NEWS

ニュース

相馬直樹 監督 就任記者会見 実施レポート
5月30日(金)、クラブハウス“オレンジキューブ”にて、相馬直樹 監督の就任記者会見を実施し、原博実 フットボール本部長と相馬直樹 監督が登壇しました。

原博実 フットボール本部長 コメント
まずはサポーターの皆さんにお詫びを申し上げたいと思います。本来、琉球戦の翌日は練習公開日だったのですが、琉球戦のあとに監督を交代することになり、選手・スタッフとしっかり話をしたかったこと、また、すぐ土曜日に試合があったことから、練習公開を中止することになりました。

連戦のなかでの決断は簡単ではないですが、いろいろなことを考えて、琉球戦のあとのタイミングで、新しい監督を迎えるというクラブとしての決断になりました。

4月に僕が来たタイミングでは3分6敗という成績で、普通であればそこで監督交代があってもおかしくなかったことは認識しています。まずは、霜田前監督、コーチングスタッフと「なんとしてもこの状況を変えていこう」と話をして、チームにも全部帯同しました。そのなかで、自分が思っていること、練習の狙いや選手たちの表情、戦い方など、本音で話し合ってきました。間違いなくそこから改善したと思いますし、結果だけ見ても琉球戦までで4勝2分3敗です。それでも監督を交代した理由として、球際の激しさ、守備の強固さ、アグレッシブさなど、少しずつ改善はしているのですが、もっとスピードを上げてほしいと感じました。

特に、岩手戦は本当に残念な試合になってしまいました。このチームは少し良くなるとまた1つ元に戻ってしまうところがあって、激しさや厳しさが馴染んでしまいます。それを変えるには、アグレッシブで、守備をしっかり構築できる新しい監督を呼ばないといけないと感じました。

選手たちにも、霜田前監督にも言いましたが、霜田前監督だけが悪いとはまったく思っていません。霜田前監督は去年のチームが苦しい状況で来てくれて、最終的には残留に導いてくれましたし、みんな感謝しています。ピッチ内のことだけでなく、いろいろな面からこのクラブを良くしようと考えて、発言や協力をしてくれました。ただ、ピッチ上の激しさや選手を競争させることに関して、コーチングスタッフも含めて足らなかった。選手たちも足らなかった。フロントスタッフも足らなかった。だから、監督に代わってもらったけど、それで選手もスタッフもみんな変わろうと、選手たちには話をしました。


相馬直樹 監督 コメント
ーー就任前の大宮の印象と、就任後の印象は。
徐々に改善されてきてはいましたが、失点が多いことと、マイボールの時間が短くて、ボールを奪うことができず、攻撃の方もうまくいかなくなっている印象はありました。琉球戦にはロースコアで勝ちましたが、失点してもおかしくないシーンもあったと思います。まずは皆さんに期待を持ってもらうためにも、アグレッシブな姿勢を見せたいですし、そのためには、ただむやみに取りに行くのではなく、整理されたなかでボールにしっかりアプローチできるように、そしてファーストディフェンスがしっかりと決まって戦える状況、カバーがいるから思い切って取りに行けるという状況を作りたいです。

ーー補強についてのイメージは。
それは原フットボール本部長に聞いていただいた方が良いかと思います。ただ、僕はここにいる選手たちが、まだ短い時間ですが、いままでとはかなり違うトレーニングをするなかでも食らいつこうとしてくれているので、まずは彼らを信じたいですし、そのなかでエネルギーを出していってくれればと思います。

ーー大宮の監督に就任するということについて。
どのクラブであっても、僕自身が思っているのは、Jリーグの理念でもある、地域に根ざすことが大事だということです。私の選手時代はどの試合でも満員で、本当に幸せな時間を過ごさせてもらいました。ただ、いまの選手たちはなかなかそのような状況でプレーすることはできませんし、ぜひそういった環境でプレーさせてあげたいというのは、自分が引退したときから思っていることです。熱量があふれる満員のスタジアムで、選手たちがピッチで無我夢中になれるような環境を作りたいです。そのためには、ピッチのなかでの内容や勝ち負けなどいろいろなことが大切ですが、やはり地域の人に魅力を伝えていかなければいけません。2011年の東日本大震災や、2020年の新型コロナウイルス拡大でゲームがなくなったこともありましたが、人間が生きていく上でなくてはならないものではありません。それでも、必要だと思ってもらえる存在にならなくてはいけないと思いますし、大宮に限らずどのクラブでも、その一端を担うことができればと思います。現場の長として少しでもそこに貢献できるように、勝つことももちろん大事ですが、それだけではなく、地域の方々に愛されるようになりたいです。特に大宮というクラブは、隣に浦和がいて、いまはJ1同士で戦えない状況ではありますが、それでも誇りを持って我々を応援していただけるように、その一端になれればという思いは強くあります。

