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U-20ラオス代表選手招聘プログラム実施レポート
 2月26日(月)から3月4日(日)にかけて、U-20ラオス代表選手・スタッフが大宮アルディージャユースの練習参加、トップチームの練習見学などを行いました。この活動は、国際交流基金アジアセンターとJリーグのサポートによる、東京オリンピックに向けた強化施策で、大宮アルディージャではラオスのU-20世代の強化サポートを2015年より行っております。今回はラオスサッカー協会から「ゴールキーパーを強化したい」という強い要望があり、ゴールキーパー選手1名、フィールド選手2名、ゴールキーパーコーチ1名の計4名が来日しました。

■2月26日(月)
早朝に成田空港に到着したものの、ロストバゲージで荷物を受け取れないまま、さいたま市内のホテルへ。昼食をとったあとはクラブハウス「オレンジキューブ」へ移動し、トップチームの練習試合を見学。「プレースピードやパスの質が全然違う!」と目を輝かせていました。夕食では、普段ラオスでは刺身などの生魚を食べることはないそうですが「美味しい!」とご飯をおかわりしていました。夕食後に預けていた荷物がホテルに届き一安心。翌日のユースチームの練習参加に備えて早めの就寝となりました。

■2月27日(火)
午前中はクラブハウス「オレンジキューブ」を見学。「ラオスのチームにはクラブハウス自体がない。多くの人が協力して綺麗に保たれているし、こんなに素晴らしい施設があるなんてビックリしました!」と話してくれました。午後はユースチームの練習に参加。初めは緊張していましたが、勝野コーチと一緒にウォーミングアップを始めると少しずつリラックスしてきた様子でした。1000m走や、筋力トレーニングなどフィジカルトレーニング中心のハードな練習でしたが全力で取り組んでいました。ここ最近のラオスの気温は30℃程度だったので、10℃を切る寒さと乾燥した空気は「寒すぎての筋肉が固まっているし、呼吸するのが難しい!」と話すほどラオスの選手には厳しい状況でした。練習後はユースの選手やスタッフと一緒に寮で夕食。まだまだお互いにコミュニケーションが難しそうでしたが、万国共通のジャンケンなどで笑顔も見られました。

■2月28日(水)
午前中はクラブハウス「オレンジキューブ」にて事業本部のスタッフに挨拶をし、その後トップチームの練習を見学。トップチームの選手やスタッフが、シャイなU-20ラオス代表選手とコーチへ「おはよう!」「Good morning!」と元気よく挨拶をすると、彼らもがんばって日本語で挨拶をしていました。トップチームの技術の高さ、練習のスムーズさに「練習に無駄がなく、集中しやすい環境がつくられている。」と感心した様子。動画を撮ったり、質問をするなどして「ラオスに帰ったらやってみよう!」と意気込んでいました。午後はユースチームの練習に参加。「今までやったことのない練習で難しい。」と、頭を使うトレーニングに初めは悪戦苦闘していましたが、徐々に適応。丹野監督も「一生懸命がんばっているし、技術もしっかりしている。」と話していました。練習後の夕食では、U-20ラオス代表選手とコーチからユースの選手に話しかけ、お互いに日本語、ラオス語を教えあったりと積極的にコミュニケーションをとっていました。

■3月1日(木)
午前中は今回のプログラムで最後となるトップチームの練習見学。この日は自分たちから大きな声で日本語の挨拶をし、トップチームの選手やスタッフも笑顔で応えていました。練習中は拍手や歓声をあげ、「レベルの高い練習を見ることができ、とても嬉しい!」と最後まで集中して見学していました。練習後には多くの選手からサインをもらい、サプライズでスパイクやランニングシューズのプレゼントも。今回ユースチームの練習参加時も、壊れかけのスパイクを使っていた彼らにとって、段ボールいっぱいのシューズは宝の山。何度も何度もお礼を言い、最後には直筆の色紙を石井監督に渡しました。午後のユースチームの練習ではハードな対人トレーニングと筋力トレーニング。選手間でお互いに声を掛け合いながら溶け込んでいる様子でした。中谷コーチも「年齢差もあるが、1対1ではうちの選手が圧倒される場面もありました。」と話していました。荒谷GKコーチも「日本人にはないタイミングでセットに入る。」とラオスではどんな練習をしているのか質問をしていました。夕食では初めて食べる納豆に苦笑いするなど日本の食文化に驚いていました。

■3月2日(木)
午前中は東京観光。初めて電車に乗る選手もおり、車窓をずっと眺めていました。渋谷に着くと、人の多さ、ビルの高さに驚きを隠せない様子。スポーツショップに入ると「弟にスパイクをプレゼントしてあげたい!」と家族想いのラオスの選手たちは人はお金と相談しながら必死になって選んでいました。午後は最後のユースチームの練習参加。この日も頭を使うポゼッション練習やゲーム形式のトレーニングなど行いましたが、「ユースの選手は技術が高い。特にファーストタッチが上手く、常にいろんなプレーを選択できる状態にしている。」と感想を話してくれました。3選手とも最後まで集中して取り組み、自身の成長の手ごたえを感じていました。練習後には一人ひとりが選手全員の前で挨拶をし、記念写真を撮ってお別れをしました。

