Vol.026 戸塚 啓「もう一度自分を見つめ直して、強くなりたい」【聞きたい放題】

選手に気になる質問をどんどん聞いていく本コーナー。今回はオフィシャルライターの戸塚啓記者が、開幕スタメンを飾った新加入の武田英寿選手を直撃しました。

Vol.026 戸塚 啓
「もう一度自分を見つめ直して、強くなりたい」


──横浜FCとの開幕戦は、先発でピッチに立ちました。
「正直なところ、個人としては全然うまくいきませんでした……。納得できるプレーはなかったです。開幕戦ということでワクワクした気持ちはありましたけど、開幕戦特有の緊張感はありませんでした。ただ、試合に入ったらそういうことは関係なく……、相手のマンツーマンにどう対処すればいいのか、試合中に改善しきれず、うまくいかなかったという印象です」

──開幕戦は相手の情報が少ないので、難しいところもあります。
「そのなかでも、試合中に改善しないといけなかったです。どういう立ち位置にすればいいかということも、もっと周りの選手とコミュニケーションを取って改善するべきでした。ミスが続いたのは、メンタル的にも理由があったと思います」

──インサイドハーフというポジションについては?
「やりたいポジションです。監督が求めるサッカーも、すごく面白いと感じています。自分たち主体で、相手陣内でサッカーをしようと。攻撃的なサッカーで、すごく楽しみながらやっています」

──そういうサッカーができる選手がそろっていて、なおかつ競争のレベルが高いですね。
「中盤だけでなく他のポジションでも、霜田監督はキャンプからいろいろな選手を組み合わせていました。競争のなかで成長できると思います」

──昨年は、シーズン途中に浦和レッズからFC琉球へ育成型期限付き移籍しました。
「浦和でなかなか試合に絡めず、チャレンジを考えていて、そのなかでオファーをいただいて決断しました。試合を経験するのとしないのではまったく違いますし、試合でしか見つけられない課題を感じることができました」

──移籍の難しさについては?
「昨年は、移籍してすぐに試合があり、チームに馴染む時間がたくさんあったわけでもないので、まずは自分の特徴をしっかりと出すことでチームに貢献したいと考えました。今回はシーズン前のキャンプからチームに合流できているので、いろいろと作り上げる時間がありました。なので、とくに難しいところはなかったですね。もちろん、そのなかでも自分の良さを出すことを忘れずにやっていければと思います」

──2シーズン連続の育成型期限付き移籍は、強い覚悟の表われなのでしょうね。
「そうですね。自分の世代はパリ五輪もありますし、プロ3年目なので大事な時期かなと……。毎年大事ではあるんですけど、とくに大事な時期、ターニングポイントになるとも聞いたりするので。もう一度自分を見つめ直して、強くなりたいと思って移籍しました」

──昨夏の東京五輪には、トレーニングパートナーとしてチームに帯同しました。
「すごく刺激になりました。全てのレベルが1つ、2つ違っていたように感じました。そこを目指さなければいけない、そこを超えないといけない。自分のレベルを明確に感じることができたのは、良かったと思っています」

──今年はパリ五輪への活動が、本格化していきます。
「そこは1つの目標です。まずチームで結果を残して、というところからですが」

──同世代の選手のなかには、海外のクラブでプレーしている選手、J1のクラブで試合に絡んでいる選手もいます。
「そういうのも目にしますので、悔しさはもちろんあります。でも、同じパリ五輪世代の選手も、僕はそこまで意識はしていません。青森山田高校の先輩や後輩についても、試合を観たりはしますけれど、そこまで意識はしていないです。自分が成長するために、自分にベクトルを向けてやっていきたい。まずは大宮で試合に出るために、同じポジションの選手との競争に勝つことに集中しています」

──大宮アルディージャの印象を聞かせてください。
「クラブの規模は日本のなかでトップレベルだと思います。クラブハウスやグラウンドなどの施設は、ホントに素晴らしいですね! 僕にとってはJ1で長く戦っていた印象のあるクラブですし、またJ1で戦えるようにこのチームで頑張りたいという思いがあります」

──同じ埼玉県にある浦和からの移籍ということで、考えることもありましたか?
「そう、ですね……いろいろと考えることはありましたが、いまは『このチームのために』という思いがあります。どこでプレーしても、チームのために戦える選手になりたいです」

──チームの雰囲気はどうでしょう? 大宮はアットホームとも言われます。
「コミュニケーションを多く取っています。霜田監督が決めた戦術のなかで、選手同士で話し合ってどんどんいいところを出していくように、と言われています。ポジションの近い選手、同じ左サイドの選手とは、よく話していますね」

──今シーズンの目標を教えてください。
「得点でもアシストでも、『10』点には絡みたいです。あとはとにかく、チームの目標達成のために頑張りたいです」

──ファン・サポーターに見てほしいセールスポイントも、ぜひ教えてください。
「僕の武器は左足のシュートです。開幕戦ではうまくいかなかったですが、ファン・サポーターの皆さんに信頼してもらえるように、応援をしてもらえるように、結果を出せるように頑張っていきます。直接FKも決めたいですね。積極的に蹴りにいって、決めることができればと」

──NACK5スタジアム大宮の印象は?
「高校選手権で、一度試合をしたことがあります。観客の人たちとの距離が近いですね。ファン・サポーターのみなさんと一緒に、たくさんの勝利を分かち合いたいです」

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