今野浩喜の「タダのファン目線記」キャンプ編①



今野浩喜の「タダのファン目線記」 キャンプ編①


今野さんがタダのファン目線でクラブ関係者らに逆取材を敢行するシリーズ企画から一転、迷走する雑談コーナーとなっている本連載。今回は今野さんが個人的に気になっていたという、さいたま桃月園キャンプ場に足を運んでみた。


看板猫がお出迎え

今野「今野です。よろしくお願いします」

真田「スタッフの真田と言います。こちらこそ、よろしくお願いします」

今野「ここは『さいたま桃月園キャンプ場』……名前の由来は?」

真田「ここの地主さんの先々代が桃農家をされていたそうです」

今野「埼玉で桃、それはすごい。大宮のクラブハウスからも近いからいいですね。まずは、ざっと施設を紹介してもらえますか?」

真田「わかりました。小さいですけど、どうぞ」

今野「猫だ。キャンプ場って猫いますよね」

真田「いますね(笑)。うちには3匹いて、お客さんにも可愛がってもらってます。リュウ、タイ、パンチ。看板猫ですね」

今野「人懐っこいですね」


真田「そうなんです。ここが管理棟です」

今野「受付ですね。すぐ脇には盆栽屋さんもあるんだ」

真田「僕らがキャンプ場を始める前からいらっしゃいます」

「ニャー」(絶妙なタイミングで猫)

今野「へ〜」

真田「テレビにも取り上げられた有名な方で、平尾成志さんという盆栽師さんです」

今野「あぁ! 魅せるタイプの方ですよね。見ましたよ『クレイジー・ジャーニー』で。さっきそこを歩いてた方ですよね」

真田「そうですそうです」

今野「はぁ〜。って、そっちに食いついてもしょうがないか」

真田「あははは……」

今野「ここはイチから建てたんですか?」

真田「いや、外側があって、内側は全部やりました」

今野「内装をやったんだ」

真田「そうです」


今野「貸出用の備品が、いろいろあるんですね」

真田「汚くてすみません」

「ニャー」(随所に猫)

