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「なんとかしなきゃ!プロジェクト」ブラジル視察レポート
 大宮アルディージャでは、佐々木則夫トータルアドバイザー(以下TA)と秋元利幸事業本部グローバル推進担当が「なんとかしなきゃ!プロジェクト」の活動として、平成29年9月9日から13日まで、「日本とブラジルのつながり」「スポーツを通じた国際交流」をテーマに、ブラジル・サンパウロ、リオデジャネイロを訪れ、JICAボランティアの活動や、NGOによる支援の現場などを視察しました。その模様をお伝えします。

■9月9日(土)

24時間以上をかけ、夕方にサンパウロの空港に到着。そのままモルンビースタジアムに足を運び、サンパウロ対ポンチ・プレッタの試合を観戦しました。試合は2−2の引き分けでしたが、本場サッカー王国の熱気を感じることができました。

■9月10日(日)

午前中にブラジル埼玉県人会、尾崎会長と会談。会長がブラジルに渡った際のエピソードや、先日60周年を迎えた埼玉県人会の今後の展望について伺いました。会長には佐々木TAから大宮アルディージャのユニフォームが贈られ、大変喜んでいただけました。午後は佐々木TAの出身地でもあることから、ブラジル山形県人会を訪問。主に日系1世の方々にお集まりいただき、地元の話で大いに盛りあがりました。
そして、この日はサンパウロ移民資料館にて、日系2世の武田さまに、日本人が初めて笠戸丸にてブラジルに入った時の話から現在に至るまでの歴史や、ブラジルの現状まで、細かく、楽しく、そしてこれまで大変なご苦労をされたお話をしていただきました。

■9月11日(月)

午前中に、JICA日系社会青年ボランティアの活動を視察しました。訪問先は、日系の学校であるサウージ学園。児童の約7割が日系であるこの学園では、日系人の園長先生のもと、日本の文化を積極的に取り入れた教育を進めています。ここで活動している菅野隊員は埼玉県川口市の出身であり、佐々木TAが副学長を務める十文字大学のOG。大学在籍時代に指導された体操である「ラーメン体操」や「エビカニクス」を子供たちに教えるなどしており、私たちの前でも子供たちが元気よく踊ってくれました。
午後は子供の権利を守り、貧困や差別のない社会を実現するために世界70ヶ国で活動しているNGO、「プランインターナショナル」の施設を訪問。子どもたちの「遊ぶ」「守られる(保護)」「教育を受ける」という3つの権利を、施設周辺の貧困地域に住む子供たちに提供することを目的に活動していました。サンパウロでは地方の農村地域と違って、子どもたちが外で遊ぶところが限られており、こうした施設は、子供たちの遊び場として大変重要だということです。

■9月12日(火)

朝早くから日本による技術協力である「地域警察活動普及プロジェクト」の現場、ブラジルの「交番」を訪れました。かつてサンパウロ州は非常に治安が悪かったのですが、日本に倣った交番制度の導入によって大幅に改善されたほか、地域住民と警察による様々な連携が生まれたということです。我々も、交番に隣接した公園で地元の方々とラジオ体操をし、その後は、交番勤務の職員らが地元の子供たちのために開催しているサッカー教室に参加しました。
そこに大宮アルディージャOBのトニーニョ(2001年〜2006年にプレー)が特別参加してくれました。「日本は私の第2の故郷。そして、大好きな日本がこの交番プロジェクトなど、JICAをはじめ、ブラジルに対する国際協力を数多くしてくれていることにとても感謝しているし、これからも私自身、日本とつなががっていたいと思っている。今でもアルディージャの温かい家族のようなサポーター、そして関わる全てのみなさまの幸せを祈っております。」とコメントしてくれました。
午後は日系の病院であるサンタクルス病院を視察しました。この病院にも、埼玉県越谷市出身の牧野さんがJICAボランティアとして派遣されていました。彼女の仕事は、栄養士として食餌療法を向上させること。病院で提供される日本食の完成度を高めるためにがんばっていました。

■9月13日(水)

午前中に飛行機でリオデジャネイロに移動し、そのまま災害の多い地域3ヶ所に配置されているGIDESプロジェクトの現場を視察しました。GIDESプロジェクトとは、「統合自然災害管理国家戦略強化プロジェクト」の通称。2011年にリオデジャネイロ州で、1,000人を超える死者、行方不明者を出す土砂災害があったことを契機にスタートしました。JICAから派遣されている専門家による指導や、ブラジル人を日本に招聘して行う研修などを通じ、日本の防災システムを現地に根付かせようとしています。
現地ブラジル人スタッフは、「GIDESがスタートしたことによって、天災が起きてから動くのではなく、予測し、準備をして予防するということが大事だとわかった。また、防災教育に関する知識をスタッフ間で共有することができた」と話してくれました。


■佐々木則夫TAのコメント

「今までサッカー王国ブラジルを訪れるチャンスがなかったので、この『なんプロ』の視察で来ることができて良かったです。行く前は「危ないところだから気をつけろ」と周りの人に言われていましたが、会う人は皆アミーゴでフレンドリーでしたので、自分がイメージしていた以上に素晴らしい国でした。子どもたちの笑顔にパワーをもらった交番のプロジェクトは、日本が忘れていたものを思い出させてくれたのでは?と思うくらい地域のコミュニケーションを大事にしたプロジェクトで、治安が悪かった地域で、防犯のみならず、サッカー、スポーツでアプローチし、それが結果として子どもたちに夢を与える活動になっていました。また、埼玉県出身の菅野さん、牧野さんという2人の若い女性が、地球の反対の遠く離れた所で、様々な問題や試練を抱えながらがんばっている姿をみて、自分も更にがんばらないといけないなと思いました。最後に、『なんプロ』メンバーとして、JICAをはじめ、様々な国際貢献活動をみせていただき、やはり話を聞くだけでなく、実際に現場で見て感じることが大事なのだと改めて感じましたし、この活動を様々な形で発信することによって、国民のみなさまに、特に若い世代に伝わると嬉しいです。今回の視察を終えて、今後、個人としても、クラブとしても、もっともっと国際貢献活動、交流活動をしていきたいと思います」


◎「なんとかしなきゃ!プロジェクト」とは
JICA、JANIC(国際協力NGOセンター)、UNDP(国連開発計画)、UNIC(国連広報センター)が運営する国際協力に関する広報事業であり、主に若年層の方々に向けて、開発途上国の現状や日本との繋がり、そして日本の国際協力について知ってもらい、世界の問題を自分事として捉え、一人一人にできることを考えてもらうための活動です。ウェブサイト上では、様々なトピックスを通じて、現在日本がどんな支援を行っているのか知ることができ、またこのプロジェクトに賛同している多くの著名人が各国を視察した際の様子も掲載されています。
このプロジェクトのサポーターとして登録されている著名人や著名団体は、現在130以上。海外での現場視察、国内でのイベント出演などを通じて、国際協力を広く発信しています。

○なんときゃしなきゃ!プロジェクトウェブサイトは、こちらから。
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