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原博実 フットボール本部長 就任記者会見 実施レポート
4月15日(金)、原博実 フットボール本部長の就任記者会見を、オンラインにて実施しました。


佐野秀彦 代表取締役社長 コメント
4月7日(木)にクラブ公式サイトで、新たにフットボール本部長を招聘することを検討しているとお知らせしました。その後、4月9日(土)甲府戦の試合後にスタジアムで、ファン・サポーターの皆さま、メディアの皆さまに、さまざまな打ち手を考えており、そのなかでもフットボール本部長の招聘が急務であるとお話しをさせていただきました。

現状を改善できるフットボール本部長に求めることとして「リーダーシップ」、「サッカー界での実績」、「ネットワーク」、「課題解決力」などを挙げ、原博実さんが適任という結論に至りました。

トップチームを上向きにしていくこと、そのために厳しさを持って勝利、成長に必要な判断をしてもらうことを最優先として、これまでにアルディージャが積み上げてきたものを大切にしつつ、フットボール領域全体の成長へつなげてもらいたいと話しました。

クラブ最大の危機のなか、現在のチームを上向きにしていくために必要なものは、「これまでの経験や実績のなかで得た知識やネットワーク」「リーダーシップやコミュニケーション力」そして何よりも「大宮アルディージャへの理解度の高さ」であり、その力で現在のチームを上向きにするために、原さんの持っている力のすべてを注いでいただきたいと就任をお願いしました。

原さんにはフットボール本部全体のミッションについても理解していただいた上で、「まずは1日も早くトップチームの状況を把握して、次の千葉戦に向けて全力を尽くす」、「やるからには、これまでの経験や持っているすべての力をかける」、「大宮からのオファーだから受ける」と、力強い決意の言葉をいただき、その日のうちに返事をもらいました。

これから先の33試合に向けて、まずは現在の状況を早く抜け出すために目の前の試合を勝ち切り、一つずつ順位を上げていく必要があります。

明日の千葉戦は大きな意味を持っています。ピッチでは選手たちが、全力で必死にひたむきに戦います。ファン・サポーターの皆さま、パートナーの皆さま、後援会やホームタウンの皆さま、クラブを愛する多くの皆さまと、選手、監督、スタッフ、関係者全員が一つになり一緒に乗り越えていきたいと思います。


原博実 フットボール本部長 コメント
今週オファーをいただいて、「アルディージャの力になれるのであれば」ということで、快く引き受けました。開幕戦の横浜FC戦や前節の甲府戦もスタジアムで観戦しましたが、「アルディージャや選手個人が持つポテンシャルが、いまは引き出せていないな」というのが正直なところです。一人ひとりの能力、チームが持っているポテンシャルは、皆さんもご存知のとおり、こんなもんじゃないと思っています。

4月12日(火)にここに来て、監督、スタッフ、選手の前で、「いま自分ができることを本当に全力でやっていますか」、「やっていると言う人もいるかもしれないが、少なくともピッチ上ではその姿が見えない」、「ではどうするかとなったときに、監督が、誰かがやってくれれば、ボールが来れば、ではなく、来ないなら呼び込まなくてはいけないし、他の人が戦っていないなら自分が戦っている姿勢を見せるとか、今日から変えていこう」と伝えました。

この状況になったのは誰か一人の責任ではなく全員の責任で、それを変えるのは自分たち一人ひとりしかないと思っています。今日も練習前に時間をもらって、「今週少しずつでも変えてきたものを、明日のNACKのピッチで表現しよう。いろいろやってきても結局出せないのではなく、明日から変えていく。明日スタジアムで皆が持っている力を、いままで歯車が少し狂っていた、噛み合わなかったものを、明日から変えていこう。ピッチで出さなければそれは意味がないよ」と話をしました。

選手もスタッフも変わろうという意識は出てきていると感じています。決して簡単な道のりではないですが、選手たちの持っているポテンシャルをあらためて見たときに、もっともっと個人やチームの力を引き出せると確信しましたので、そこに向けて自分も全力を尽くしてアルディージャを強くして、サポーターの方からもより多く愛されるチームにしていきたいと思っています。皆さんの力も必要なので、協力してもらえるようなチームにしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。


