今野浩喜の「タダのファン目線記」エルゴラッソ番記者

突撃インタビューシリーズ 今野浩喜 vs エルゴラッソ 大宮アルディージャ番記者

今野さんがタダのファン目線でアルディージャの関係者に逆取材! 今回はサッカー新聞エルゴラッソで大宮アルディージャの番記者を務める、ライターの高澤真輝さんをゲストに迎えました。オンラインでのインタビューも今回で3回目。そろそろ慣れてきた感じでしょうか。


ドアップからのスタート

今野「あの、高澤さんだけ目のドアップになってるんですけど……」

高澤「えー!?」

今野「いや、いいんですけど、俺だけ変なのかと思って」

高澤「こんな感じだと大丈夫ですか?(カメラから離れる高澤さん)」

今野「はい。高澤さんは、エルゴラッソの大宮アルディージャ担当の記者さんってことでいいですか?」

高澤「そうです。練習を見に行って、試合もホームゲームは必ず見ています」

今野「しかし、毎回どうしてもコロナの話題になっちゃって……」

高澤「そうなっちゃいますよね」

今野「思っていた以上にしつこいですよね」

高澤「仕事にめちゃめちゃ影響が出ています」

今野「だから、最近はどの人にも同じ話を聞くことに」

高澤「そうですよね。僕もツラいと思っていた時期がありましたが、この前、高木琢也監督が『こういうこともあるのが人生』とおっしゃっていて、確かにそうかもと勇気をもらいました」

今野「なるほど。一時期は、ふさぎ込んでいたんですか」

高澤「はい。それまで選手と1対1で話せていたのが、今は練習も見られないし、取材もテレビ電話などを使って家から……という感じなので」

今野「やっぱり、直に会って話すのとは違いますか」

高澤「全然違いますね。1対1で話しているときは選手の表情が見えるので、こんなことを話したいのだろうなという空気感がつかめるんですけど、画面越しだと見えづらい。そのあたりを個人的には感じています」

