【INSIDE】 柴山昌也「大宮を上位へ引き上げていく存在にならないといけない」

選手の内面に迫ったロングインタビュー企画『INSIDE』がスタート。第1回はアカデミー出身の柴山昌也選手に、プロ3年目を迎えた現在の心境や自身のパフォーマンスについて話を聞きました。

聞き手=戸塚 啓

「大宮を上位へ引き上げていく存在にならないといけない」

マグマのような熱い思いが、柴山昌也の胸中で沸き上がっている。プロ3年目の決意と自覚、チームへの思いを揺るぎないものとし、20歳のアタッカーは自らに厳しい視線を向けるのだ。


0点に等しい出来

──ここまでを終えて、自身のパフォーマンスをどのように評価しますか?
「個人的にはまったく満足できていません。去年との比較でも感じられることですし、今年こそはチームの中心になって攻撃を担っていきたいと思っているなかで、結果を残せていないので。ホントに0点に等しいかなと感じています」

──結果というところでは、得点もアシストもまだ記録していません。
「得点とアシストを決めていないのは全然ダメですし、いろいろなところを含めてまったく満足できていません」

──開幕から全試合に先発していますし、シーズンの入りとしては悪くない印象もありますが。
「すべてにおいて、自分のプレーには満足できていません」

──少しはできているな、と思えるところも。
「うーん……」

──ない、のですね。
「はい。プレータイムとしても、フル出場が1試合もありません。交代させられるのはやっぱり自分に原因があるので、そういうことも含めて自分のプレーに納得できていないんです」

筋トレの効果はこれから判断

──シーズン前にはどんな目標を掲げましたか?
「チームの勝利に貢献するということで、10ゴール10アシストを目標にしています」

──そこからの逆算で、オフに取り組んだことはありましたか。あるいは、プロ1年目、2年目を経て、3年目のシーズンにどのように入っていこうとしましたか?
「シーズンオフはボールに触らない日が、1日もないようにしました。あとは筋トレです。去年までトップチームのフィジカルコーチだった(岡本)隆吾さんがついてくれて、毎日トレーニングをしていました」

──去年はカタールW杯が11月開幕だったので、例年よりもオフが長かったですよね。それだけの期間ずっと、ボールに触っていたのですか?
「オフに入るのが早かったので、ボールの感覚を鈍らせたくなかったというのはあります。寮の部屋に小さなボールがあるんですが、ずっと触れるようにしていました。グラウンドにはほぼ毎日通いまして……あっ、でも、年末年始は実家に帰りました。実家にもボールはあるので、テレビを観ながらでもボールに触れるように、足の下に置いたりしていました。小さい頃からボールが身近にあるのが自分にとって当たり前だったので。ずっと使っているボールが家に転がっていたら、やっぱり離したくないんですよね」

──いつもより長めのオフでしたから、気分転換に旅行へ行く、なんていうこともできたとは思いますが。
「自然に触れるのは好きなので、海に行きましたよ。でも、ビーチボールを持っていきました(笑)」

──結局そうなんですね(笑)。さきほどお話のあった岡本隆吾さんとのトレーニングは、具体的にどのようなメニューを中心に?
「筋トレをけっこう入れていました。マサトくん(小島幹敏)も一緒に、3人でいろいろなメニューをこなしました。僕は身長が小さいので、体の太さは意識していました」

──太さは増していますか?
「はい。体脂肪が落ちて筋肉量が増えました。プレシーズンのキャンプとかは、調子が良かった印象があります」

──体脂肪はどれぐらいですか?
「もともとすごく多くて、一ケタでプレーすることがなかったんですが、いまは一ケタになっています。でも、それが自分の体に最適なのかどうかは、しばらくこの状態でやってみないと判断できないので。自分に合わないとなったら、戻すことも考えたりしています」

──オフの筋トレを経たいまの体がベストなのかどうかは、現時点では判断できないのでしょうね。
「はい、自分に合うのかはまだ分からないので。いろいろと試行錯誤をしながら、自分に一番合うコンディションへ持っていけるように。少しでも早くそれができるように、と思っています」