ーーシーズン途中から指揮になるが。
簡単ではないと思っています。ただ、選手たちが一緒に変わっていこうというエネルギーを持って、僕が示した方向に進もうとしてくれているので、これをどうやって「この方向に進めばいいんだ」という彼らの自信に変えていけるかだと思います。昨年も鹿島でシーズン途中から監督を務めましたが、そのときは同じクラブ内だったのでスタッフも選手も知っていました。今回は1人で来て、まだ名前を覚えるのも大変なのですが、選手もスタッフもすごく協力的で、僕の方を向いて取り組んでくれています。ものすごく感謝していますし、一緒に変えようと思ってくれているエネルギーの腰が折れることにならないように、「この道で行けばいいんだ」と思ってもらえるようなところまで、まずはしっかりとやっていきたいです。

ーー愛されるクラブになるために心がけていることなどあれば。
新型コロナウイルスの影響もありなかなか難しい部分もありますが、僕自身は可能な限り練習は公開したいと思っています。地域のクラブハウスであるべきだと思っていますし、ここが集う場でなくてはいけないと思っています。もちろん、イベントなどにもできるだけ出て行ければと思っています。ただ、一番僕が思っているのは、プロである以上、ある1試合を観に来たお客さんに何かを残したいということです。もちろん、シーズンのなかで厳しいゲームやいろいろなことがうまくいかないことも必ずあると思います。それでも、たまたま誘われて試合を観に来た人が、「また来たい」「また応援したい」と思ってもらえるように、勝ち負けだけではなく気持ちが伝わるように、「また明日から会社で頑張ろう」と思ってもらえるようにしたいです。価値観は人それぞれですが、少なくとも自分たちが持っているものを出し切るゲームをして、そのなかで来てくれた人たちの気持ちを動かしたいです。そういったことでサッカーの価値、大宮アルディージャの価値を高めることができると思っています。

ーこれまでの川崎F、町田、鹿島などでの経験をどう生かしたいか。
全部が同じではないですし、その時々の状況やチーム、シーズンによっても違います。今回は僕にとっても大きなチャレンジです。途中から引き受けるということ自体は昨年と同じですが、何も知らない状況で引き受けて、変えていくことになります。いままでの経験が通用する部分もあるとは思いますが、まったく通用しないことや対応しなければいけないこともあると思います。そういった意味では、私自身の軸をぶらさないことが大事で、それは監督をやるようになってから意識していることです。ただ、すべてが同じ流れではないですし、臨機応変にやっていく部分と、両方を持てるようにしなければいけないと思っています。

ーー今後どうチームを変えていきたいか。
求める基準について、いままでであれば許されていたものを「ここじゃないとダメだよ」というところまで上げたいと思っていて、それができる選手たちだと思っていますし、ここまでの短いトレーニングのなかでも、それに応えようと努力してくれています。その基準を僕だけではなく、チームの仲間が求める基準になるまでやっていくことがすごく大事ですし、そうなれば結果も変わってくると思います。選手たちにも話をしましたが、「これぐらいでいいだろう」ではなく、「これしかない」というぐらいのものを出せるように、日々やっていければと思います。

ーー就任してから感じたこと。クラブハウスやスタジアムなど。
まずは、クラブハウスのピッチが綺麗なことです。人工芝でやっていた時代もありましたし、本当に幸せだと思います。毎日ピッチに出るときに、選手たちのテンションが上がってくれたらいいなと思いますし、本当に感謝しています。スタジアムについては、僕がオリンピックの日本代表として初めて日の丸を付けて戦ったのが大宮公園サッカー場でしたし、高校時代に選手権で負けたのも大宮公園サッカー場でした。あのスタジアムには縁を感じています。

ーー週末は初めてのホームゲームになるが。
観ている人に「変わったな」と思ってもらえるような、ワクワクしてもらえるようなゲームをしたいですし、日曜日の試合になりますが、月曜日から仕事や学校がある人にパワーを渡せるようなゲームができればと思います。

ーー残り試合の目標は。
私が就任したタイミングで、大宮は18試合で勝点17と1試合平均勝点1に足りず、首位の仙台は勝点36と1試合平均勝点2を取っていました。就任後の24試合を首位と同じ勝点2ずつ取れれば、勝点65になります。この数字は6位になるかならないかぐらいの数字ですが、我々が取れない数字ではないありません。1試合平均勝点2というのは、実際は1位、2位ぐらいのペースですが、そのためにはいまと同じことをやっていては無理ですし、基準を上げていかなければいけないという話を選手たちにしました。まずは6位、そして6位以内というところに向けて、どうやって近づいていくか。就任初戦の東京V戦は勝点1しか取れなかったので、「短い準備期間のなかでもよく戦ってくれた。でもこれを勝点1ではなく勝点3にしていかないと、平均勝点2には近づかないよね」という話を選手たちにしました。

ーー今後、重視していきたい部分は。
観ている方にアグレッシブだと感じてもらえるサッカーがしたいです。東京V戦を観ていただいて感じられたと思いますが、矢印は横というよりは前、縦方向になりますし、攻撃でも守備でも、後ろよりは前にと思っています。いまの選手たちを見ていて、それが十分にできると思っていますし、そこにそれぞれのパーソナリティーをどう組み合わせていけるかだと思っています。

  • チーム

FOLLOW US

パートナーバナー

アーカイブ