今野浩喜の「タダのファン目線記」地域プロデュース部コーチ


突撃インタビューシリーズ 今野浩喜 vs 地域プロデュース部コーチ

今野さんが、タダのファン目線でクラブスタッフに逆取材を敢行! 2020年の一発目は、大宮アルディージャサッカースクールやスクールキャラバン、サッカー教室などで活躍する地域プロデュース部のコーチ、白井省悟さんです。普段は子どもたちから大人気の白井さんも、今野さんのインタビューにはちょっと苦戦……!?


アルディージャで出会った天職

今野「こんにちは、今野です」

白井「アンパンマンです。よろしくお願いします」

今野「アンパンマンって呼ばれているんですか? 昔、西武ライオンズに杉山(賢人)というピッチャーがいて、そう言われるとそっくりですよ」

白井「今までの記事も全部、読んでから来ました。食堂から始まって……」

今野「いや、最初はグッズですね」

白井「あ、はい。ホームタウンの板谷さん、それからグルメ担当とグラウンドキーパーさんですよね」

今野「真面目ですね」

白井「真面目ぶっているんです(笑)。聞かれたことに答えればいいですか?」

今野「白井……」

白井「はい」

今野「白井さんは……」

白井「はいはい」

今野「ずいぶん食い気味ですね(笑)。どうやって今の仕事に就くことになったんですか?」

白井「真面目に答えた方がいいですか?」

今野「じゃあ、真面目じゃないパターンから」

白井「いやいや(笑)。僕の地元でアルディージャのサッカー教室があって、そこでアシスタントとして関わらせていただいたのがきっかけです。所属していた少年団の団長……、おじいちゃんなんですけど、その方に紹介していただきました。そこからアルディージャに呼んでいただき、今に至ります。もう11年、働いています」

今野「楽しいですか?」

白井「楽しいですよ。はい。母がもともと保育士で、自分も保育士になりたいという夢があったんです。子どもが好きだし、昔からやっていたサッカーもできる。そういう意味でも、僕にとっては天職みたいなものです」

今野「子どもの何が好きですか? 俺はちょっと苦手な分野でして……」

白井「母が仕事をしている姿を見てきたし、子どもと一緒に遊ぶのも楽しい」

今野「へえ」

白井「できなかったことができるようになったときとか。そこで、子どもの笑顔が見られると、すごくうれしいですよ」

今野「子どもって、急に腹にパンチしてきません?」

白井「ああ、します、します(笑)」

今野「しかも、なかなかの力で。そういうときはどう対処するんですか?」

白井「逆にチャンスだと思うようにしています。近づいてきてくれているのかなと。度が過ぎると叱ることもありますけど、サッカーだけじゃなくて、そういう人との接し方も含めて伝えてあげたいと思っています」


褒められて伸びるタイプ?

今野「どういうところが大変ですか?」

白井「いろいろな子どもがいるので、その子に合わせてアプローチの仕方を変えるのが難しいですね。この子には少し強めに言っても大丈夫だけど、この子には優しく言わないといけないな、とか。今野さんは厳しく言われたいタイプですか?」

今野「その質問をされたら、全員が『俺は褒められて伸びるタイプだ』って答えると思うんですよね。違いますか?」

白井「確かに……、そうですね」

今野「ただ、それが本当かどうかを判断するには、客観的に見てくれる人がいた方がいい。だから、俺は褒められて伸びたいけど、本当は叱られて伸びるタイプなのかもしれない。それは分からないです」

白井「演技も?」

今野「演技は……、そうですね。叱られたくないですね。この歳になると、自分にできることとできないことが分かってくるんですよ。若かったら『すみません、力が足りなくて』ってなるのかもしれないけど、今だったら強く言われると帰っちゃうと思います(笑)」

白井「どうして役者になろうと思ったんですか?」

今野「もともとお笑いをやっていて、役者業を並行してやっていたんです。モロ師岡さんって分かります?」

白井「ちょっと調べます……。ああ、はい、見たことあります」

今野「その人に憧れたんです。今の事務所に入って2年目くらいかな。『キッズ・リターン』とか『ラヂオの時間』という映画を見て、ああいう感じのポジションになりたいと思ったんです」

