【聞きたい放題】貫真郷×山崎倫 アカデミー出身同期対談

選手やスタッフにピッチ内外に関わらず様々な質問をしていく本コーナー。今回はアカデミー出身の同期で、プロ2年目の貫真郷 選手と山崎倫 選手に、二人の関係性や今シーズンのプレーについて話を聞きました。

聞き手=粕川 哲男

初対戦は小学生。お互いの印象は?


――お互いの存在を最初に知ったのは、小学生時代ですか?
「はい」

山崎「俺はレジスタFCにいて、貫は大宮のジュニア。小5くらいじゃない?

「そうだね」

山崎5年の新人戦で試合したよね」

「したした。だから、5年の終わりかな」

――当時の選手としての印象は?
山崎6年のころ、貫はキャプテン……だよね?

「うん、キャプテンだった」

山崎CBFWだったので、ちょくちょくマッチアップすることがあって、貫は当時からデカくて、すごく嫌でしたね。大宮は強かったので試合をするのも嫌でしたし、特に貫は苦手だなと思っていました」

「倫は5年のころから上の代の試合に出て活躍していたので、すごい選手だということは知っていました。試合をしたときも結構決められたりしたし。『倫にだけやらせなければいい』って監督から言われてたくらいスーパーな選手でした」

――実際に話をしたのは、大宮U18でチームメートになってからですか?
山崎「そうですね。それまでは、全然話してないよね?

「話してない。僕は、トレセンとかにも行ってなかったので……」

山崎「そうだね。いなかったわ」

「ちゃんと話したのは高校になってからです」

――中学時代は貫選手が大宮のJr.ユースで、山崎選手がFC東京U-15深川。どちらも関東1部で同じリーグでしたよね。
「結構やったよね。倫はドリブラーで嫌な選手でした。倫のところから失点した試合もあったので、相手にいると嫌な選手っていうのは、ずっと思ってました」

山崎「当時は11番でしたね」

「深川は強くてうまい選手がそろっていたので、試合をしたくなかった」

山崎「それで、中2の終わりにFCコンソルテに移りました」

「移籍したのは噂で聞いていました。でも、試合はしなかったね」

U18で初めてチームメートに

――U18で一緒になった際の第一印象は?
山崎「え~、覚えてないです。覚えてる?

「まったく記憶にない」

山崎「寮での団体生活なので、誰か一人じゃなく全員と仲良くなる感じでした」

「うん」

山崎「外部から入ったのは3人だけ。最初はそこで固まることが多かったですね。でも、小学生のころから知ってる選手ばっかりだったので知り合い感覚っていうか。自分としてはうまく溶け込めたかなって。緊張はしましたけどね」

「実際に入る前に、何回か練習参加してるっていうのは聞いていました。でも、本当に来るとは思わなかったので、驚きましたね」

山崎「一緒にプレーした印象は同じ。デカくて速い。それまでずっとライバルだったので、仲間になれたので心強かったです。一つ上の代も知ってる選手ばかりで、すごく強かったので、一緒にプレーできるうれしさ、ワクワク感が強かったですね」

「ふ~ん」

――やっているサッカーの違いを感じるようなことは?
山崎「意外とそこまで感じないよね?

「うん」

山崎「レジスタとか深川でも球際は激しかったし、ある程度は蹴って個で勝負する感じのサッカーだったので、そこまで違和感はなかったですね。最初、大宮はとにかくつなぐイメージだったんですけど、もちろんFC東京よりはつなぎますけど、個で勝負することも多いんだなって思いました。だから、ドリブラーが生まれるんじゃないですかね」

「当時、僕は右SB、倫が左の前でやることが多かったんですが、一人で打開してくれることが多かったので、すごく助かりました。得点を決めてくれるし、攻撃の起点はずっと倫だったので、一緒にやって頼もしいと思っていました」

朝が苦手な貫と、じつはふざけたい山崎 

――高校時代から長い時間を一緒に過ごしてきたからこそ知っている、ピッチ外の部分、それぞれのキャラクターを教えてください。
山崎「貫は、とにかく明るい。あと、かっこいい(公式サイトのQAにも掲載)

(山崎を指さしながら)ふざけて答えてるんですよ」

山崎「まったく悪い印象はないです。あっ、朝が異様に弱い」

「朝弱いのは……昔からずっとなんです。起きれるんですけど、頭が回らない。いまは強制的に部屋から出て、クラブハウスに来てるんで大丈夫ですけど、しっかり温まるまで1時間くらいはかかると思います」

山崎「いまもヒドいですよ。ほんとに機嫌悪い。リアクションは取るけど、ほぼ取ってないです」

「倫は、いろいろあります()。基本は優しくて常識もあるけど、抜けてる部分も多い。そういうところを含めて全部面白い。天然ではなく、なんだろうな、一日中ふざけないといられないタイプ。真面目なのはサッカーのときくらいです。だから、最初に接する人は真面目なやつと感じると思うんですけど、親しい人には素を出してくる。素を気づかれにくいタイプだと思います」

山崎()。そうだね」

――プロになってからも、オフのときは一緒に過ごすことが多いんですか?
「ご飯に行くことは多いですね」

山崎「二人のときもありますけど、だいたい(同期の若林)学歩と3人で一緒に。あとは、カラオケとか。3人とも全然歌いますよ」

「流行りの曲ですね。いまは……誰だろう」

山崎「いま流行ってる曲のトップ50とかあるので、そこから探して歌う感じですね。俺は尾崎豊とか歌いますけど。『Forget-me-not』とか。親の影響ですね。貫は全体的にうまい。3人とも盛り上げる曲、しっとり聴かせる曲、どっちもいけるよね?

