Jリーグ ディビジョン1 第22節
2013.8.24 [SAT] 19:00 NACK

大宮

  • 45' ズラタン
  • 50' 渡邉 大剛
2 - 3
1 前半 2
1 後半 1

  • 4' 田中 順也
  • 27' 田中 順也
  • 65' 澤 昌克
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 34 片岡 洋介
90+1'
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
DF 8 下平 匠
MF 6 青木 拓矢
MF 23 金澤 慎
77'
MF 13 渡邉 大剛
MF 9 チョ ヨンチョル
FW 19 ノヴァコヴィッチ
FW 11 ズラタン
77'

控えメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 22 ニール
77'
DF 27 今井 智基
MF 20 和田 拓也
MF 7 上田 康太
FW 24 鈴木 規郎
90+1'
FW 32 長谷川 悠
77'

監督

スターティングメンバー

GK 21 菅野 孝憲
DF 27 キム チャンス
DF 3 近藤 直也
DF 4 鈴木 大輔
DF 22 橋本 和
MF 14 狩野 健太
90+2'
MF 7 大谷 秀和
MF 28 栗澤 僚一
MF 15 ジョルジ ワグネル
FW 18 田中 順也
90'
FW 8 澤 昌克
83'

控えメンバー

GK 16 稲田 康志
DF 5 増嶋 竜也
83'
DF 2 藤田 優人
MF 30 山中 亮輔
MF 20 茨田 陽生
MF 26 太田 徹郎
90+2'
FW 11 クレオ
90'

監督

試合詳細
14 シュート 15
5 GK 10
6 CK 5
12 直接FK 15
2 間接FK 1
1 PK 0
試合データ

主審

西村 雄一

副審

相樂 亨

副審

田中 利幸

第4の審判員

西尾 英朗

入場者数

11,661人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

28.3℃/58%
最後まで積極的な姿勢を見せるが、勝点は奪えず
Jリーグ第22節、アルディージャはNACK5スタジアム大宮に柏を迎えた。ベルデニック監督の交代、岡本GMによる代行指揮を経て、小倉新監督で迎える初陣だ。6連敗中という悪い流れを断ち切り、上位に返り咲きたいチームを指揮する小倉監督は、就任会見の席で「自信を取り戻すこと」、そして「チームが一つになること」を強調した。
 
第15節の名古屋戦以来となる勝利を見届けるべく、スタジアムには1万1千人を越す観衆が集まった。アルディージャは今日を境に再び輝きを放てる。そう信じていたはずだ。試合前、メンバー発表に続いて小倉監督の名前が読み上げられたときには、温かい拍手が沸き起こった。ベンチに控える新加入の和田とニールにも期待したい。日本勢として唯一ACLに勝ち残り、3日前にホームで準々決勝第1戦を戦った柏との一戦は、不安と期待が交錯するなか19時過ぎにキックオフのホイッスルを聞いた。

試合はいきなりビハインドの展開となる。4分、サイドチェンジのパスを奪われると、ジョルジ・ワグネルのパスを受けた田中に左足でゴール隅を打ち抜かれた。その後もパスを回すことができず、柏の鋭いカウンターを受ける。ジョルジ・ワグネルの強烈な一撃を北野が懸命にパンチングで弾くなど、一瞬も気の抜けない時間帯が続いた。
 
22分、相手の連携ミスを逃さずズラタンが立て続けにチャンスをつかむが、シュートは枠を捉えることができなかった。すると5分後、柏のサイドチェンジについていけず失点を重ねてしまう。狩野のセンタリングのこぼれ球をジョルジ・ワグネルに狙われ、最後は再び田中に押し込まれてしまった。2点を失ったスタジアムに重苦しい空気が流れる。
 
しかし、前半終了間際の45分、アルディージャの希望となる逆襲の1点が生まれた。縦への素早い展開に走り込んだノヴァコヴィッチに対して、柏のDFがたまらずファウル。西村主審はペナルティスポットを指差した。このPKをズラタンが冷静に決めて1点差。絶対に追いつけるという期待を抱いてのハーフタイムとなった。

後半開始早々の50分、膨らみかけた期待が現実となり、スタジアムが歓喜に包まれた。右サイドバックを務めた片岡が積極的にポジションを上げ、巧みなフェイントから中央へラストパス。ゴール前でチョ ヨンチョルがスルーして、渡邉がサイドネットを揺らした。「洋介さんがいいボールをくれて、ヨンチョルがスルーという声を聞いてくれた。あとは逆サイドに流し込めば入ると思った。イメージどおりのゴール」(渡邉)だ。
 
2点のビハインドを追いついたアルディージャは、その後も積極的に前へ出た。「同点に追いついてからも守るのではなく、勝ちを目指した。粘り強く戦い、決定的なチャンスを作ることもできた」と振り返ったのはズラタンだ。ところが柏も引き下がらない。65分、田中の強烈なシュートは北野が弾いたが、こぼれ球を澤に押し込まれた。
 
それでもアルディージャは諦めない。ホームでの勝点を目指し、前へ前へと突き進んだ。75分にはカウンターを仕掛け、左サイドを駆け上がったズラタンのボールに青木が詰める。わずかに合わなかったものの、3点目への期待が高まる場面だった。ベンチも「リスクを負って」積極的な交代策を見せる。金澤に代えてニールを投入。最終ラインを片岡、菊地、ニール、下平の4人とし、高橋をボランチに上げて青木と並べた。同時に前線に長谷川を起用し、パワープレーで圧力を高める。80分過ぎには相手GKを襲うノヴァコヴィッチの惜しいFKがあり、ゴールライン上でクリアされた片岡の左足シュートもあった。しかし、ゴールには届かない。4分のアディショナルタイム、セットプレーでポジションを上げたニールのヘディングシュートはクロスバーに嫌われた。