質疑応答
――大宮はここ数年低迷しているが、外から見て感じていたこと、また、中に入ってまず手を打ちたいと感じるところがあれば。
(原フットボール本部長) ポテンシャルはあるけれども、おとなしい選手が多いかなと思います。練習での味方への要求であったり、お互いが要求し合う場面は少ないような気がします。それは勝てていないからということもあると思いますが、この練習場、クラブハウスの環境はものすごく恵まれていると思いますし、それを当たり前だと思っている選手が多いかなと思います。
また、ここ何年か成績が良くないのはチームのバランスや、全体のエネルギーがなかなか相手ゴール方向に向かっていかないところにあるのかなと思っています。いままでは外から見ているだけでしたが、中に入って3日間練習を見て、選手たちの能力をうまく引き出してあげられれば、あるいはそれがうまく噛み合えば、ものすごいポテンシャルがあるとあらためて思っています。
強化部のスタッフに過去の話を聞いたり、外から見ていた部分と内部の事情の両方を収集しながら、一日一日、監督やスタッフとも話しながら、選手たちともコミュニケーションをとって、まずは明日の試合をどう戦うか、皆と変えていければと思います。
過去のことはすべてわかっているわけではないですが、NACK5スタジアム大宮、大宮駅からスタジアムまでのオレンジロードなどは雰囲気があり、選手のポテンシャルもあると感じています。アカデミーの選手たちが多く育ってきているなかで、その選手たちがいまひとつ開花できない理由などを探りながら、でも何かのスイッチが変わればそれも変わっていくだろうなということは、この3日間であらためて確認しているところです。


――Jリーグ副理事長などを経験してきたなかでの知見をどう生かしたいか。
(原フットボール本部長) Jリーグの副理事長として6年、その前にJFAの技術委員長や専務理事として7年いました。ここにいる大山や茂木はアンダーカテゴリーのときから知っています。本来、彼らの成長曲線はもっともっと上昇していかなくてはいけないタレントだったと思っています。一方で、JFAやJリーグでいろいろなクラブを客観的に見てきたので、クラブの良さや、「なぜもっとこういうふうにできないんだろう」と外から見ていて当たっているところもあるとは思っています。
いま僕がやることは、ずっとこのクラブにいた人がなかなか気が付かない、「外から見たらこうですよ」、「これがむしろこのクラブの強みなのにそこをわかっていない」、「ここさえ変えれば」というような部分を早く見極めて、そこに重点的に力を注いでいきたいです。その見極めが大事で、何でもかんでもやればいいのではなく、大宮アルディージャにとってすごく大事なものは何なのかを考えると、練習を見ていてもアカデミーから若くていい選手がいっぱい出ています。まだまだ知られていなかったり、まだまだこの選手いけるなという選手が、アカデミー出身以外にもいるので、なんとかいい方向に持っていきたいですし、それが僕の仕事かなと思います。


――原フットボール本部長の具体的な立ち位置と仕事内容は。
(佐野代表取締役社長) フットボール本部長の所掌範囲は、強化部、育成部、普及部、運営部という4つの部になります。そのなかには女子チームの大宮アルディージャVENTUSもあり、かなり幅広い分野で強化、運営、普及、育成といった部分を担っていただくということをお願いしております。
まずは、このチームを立て直すことが一番大きな課題として、原フットボール本部長ともしっかり話しをしましたので、当面はトップチームの方に注力をしていただくことになると思います。


――大宮アルディージャをどういうクラブにしていきたいか、目標や考えていることがあれば。
(原フットボール本部長) いままでアルディージャがやってきた地域に根差した活動であったり、例えば今年のスローガンであるひたむきに戦うことを、否定するつもりはまったくないです。ただ、先ほど言ったように、アカデミーから本当にいい選手たちが出てきていると個人的にはずっと外から見ていても感じています。ただ、アカデミーまである程度成長した選手がどうやってトップでさらに花開いていくか、コーチ陣や強化部スタッフの連携であったり育て方であったり、そのあたりはもっともっと改善できると思っていますし、この育成の力は一朝一夕でできるものではないと外から見ていても思っていましたので、そのパイプをもっともっと太くして、どんどん若くていい選手、今後伸びていく選手がトップチームでデビューできる、そしてそこで飛躍できるような、育成に強いクラブにできるんじゃないかなという思いがあります。
すごくポテンシャルのある選手もいますが、本人がそこまで気が付いていないところが焦ったい部分ではあります。自分で気が付いて、自分で課題に取り組んだり目標を高く持って、日々のトレーニングやその環境でもっともっと揉まれていくようになれば、間違いなく日本だけではなく世界に出ていけるようなタレントがいるというのが、正直な印象です。それをどうやって我々がサポートしていくか、本人に気付かせるか、スタッフ同士で共有できるかということが重要かなと思いますし、育成に強いクラブにしていきたいという思いはあります。


