Jリーグ ディビジョン1 第31節
2013.11.10 [SUN] 19:00 NACK

大宮

  • 90+2' ノヴァコヴィッチ
1 - 2
0 前半 1
1 後半 1

甲府

  • 21' オウンゴール
  • 81' パトリック
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 26 村上 和弘
76'
DF 2 菊地 光将
6'
DF 34 片岡 洋介
DF 8 下平 匠
MF 23 金澤 慎
MF 7 上田 康太
69'
MF 13 渡邉 大剛
MF 9 チョ ヨンチョル
FW 11 ズラタン
FW 19 ノヴァコヴィッチ

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 22 ニール
6'
DF 27 今井 智基
MF 17 高橋 祥平
MF 6 青木 拓矢
69'
MF 30 渡部 大輔
76'
FW 32 長谷川 悠

監督

スターティングメンバー

GK 21 河田 晃兵
DF 26 青山 直晃
DF 4 山本 英臣
DF 6 佐々木 翔
MF 18 柏 好文
79'
MF 30 保坂 一成
MF 5 マルキーニョス パラナ
MF 2 福田 健介
FW 15 河本 明人
61'
FW 9 ジウシーニョ
84'
FW 11 パトリック

控えメンバー

GK 1 荻 晃太
DF 13 崔 誠根
DF 16 松橋 優
79'
DF 41 土屋 征夫
MF 22 羽生 直剛
61'
MF 27 伊東 輝悦
MF 29 水野 晃樹
84'

監督

試合詳細
7 シュート 8
11 GK 8
7 CK 2
10 直接FK 8
3 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

今村 義朗

副審

金田 大吉

副審

竹田 明弘

第4の審判員

荒木 友輔

入場者数

9,059人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

14.6℃/68%
終了直前に意地を見せるも勝点には届かず
前節にJ1残留を決めたアルディージャだが、満足している選手は一人もいないだろう。第25節の新潟戦から続く連敗を「6」で食い止め、可能な限り勝点を積み上げる。それが今後、さらには来季の戦いにつながると、誰もが心に刻んでいるはずだ。

アルディージャにとって明るいニュースは、負傷した第24節の横浜戦以来となる金澤の復帰だ。身体を投げ出してのスライディング、タイミングを計った攻撃参加、ゴールを脅かすミドルシュートなど、中盤で攻守に渡り存在感を発揮するボランチのカムバックは非常に心強い。ベンチには第26節の仙台戦以降、同じくケガで戦列を離れていた青木も名を連ねた。今季序盤の躍進に貢献した二人が戦列に復帰したことで、アルディージャは自分たちの戦い方を取り戻せるに違いない。

J1リーグは今日の甲府戦を含め残り4試合。「このまま終わるわけにはいかない」と語るアルディージャの意地と誇りを懸けた戦いは、19時3分に始まった。

開始早々、金澤のファーストシュートで流れに乗るかと思われたアルディージャだが、その直後にアクシデントに見舞われてしまう。ハイボールに反応した菊地がパトリックと空中で交錯。そのまま担架で運び出されて、二ールとの交代を余儀なくされたのである。病院での診断結果は脳震盪で大事には至らなかったものの、菊地の腕にあったキャプテンマークは金澤に託された。
 
立ち上がりを過ぎて徐々に落ち着きを見せた試合は、アルディージャのペースで進んだ。金澤が最終ラインから受けたパスを左右に散らし、村上&下平の両サイドが前線に構えるノヴァコヴィッチとズラタンを狙う。ボールを支配したのは完全にホームチームだった。ところが、引いて守る甲府の守備を崩せない。3バックと両サイドの5人がゴールの前にラインを引き、パトリックを除いた4人もブロックを築く甲府の前に、フィニッシュまで持ち込めない展開が続いた。そして21分、警戒していたカウンターから痛恨の先制点を奪われてしまう。コーナーキックのこぼれ球を柏に運ばれて、河本の低くて速いクロスがネットを揺らす結果となった。
 
1点を負うアルディージャが決定機を迎えたのは31分。上田のスルーパスに抜け出したチョ ヨンチョルがGK河田より先にボールにタッチするが、ゴールには届かず。その後もボールをポゼッションして攻めるアルディージャ、守りを固めてカウンターを狙う甲府の構図で試合は進み、試合は1点差のままハーフタイムとなった。

後半、アルディージャは開始直後にニアサイドのノヴァコヴィッチがコーナーキックを頭で捉えて好機につなげるが、相手クリアの前に得点は動かない。すると55分、主審のジャッジに異議を唱えたズラタンが2度目の警告を受けてしまう。残り35分、ますます守りを固めてくる甲府を10人で崩さなければならない――。それは、アルディージャの底力が試されるような試練の展開だった。
 