今野「いやいや、こんなもんじゃない。汚い印象は全然ないですよ」

真田「こちらがカフェです。僕たちは、キャンプ場と古民家カフェを一緒にやっています」



今野「カフェだけ利用する人もいるんですか?」

真田「はい。荒川サイクリングロードが近いので、そこを走っているサイクリストさんの休憩地点になっているようです」

今野「カフェの中も1回見せてもらっていいですか?」

真田「もちろん。行きましょう」

今野「こんにちは〜。ここは何時から営業してるんですか?」

真田「平日は9時から16時30分まで。土日祝は8時30分から16時30分までです」

今野「いいですねぇ。インスタ映えですね」


真田「ありがとうございます」

今野「この藍染Tシャツは誰が作ったんですか?」

真田「店主の関が福島まで行って作ってきました」

今野「ほぉ、店主さんですか?」

「店主……というか」


今野「わざわざ福島まで?」

関「福島市の工房『おりをり』さんにお願いして、2日かけてやってきました」

今野「素敵ですね」


真田
「後ほど、ここでお茶もしてもらいますので」

今野「あっ、またあとで来るんだ」

真田「パンケーキをご用意しますので」

今野「いま来なきゃよかったな(笑)」


キャンプサイトをレポート

真田「次は、小さいですけどキャンプサイトの方へ」

今野「はい」

真田「こっちが柵で囲われたスペースで、周りが気になる方とか、小さいお子さんがいるご家族などにご利用いただいています」


今野「広さはどれくらいですか?」

真田「6m×7mで42㎡になります。今野さんは結構キャンプされるんですか?」

今野「それほどでもないですね。夏過ぎても冬過ぎても嫌なので。主に10月ですね」

真田「めっちゃ狭い(笑)」

今野「あとは3月とか」

真田「一番いい時期ですね」

今野「普段は、だいたい自宅の庭でやっています」

真田「焚火も?」

今野「いや、庭だと焚火ができないから、こういう場所がいいんですよね」

真田「僕らがここを作ったのも、同じような思いからなんです!」

今野「庭はこんな感じですね(といって庭キャンプの写真を見せる)」


真田「うわっ、いいですねぇ」

今野「ターフを張ってね」

真田「めっちゃ広い庭ですね」

今野「いやいや。でも、結局は焚火なんですよ」

真田「ダメなんですか?」

今野「はっきり言われたわけじゃないですけど、さすがに煙は嫌じゃないですか」

真田「周りに気を遣いますよね」

今野「だから、しょうがなく電気ストーブのコードを引っ張ってきてやったりもしますが、何か違いますよね?」

真田「焚火を楽しむのはキャンプの醍醐味ですからね」

今野「そうですよね。庭でやってもいいのかな?」

真田「う〜ん……」

今野「法律が許しても周りが許さない気がするんだよな」

真田「確かに(笑)。こちらが、柵のない広いスペースになります」

今野「ロープで区分けされてるんですね」


真田「そうです。全部で9区画あって、5m×7m、6m×6m、6m×10mのスペースになります。ソロキャンプで使われる方が多いですね」

今野「営業は何時から何時ですか?」

真田「11時チェックイン、10時チェックアウトです」

今野「チェックアウト間際は、意外と焦るんですよね」

真田「わかります」

今野「初めの頃、朝ご飯のこととか考えるとカツカツになるんですよね」

真田「片付けもありますからね」

今野「灰の処理どうすればいいんだろう、とか」

真田「めちゃめちゃわかります(笑)」

今野「灰捨て場はあるんですか?」

真田「あそこにあります」


今野「キャンプ動画のダメなところは、片付けのところを誰も撮らないところ」

真田「なるほど」

今野「テントを組むところ、楽しいところしか撮らない。食器洗うのの地獄さ、とかね」

真田「真冬の冷たい水で、ですよね」

今野「そういうところをちゃんと撮った方がいい。灰捨て場の存在とか、たぶん知らない人が多いと思う」


手作りなのにハイレベル

真田「そうですね。こちらが、まだ準備中なんですけどサウナパークです」

今野「水風呂もあるんですね」

真田「はい。ここがサウナで、こちらがバンブーテントサウナです」



今野「バンブー?」

真田「中が竹張りになっているんです」

今野「え〜」

真田「真っ暗ですけど、どうぞ」