白井「そうなんですね」

今野「質問をくれた割にはあまり興味がない……」

白井「すみません(笑)」

今野「映画のタイトルとか役柄を知らなかったから、全てがピンとこないのかもしれないけど」

白井「すみません。あまり映画を見なくて」

今野「そういう憧れた人がいたんです」

白井「尊敬されているんですね」

今野「その人と、今年の夏に舞台で初めて共演したんですよ」

白井「へえ……」

今野「いい話じゃないですか?」

白井「あ、はい、ありがとうございます(笑)」

今野「ありがとうございます、というのも分からないけど(笑)」

白井「緊張しましたか?」

今野「そのときはしなかったです。主演だったんですけどね。ワクワクしました。舞台の演出のおかげかもしれないですね。ジャズバンドが入っていて、幕が上がると生演奏が始まるんです。出演者が順に出ていって、俺は一番、最後。みんなの様子をモニターで見ていたんだけど、『早くそこに入りたい』と思えたんですよね。って、興味ないですか?」

白井「……」

今野「パイセンですよ(笑)」

白井「ドラマは毎週、見てました。『僕たちがやりました』はどうでした?」

今野「あれは楽しかったですよ。オファーの時点で多分、俺にとって仕事の頂点になるだろうなって思っていたんです。これ以上の仕事はないだろうって」

白井「へえ……」


お前が言うな

今野「白井さんの話をもっとしないといけない。明けましておめでとうございます。2020年の抱負は?」

白井「まあ、健康に(笑)」

今野「今までで一番困った子どもって、どういう子でしたか?」

白井「無反応というか……」

今野「いやいや、あなた、さっきから結構、無反応ですよ(笑)」

白井「そうですか? じゃあ、僕のことですね(笑)。聞いたことに対して、反応がないときがやっぱり困ります」

今野「教えているのは何歳くらいの子どもですか?」

白井「小学校低学年が多いですね」

今野「そんな子どもにも、専門用語で教えるんですか?」

白井「子どもが分かる言葉ですね」

今野「どんな?」

白井「例えばディフェンスを教えるときに、ボールを持っていない子に対して『通せんぼしてみて』と言います。すると、自然と相手に近づいていく。『(相手に)寄せて』と言っても、『寄せる』の意味が分からないですからね」

今野「そうか、『寄せる』も分からないか」

白井「他にも、『手と足が届くくらい』と言えば、距離が明確になります。子どもはモノマネの天才ですからね。できるだけ、コーチもいいところを見せてあげなければいけないと思っています」


耳が痛い

今野「白井さんの趣味は何ですか?」

白井「フフフ……。趣味は……、カットです(笑)。今野さんの趣味は?」

今野「何で俺に聞いてくる(笑)。俺は……、そうですね、スポーツクラブに通うことかな。あとはNintendo Switchの『リングフィット アドベンチャー』ですかね。テレビCMでやってるんですけど、知ってます?」

白井「見たことないですね」

今野「それなのに、俺が出てるCMは知ってるのか(笑)。とにかくすごく疲れるゲームです」

白井「運動するんですか?」

今野「筋トレをやらざるを得ないゲームです。リングがあってグーーーってやったり、それを持って走ったり」

白井「筋トレして大会とかに出るんですか?」

今野「そんなふうになりたいわけじゃないんです(笑)。どうしても中年太りというものがあるんですよ。体型を維持しないと。事務所のホームページにプロフィールが書いてあるじゃないですか。そこに服のサイズとか胸囲も記載されているんです。だから、ドラマの衣装合わせに行くと、用意されている服がだいたいキツいんですよ。まずいじゃないですか」

白井「耳が痛いです」

今野「スクールは週に何回ですか?」

白井「僕は週5です」

今野「11年もやっていたら、これまで指導してきた子どもの人数もものすごいんでしょうね」

白井「1年間で大体200人ぐらいのスクール生を担当しています。だから、ざっと計算するとこれまでで2,000人ちょっとですかね。それ以外に、スクールキャラバンやサッカー教室などで1回限りしか会わない子もたくさんいるので、ちょっと数えきれないですね」

今野「すごいですね。スクールを卒業した子とNACK5スタジアム大宮で会ったりしませんか?」

白井「ああ、会います、会います。素通りされるよりは、声をかけてくれた方がうれしいですね」

今野「そういう子はやっぱり中学生になっても、サッカー部に入ったりするんですかね」

白井「そうですね。僕としては、サッカーを続けてくれて、アルディージャを気にして、スタジアムに足を運んでくれたらうれしいです。やりがいというか、やっていて良かったと思う瞬間ですね」

今野「白井さんにはいつ行けば会えるんですか?」

白井「このステラタウン校では、水曜日、木曜日、土曜日です。今野さんもよかったら、ゲストとして遊びに来てください」

今野「子ども相手に何をしていいか分からないからやめておきます(笑)」



インタビュアー:今野浩喜
構成:岩本勝暁

FOLLOW US