ピッチで戦う選手やスタッフの素顔や魅力を、アルディージャを“定点観測”する記者の視点でお届けする本コーナー。今回は、高円宮杯U-18プレミアリーグEASTを戦う、U18のキャプテン・小澤晴樹選手を紹介します。
【ライターコラム「春夏秋橙」】土地 将靖
アカデミー期待のCB。ラストイヤーにかける思い
キャプテンがピッチに帰ってきた。
高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第3節、大宮アルディージャU18vs青森山田高校戦のメンバー表に、背番号3、小澤晴樹の名前が今年初めて入った。
アカデミーでのラストイヤーとして腕を撫していた開幕戦。しかし、その前日に負傷し、第1節、第2節の出場を見送らざるを得なくなった。
1勝1敗のチーム状況に、満を持して臨んだ青森山田戦。「試合前に少し緊張感はありました」とは言うものの「(試合に出られない間も)けっこう走ってはいたので、体力面は問題ありませんでした」とコンディションには不安なし。「まだ3連勝しているチームがなかったので、ここで勝てば優勝争いに大きく踏み込める」と意気込んだ。
プレミアリーグで過去10戦対戦し、未だ勝ったことのない青森山田。前半31分にロングスローから失点を許すが、後半に反撃。2度の決定機を作り、ペナルティキックも得たが、決め切れずに0-1で敗戦。対青森山田の初勝利は先送りとなった。
「何もできなかったという感じではなく、決め切れるところを決めれば勝てた試合かなというのはあります。ただ、青森山田のゴール前での気迫や数少ないチャンスをモノにする力というのは、自分たちにはまだまだ足りてないと感じました」
青森山田が得意とするロングスローにもしっかりと対策を立てて臨んだものの、「ボールの質や中で合わせる選手のゴールに向かう気迫はすごかった」と脱帽。それでも、失点シーン以外はほぼ完封。「失点しないことが一番いいんですけど、1失点なら追いついたり逆転できる可能性はあったので、そこで抑えられたのはまだいいかなと思います」と振り返った。
1年生からプレミアリーグに出場していた有望株である。コロナ禍でプレミアリーグ関東として開催された2020年、開幕戦で途中出場しデビューを果たすと、続く第2節では右サイドバックで先発フル出場。2年生になってからはレギュラーCBの一角を占めるようになり、対人プレーとヘディングで最終ラインを締めるとともに、持ち味である足元の技術を生かし、長短のパスでゲームを組み立てていく。
年代別日本代表でも守備の中心選手として常に招集。トップチームのキャンプにも昨年、今年と2年続けて参加し、将来の大宮の守備を担う存在として、早くも期待を集めている。
冒頭にも記したが、今年は彼にとってアカデミーでの最後のシーズンとなる。
「やはりタイトルを目指しています。今はケガで出られない選手が多いんですけど、ここから勝ち続けて、そうした選手たちが戻ってきたときに優勝争いに食い込めるぐらいの順位でいられたらいいなと思います。1年生のころから、自分たちが3年生になったときにどのぐらいの位置にいられるかというのは意識していました。U15で取れなかった日本一を目指していきたいと思います」
キャプテンとして、今年のチームはまとめやすいと言う。
「うまくいっていない選手をサポートしようと意識しています。(前澤)拓城や、いろいろな選手が声を掛けてくれるので、やりやすいです」
人当たりのいい優しいキャラクターである。そんなキャプテンにけん引されるチームがクラブの歴史を変える瞬間を、目の当たりにしたい。
小澤 晴樹(おざわ はるき) /DF
生年月日: 2004年4月18日(18歳)
身長/体重:183cm/83kg
出身地:埼玉県
出身チーム: 1FC川越水上公園 - 大宮アルディージャU15 - 大宮アルディージャU18
代表歴:U-15日本代表候補(2019年) 、U-16日本代表候補(2020年)、U-17日本代表候補(2021年)、U-18日本代表候補(2022年)