今野「本当に暗いな」


真田「ストーブに火をつけると、その明るさでじんわりと」

今野「ははぁ〜」

真田「薄暗い中、原住民の住居にお邪魔したような感覚ですかね」

今野「下に畳が敷いてあるんだ」

真田「そうです。全部自分たちで造りました」

今野「すごい! そういう学校とか行ってたんですか?」

真田「いやいや、全然」

今野「よくやりましたね。これは裸で?」

真田「いや、水着を着てもらうつもりです」

今野「そうか、まだ営業はしてないのか」

真田「2月頃オープンの予定なので大急ぎで工事をしています。こちらが更衣室です」

今野「これも造ったんですか?」

真田「はい。ゼロから。だいたい2週間くらいで」

今野「早くない?」

真田「ふふふ……」

今野「土台から?」

真田「そうです」

今野「この板とか、全部買ったんですか?」

真田「いや、近くの材木屋さんが『要らないからあげるよ』と言ってくださって」

今野「この長さが要らないって、よくわからないですね(笑)」

真田「僕もわかりませんでした(笑)。全部で2トンくらいもらいました」

今野「へ〜。全部手造りですか?」

真田「トイレ、シャワーは別に買いましたけど、更衣室は全部造りました」

今野「すごいな」

真田「再来週くらいにオープンできればと思っています」

今野「じゃあ、いいときに来ましたね。宣伝効果がどんだけあるか微妙ですけど」

真田「……」

今野「1月下旬くらいに掲載されるそうです」

真田「わかりました」

今野「あ〜、こっちはシャワーですか?」

真田「そうです」

今野「うわっ、綺麗。えっ、嘘。ものすごい綺麗ですね」

真田「ありがとうございます。僕らの代表のこだわりがつまったシャワー室です」

今野「へ〜」

真田「女性が使いやすいようにということで」


今野「広いですね。キャンプ場にあるシャワーとは思えない。あんな温度設定があるの、見たことないですから」

真田「あははは……」

今野「これはドライヤー?」

真田「ドライヤーとコテが置いてあります」

今野「なんでキャンプに来てコテを……(笑)」

真田「お洒落は欠かせないってことで」

今野「そこまで行くと、来るなって感じしますけどね」

真田「いやいや」

今野「ボディソルトまである。すごいな。そのへんのビジネスホテルより充実してる」


真田「ありがとうございます」

今野「うわ〜、一番はしゃいじゃったな、キャンプ場なのに(笑)」

真田「めっちゃうれしいです!」


薪割り体験

真田「次は薪割りをやってもらいましょうか。こちらが油圧の薪割り機になります」



今野「油圧?」

真田「電動ですね」

今野「なにこれ?」

真田「ここに薪を置いてもらって……」

今野「ここに歯があるんだ」

真田「そうです。まずは、これでやってみようかと。大斧を振り下ろしてもいいんですが、どっちがいいですか?」

今野「時間の許す限り、どっちもやりましょう」

真田「そうですね」

今野「斧も持ってますけど、うまくできたことないからな」

(ウィ〜ンと、電動薪割り機が始動)

真田「ここがレバーで、2つ同時に下げると進んで行きます。離すと止まるんですけど、薪が割れる際に横に飛ぶことがあるので、気をつけてください」

今野「なるほどね。うわっ、芯があると……」

真田「はい。上手く割れないことも。これは綺麗に割れると思います」

今野「おぉっ、おお〜。これはスギですか?」

真田「そうですね」

今野「(パキーンと2つに)あぁ〜、いったね」


真田「気持ちいいですね」

今野「見てると地味ですけど、やると楽しいですね!」

真田「広葉樹、割ってみますか?」

今野「やっぱり、問題は広葉樹ですよ」

真田「そうですよね。割れるかな? もし割れなかったら、大斧で割りましょう」

今野「(バキーンと激しく跳ね返される)おぉぉぉ〜! やっぱり強いですね。ダメだな広葉樹は」

真田「パワー不足ですね」

今野「俺なら、焚火台にこのまま入れて、燃えることを祈りますね。斧でいけます?」

真田「やってみましょう。ちょっと持って来ますね」

今野「来た!」

真田「キャンプ場と言えば、やっぱりこういう感じですよね。僕も正直、そこまで慣れていないんですけど……」

今野「斧は難しいですよね」(真田さんがトライして、見事に真っ二つに)