ホームでの7試合ぶりの勝利に向けて、ベンチが動く。69分に上田に代えてケガ明けの青木をピッチに投入、76分には村上を下げて渡部を送り出した。この選手交代が起爆剤となり、青木、チョ ヨンチョル、下平の3人が左サイドを切り崩すなど、徐々にゴールへの圧力が強まる。ところがリスクを背負って前がかりになった一瞬の隙を突かれ、81分に追加点を押し込まれてしまう。交代出場した羽生のパスを受けた、パトリックのドリブルシュートを止めることはできなかった。
 
残された時間は少ない。それでもアルディージャは最後までゴールを目指した。そして92分、片岡のロングフィードを受けたノヴァコヴィッチがFKを得る。自ら右足で狙ったシュートは6枚の壁を越え、ゴールの左隅に吸い込まれた。結局、4分のアディショナルタイムに追いつくことはできなかったものの、タイムアップ直前に奪った意地の一発は、次なる戦いへの希望のゴールとなったのではないだろうか。

11月16日の天皇杯4回戦・FC東京戦を挟んで、J1リーグは残り3試合。選手たちは、波乱に満ちた今季をどのように締めてくれるのだろうか。小倉監督は「勝点をあげることを言い続けている。選手たちには残り3試合、もがきながら必死にやることを伝えたい」と語った。片岡は勝利のために必要なことは何かという問いに対して「選手一人ひとりがもっとハードワークすること。90分が終わったときに動けなくなるくらい戦い抜くことが大切だと思う」と表情を引き締めた。

「悔いなく闘ってくれ」という横断幕を掲げ、寒風のなか最後まで声を枯らしたファン・サポーターのためにも、その胸に誓った言葉を現実のものとして欲しい。

(総評:粕川 哲男/写真:早草 紀子)

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監督コメント
監督 小倉 勉
序盤にキャプテンの菊地選手が怪我をしてしまい、そこで交代のカードを1枚切らなければならなくなるというアクシデント的なことが早々にありました。前半の戦いの中で、警戒していたうちのCKからのカウンターで失点してしまったことで、後半は点を取りに行くためにある程度前掛かりになってプレーしました。残念ながら人数が少なくなってしまい、なおリスクを掛けなければならない状況の中、点は取れずにまたカウンターから失点してしまいました。最後にFKで1点を返しましたが、さらに次のゴールまでは時間がなく敗れてしまい、とても残念な試合になってしまいました。

Q:引分けにすら持ち込めない試合が続いているが?
今日の場合は、人数が少ない中での1点ビハインドで、追いつこうとリスクを掛けて攻撃していたので、点を取って引分けに持ち込むのか、さらに失点してしまうのか、それがマイナスのほうに出てしまったということだと思っています。

Q:前半の菊地選手の怪我は見ていてもショッキングだったが、それがチームに心理的に影響を与えたのでは?
以前富山選手に同じような出来事があり、選手たちもかなり落ち着かない状況だったのは事実です。試合序盤ということで、選手たちに動揺が走っていたのは間違いないと思います。菊地選手については、病院に行き大きな問題はないという診断が出たということなので、それは選手たちにも伝えようと思っています。

Q:J1リーグ戦残り3試合、選手にはどういうところを強調したいか?
まずは目の前の天皇杯がありますので、そのF東京戦にベストを尽くすことが1つ。Jリーグの残り3試合については、どの相手とやるにしても、もちろん相手のことは尊重しつつも勝点を挙げるんだということをずっと言い続けています。今はなかなか勝点が取れない状況ですが、その中でもがきながら必死にやっていきたいということを選手に伝えたいと思っています。
選手コメント
MF 23 金澤 慎
Q:甲府への対応策は?
戦術的にはサイドから攻めていくように、とトレーニングしていました。パスを中央から通していくのは少しリスクがあるということで、外からトップにボールを入れるように、ということで臨んでいました。うまくいった時間帯もあればうまくいかなかった時間帯もある中で、決定的なチャンスが少なかったとは思います。

Q:次の天皇杯はどのように戦っていきたいか?
天皇杯は監督含めチームも優勝を目指して戦うと決めています。そこを目指して頑張っていきたいと思います。
MF 9 チョ ヨンチョル
Q:甲府への対応は?
サイドの選手がかなり上がってくる印象だったので、僕はその選手にしっかりついていって、攻撃の時にはその空いたスペースを狙う感じでやっていました。

Q:個人的な課題を挙げるとしたら?
サイドでのプレーはうまくいっていますが、やはりゴール前やペナルティエリアの中での仕事をもっと増やしたいので、シュートまで持ち込めるようにやっていきたいです。

Q:次の天皇杯に向けて。
天皇杯は決勝まで行けばとても盛り上がりますし、優勝すればACLに出られるので、次のステージに進めるように頑張って、絶対に勝ちたいと思っています。
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