アルディージャは最後までゴールを奪いにいったが、結果を残すことはできなかった。勝点獲得まであと一歩に迫りながら、連敗は「7」に伸びた。しかし、泥沼という言葉は使いたくない。まだまだ改善する時間はあるし、選手たちからは前向きな言葉も聞かれた。渡邉は「チームとしての一体感を少しずつ取り戻せている」と気丈に語り、「全員がもう少し落ち着いて、しっかりパスをつないでいけば問題ない」と語ったのは下平だ。新加入の二ールも「最後はいいリズムで戦うことができた」と分析している。次節、アウェイの川崎F戦は4日後に迫っている。小倉監督の下、メンバー全員が一つになり、失いつつある自信を取り戻す戦いが見られると信じたい。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 小倉 勉
前半の立ち上がりに失点し、苦しい展開になってしまいました。PKで1点を取り、いったん同点にしてから勝ち越し点を奪われてしまったので、再度同点を目指しリスクを背負って3点目を狙いました。選手たちも良く戦ってくれましたが、残念ながらその1点を奪うことができませんでした。今日は難しい試合になるという感じをずっと持ってはいましたが、予想以上に難しい試合になった、というのが感想です。

Q:主に攻撃について、何か方向性を選手に与えたのか、それとも選手の自主性に任せたのか?
ピッチ上では最終的に選手の判断が最優先されるので、それを存分に生かしてやってもらえればいいということで、特に細かい指示はあまりしていません。ただ、指示をまったくしていないわけでもないです。

Q:初めて指揮を執ってみて感じたチームの課題と、この1週間で良くなった点は?
ご覧の通り3失点してしまいましたので、点を取られないことが課題です。この1週間は、すべての面で大きく改善できたとは思っていません。ただ、今日の終盤で3点目を狙っていった時に、例えばDFの選手が前線に残ってプレーしたり、サイドの選手がリスクを背負って駆け上がって攻めたりというのは、特に僕のほうから「こうしろ」と指示をしたわけではありません。選手たち自身の意思で、点を取りたい、勝点を取りたいということを実践してくれたのが、一番成長した点ではないかと思っています。

Q:コーチ、TDから監督となって、選手の印象は変わってきているか?
僕自身がいろいろ異動しているだけなので、選手たちの反応はそんなに大きく変わってはいないと思います。改めて監督は大変だなと思いました。TDやコーチ業が楽だと言っているわけではありませんが、まだ1週間ながら監督業もすべてにおいて大変な仕事だと改めて感じました。これまで何人ものすごい監督と一緒に仕事をさせていただきましたが、大変な苦労をされているんだなと改めて実感しました。
選手コメント
FW 11 ズラタン
Q:PKの場面を振り返って。
PKになった場面は、自分にボールが来た時にはもう笛が鳴っていたので、正直そこで何が起こったのかはわかりません。その前の場面では、コンビネーションから(下平)匠のクロスが上がってくるといういい形を作れました。PKを蹴った場面については、落ち着いてしっかりと決めることができましたが、それが勝利につながらなかったのは残念です。

Q:苦しい状況だが、こういう時には何が大切か?
私自身こういう状況は何度も経験してきており、初めてではありません。非常に難しい状況だとは思いますが、だからこそ自分たちの真のメンタリティ、本来の自分たちの力が試されているのだと思います。勝っている時、連勝している時は喜び、勢いがありますが、現状は自分たちが、ある意味「男になる」ということが試されているのだと思っています。この状況を断ち切り、自分たちが再び浮上するためには、やはり日々努力していくこと、「闘う」ことを忘れずにやることです。努力は必ず報われると思っていますので、それを信じて、常にピッチで努力を続けていくしかないと考えています。
MF 13 渡邉 大剛
Q:自身のゴールの場面を振り返って。
(片岡)洋介さんがクロスを入れてくれました。僕の前に(チョ)ヨンチョルがいたんですけど、「スルー」と声を掛けたらうまく反応してくれました。逆サイドに流し込めば入るかなと思ったので、イメージ通りのゴールでした。

Q:その後柏に失点を許したが、後半の戦いについてどう思うか?
前節の鳥栖戦は、前半リードしたものの後半はセカンドボールが拾えず、ほとんど相手に押し込まれた状況で失点してしまいました。今日はセカンドボールもある程度拾えていたと思いますし、相手の攻撃を抑えつつ、自分たちがボールを持った時は慌てずにプレーできていたと思うので、そこは良かったと思います。ただ、相手に3点目を与えてしまい、自分たちはセットプレーも含めて数多くのチャンスがありながら、相手の好守もあって最後までゴールを割れなかったので、勝負所で相手のほうが一枚上手だったと感じています。

Q:一体感についての感想は?
同点に追いついた時は、みんなで「行ける」という雰囲気がすごくありました。失点で少しテンションが下がった時も、ここでしっかりと立て直してプレーを続けていこうと、みんなで話し合いながらできました。ハーフタイムにはみんなで思っていることを言い合って後半に入れたので、そういった意味では少しずつ一体感は取り戻せているのかもしれません。ですが、やはり勝つことが一番です。連戦で次はアウェイですけど、またいい準備をして、今度こそ勝てるようにやりたいと思います。
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