 

研究されてきている実感

──今シーズンのチームは、前からプレスにいこう、チャレンジしよう、という狙いがあります。守備でハードワークをするのは当然ですが、より強度の高いプレーを求められていると感じます。
「前へボールを奪いにいくのは、ストレスではないんです。やっぱり引っ繰り返されて後ろ向きでスプリントするのが、体力的にも精神的にもキツいですね。なので、前からみんなで連動してボールを取り切れるか、というのはチームとしても僕自身も大事にしているところです。後ろ向きでプレーしたくないな、というのは感じます。下がってからまた前に出ていくのが繰り返されると、やはりキツくなってしまうので」

──そうやってハードワークをしていくなかでも、際どいシュートを放つといったことは、できていると思いますが。
「その回数を増やしていかないといけない、というのは素直に思います。回数が増えていけば、入る可能性もそのぶん上がります。まずはシュートの分母を増やしていかないといけないです」

──冒頭からここまで話を聞いていると、自分のプレーにはホントに納得できていないんですね。1ミリたりとも。
「はい。正直、シーズンが始まる前はもっとできると思っていましたので、自分に落胆したりもしました。でも、『こんなものじゃない』というのを心のなかでつねに持ってないといけないですし、実際にまだまだなので、ここからチームに貢献していきたいです」

──対戦相手の対応が変わってきた、というのはありますか?
「それは正直、ちょっと感じるところはあります。自分は左利きで、ドリブルに入ったときに2枚で対応されることもあります。一人が中を切って、一人は縦対応とか。相手側のそういう声が聞こえることもあります。そこでいかに弱気にならずにいけるか。判断も含めて、ですが」

──弱気にならずに自分で仕掛けるところと、自分にダブルチームできているのでどこかが空いているから、そことうまく使うという判断をしっかり、ということですね。
「そこをうまく判断して、ですね。自信があったら抜きにいかないといけないと思うし、おかにー(岡庭愁人)が後ろから上がってきていて、シンプルに使えばチャンスが広がるなら、使っていかないといけないですし。一人でも打開できないといけないので、二人で来られても取られなかったり、抜いていったりするのは自分の特長でもあるので、そこは失わずにやっていきたいです」

──ファン・サポーターの期待が大きくなってきている、というのも感じませんか?
「はい、そうですね。でも、いまの自分のプレーには、ファン・サポーターのみなさんも満足していないと思います」

 

パリ五輪とその先の未来

──声出し応援がいよいよ解禁になりました。柴山選手はJリーグデビューが2020年12月ですから、ずっとコロナ禍でプレーしてきました。ファン・サポーターの声援を生で感じられるのは、やはり違いますか?
「すごく迫力を感じます。自分のチャントも作ってもらえたので、初めて生で聞いたときは鳥肌が立ちました。すごかったです、感動しました」

──そのファン・サポーターの後押しを受けて、ホームでは開幕から3連勝を飾っています。
「ホントにホームは戦いやすいですし、スタンドから聞こえてくる声はホントに心強いので、戦いやすいですね」

──柴山選手は来年のパリ五輪に出場できる世代です。昨年はトレーニングキャンプにも招集されました。意識はしていると思います。
「そういうのも含めて、焦りではないですけれど、五輪があるからこそJ2でやっている自分は結果に目を向けてやっていかないと、と感じています。いまU-22日本代表に選ばれているのはJ1の選手がほとんどで、J2でやっている僕は大宮を上位へ引き上げていく存在にならないといけない、と思っています。周りの選手に引っ張ってもらうのではなく、引っ張っていく立場にならないといけないです」

──同世代の選手は意識しますか?
「そうですね、意識はしています」

──パリ五輪を目指すチームにも、自分の良さを発揮していけば食い込んでいける、という思いもあるのでは。
「はい。自分に自信を持ってやれれば……招集されたときも、やれない感じは全然なかったので。そこへ食い込んでいくために、やっぱりチームで結果を残したいなと」

