トップチームを目指すU18メンバーの奮闘

今シーズンからVENTUSの新カテゴリーであるU-18の活動がスタートしています。新規チームのVENTUS U18は埼玉県リーグ1部から第一歩を踏み出しました。ここから関東リーグへとステップアップを目標にしています。関東女子ユース(U-18)サッカー選手権大会予選では惜しくも敗退し、全国大会には進むことが出来ませんでしたが、選手たちは日々大きな刺激を受けているようです。

「勢いのあるプレーが出来る選手たちなので、うるさいことは言わずにのびのびとプレーさせたい。とはいえ、大人のサッカーに近づいてきているので、自分自身で考えて状況を判断してプレーできるように導きたいと思ってます。そしてVENTUSのチップチームに上がれる選手になってほしいですね」とは7月からU-18の指揮を執る斉藤雅人 監督。高校一年生の選手たちは身体も変化してくる時期です。斉藤監督は講師を招いて、女性の身体のこと、栄養面などの理解を深めてほしいと選手たちに情報を落とし込みます。特に栄養面に関しては保護者の参加も促し、これまで専門家と話す機会がなかったと、多くの質問も寄せられたそうです。

また新たな取り組みとしてフィジカル強化のために、この秋から陸上を専門とするトレーナーも非常勤ながら招聘する予定なのだとか。「走りの面では陸上とサッカーに共通していることも多いと聞き、走り方とか、地面への伝え方などレクチャーしてもらいたい。フィジカル的なところはどんどんやっていこうと思ってます」(斉藤監督)

斉藤監督の強みは何と言っても昨シーズンまでVENTUSのヘッドコーチとしてトップチームのレベルを知っていることです。トップチームの運営に関わったり、トレーニングマッチをしたりとVENTUSとアカデミーの距離は物理的にも近いところにあります。だからこそ「憧れではなく、奪うつもりの心意気が必要。勝点3を奪えるのであれば、トップの監督はU18からでも引き上げて使いたいものです。男子の市原吏音 選手がいい例です」と齋藤監督は言います。

WEリーグカップ開幕戦のスタンドにはアカデミーの選手たちが興奮しながら観戦していました。強豪INAC神戸レオネッサに、集中した守備から素早い切り替えで大量4ゴールを奪取。身体を張って守備をする姿にも感銘を受けた様子でした。そんなU18のGK寺本唯香 選手、DF金野有沙 選手、MF末岡美嘉アンヌリリア 選手、FW茂木未宙 選手の4名に話を聞きました。ここからは賑やかな4人の鼎談をお届けします。

― “VENTUS U18らしいプレー”を教えてください。ぜひ挙手制で!

金野 じゃ私最初に行きます! しっかりビルドアップして攻撃ができるところ!

寺本 U15のときからそうでしたけど、攻守で主導権を握れるところです。

―守備陣が答えてくれたので、次は攻撃陣のお二人に。プレーの特長を教えてください。

茂木 ラストパス、ゴールに結びつくプレー、あとは前線からの守備が得意です。

末岡 左サイドからの突破は得意なのでそこからカットインしてシュートもあるし、クロスもある。どちらにしろゴールに結びつくプレーができます。

―関東女子ユース(U-18)サッカー選手権大会予選では悔しい敗戦も経験しました。ここから得た課題はありますか?

金野 はい(挙手)!流れが悪くなったときはメンタル的にやられてしまいました。自分が絡んだ失点だからこそ、チームの雰囲気が下がったときに、チームをあげられる声掛けをしていきたいです。

茂木 ボールを受けてから、いつも相手2,3人に囲まれること多いんです。そういうときもボールの置きところを考えて、自分ではがせるようにしたいです。

―そのために、どんなことをしていますか?

茂木 両足を使う。

―そういえば、蹴れなかった“左足”。蹴れるようになりました?

茂木 ちょっとだけ、ホントちょっとだけ(笑)

―次の試合ではきっと茂木選手が左足で相手を剥がしてチャンス作ってくれますよ。

全員 お~(拍手)!

