VAMOS Vol.130 選手紹介番外編

先日発売されたVAMOS Vol.130内で、久保真理子選手とスタンボー華選手に選手紹介をしてもらいました。取材時は両選手がじゃんじゃん、選手の意外な一面を語ってくれたのですが・・・スペースの都合上、泣く泣く削ったエピソードもありました。今回は、紹介しきれなかったあんなことや、こんなことを番外編としてお届けします。柳井里奈監督の紹介もあるので、ぜひご一読を!

—いろいろな選手のエピソードは尽きませんが、上辻祐実選手への称賛が止まりませんね(笑)
スタンボー華(以下、スタンボー)
 いやーもう一言、シュートについて言わせてほしい(笑)。だいたいみんなの動きって、足の置き位置とか体の向きとかで読めるところもあるんですけど、佑実さんはそれで判断しちゃうと、普通に逆を取られる。もう本当にギリギリ最後の最後まで待てるかってところの勝負になる。相手にしたら嫌なタイプ(苦笑)。

—本人談で言うと、その瞬間に「こっちの方が面白いかな」って方に振るらしいですよ。
スタンボー
 あ~わかる。そんな感じするわ~

久保真理子(以下、久保) そんな余裕、私にはありません!

スタンボー こうして選手紹介していくと、改めて87会の偉大さを感じるなぁ。絶妙なバランスなんですよね、アリさん(有吉佐織)、サメさん(鮫島彩)、(上辻)祐実さんの3人が。

—“気遣いの人”である有吉選手が、3人になると一気に崩れますよね(笑)
スタンボー
 そうそう(笑)いい感じに支え合ってますよね。

久保 私は二人の間に入った佑実さんが、「え、佑実さんってそんなふうに笑うの?」みたいななんとも言えない、いい顔をするんです。それもまたいいんですよね(笑)

スタンボー いろいろすごいところがあるけど、経験値と技術と全て、自分の良さの出し方をよくわかっていて・・・年齢を重ねてもそれを安定して出せるってすごいことですよ。

—年々、感覚と予測が研ぎ澄まされてる感じがしますよね。今シーズンのお三方は特に。
久保
 出た時に、変わらずプレーができるのは、それなりの準備をして自信をつけていないとできない。1年目の、一番初めの練習の時に、結構スプリント系のきつめな走りをやって、次の日に結構筋肉系のケガが何人か出ちゃったんです。

スタンボー 8人くらい一気に出たよね。

久保 そのレベルだったよね。自分も筋肉ちぎれちゃうんじゃないかと思うくらいだった。でも87の人たちって絶対に最後まで残ってるんです。

スタンボー そのときグランドも悪くてね・・・でも文句を面白イジリに変えながら、ヘロっとした感じで練習をやり続けていた。

久保 そのときに違いはこれだなって早々に感じ取りましたね。

—“先輩”という点では、久保選手は“先輩”関係結構たくさんいますよね。
久保
 (長嶋)洸さんとかもそうですね。ユース年代で私が中学1年生のときに洸さんが高校3年生・・この時期のこの年代差ってめっちゃ怖いんですよ。その時は洸さんの天下みたいな感じだったから(笑)。そもそも話す機会もなかったから、ただの印象だけだったんですけど、VENTUSで初めて“チームメイト”になったら・・・めっちゃ優しい!

スタンボー チームで12位を争うくらい優しいよね。

久保 うまくいかなくて落ち込んでたりする選手に「大丈夫? 今そういう時期かもしれないけど・・・」みたいな声かけをしてるのを何回も見ました。もう私の中の洸さんのイメージ180度変わりました。あんなに怖かったのにと思って・・・まあ一方的に、ですけど(苦笑)。ツッコミやキレのあるイジリも面白い。

スタンボー すごいいいところをサクッといくんです(笑)。本当に最高!

VENTUSは天然さんも多いので、ツッコミ担当は大変ですね(笑)
スタンボー
 ツッコミとは違うかもしれないですけど、モチさん(望月ありさ)も面白い。厳しいことも言ってくれるモチさんですけど、結構みんなに話を割り引かれることが多い(笑)。例えば・・・(林)みのりとか初年度、ターンのところで口酸っぱく言われてましたけど、あれ全部はみのりは聞いてない。そんなみのりもいい(笑)。

久保 わかる(笑)。モチさんの言ってることは30%くらいしか聞かないっていう、“暗黙の了解”があるよね。それをたまに100で聞いちゃうとぶつかっちゃうの。モチさんも「30%聞いてくれりゃいい。真理子みたいに流していい」って言ってて・・・バレてる!って思ったけど(笑)

—せっかくなので柳井里奈監督の紹介もぜひ!
久保
 柳井監督をグルーピングするなら・・・愛犬グループだね!

スタンボー 「美容」はないね(笑)

久保 柳井監督が良いと思うプレー、評価しないプレーをすごくハッキリわかりやすく言ってくれるので、選手としてはありがたいです。このプレーは良いんだか悪いんだかわからなかったりすると迷うから。すごくポジティブだし、だめなところはガッツリ怒られる(苦笑)。だけど、いいプレーは褒めてくれますね。

—一人一人にタスクを課す話し合いをしている姿を見ると、選手としては安心するだろうなと感じます。
スタンボー
 (激しく頷きながら)“人間”らしいなって思います。自分の一線はここだよってしっかり提示してくれる。監督って最終的には戦術云々の前に“人”だから。その人としてちゃんと信用信頼できるかどうか。柳井さんは人間味が深い“ザ・関西人”っていう感じ(笑)。会話で押し切るんじゃなくて、ちゃんと理論も持ってやってくれていて、真理子が言ったみたいに怒るところは怒ってくれる。これって結構自分的には嬉しいことなんです。今、本気で楽しいですね。

3年目のVENTUSはどんなチームになりそうですか?
久保
 これは1年目からみんな言ってるけど、みんな本当に“人”がいい。全員で力を合わせていこうって思ってる選手がすごく多いし、そこに新しい選手が加わって、カップ戦では手応えも感じています。今シーズンは、結果を出して、ファン・サポーターをたくさん増やしたり、今後を左右するようなステップアップしないといけない年になると思います。個人的にカップ戦では試合に絡めてないので、自分の成長がチームの勝利に導けるようになっていきたいです。

スタンボー 勝つVENTUSになります!以上です!


早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。

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