──その先に見据えるのは、海外移籍でしょうか?
「そうですね。スペインでやりたいと思っているので。そのためのステップとして、J1の舞台は踏みたい。まずはこのチームをJ1へ導きたいです」

 ──海外サッカーも観ていますか?
「観ていますけれど、そこまでたくさんではなくて。海外よりもJリーグが多いですね。川崎フロンターレとかアルビレックス新潟は、攻撃が流動的で技術の高い選手がいるので、良く観ます」

──リオネル・メッシの映像は? カタールW杯は観ましたか?
「はい。メッシ選手とモロッコのツィエク選手は、メチャクチャうまいなあと感じました。それからモロッコの試合も観るようにしました」

──世代の近い選手は?
「ガビとかですか?」

──スペインのガビやペドリ、イングランドのベリンガムといった選手でしょうか。
「ガビもペドリも、もちろんうまいなとは思いました。でも、うまいだけじゃ優勝できないんだ、とも感じました。メッシもうまいだけじゃなくて、決勝戦でクロアチアのグバルディオルを抜いていったシーンを観たときに、力強さもあるんだなあと。うまいだけじゃなくて強さも大事だと、あらためて感じました」

──柴山選手も、強さが身についてきているのでは。
「プロ1年目に比べたら、自信はあります」

──デュエルで倒されている印象もありませんし。
「でも、まだまだです」

──ここまでお話を聞いていると、守備面でハードワークをしながらチャンスでしっかりと決めていく、というのがいまのプレーイメージでしょうか。
「はい、チャンスで確実に仕留めないといけないですね。足がフラフラでも決めないといけないですし。相馬(直樹)監督は自分に足りないものを求めてくれて、補ってくれていると感じます」

──具体的にはどんなところを?
「守備とか、走るところです。ユースのときは毎試合と言っていいぐらいに足がつっていましたが、いまはそういうこともなくて。それは相馬さんのトレーニングとか、走ることへの意識とか、食事とかも関係していると思うんですけど、そういうことがうまくいっているから、90分しっかりプレーできる体になってきているのかな、と感じます」

──苦しいなかで仕留めれば、プレータイムも必然的に延びていく。信頼を勝ち取ることにもつながります。
「とにかく結果を残していかなければ。そこは自分にプレッシャーをかけて、意識してやっています」

 

サッカー漬けの日々

 ──食事や睡眠については?
「食事は1年目から意識しています。試合前は玄米から白米に代えて、白米の量を増やしたり。試合後はリカバリーのためにビタミン系をたくさん摂ります。ベリーをスムージーにしたり。睡眠は、メチャクチャ寝ますので、そこは問題ないかなと」

──栄養に関する知識は、自分で勉強しているのですか?
「栄養士さんを付けて、手伝ってもらいながらです。食事は朝、昼、晩とクラブハウスの食堂で食べます。決まったメニューはあるので、写真を撮って栄養士さんに送って、足りない栄養素があったら指摘をしてもらって、寮へ帰ってから自分で補うようにしています」

──寮ではどんな過ごしかたをしていますか?
「寮に帰るのもわりと遅いので、過ごしているという感じは薄いかもしれないですね」

──クラブハウスで過ごす時間が、中心となっているのですね。それでは、一日の流れを教えてもらえますか。
「クラブハウスに朝7時過ぎに来て、朝食を摂って、練習前の準備をして、練習ですね。そのあとに筋トレです」

──筋トレはどれぐらいの頻度で?
「オフ明けに重量も含めてハードにやって、試合の2日前にコアな部分とかステップワークの刺激を入れます。筋トレは去年からやっていて、今年は量も増やしています」

──そういう変化もあるので、いまの体が合っているのか、体に聞いているような段階なのですね。
「はい、そうですね」

──筋トレのあとは?
「昼食を取って、交代浴をして、体のケアをします」

──そのルーティーンはどこで学んだのですか?
「自分で、ですね。交代浴は血流を良くすると言われているので、そのあとにケアをするようにしています。昼寝もします。20分ぐらいするといいと言われているので。夕食を食べて寮に戻るのは、19時半ぐらいですね。寮にも体のケアする道具があるので、それを30分ぐらいします」

