはわかりません。

Q:「驚き」とは具体的には何か?
試合がミスから始まったということ、センターバックの選手がボールを取られ、そこから失点してしまったというのは、ある意味事故のようなものです。そういったことから試合が始まったのは予想外でした。その出来事が、試合を優位に進めること、メンタル的に前向きにプレーするという点で我々に不安要素を与えました。
 
ただ、それを自分たちで取り返した姿勢、「ここで負けない」と相手から主導権を奪い返したことは非常に素晴らしかったと思います。1年前であれば、先に点を与えてしまってから逆転する力はなかったと思います。それを自分たちの力で取り戻したことは、選手たちの成長が感じられる部分でした。いい意味での驚きというか、すごく良かった部分だったと思います。

Q:今日の名古屋のように、今後対戦する相手もカウンターを狙って引いてくると思うか?
そういったチームは増えてくると思います。特に我々がホームで戦う時、引いてカウンターを狙ってくるチームが増えてくることは、ある程度予想できます。
 
我々が今シーズンを上位で終えるために、もしくはそういった強豪チームになっていくためには、自分たちが主導権を握って相手を崩していくこと、それを自分たちのものにしていくことが不可欠な要素になってきます。自分たちがボールを保持しながら、攻撃的に相手を崩していくことは、ボールを奪われれば自分たちの背後のスペースを相手に与えることにもなりますし、ある意味リスクでもあります。簡単に学んでいけるものではありません。これまで半年かけて作り上げてきているものであり、そういった部分が少しずつ形になってきているとは感じています。
選手コメント
FW 32 長谷川 悠
Q:逆転ゴールの場面を振り返って。
それまでも名古屋のDFとMFの間でボールを受けることができていたんですが、あの場面もそこでいい形で受けることができたので、思い切ってシュートを打ちました。いいタイミングで打てたので、決めることができて良かったです。イメージ通りのいい形でした。

Q:ノヴァコヴィッチとの2トップで意識することは?
距離感は常に意識しています。今日は立ち上がりでそれがちょっとうまくいかず、いい形で攻撃できませんでしたが、後半はいいポジショニングができたので良かったかなと思います。

Q:今後への意気込みを。
いい調子でゴールを決めることができたので、「夏男」の名にふさわしく、今後も決めていけるように頑張りたいと思います。
MF 6 青木 拓矢
Q:前半はやや名古屋ペースで進んでいる印象だったが?
失点したあたりから少し落ち着きがありませんでした。前半はそれを少し引きずってしまったかなと思います。

Q:同点ゴールを呼び込んだスルーパスについて。
前半にも1本ありましたがミスしてしまったので、あの場面ではうまくパスを通せて良かったと思います。

Q:逆転ゴールにつながったパスについては?
あれは、僕はただ普通にパスを出しただけで、ハセくん(長谷川)がうまかったゴールです(笑)。

Q:今後への意気込みを。
このいい調子を今後も継続していけるように、引き続き頑張っていきたいと思います。
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