今野「あぁ、前回の再放送みたいだな、これ」

高澤「皆さん、同じように感じているんじゃないでしょうか」

今野「選手によっては、ここ(目)しか映ってないこともあるわけですもんね」

高澤「あははは……。それは僕だけです」

今野「記事を書くのも大変ですか?」

高澤「試合前のプレビュー記事で予想フォーメーションを載せないといけないのですが、練習を見られないので勘で書くしかない」

今野「高木さんのメンバー、当てられないんじゃないですか?」

高澤「当たらないですね。毎回『次はこう来たか』という感じです。この前の磐田戦で言うと、両ボランチが大山啓輔選手と小島幹敏選手だとは予想もしていませんでした」

今野「若い選手も使いますしね」

高澤「高木監督はコンディションの良い選手を使うというスタンスなので……」

今野「練習を見ないと分からない」

高澤「いかに想像を膨らませられるか、ですね」

今野「正解率は何%くらいですか?」

高澤「どうでしょう……。15%くらいじゃないですか」

今野「だいぶ外れてますね(笑)」

高澤「本当に分かりません」

お笑い審査員との共通点

今野「サッカー経験はあるんですか?」

高澤「小学生から大学生までずっとやっていました」

今野「ポジションは?」

高澤「ずっとFWでした」

今野「採点をつけられた経験は?」

高澤「実は僕、大学4年間しっかりサッカーできなくて。ケガをして途中でプレーヤーを断念しているので、そういう立場にはなれませんでした」

今野「実際にやっていると採点が甘くなりません?」

高澤「最初のころは甘くなっていたと思います」

今野「だって選手の気持ちが全部、分かるわけですからね」

高澤「そうですね。ケガから復帰して、すごく頑張ってきた選手がいた。でも、試合ではあまり良くなかった。そういうときは情に流されちゃうこともあります」

今野「お笑いのコンテストでも、同じようなことがありますね。審査員の人が、その人の普段を知っちゃっているみたいな。FWは何点取れば『8』になりますか?」

高澤「え~。一応、平均は『6』なので……」

今野「点を取らなくても、すごく守備を頑張っていた場合は?」

高澤「僕は『5.5』ですかね。点を決めてこそなので。もちろんチームへの貢献はあると思いますけど。『8』となると6点取ったとか、重要なゲームで決勝点を取ったとか」

今野「これまでにつけた最高点は幾つですか?」

高澤「確か『7.5』です。『8』はつけていないと思います」

今野「サッカーをやっていたころに読んでいた雑誌とかありました?」

高澤「『サッカーマガジン』とか『サッカークリニック』は読んでいました」

今野「採点は見てました?」

高澤「いや、一切見てないです」

今野「え~、俺はすごく見てましたね。採点が一番楽しみでした」

高澤「そうなんですね。僕の場合は練習メニューとか、プレーヤーとして直結するものに興味があって見ていました」

今野「実際にやってる人との違いですね。俺は、やりもしないのにフォーメーションとか書いてましたからね」

高澤「フォーメーションを考えるのは楽しいですからね」

今野「楽しいですよね。自分の代表とか作りますよね」

高澤「僕も作りました! ワールドカップ前とか。それで自分が選んだ選手が代表落ちすると、すごくヘコむっていう(笑)」

今野「誰でもやるんですね」

高澤「授業中とか、ずっとフォーメーションを考えていました」

今野「俺も書いてたな。いや、今でもたまに書くな~」

高澤「どんな局面で書くんですか?」

今野「いい選手がいたらとりあえずメモしておいて、代表候補に入れておくっていう」

高澤「最近見つけた代表候補が聞きたいです」

今野「今年、横浜FCから大宮に入ったFWの選手……。あれ? ド忘れした」

高澤「戸島選手ですか?」

今野「そうそう。戸島選手いいですよね。俺、ああいう選手が好きなんですよ」

高澤「ザ・ストライカーみたいな」

今野「昔からパワーのある人。最初に好きになったのはジェラードだし、飼っていた犬の名前はビエリだし。あとはフローとかコラーとか。サッカーゲームをやるときには、必ずそういう選手を入れるんですよ」

高澤「へ~」

今野「練習ではどうにもならない大きさって魅力だと、多分『スラムダンク』で読んだんだと思いますけど。魚住(純)が言われてたのかな」

高澤「あぁ(笑)。規格外みたいな。戸島選手はそういうところがありますよね」


暇すぎて髪の毛を自ら……

今野「エルゴラにはいつ入ったんですか?」

高澤「2016年ですね」

今野「4年前か。それまでは何を?」

高澤「大学時代にケガをして、プロサッカー選手になるっていう夢を追えなかったことが悔しくて。大学卒業後1年間、社会人でサッカーをやりながら海外のトライアウトとかを目指そうってことで、サッカー浪人のような生活をしていました。でも、そこで再びケガをしてしまって……。プレーヤーとしてはダメになったので就職活動を始めたのですが、サッカーに携われる仕事ならば何でもいいと思っていたところ、たまたまツイッターで記者を募集しているのを見つけて」

今野「ツイッターで募集!」

高澤「ビックリしました(笑)。ライターさんのツイッターで募集していますというのを見たのかな。それですぐに履歴書を送って、今に至る感じです」

今野「ケガって?」

高澤「最初が右膝の靭帯で、次は膝のお皿が粉々に……」

今野「どうしたらそんなことに?」

高澤「僕の技術のなさだと思いますが、相手の突進を避けられませんでした。サッカーの中で起きた事故のようなものです」

今野「大宮担当になって最初の仕事は?」

高澤「キャンプ取材ですね。沖縄に行きました」

今野「沖縄かぁ。俺は去年の10月に行ったかな」

高澤「いい時期ですね」

今野「だいたい、4月か10月がいいですよね。それ以外は暑すぎる。と言っても、もはや埼玉の方が暑いですけどね」

高澤「話をしていたら、沖縄に行きたくなってきました」

今野「今の時期は行かない方がいいですけどね。暇なのに何もできない。ただただ暇。今日ね、あまりに暇すぎて髪の毛を自分で切りましたからね。モヒカンに。自分でモヒカンにしたことあります?」


高澤「ないです(笑)」

今野「後ろがまったく分からない」

高澤「見えないですもんね」

今野「結果、美容院に行きましたけどね。どうですか?」

高澤「いいと思います」

今野「……そろそろお時間ですね。このあとはお仕事ですか?」

高澤「高木監督と選手の取材があります」

今野「例えば、ボロ負けしたときはどうやって話を進めるんですか?」

高澤「すごく難しいところです。監督の雰囲気がピリッとしているかどうか見極めることが必要だと思います」

今野「アホなふりして、『ボロ負けでしたね!』ってことは?」

高澤「それはないです(笑)」

今野「質問を何パターンか用意するわけですね」

高澤「そうですね」

今野「今日、高木さんはどんな感じだと思いますか?」

高澤「磐田戦は終盤に追いつかれて同点でしたけど、それほどネガティブな感じはなかったので、次に向かっていいところを伸ばしつつ、という感じじゃないですかね」

今野「(磐田戦の)最後の失点はなんかスロー映像を見ているようで、ドーハを思い出しました」

高澤「サイドネットに吸い込まれていく感じですね」

今野「そのあたりを、ぶつけてみてはいかがですか?」

高澤「その方が乗ってくれるかもしれないですね」

今野「昔、高木さんが1回代表に復帰したことがあったじゃないですか?」

高澤「……僕、生まれていないか、すごく小さいころかもしれません」

今野「そっか。97年のワールドカップ予選のカザフスタン戦じゃなかったかな。チームが全然うまくいかなかったときに岡田(武史)監督がベテランでテコ入れして、高木さんも1点取ったのかな。あの試合は、すごく印象に残ってる。そのあたりを聞いたら高木さんのテンションも上がると思いますよ」

高澤「それは、いい話を聞いたかもしれないです」

今野「最後に何か言い残したことは?」

高澤「『エルゴラッソ』買ってください!」

今野「分かりました」



インタビュアー:今野浩喜
構成:粕川哲男

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