──その時点でもう20時です。趣味を楽しむ時間などはない?
「ゲームが好きなので、30分ぐらいだけやります。寝る直前までやると、睡眠に響いちゃうので。22時から22時半にはベッドに入って、翌朝は7時に起きて1分ぐらいで寮を出て、自転車でクラブハウスに行きます」

──当たり前ですが、サッカー漬けの日々ですね。
「僕は心配性と言いますか、自分に自信が持てるタイプではないので、やれることはやっておきたいんです。メンタルもそんなに強くはないので」

──それはちょっと意外です。試合前も緊張したりとか?
「緊張というか……不安です。意外だなって、けっこう言われます」

──ということは、試合ではファーストタッチが大事ですか。そこで乗れるか、乗れないかで変わってくる、とか。
「メチャクチャ大事です(苦笑)。ファーストプレーでしっかりプレーできれば、そのままうまく試合に入っていけます……けど、最近はそこまで意識していないですね。1年目、2年目は、ファーストプレーをすごく意識していました。もちろん、そんな素ぶりは見せなかったですが(苦笑)

 

憧れる立場から憧れられる存在へ

──ところで、今年も背番号は48のままですね。そろそろ変えてもいいのでは、とも思いましたが。
「じつは僕も今年は変えたいなという思いがあって、つけたい番号もあったのですが、叶いませんでした」

──きっとそれは、3年目に賭ける決意の表われだったのでしょうね。さきほどから話している、チームの中心としてプレーするという決意の。
「それぐらいの覚悟を持って、今年は臨もうと思っていました。背番号でプレーを変えるわけじゃないですけど、五輪から逆算をしても、今年はメチャクチャ大事な年なので」

──柴山選手ぐらいの年齢で、海外へ出ている日本人選手もいますし。
「負けていられないと思うし、そういう選手を越えていかないと、この先A代表に入るとかもない。日々刺激をもらっています」

──チームにはアカデミー出身の選手が増えています。そのなかで試合に出ている柴山選手は、後輩たちの視線も意識しているのでは?
2015年のJ2リーグでJ1昇格とJ2優勝を決めた試合を、NACK5スタジアム大宮へ観に行きました。大分を相手に0-2から3-2に逆転した試合です。ピッチに立っている選手に、メチャクチャ憧れました。いまこうして自分がプロになって、そういう存在にならなきゃいけない、と思うんです。そのためにはやっぱり勝つことが一番ですし、それによって自分が勝利に貢献していることを、アカデミーの選手たちにしっかり見せていきたいなと思います。オフシーズンに中学生や高校生の練習に混ぜてもらったのですが、いい選手はたくさんいますし、体の大きい選手もいますし、可能性のある選手が多い。頑張ってほしいですね」

──アカデミーからトップチームへ昇格した選手の系譜を、継承していく立場です。
「自分も(大山)啓輔くんとかのプレーをスタンドから観ていて、いま一緒にやっています。今度は僕が、かつての啓輔くんの立場になることもあると思うんですね。中学生や高校生の練習に混ぜてもらったときには、『あとからやってくるみなさんに追いつかれないように、負けないように自分も頑張る』と伝えました」

──ファン・サポーターへの思いを聞かせてください。
「ホームゲームはもちろんですけど、アウェイの栃木戦でも相手に負けないぐらいの声援で後押しをしてくれました。それは間違いなく自分たちの力になっているので、その声援に応えなきゃいけないと思っています。このチームの勝利に貢献しながら、少しでも上の順位へ持っていけるように。そういう存在にならなきゃいけないと思っているのですが、ファン・サポーターのみなさんに満足してもらえるプレーができていません。ここからホントに、数字にこだわってやっていきたいです」

 

結果を出すために戦いは続く

今回のインタビュー取材後に行なわれた第6節の大分トリニータ戦では、富山の先制点につながるクロスを供給した。1-0で迎えた35分には、自身もシュートチャンスを迎える。ペナルティエリア内左で、フリーでパスを受けた。ワントラップから左足でフィニッシュへ持ち込もうとしたが、帰陣した相手DFにブロックされてしまった。

