【VENTUS PRESS】柴山史菜 後編

サッカーに仕事にと24時間をフルパワーで過ごしているように見えながらも“のんびり”だと自己分析する柴山史菜選手。楽しそうに紡がれる日常は、決して“のんびり”だけでは到底こなすことが出来ないハードスケジュールですが、楽しみながら自分のものにしているようです。


Vol.35 文・写真=早草 紀子

「周りへの思いやりを忘れない人になりたい」柴山史菜

―シーズン中の一日のスケジュールは?
柴山 午前中に練習があって、14時~18時まで仕事です。練習終わりは時間がないので、仕事後にケアや体を動かす時間をあてているので、帰宅したらすぐ寝ちゃいますね。

―自宅での過ごし方でこだわりは何かありますか?
柴山 なんだろ・・・特にこだわりって訳ではないですが、家ではスリッパの代わりに下駄をはいてます。トレーニングで下駄を使った体の使い方をやったことがあって、それが結構よかったんです。でも下駄を履ける時間は限られてるので、家事をするときとかにも履いてるんです。体が繋がる感覚があって、姿勢もよくなりますよ。最近、ゴルフを再開した父も興味を持って「欲しい」っていうから父の日のプレゼントになりました(笑)

―確かに気持ちよさそうですね。
柴山 脱いだときに力みがなくなって、地に足がついてる感じがするんです。裏にゴムがついているとはいえ、階下に少し配慮しながら履いてます(笑)

―仕事は慣れましたか?
柴山 もう一年になるので多少は慣れました。事務職なんですが、最初は電話対応も初めて聞く会社名と名前が瞬時に覚えられなくて「申し訳ありません、もう一度お願いできますか?」って、最初はなっちゃってました・・・

―社会に出ることが一番の学びは?
柴山 学びというか、気づき、かもしれませんが・・・会長が出張の多い方なんですけど、必ずお土産を社員に買ってきてくれるんです。社員が誕生日のときは周りの人にも買ってきてくれて、みんなでジャンケンして食べたり・・・そういうコミュニケーションが多々ある。私は体作りやコンディション面での調整があるので「自分の分はみなさんで食べてください」って泣く泣く我慢してるんですけど(苦笑)、そういうのを会長はポケットマネーでされているのを身近で見ていると、私も周りにこういう思いやりを忘れない人になりたいなって思います。

―こういう経験を重ねているとプロ契約になったときに、いろいろ行動できますね。
柴山 はい。よりみんなに支えられてるなって、いろんな人の力があって成り立ってると感じます。社会勉強出来ることはいい意味には捉えてますけど、やっぱりプロ契約を目指したい気持ちもあって。応援してくれる職場の方たちもいるので、その気持ちに応えたいです。昨シーズンも見に来てくれたんですけど、見つけられなくて・・・(苦笑)。次こそは見つけたいので(笑)、もっと試合に絡んで、来シーズンはみなさんをスタジアムに呼べるようなパフォーマンスを発揮したいです。

―今、ハマってることはありますか?
柴山 自主トレ期間だからできることなんですけど、今マフェトン理論のトレーニングをやってるんです。自分の場合は糖質を極端に減らして脂質とタンパク質をいっぱい取って、決まった心拍数内でランニング30分以上するんですけど、それを2週間続けるんです。糖質をなくすのでシーズン中はケガが怖いので出来ないんですよね。でも自主トレ期間って普段会えない人と会える期間じゃないですか。どうしても友達とゴハンに行きたかったから、それが終わってから始めました(笑)

―プライベートでも何かしらサッカーが絡んでるんですね。でも、自主トレ期間明けが楽しみです。
柴山 そうなんですよ。まだ1週間なんですけど、今日のランニングで、すでに走れる距離が伸びてて、後半に入ってペースが上がってたので、ちょっと期待してます(笑)

―自分の性格を一言で言うと?
柴山 なんでしょうね・・・周りからはマイペースだと言われますが、結構直感で行動するタイプ。自分では結構“のんびり”してると思いますよ。でもチームメイトだったら、エリ(北川愛莉)の方が絶対“のんびり”だと思うんだけどなぁ。

―北川選手はその分野では群を抜いてる気がしますので、否定しません(笑)。以前、大宮の好きな場所はこれから探しますって言ってましたが見つかりました?
柴山 クラブハウスの近くの定食屋さん!先日も行ったらあとからエリと(大島)暖菜が来て、そうこうしてたらスタッフ陣が来て、トップの選手も来て・・・アルディージャで満席になってました(笑)あとは美容師さんに教えてもらった“松鳥”っていう焼き鳥屋さん。家族が来たときに連れて行きたかったんですけど、予約が取れなかったんです。次のチャンスでは絶対に連れていきたいお店です。

―やってみたいことはありますか?
柴山 ご飯の話に戻っていいですか(笑)? 今、マフェトン理論やってるじゃないですか、このお店なら食べれるよって友達と都内まで行ったんですよ。そしたらまさかの2時間待ち!アトラクションかってくらいの待ち時間になっちゃって・・・でもせっかくだから並んだんですけど、食べるころにはランチタイムでした(笑)。トーストとサラダのお店なんですけど、焼きトマトとかサーモンとかいろいろトッピングできるので、私はサラダメインだったんですけど、それが美味しくて!家でこんな美味しいの作れたら最高だなって思って、帰りにお店の人に「自宅でも作れますか?」って聞いてみたんですけど、もちろん教えてもらえませんでした(笑)

―そりゃ企業秘密でしょうから言えないですよ(笑)。でも、チームメイトに美味しいドレッシングレシピ持ってる人いるんじゃないですか?
柴山 やっぱりサメさん(鮫島彩)かな!無添加とかにもこだわりたいから、聞いてみようかな。サメさんのところに今度ゴハン食べさせてもらいに行こう!

―健康的なものに目覚めるはいいですね。しかもそれが、サッカーのパフォーマンスにも確実につながっていきますもんね。
柴山 もともと健康志向だったとは思うんですけど、楽しく美味しく極めていけたらいいなって思ってます。でも、時間にゆとりが出てきたらサウナ巡りもするつもりです(笑)!


早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。

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