選手やスタッフにピッチ内外に関わらず様々な質問をしていく本コーナー。今回は嵐山町×大宮アルディージャのコラボ企画! 嵐山町PR大使の黒川淳史選手に、嵐山町のお気に入りのスポットで町の魅力を紹介してもらいました。
聞き手=粕川 哲男
「嵐山町は少しでも時間ができると帰ってきたくなる場所」
高校卒業まで嵐山町で育つ
――埼玉県比企郡嵐山町(らんざんまち)には、いつまで住んでいたんですか?
「小学校、中学校は嵐山町の学校に通って、高校進学と同じタイミングで大宮の寮に入りました。でも、週末はだいたい実家に帰っていましたね。当時の大宮ユースには、次の日に学校がない日は実家に帰って家族と過ごすという制度があったので、高校まで、ずっとこの町で育った感覚です」
――実家の周りの雰囲気は?
「嵐山町の中では、どちらかと言うと住宅街ですかね。駅からわりと近いので」
――今は小学校が3つ、中学校は2つあるそうですね。
「そうです。小学校は実家から歩いて行ける志賀小に、中学校は自転車で玉ノ岡中に通ってました。小池純輝くん(東京ヴェルディ)が通っていたのが、もう一つの菅谷中学校です。高校は志木にある大宮の寮から、川を挟んで反対側にある浦和北に行っていました」
――嵐山町の風景といって思い出すのは?
「いろいろありますけど、パッと思い浮かぶのは、やっぱり自然ですかね。僕は家の中で遊ぶより、夏はみんなで川に行ったり、空き地でトカゲを捕まえたり、小学校の休み時間にはスズメバチがとまっている木の下でクワガタを探したりしているような子供だったので。それこそ玉ノ岡中は杉山城跡の一角にあって、学校の裏が城跡になってるんですよ。歴史を感じるそんな場所で清掃活動などをしていました。子供のころに自然の中で過ごした思い出は、本当に数え切れないくらいあります」
――幼稚園のころにサッカーを始めて、最初は嵐山町サッカースポーツ少年団に入り、すぐ江南南サッカー少年団に移ったそうですね。練習は車の送迎で?
「そうです。(江南南のある)熊谷は隣の市なので、平日3回。土日の試合も送ってもらっていました。ただ、チームの練習が終わったあと、お父さんが迎えに来てくれて、そこから兄と一緒に練習してたのは嵐山の公園でした。夜遅くから朝まで練習した記憶もあるので、嵐山の公園でボールを蹴っていたことが、子供のころのサッカーを思い出すと、強く印象に残っています」
黒川選手の思い出の場所は?
――これから行く嵐山渓谷は、お馴染みの場所ですか?
「ユースのとき、たまたま嵐山に祖父母の家がある友達が一人いたので、夏休みに時間があるとき、友達みんなで自転車に乗って行っていました。夏はもう、河原が人であふれ返ってます。バーベキューをしたり、川遊びをしたり。みんな高校を卒業して夏になると、それぞれの友達と来ているみたいなんですよ。俺の許可を得ずに(笑)。そこはやっぱり、話を通してもらわないと困るんですけどね(笑)」
――地元で思い出に残っている場所は?
「ジャンルによっていろいろありますけど、『Hair Salon Ando』は外せませんね。お兄ちゃんの同級生のご両親のお店で、僕は中学生のころからずっとそこで散髪しています。実は今日も、このあと散髪に行こうと思ってるんですよ。あと……塾は駅前の『むさし塾』に通っていました。中学校のころとか、オフの日はけっこう塾で勉強していたんですよ」
――ここは押さえておいたほうがいいという嵐山町の良いところを教えてください。
「辛モツ焼そばが美味しいです。嵐山町が誇るB級グルメなので、ぜひ食べてみてください。ほかにも一年中いろいろなイベントをやってます。6月にはラベンダーまつり、8月には夏まつりもあるし、これからの時期は紅葉まつりですね。今年の紅葉まつりは、11月25日(土)と26日(日)の2日間。嵐山渓谷バーベキュー場が会場で、綺麗な紅葉はもちろん、ご当地グルメも楽しめます。僕は紅葉の時期じゃなくても、嵐山渓谷には本当によく来ています。散歩道があるので、ウォーキングしてる方とかいて、すごく気持ちいい時間を過ごせる場所なんです。ここの河原の景色が京都の嵐山に似ているのが、町の名前の由来だそうです」
嵐山渓谷の魅力をPR
(嵐山渓谷バーベキュー場に移動)
――景色がすごく綺麗ですね。
「この先にある飛び石は、少し前まで自分にとって特別な、とっておきの場所だったんですけど、最近はSNSで有名になっちゃって……。当時は誰もいなかったので、一人で来て、川を眺めながら1時間ぐらいボーっとしてるようなこともありました」
――渓谷の脇にある『フクロウの森』も、行きつけの場所だとか。
「自然を楽しめるバーベキュー場で、カフェやドッグランもあります。今年の夏も(袴田)裕太郎くんの家族と一緒に来ました。とにかくのんびりできるし、いろいろな食事が楽しめるし、今年の夏に新しくできたカフェの、富士山の天然氷を使ったかき氷は最高です」
――夏は、みんなここで泳ぐわけですよね?