―今は埼玉県リーグ2部を戦っています。スコアを見ると大量得点での勝利が多いですが、ここまでの印象は?

寺本 自分たちがボールを持てる相手に対して決めきれなかったり、無駄な失点をしてしまったりして・・・関東リーグを目指す上で、相手のスピードに合わせず、もっと余裕を持てるプレーをしたいです。

末岡 そう・・・ボール持てるんですけど、相手に合わせちゃうと難しい試合になっちゃう。どんな試合も自分たちのやるべきこと、スピードや判断のところをしっかりやれるともうちょっと余裕を持って勝てるんじゃないかなって思います。

―U18という新カテゴリーが始まってこの半年で成長を感じるところは?

寺本 ビルドアップが苦手だったけど、今は少しずつ前を見られるようになってきたと思います。ボールが来る前に逆サイドを見るようにして、変わりました。

金野 U15のときはケガがあって、なかなか思うようにプレーができませんでした。U-18になってもケガはちょいちょいしてるんですけど、自分は全国大会に出られなかった分がんばって、ちゃんとポジションを取って前から見ることが出来るようになりました。

末岡 このチームには新加入として入りました。すでにU15からみんなは一緒にプレーしていて、チームとして団結している中に入っていくので、最初は難しい部分もあったんですけど、コミュニケーションを取って入れるようになっていった。サッカー面でも中盤やウィング、いろんなポジションを柔軟にやれるようになりました。

茂木 ・・・困った(苦笑)。さっき言った左足かな。

金野 シュートとか左足で打ってるイメージある。

茂木 (コクコクと頷く)

―茂木選手?ぜひ自分の言葉でどうぞ(笑)?

茂木 左足で蹴るとき、軸足を抜くことが最初は出来なかったんですけど、マサさん(斉藤監督)からアドバイスをもらって、練習したら出来るようになりました。

―WEリーグカップ開幕戦はNACK5スタジアム大宮で観戦してましたね。

末岡 トップチームの試合を生で見られる機会は少ないんですけど、今回はピッチレベルの目線で見られました。プレースピードの速さとか、声とか聞こえてきて、まだまだ自分の足りない部分、トップレベルに行くためには差があるって感じました。開始早々に点が入って、その雰囲気を崩さずに最後まで行けたのはすごい!

茂木 ちゃんとセカンドボールを回収して、そこから急いで攻撃するときもあるけど、落ち着かせるときはボールを落ち着かせてた。自分たちもそうやって組み立てていけるようになりたいなって思いました。

寺本 後ろで落ち着いて回せてたけど、攻撃するときは一気にスイッチが入る。この切り替えがすごかったです。

金野 これまでI神戸と試合やって一回も勝ててない中で初めての勝利。見てて鳥肌が立ちました。自分たちがあそこのピッチに立つことを想像したら自分たちはまだまだ。前が目立っているように見えて、前の攻撃は後ろの守備から始まっているので、そこを同じバックのポジションの選手を見てて、学ぶことが多かった。自分もどんどん吸収してあのピッチに立てるようにしたいです。

―では最後に今シーズンの目標を教えてください。

末岡 もうすぐ東京代表として戦う国体があるのでそこで優勝してチームに戻ってもいい影響を与えられるようにしたい。このチームで戦えるのはあとリーグだけなので、悔いのないように勝利はもちろん内容にこだわって戦っていきたいです。

寺本 自分はリーグで失点をなるべく防いで・・・いえ、0失点に抑えて、関東リーグに行くことです!

金野 このチームを関東リーグに上げることと、そこで対等に戦えるようにがんばっていきたいです。

茂木 早くレベルの高い場所でチャレンジしたいので、まずは県リーグで一戦一戦しっかり勝って、自分も得点をたくさん決めて勝利に貢献したいです。

未来のVENTUSを目指すU18の選手たちにぜひ、熱い声援をよろしくお願いします。

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