サッカースクール上尾校担当"たじコーチ"に聞いた!

現在、VENTUSから西澤日菜乃 選手、田嶋みのり 選手、船木里奈 選手が各スクールで指導を行っています。今回は上尾校を担当している田嶋選手にスクールでの様子を聞いてみました。子どもが大好きな田嶋選手が誰よりもスクールの時間を楽しみにしていることが伝わってきます。週に一度のスクール指導は田嶋選手にとっても、子どもたちからパワーをもらえる貴重な時間のようです。

Vol.52 文・写真=早草 紀子


──以前から指導に興味はあったのでしょうか?
田嶋みのり(以下、田嶋)「いえ!どちらかというと、指導の方ではなくて、子どもが大好きなんです(笑)。指導経験で言えば、高校時代に部活動で地元の小学生を招いてサッカー教室をしたくらいです。ベースは同じですが、スクールは定期的に交流するのでつながりが深まっていくのが魅力ですね。最初は「プロサッカー選手が来た~!!」って感じで歓迎してもらいました(笑)。」

──どの年代を担当してるんですか?
田嶋「園児クラス、3、4年クラス、5、6年クラスの3つです。最大で1クラス16名程度で、私は遠藤竜助 コーチと一緒に指導に入ってます。園児クラスは基本言葉が通じないと思ってまして(笑)、でも本当に楽しくやらせてもらってます!」

──その遠藤コーチにもお話を伺ってます。「たじコーチが来てから子どもたちがたくさん話をするようになりました。そういう雰囲気作りをしてくれてます。何よりたじコーチが一番楽しんでいるのが子どもたちに伝わるんだと思います」ということでした。べた褒めです。
田嶋「わ~!!すっごく嬉しいです!一番初めに園児クラスから始まるのですが、めっちゃテンションを上げていかないと彼らに追いつかないんです(笑)。そこから3、4年に入っていくので、その順番もいいですよね。自分も元気になります。」

──昨年の7月からスタートして8ヶ月、スクール生に変化はありましたか?
田嶋「クラスごとに違いますが、園児クラスは心を開いてくれていると感じます。「今日こんなことがあった!」とか教えてくれますし、ぎゅ~ってしてくれたり(笑)。高学年になってくると目に見えてスキルアップしてます。だから、ときどきミスをすると「たじコーチ、それヤバイでしょ~」とイジられることも多いですね。壁がないので、こちらもやりやすいです。」

──子どもたちと接するときに心がけていることはありますか?
田嶋「いいプレーは全力で褒めるようにしてます。自分自身が褒められて伸びるタイプだし、みんなにのびのびやってもらいたい。叱られて伸びる人ってそんなにいないと思うんです。もちろん危ない場面では注意しますが、ムチの部分は遠藤コーチにお任せしてます(笑)。といっても、遠藤コーチはめちゃくちゃ優しいですけどね。」

──それぞれのいいところを探してホメてくれるって遠藤コーチも言ってました。
田嶋「お~それは嬉しいですね。基本的には遠藤コーチが作ってくれたメニューがあって、月間でテーマが決まってるんですけど、それにのっとって進めている感じで、あとはとにかく楽しく!を心がけてます。」

──“楽しい!”はスクールの大前提ですよね。
田嶋「そう思います。以前、園児クラスに体験にきた子が泣いちゃって…結局最後まで輪の中に入れなくて、入校には至りませんでした。自分だけ服がみんなと違うとか、ちょっとしたことで疎外感もあると思うんですよ、最初は。何もできなかったな…と思いました。その翌週、別の子が体験に来たんです。もう先週みたいな気持ちにはさせないぞって思って、寂しくならないようにずっと手を握ってマンツーマンでやったら、すごく楽しんでくれたみたいで、今もすっごく楽しそうにスクールに通ってきてくれてます。最初は不安もあると思うんですけど、そこを安心させることができれば、きっとすぐに楽しくなる。そこはしっかり気を配っていこうと思ってます。」

──スクールに関わるようになって、ご自身の中では何か変化はありましたか?
田嶋「上尾校はフットサルコート一面だけで狭いんです。その中でやってるので、サッカーで重要な“(ボールを)止めて蹴る”のスキルが上がった気がするんですよ、ホントに!」

──まさか、自分のスキル面が上がってくるとは!
田嶋「あははは(笑)!でもホントなんですよ。プレーを見せることもあるし、一緒にやるので下手なことできないじゃないですか。VENTUS背負ってるんで(笑)。しかも5、6年は上手なので気を抜いてると普通に取られてしまうので、気が抜けないっていうのもいいのかもしれません。」

──ちょっと小耳に挟んだのですが、先日、VENTUSの試合にスクール生を招待したとか?
田嶋「そうなんです!遠藤コーチと「見に来てもらいたいね」って話してて、それが実現しました。あとはピッチに立ってる姿を見てもらうと私が元気もらえるし、VENTUSのことを知ってもらいたいっていうのもありました。やっぱり見に来てくれるのは嬉しいですよね。なんですけど、私が試合に出られてない時期で…。だから、まだ今は“ただのたじコーチ”なんですよね。“プロサッカー選手としてのたじ”を見せられてないんです。」

──それは見せないと!よく他会場でスタンドから「〇〇コーチ、がんばれ~!」ってカワイイ声が聞こえてきますよね。
田嶋「あれいいですよね!あ、でも、声だけは先日もらいました。「来てくれてありがと~、出れなくてゴメンね…」みたいな感じでしたけど(苦笑)。やっぱり活躍してるところ見せたいです。がんばらないと!」

──そういうモチベーションが生まれるのはいいですね。
田嶋「絶対出たい!少しでも出たい!ってホントに思います。いいプレッシャーになってますね。」

──そういう関係性いいですね。
田嶋「そうなんです。今は私が一人でそれをやってますけど、いつかVENTUSみんなで一緒にスクール生と一緒にサッカーが出来たらいいなって思います。ウチの選手たちはそういうイベント事の盛り上げ力がすごいですから。きっと子どもたちも喜ぶと思うんですよね。ボールを蹴るだけでも楽しいし、シュート打てるようになったらもっと楽しいし、やったことがなくてもみんなでそれを楽しく体験していけると思うんですよね。そういう交流があれば、きっとVENTUSの試合を見に来たとき、もっと楽しくなる!そんなスタジアムでゴールなんか決めたら…私はもちろんだけど、スクール生もきっとテンションすっごく上がるだろうな~って考えると、もう絶対に試合に出たい!がんばりますっ!」


早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。

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