「WE ACTION DAY~レポート~」

WEリーグの理念推進を目的とした活動を行うWE ACTION DAYが5月5日(金)、6日(土)の2日間行われました。

5日は地元のデイサービスセンターで行われた「老人ホームでACTION!」。テーマは地域貢献とコミュニケーションです。坂井優紀 選手、井上綾香 選手、田嶋みのり 選手、スタンボー華 選手、久保真理子 選手、杉澤海星 選手の6名が施設を訪問しました。自己紹介がてらにリフティングやパス交換などサッカー選手であることをしっかりアピール。スタンボー選手はお手玉3つを使って技を披露しましたが、人生の先輩である利用者さんの中には「昔は8つのお手玉を操っていた」というツワモノもいらっしゃいました。緊張がほぐれてくるといよいよメインであるキックボッチャのスタートです。

「カーリングみたいな感じボールを転がすのですが、そこは“キック”で、ということなのでなかなか難しかったですが、すごく盛り上がりました!」と楽しそうに話すのは杉澤選手です。「ご年配の方とは自分の祖父母としか触れ合いがなかったのですごく楽しかったですし、最後にはサッカーの試合を観に行きたいと言ってくださって嬉しかったです」(杉澤)。
フルコートで走り回らなくても、ボールを蹴る楽しさを感じることはできることを実感した様子。NACK5スタジアムで選手たちのプレーを近くで見てもらいたいですね。

6日にはVENTUSアカデミー生(U13、U14)20名を招待し、「女性」をテーマに選手たちとディスカッションする「Let‘s Talk!」を行いました。teamアルディとteamミーヤの2グループに分かれて、テーマ別にグループセッション、ピッチでのサッカー交流を含めて約1時間のACTIONです。この日のために選手たちは専門家から講義を受け、それぞれが実体験を話せるように準備をしてきました。

“月経”についてのディスカッションでは、選手たちがどのようにコントロールしているのか、生理不順を感じた場合にはすぐに婦人科に相談に行くようにアカデミー生たちに実体験を交えてアドバイス。“栄養”については試合前後の食事の取り方や、ロッカールームに準備されている捕食なども紹介しました。アカデミー生たちも積極的に質問する姿も多く、グループセッションでは両グループともに盛りあがりを見せていました。

倉本葵衣(2年)さんは「試合前に何を食べるのかを気にしたことがなかったので、これからは意識しようと思います。バナナやカステラがいいっていうのは意外でした」と最後にプレゼントされた選手が捕食にしている文明堂のカステラを大事そうに抱えながら答えてくれました。このプレゼントの中には、鮫島彩選手がアカデミー生一人ひとりに向けて書いたメッセージが添えられていました。

ピッチに出ると、選手たちもアカデミー生たちもコミュニケーションのツールが言葉ではなくボールに移ります。トップ選手のちょっとしたボールさばきや、球際の強さを目の当たりにして、アカデミー生にとっては貴重な30分となったようです。
昨夏のFIFA U-20女子ワールドカップを見てから杉澤選手に憧れているという脇本涼花さん(1年)は「テレビや観客席から見てた選手がすぐそばで一緒にサッカーできて楽しかったし、不思議な感覚でした」と笑顔いっぱいでした。

グループディスカッション時に進行役を務めていた井上綾香&久保真理子ペア、仲田歩夢&望月ありさペアの中から望月選手に感想を聞いてみました。
「アカデミー生にとっても初めて聞く話もあったようで、まだまだ至らなかったけど、自分たちがこういう機会で早めに伝えることが出来て、少しでも学べる形になれたのなら嬉しいです。現時点でのアカデミー生の悩みをもっと吸い上げて、一緒に解決していくっていうのが大事だなって今日改めて感じました。そういう流れ作りを大事にしていきたいです」 選手たちにとっても“気づき”を得る機会になっているWE ACTION。今後もVENTUSらしい“流れ作り”を続けていきます。


早草 紀子(はやくさ のりこ)
兵庫県神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりフリーランスとしてサッカー専門誌などへ寄稿する。女子サッカー報道の先駆者であり、2005年から大宮アルディージャのオフィシャルカメラマンを務める。

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