――いまのJ2をどう見ているか。脱出するために必要なものは。
(原フットボール本部長) Jリーグ全体で見ても本当に差がないです。上位チームが必ず下位に勝つこともないし、絶対勝てないこともないぐらい、拮抗していることがJリーグの魅力だと思っています。大宮の戦力が、本当に9試合勝てない戦力かと言われたら、どう見てもそうではないと思っています。ただ、待っていて、このままやっていても変わらないですし、いままで一生懸命やってこなかったとは思わないですが、「外に伝わらない、見えないのは、変わっていないのと一緒だよね」という話を、あえて火曜日も、今日もしました。
ですので、選手たちが明日から、本当に変わってきているなというものを出せるかどうか、小さい一つひとつのプレーであったり、目つきであったり、集中力であったりというものしかないですし、特効薬はないです。僕が来たからすぐ変わるとは思っていません。それでも、変えたいのは選手たちであるはずなので、それを明日やってくれると僕は信じています。それしか方法はないと思っています。


――今のチームスタイルへの印象は。
(原フットボール本部長) 霜田監督のアグレッシブで攻撃的なサッカーや姿勢は、当然リスペクトしています。ただ、いまはそれがうまく発揮できていない、むしろ、相手陣地にいくよりもどちらかというときれいにやろうとして、自陣でミスをして失点してしまうシーンが圧倒的に多いです。そこを変えないとなかなか難しいと、監督やスタッフにはっきり話をしました。彼らがどう思っているか、どうやるかは別として、「外から見た感じはそうだよ」と。「選手たちも何かをトライしようというよりも、ミスをしないということが最初にきているように思うよ」という話をしました。スタイルやシステムではなく、それを明日から変えられるかどうか。システムをどうしろというようなことは、僕は一切言ってないです。それは現場に任せるべきだと思っています。
ただ、どうやったら相手の方向にもっと攻撃できたり、マインドが変わっていくかというところにカギがあると僕は思っていて、それは伝えました。うまくいっていたらこの順位にはいないと思いますし、「選手だけではなく、監督やスタッフも何かを変えていくということをやってほしい」と言ってきました。練習方法や内容も少しずつ変わっていると、強化部のスタッフから聞いていますし、それが明日出ることを願っています。


――公開練習などを見てもサポーターからの期待を感じると思うが。
(原フットボール本部長) サポーターの方と少し話をしましたが、やはり皆さん、元気な、勢いのある大宮アルディージャを応援したいんだと思います。こういう大変なときに応援に来てくれるサポーターを本当に大切にしなくてはいけないと、あらためて思いました。


――今シーズンは常に6位以内に位置し、J1参入プレーオフ出場圏内を目指すという当初の目標があったが。
(原フットボール本部長) 目標は聞いていますが、いまは目標がどうのこうの言うよりも、まずは明日、その目標を目指せるような試合をやらなくては話にならないので、まずはいま持っている力を出すことだけを、監督や選手に伝えています。まったく諦めているわけではないですが、いまのままではとんでもないと言われても仕方がないと思いますので、明日の試合からそうならないようにやっていきたいです。


――現状を脱するためのご自身の決意や思うところ。
(佐野代表取締役社長) 原フットボール本部長に来てもらってから、限られた時間のなかで本当にいろいろな話をしました。あらためてこのクラブをどうやって成長させるかということに対して、考え方にあまり固執せずに、柔軟に原さんの考えを吸収しながら、一緒に作り上げていきたいと考えています。


――サポーターの皆さんへ呼びかけたいこと。
(原フットボール本部長) 選手、監督にも「明日から変わってほしい」と伝えています。ですので、サポーターの皆さんもいろいろな思いがあると思いますが、いままでとは違った大宮アルディージャの姿勢を僕らは絶対に見せますので、それを信じて、また明日から応援していただきたいです。サポーターの皆さんが一生懸命応援してくださっているのはわかっていますし、サポーターの皆さんに伝わる試合がしたい、それだけです。
サポーターの皆さんには感謝しかないです。僕らの戦う姿勢を変わらず応援していただきたいですし、その応援に応えるプレーをすることが僕らの仕事だと思います。サポーターの皆さんが生き生きと観に来ていただいて、喜んで帰ってもらえるように、それが僕らのやることです。たくさんの人がまた試合を観に来てくれればと思いますし、「大宮アルディージャがある街に住んでいてよかったね」という人を増やしたいです。

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