今野「おぉ!」

一同「すごい!」

今野「これ、自分の足に行かないように気を付けないと」

真田「そうですね。真下に振り下ろす感じです」


今野「(パキーンと上手に割って)いけましたね。でも、恐い」

真田「普段は、こんな斧は使わないですよね」

今野「はい。でも、最近は(ナイフで薪を細くする)バトニングさえしてないですから」

真田「そのまま?」

今野「はい。昔は火をつけるまで細かくやってましたけど、結局は着火剤です」

真田「わかります(笑)」

今野「何がしたかったんだろうって気持ちになりますけど」

真田「結局、余裕のある遊びですよね」

今野「火をつけるまでは、どうでもよくなっちゃって……」

真田「僕も最近はダンボールにバーナーです(笑)」

今野「あははは……」

真田「情緒がないです」

今野「俺も、キャンプでホットプレートでご飯を食べてるとき、ふと何やってるんだろうと思いました」

真田「ふふふ……」

今野「庭とやってることがまったく同じだった」

真田「割ってもらった薪を使って、ここで焚火をしましょうか。やっぱりダンボールだと味気ないですかね?」

今野「全然いいんですけど、画的にフェザースティックとかした方がいいんじゃないかな」

真田「やりましょうか。僕も普段やらないですけど」

今野「そうですね」

真田「じゃ、ナイフ持って来ますね。皮手袋がいいですか?」

今野「なんでも大丈夫です。久しぶりだな(と言いつつ、木を削り始める)」


真田「丁寧ですね」

今野「動画とか見て、最初はこういうことをやりたがるじゃないですか」

真田「面白いですからね」

今野「でも、2、3回でやらなくなりますね」

真田「はい(笑)。そこに共感しちゃって申し訳ないです」

今野「だいぶほら。上手な片鱗はあるじゃないですか」

真田「僕はだいたい、作ったところを全部取っちゃうタイプなので」

今野「取っちゃうって何?」

真田「ナイフでストンと落としちゃう(笑)」

今野「あぁ〜、力加減がうまくいかなくて」

真田「はい(笑)」

今野「ぐるっと回すタイミングが、難しいんだよな。やってみてください」

真田「(割と大胆に、ザックリ削る)」

今野「ほら、俺がうまいの、わかるでしょ」

一同「あははは……」

真田「性格が出ますよね」

今野「それでファイヤースターターとかでやるんですけど、それはもういいですね」

真田「言わせてしまって、すみません」

(ダンボールとバーナーを使って着火!)


今野「はやっ!」

真田「もう何か所かつければ大丈夫です」

今野「結局、キャンプって言うか火遊びがしたいだけなんですよね」

真田「それはあります。夜、火を見つめて何もしない。そういう余分な時間が持てるのが幸せですよね」



焚火を囲んでまったりトーク

今野「お酒は飲むんですか?」

真田「飲みます!」

今野「そういう人はいいですよね」

真田「あまり飲まないんですか?」

今野「はい。だから、(焚火のときは)暇すぎるんですよ」

真田「確かに(笑)。コンテンツがないですからね」

今野「何もない。で、結局YouTubeを見てたりする(笑)」

真田「キャンプのときにやることを用意していったりはしないんですか?」

今野「何を?」

真田「読書とか、今日はこのご飯を作るとか」

今野「え〜、ないですね。結局、新しいものを買って、それを使ってみたいだけなので」

真田「なるほど。テントとかのキャンプギアを」

今野「だから、どんどん金がなくなっていく。ひどいもんです」

真田「そうなんですね」

今野「煙が来るな〜」

真田「ちょっとずれましょうか」

今野「この煙があるから、やっぱり庭じゃできないな」

真田「そうですね」

(しっかり焚火が完成!)

今野「このあとの仕事、『お前ケムいな!』と言われそうです」

真田「まだ朝一ですからね」

今野「『お前、キャンプ帰りか?』って」

真田「正解です!」

今野「あははは……」

真田「ここが都心から近い場所だからだと思いますが、なかなかないですよね。午前中にキャンプ場にいて、午後仕事ってパターンは」

今野「デイキャンプでもなく、もはやモーニングキャンプですね」

真田「はい(笑)」

今野「(焚火の火を見ながら)あぁ、いいですねぇ」


真田「普段、アルディージャでの取材っていうのは、どういうところに行くんですか?」

今野「どこも行かないですよ」

真田「そうなんですか!」

今野「だいたいスタッフさんとかに、クラブハウスでお話を聞くとか」

真田「なるほど」

今野「最近は、ずっとZoomでしたし。だから、今回からです。よくわからなくなったの」

一同「(爆笑)」

真田「急に緊張してきた(笑)」

今野「いま、全員が試行錯誤しているところです(笑)」

真田「マジかぁ。じゃ、なんとか次回につなげたいですね」

今野「別につなげなくてもいいんですけどね。だって、次に何をやるか決まってないんで」

真田「そうなんですね(笑)」

今野「次は、あの盆栽の方でもいいわけで」

真田「近場から攻めていく感じですか」

今野「大宮アルディージャって、興味ないですよね?」

真田「あまり見ないので、サッカーを」

今野「サッカー見てても興味ないだろうな」

真田「……なんか、すみません」

今野「全然。『タダのファン目線記』ってタイトルでやってるので、忖度はしないです」

真田「これをきっかけに見るようにします!」

今野「おぉ、その一言だけで、このコーナーをやってる意味があるな」

真田「ありがとうございます(笑)」

次回に続く

↓取材風景の動画ハイライトはこちら



構成:粕川哲男


協力:さいたま桃月園キャンプ場
〒331-0061 埼玉県さいたま市西区西遊馬3131
https://saitama-tougetsuen-camp.com/

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