後半開始直後の追加点で3-0になった59分、泉澤仁と交代した。その瞬間、柴山は天を仰いだ。6試合連続で途中交代となり、得点やアシストを記録できなかった悔しさが、表われた場面だったのだろう。

7節の東京ヴェルディ戦も先発に名を連ねた。

37分、相手の守備ブロックの間で石川から縦パスを引き出す。自ら狙ってもいい場面だったが、富山へのスルーパスを選択する。これがつながらず、シュートに結びつかなかった。

後半開始直後の49分、左サイドの茂木のクロスに反応し、至近距離から右足のボレーシュートを放つ。待ち望んだシーズン初ゴールかと思われたが、惜しくも右ポストに弾かれた。

0-0で推移する58分には、得意の左足を振り抜く。相手選手ふたりがコースを消してくるなかで、ペナルティエリア外からゴールを狙った。この一撃は、GKの正面を突く。

チームは65分に失点を喫し、柴山は直後の66分にベンチへ下がった。試合後の取材エリアで足を止めた柴山は、0-1で敗れた一戦を悔しそうに振り返った。

──前半、石川(俊輝)選手からうまくボールを引き出した場面がありました。自分でもシュートへ持ち込めそうでしたが。
「トミくん(富山貴光)を見ちゃいました」

──アンジェロッティ選手が不在でした。その影響は?
「アンジェがいなかったからということは、自分的にはそこまで感じなかったです。前線ではトミくんが体を張ってくれていましたし、最後のクロスの精度とか、自分がポストに当てたところとか、そういうところに差があったのかなと思います」

──ディフェンスでハードワークしながら、攻撃へ出ていく展開でした。
「ヴェルディは守備で一人でも手を抜くと、そこを突いてくるチームです。個人としてもチームとしても、守備でやりたいことはできた印象です。おかにー(岡庭)ともコミュニケーションをとって、ボランチとの距離感も見て、しっかり守備にいけていたと思います。最後の最後でやられてしまったのが、もったいなかったです」

──ピッチに足を取られる選手が多かったですが、滑りやすかったのでしょうか?
「メチャクチャ滑りやすかったです。僕もFKを蹴った場面で滑ってしまって、あらかじめ確認しておけばよかったんですけど、芝生が緩くて(スパイクのポイントが)刺さらない感じでした。下が安定していなかったです。何度か芝生に足を取られてしまいました」

──岡庭選手を使う場面と、自ら突破を仕掛ける場面のバランスについては?
「相手も自分が持ったときに『左、左』と声がかかっていました。なので、最初はシンプルにおかにーを使って、相手の視線を自分のドリブルからそらせてから、自分で仕掛けるようにした、という感じです」

──後半開始直後には、決定機を迎えました。
GKの腿のあたりに当たって、そのあとポストに当たりました」

──利き足ではない右足で、しっかりと合わせましたが。
「もうちょい、ですね……。左サイドの(茂木)力也くんのボールは、ファーサイドの自分のほうへ向かってくる軌道だったので、自分のところへ来ると信じて入っていきました。ちょっと角度がなくて、ファーサイド右足で狙うと逸れていくかなと思ったので、ニアの一番取りにくいコースを狙いました」

──あとは決め切るだけですが。
「そこは、いまの自分に一番足りないところです」

 

7節終了時点で、全試合に先発しているのは柴山を含め6人だ。チームに欠かせない一人となっているのは間違いない。

あとは、結果を残せるか。チームの勝利につながる得点やアシストを決められるかだ。

柴山のさらなる成長が、大宮の可能性を拡げていく。


戸塚 啓(とつか けい)
1991年から1998年までサッカー専門誌の編集部に所属し、同年途中よりフリーライターとして活動。2002年から大宮アルディージャのオフィシャルライターを務める。取材規制のあった2011年の北朝鮮戦などを除き、1990年4月から日本代表の国際Aマッチの取材を続けている。

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