【ライターコラム「春夏秋橙」】U18の注目株。高橋輝の今後に注目

ピッチで戦う選手やスタッフの素顔や魅力を、アルディージャを“定点観測”する記者の視点でお届けする本コーナー。今回は、アカデミーの定点観測を続けている土地記者が、大宮アルディージャU18の高橋輝選手を紹介します。


【ライターコラム「春夏秋橙」】土地 将靖
U18の注目株。高橋輝の今後に注目

高円宮杯プレミアリーグを17試合消化時点で、得点ランクチームトップの8得点。夏の日本クラブユース選手権でも4試合で2得点を記録し、間違いなく今年の大宮アルディージャU18のエースである。

プレミアでは開幕5戦無得点と今季初ゴールは難産だったが、第6節・桐生第一高戦で待望の初ゴールを決めると、以降はほぼ2試合に1点のペースで得点を決め、チームに貢献している。

「自分の結果次第でチームの結果も変わってくる」

前澤が負傷離脱していた時期もあり、ストライカーとして大きな責任を負っているという意識で戦い続けた。

(石川)颯とか(磯﨑)麻玖とか下級生たちと2トップを組むこともあるので、自分が引っ張っていって、下級生たちにゴールを決めてもらって自信を持ってほしいということも考えてます」

その思いは、すっかりチームの大黒柱だ。

8月に静岡で行なわれたSBSカップ国際ユースサッカーでは、目標としていた世代別代表にも初めて選ばれた。

「呼ばれた時はびっくりしたんですけど、素直にうれしいと思いました。早くあのユニホームを着て試合に出たいという感情が湧いてきました」

大会では先発や途中出場で全3試合に出場したものの、残念ながら得点を決めることはできなかった。だが、初めて海外の代表チームと対戦したことで、得たものも大きかった。

「一番は逃げてはだめだということ。戦う部分を絶対持っていないとだめ。激しさも全然違って、でもこういうなかでやっていかなきゃいけないという経験ができたのは、自分にとって大きなことだったと思います」

「どんどん仕掛けることは意識しましたが、相手が海外とか上のレベルになってくると、単純な仕掛けだと、全然かなわないという感じでした。もっと緩急を付けたり、一瞬で置き去りにするスピードとか、そういうものを身に付けていかないと戦っていけないと思いました」

実は、小学生時代に大宮アルディージャジュニア(U12)のセレクションに落ちた過去がある。

「確か最終選考で落ちました。そこからはずっと少年団でやってたんですけど、そのときにさいたまシティノース(SCN)ができるという話があって声がかかって、少年団から推薦されてセレクションを受けました。13人中11人が小学6年生のなか、自分ともう一人だけ5年生で飛び級という形で入りました」

大宮アカデミーと提携するSCNに入り、当時の佐藤勝彦監督(現大宮アカデミーダイレクター)との出会いで、自分の人生は大きく変わったと振り返る。

「サッカーの戦術も一から教わったし、FWとしての基本も全部佐藤さんが教えてくれました。佐藤さんがいなかったらいまの自分はないと、そこまで言っても過言ではないです。本当は大宮ジュニアに入りたかった気持ちもあるんですけど、いまこうやって大宮U18でやらせてもらっていることを考えると、SCNでプレーした経験はとても大きかったと思います」

目標はもちろんプロサッカー選手。トップチームへの練習参加も何度か経験し、現在はトップチームへの2種登録もされている。プロの世界が徐々に近くなってくる。

「練習では、スピードで何回かは抜くことはできたんですけど、やっぱり間合いが近くなると止められてしまいますね。そこは自分の突破のバリエーションを増やさなきゃいけないと思うし、プレッシャーが速いのでもっと判断のスピードを上げて、キープするところと簡単にはたくところの使い分けをしっかりしていかないといけないと感じました」

「大学に行ってもトップ昇格したとしても、しっかりプロで活躍できるような選手になりたいし、たくさんの人に認められて、人間的にも愛されるようなプロサッカー選手を目指しています」

その心構えやよし。引き続きの活躍を期待したい。

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