「もちろん! しかも、膝下くらいの深さなので、小さい子たちも安心して楽しめるところがいいんです。バーベキューは河原で自由にできるので、みんなテントを建てて楽しんでいます」
――それにしてもすばらしい自然ですね。
「夏はホタルがいますし、国蝶のオオムラサキが飛んでいる『オオムサラキの森』もあります。あそこも、すごくいいところです。小学校のときは学校の活動でオオムラサキを孵化させて、育てて、最後みんなで羽ばたかせるってこともしていました。オオムラサキは、嵐山町のシンボルですね」
僕にはやっぱり嵐山町が合っている
――そう言えば、今年の4月からPR大使も務めているんですよね。
「もともと小池純輝くんが第1号のPR大使で、『一緒にやろう』と声をかけてもらって、第2号の大使に任命していただきました。仕事は、嵐山町の良いところを自由に紹介する感じですね。シーズンオフには学校のPTA行事で、講演をする計画を立てています」
――そのTシャツを着ているだけで、十分アピールになっています(笑)。
「ふふふ……。PR大使の委嘱式のときにプレゼントしてもらいました。けっこう評判が良くて。残念ながら嵐山町内では完売しちゃったみたいですけど」
――この町で生まれ育って、高校以降は志木、大宮、磐田、町田と、いろいろな町に住んだかと思います。外に出ることであらためて感じた、嵐山町の良さを教えてください。
「少しでも時間ができると帰ってきたくなる場所……ですかね。実際に住んだどの町にもすばらしい環境、すばらしい自然がありましたが、僕にはやっぱり嵐山町が合ってるというか。この町に帰ってきて家族に会ったり、自然に触れたりすると、気持ちをリセットして、リフレッシュできるんですよね。原点に立ち返るというか、この町の空気を吸って、風に当たって、匂いを嗅ぐと、ものすごくエネルギーをもらえる。すべての人にとってそうだと思いますが、故郷ってそういう場所じゃないでしょうか」
――ちなみに、奥さんのご出身は?
「浦和の人です。自然が好きなので、嵐山町に来ると、すごく喜んでいます。あと犬も2匹飼っていて、どちらも川が好きなので、今年この渓谷に連れてきたときは、興奮しまくっていました(笑)」
――続いて、東武東上本線「武蔵嵐山駅」西口にある嵐山町ステーションプラザ『嵐なび』に来ました。ここでは観光案内を受けられるだけでなく、嵐山町の特産品を買うこともできるんですね。
「そうなんです。ここで自転車を借りて嵐山町を楽しむこともできますし、お土産もたくさん売ってます。名所を写したポストカードや嵐山町のマスコットキャラクター『むさし嵐丸』のグッズ、ラベンダー製品、幻の小麦と言われる農林61号を使った肉汁うどんなどが定番です。電車で来る人はもちろん、車の人も、ぜひ立ち寄ってほしい場所です」
――それにしても『むさし嵐丸』は可愛いですね。
「ですよね。ぬいぐるみや指人形など、いろんなグッズがあって僕も使ってます。今回紹介しているのはほんの少しの場所ですけど、嵐山町には一年中楽しめる魅力があって、とてもいいところなので、皆さん一度遊びに来てみてください!」