「うん。あと、ボウリングとか」

山崎「行くね」

「スコアは日によって波があるので……。でも、最高は230くらいですね」

山崎「俺は255。パワー系じゃなく、曲げるタイプです。あのときはすごかった」

憧れのプロとして。それぞれの自己評価

――プロ1年目だった昨季、それぞれ自身のパフォーマンスをどう評価していますか?
山崎「俺は最後のほうにちょっと試合に出たんですけど、それまでケガがあったので、本当に苦しい1年間でした。ケガに苦しめられた1年というか……。もちろん全然納得してないですけど、成長できた1年目だったとは思います」

「チャンスをつかみ切れなかった。そこに尽きる感じです。本当に悔しい1年でした。最初はスピード感とかコミュニケーションの量とか、そういう部分に慣れなくて、ミスが多かった。だけど、サッカー自体はU18のころと変わらない部分も多かったので、スムーズに入れました。最初にビックリした運動量の違いも、やっていくうちに慣れた感じです」

山崎「プロの選手とマッチアップして思ったのは、駆け引きのうまさですね。U18ではこっちが主導権を握ってどんどんしかけることができましたけど、そういう面のうまさは違うと感じました。自分のやりたいことができなくて、良さを消されちゃう感じで……。ただ、その感覚をトップレベルの実戦で体験できたことに、意味があったと思います」

――2年目の今季、ここまでの個人の出来をどう評価していますか?
山崎「もう全然良くないですね。ここまで自分が思うようなプレーは何もできてないし、まったく納得していません。(17節のベガルタ仙台戦で)1点取れたのはうれしかったですけど、チームを勝たせることはできなかったし、あのヘディングの前にも、決めなきゃいけないシーンがありました。あのへんを決め切らないと……。やっぱり、若手ってことで見方が厳しいというか、プレーが軽いと思われがちなところがあるので。だからこそ、しっかり数字にこだわることが大事になる。まだアシストもできていないので、まったく足りない。もっと結果にこだわっていかないとまずい、と感じています」

「失点に絡んじゃう場面が多かったし、数字もアシストもないので、思うような結果は全然残せていません。ただ、取り返す時間はあると思うので、結果と内容を良くするためしっかりやっていきたいと思っています」

――プロの世界は結果のみで評価される、その厳しさを感じる部分はありますか?
「はい。(15)ファジアーノ岡山戦の失点は完全に準備不足でした。準備が一番大事というのは監督からも言われていることで、戻る位置とか、すぐに直せるところはたくさんあるので、そこを変えていかないとって危機感はあります。攻撃に関しては、ビルドアップの部分で違いを見せられると思うので、そこの精度を上げていければと思います」

山崎「一つのプレーで評価がガラリと変わる厳しさは感じています。いくら良いプレーを見せていても、一つのミスでスタメンを外されることもあれば、その逆もある。だから、まだ焦ってはいないですけど、全然足りていない。前の選手が生き残っていくには数字を残すしかないので。もっともっとゴールとかアシストにこだわっていきます」

――ゴールを決めた仙台戦後の取材対応は見事でした。人と話すのは得意なんですか?
山崎「いや、まったく得意じゃないです()。インタビューとか苦手だし。俺、そんな人と話さないよね?

「俺らと一緒にいるときは話しますけど……」

山崎「踏み込んだ関係以外の人に、自分から話すことはないですね」

「そうだね」

アカデミー出身としての意地と責任

――アカデミー出身の選手は期待が大きい反面、結果が出ていない状況ではいろいろな声も聞かれます。
山崎「試合に絡む以上、結果を残さないと批判されるのは当然だと思います。だけど……戦っていないわけじゃないと思うので……。『甘いんじゃないか』という声を消すくらい、俺たちが突き上げていければと思います」

「とにかく、結果を出すしかない。いまU18にいる選手全員がトップ昇格を希望するチームにしないといけないし、それを最も実現できるのはアカデミー上がりの自分たちだと思うので、結果を出して、育成重視の方向性の正しさを証明したいです」

山崎U18の後輩とか、アカデミーでサッカーをしている子どもたちに希望を与えられる選手、チームになっていくためには、俺たちアカデミー上がりの選手が見本にならないといけない。もっともっと頑張ります」

――最後にファン・サポーターへのメッセージ、今後へ向けた意気込みをお願いします。
山崎「ここまで勝てない中でも、毎試合毎試合応援してくださるファン・サポーターの皆さんには感謝しかありません。試合に入るとき、あの応援を聞いて緊張が解けることがあるので、本当に一緒に戦ってくれている仲間という意識です。だからなおさら、期待に応えられるように頑張らないといけない。いまは、結果で応えられていない申し訳なさでいっぱいです」

1試合でも多く結果を残したいです。試合に負けたあとも、スタジアムを周るときに温かい声をかけてくださる方が多いので、そういった方々に笑顔で帰ってもらえるよう、目の前の試合に全力を尽くすことを約束します。だから、僕たちを信じて、引き続き熱いサポートをしてもらえたらうれしいです」

山崎「まだ巻き返すチャンスがあると思っています。大事なのは、自分のことではなくてチームのこと。チームを勝たせるための準備だと思うので、メンバー外でもできることはある。自分自身もっともっと成長しながら、チームの勝利に貢献できればと思います」

「自分が試合に出て勝つのが一番ですけど、一人ひとりが変わればチームも変われると思うので、前向きな気持ちでやり続けること。チームの結果と個人の数字、どちらも大切にしながら、1試合でも多く勝点を積み上げられるように頑張りたいです」


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