■3月3日(土)
午前中はNACK5スタジアム大宮と氷川神社の見学。スタジアムではキレイに整っている芝に、「こんなに柔らかく、平らな天然芝は初めて。管理をしっかりするとこんなに違うのか!」と感触を楽しみ、「観客席やロッカーなど全てに置いて清掃が行き届いている。」と感動していました。また、ラオス人は仏教徒なのですが氷川神社では、「どうお参りすればいいのか」と興味を持ちしっかりとお参りをしておみくじを引いていました。午後は味の素スタジアムへ向かい、午後はFC東京vsベガルタ仙台を観戦。日曜の午前中に帰国しなければいけなかったため、大宮アルディージャの試合は残念ながら観戦することができなかったのですが、「ラオスのリーグではこんなに観客は入らないし、サポーターも多い。こんな中でプレーしてみたい!」と興奮していました。真剣な眼差しで試合を観戦し、全日程が終了。帰り道では「次はオレンジ色に染まったNACK5スタジアム大宮でのホームゲームを観戦してみたい。」と話してくれました。4日(日)早朝にラオスに帰国し今回のプログラムは終了となりました。

□プッパソン センダラヴォン(サン)GKコーチ:ラオスサッカー協会
「大宮アルディージャ、国際交流基金、Jリーグの皆さま、このような素晴らしい機会を与えてくださり感謝申し上げます。今回のプログラムでとても多くのことを学ぶことができました。豊富な練習メニューや用具も十分にあり、質の高い練習ができていて、選手が集中して取り組む姿はプロフェッショナルでした。メニューやコーチングなどもラオスへ持ち帰って試してみたいと思います。クラブの施設も素晴らしく、全ての人が温かく、優しかったです。日本食も食べることができ、サッカー以外にも様々な経験ができました。今年始まる東京オリンピック予選ですが、最善を尽くすつもりです。短い期間ではありましたが、非常に価値のある7日間でした。本当にありがとうございました。」

□サイマノリン パスード(ギャップ)選手:U-20ラオス代表・GK
「大宮アルディージャユースの練習は、初めてやることも多くありました。まだまだ上手くできないこともあったので、ラオスでたくさん練習をします。皆とても集中していて技術が高かったです。ユースの選手と友達になることができ嬉しく思います。また日本では人々がお互いに尊重し合い、マナーが守られていて素晴らしい国だと感じました。ラオスでは経験できないようなことがたくさんありました。いつかまた日本に、大宮に再び来たいと思っています。このような機会を与えてくださり、ありがとうございました。」

□ソムサイ ケオハナム(プン)選手:U-20ラオス代表・FW
「ユースのコーチたちは細かいところまで丁寧に分かりやすく指導してくれました。短い練習時間で、効率良く、密な練習ができていてとてもハードでした。ユースのコーチだけでなく大宮アルディージャの方たちはみんなが協力的で、掃除をしている方たちを含め全員がチームのために働いているという印象を持ちました。トップチームの練習からは練習の入り方や取り組む姿勢など、ラオスに帰ったら見習いたいと思っています。Jリーグの試合を見て、いつかこの舞台に立ちたいと強く思いました。またはACLなどの舞台でアルディージャと試合がしたいです。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。」

□ラッタサイ ルンラシー(ボー)選手:U-20ラオス代表・MF
「日本のスタジアムの大きさ、清潔さに驚かされました。スタジアムだけでなく日本はどこへ行っても綺麗でした。ご飯も美味しく、富士山も少し見ることができ、日本を知ることができました。ユースチームの練習に参加させてもらい、プレースピードやパスの質、切り替えの早さに驚きました。コーチの言葉や練習メニューのメモしたので、ラオスでもう一度読み返し、自身の成長のため練習に励みたいと思っています。ラオスサッカーのレベルはまだまだ低いですが、アルディージャのようにみんなで協力し、まずは東京オリンピックの予選に向けてみんなでがんばりたいと思います。個人的にはJリーグでプレーできるようにもっともっと上手くなりたいと思っています。良い経験をさせていただき、ありがとうございました。」

 今回は、大宮アルディージャの様々な部分を見る手感じることのできた充実したプログラムとなりました。今年から始まる東京オリンピックの予選をラオス代表が勝ち上がることを強く願っています。また最近ではラオスの隣国であるタイの選手も活躍するようになったJリーグ。この活動がラオスの選手もJリーグの舞台に立つことへ繋がっていけば嬉しく思います。

 大宮アルディージャでは、「国際社会における交流および親善への貢献」というJリーグの理念に基づき、今後も社会貢献活動の一環として、東南アジア諸国を対象に様々な活動を展開してまいります。今後ともご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。
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