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【Jr.ユース】高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 決勝 ガンバ大阪ジュニアユース戦 マッチレビュー
意地の反撃及ばず、今季2度目の全国大会準優勝

 試合終了のホイッスルに泣き崩れた。雪辱を果たすための舞台は、またも悔しさに包みこまれた。中学生年代の日本一を決める、高円宮杯第24回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会の決勝が29日に大阪・J-GREEN堺で行われ、大宮アルディージャJr.ユースは2-4でガンバ大阪ジュニアユースに敗れて準優勝となった。5月のJFAプレミアカップに続く2度目の全国大会ファイナルに挑んだが、再びG大阪の前に涙をのんだ。しかし、FW立石爽志は通算6ゴールで得点王の個人タイトルを獲得。FW川田拳登、MF藤沼拓夢が負傷欠場する中でMF松崎快らが活躍するなど、チームとして確かな収穫もあった。それでも悔しさは収まらない。日本一に届きつつある手ごたえがあるからこそ、涙が止まらなかった。
 大宮ジュニアユースは、初優勝をかけて決勝に臨んだ。勝てば、クラブのアカデミー史上初となるタイトル奪取だ。しかし、試合の序盤から厳しい展開を強いられた。ゼロトップの布陣で中盤を厚くした大宮Jr.ユースは、得意のパスワークで試合の主導権を握ろうと試みたが、相手のプレッシャーに圧倒されてテンポを乱された。司令塔の黒川淳史は「パスを受けてゲームコントロールしようと思ったけど、相手がマークについてきて戸惑った」と攻め手が見つからなかった苦悩を明かした。G大阪は今季、プレミアカップの世界大会で2位と躍進した強豪だ。日本クラブユース(U-15)サッカー選手権大会も制しており、史上初のジュニアユース年代全国大会完全制覇をかけて決勝に臨んでいた。リズムを失った状態では、その強敵の攻撃を止める術はなかった。15分、24分、30分と次々に失点。大宮Jr.ユースは反撃の糸口さえ見つからず、シュート1本という厳しい状況のまま前半を終えた。
 ハーフタイムに彼らを待っていたのは、誰よりも彼らの力を評価している伊藤彰監督の怒声だ。失点やミスに対してではない、チャレンジする姿が見られないことについての指摘だった。3点を追う展開で猛烈な檄を飛ばされたチームは、後半にようやく蘇った。右MF松崎快が前を向いて仕掛けながらパスを出し、ストライカーの立石がボールを触る機会が増加した。55分、立石がドリブルからシュートを打つと、クロスバーの跳ね返りをMF高柳拓弥が頭でプッシュ。1点を取り返すと58分にも高柳が得点。右サイドで仕掛けた松崎の大きなサイドチェンジから左サイドを攻略してゴールを陥れた。ボールをキープし、一方的に波状攻撃を続ける。これこそ大宮の真骨頂だ。しかし、決勝という舞台はエンジンのかかりが遅いチームを待ってくれるほど甘くない。62分、セットプレーからこぼれ球をねじ込まれて2点差とされると、そこから点差を縮めることはできなかった。
 リスクを恐れず、相手の脅威となるプレーを誰もできなかった前半が悔やまれた。伊藤監督は「なぜ、最初からできないのか。甘えしかない。そういうふうにしか持っていけなかった(監督としての)僕の責任でもあるが、(自分からパスを受けようと)動かない、(相手に奪われることを恐れてパスを)出しきらない。そんな状態では、どんな指示も意味がない」と気持ちの弱さを厳しく指摘した。この日の悔しさを未来の糧にしなければ、この先の成長はないというメッセージだ。立石は「得点王になったけど、決勝ではチームを救えなかった。でも、小学生のときは全国大会と無縁だったのに、決勝戦に2度立てた。本当はここで優勝したかったけど、ユースでは日本一になれるんじゃないかという期待が生まれた。ユースでは個人もチームも両方のタイトルを取りたい」と気持ちを切り替えて、顔を上げた。3度目の正直は、いつかきっと来る。


(総評/写真:平野 貴也)


















































《 表彰 》
得点王:立石 爽志〈9 FW〉 6得点
フェアプレー賞:大宮アルディージャJr.ユース

《 試合結果 》
■日時
12月29日(土)13:00キックオフ

■試合会場
J-GREEN堺(S1)

■試合結果
大宮アルディージャJr.ユース 2●4 ガンバ大阪ジュニアユース
前半:0-3
後半:2-1

■得点者
55分 高柳
58分 高柳

■メンバー
GK:加藤
DF:朝妻、古谷、野崎、高橋
MF:鈴木、高柳、松崎、黒川
FW:立石、小柏

■SUB
GK:加治屋
DF:土田、渋谷
MF:江本、山田
FW:今井、飯島

■交代:
HT 小柏→飯島
78分 野崎→土田
78分 鈴木→山田


◇高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会の結果は、JFAホームページをご覧ください。



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