Jリーグ ディビジョン1 第20節
2014.8.16 [SAT] 19:00 デンカS

新潟

  • 20' 成岡 翔
  • 88' 鈴木 武蔵
2 - 1
1 前半 0
1 後半 1

大宮

  • 61' ムルジャ
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 21 守田 達弥
DF 27 松原 健
DF 4 舞行龍ジェームズ
DF 3 大井 健太郎
DF 2 大野 和成
MF 8 レオ シルバ
MF 6 小林 裕紀
MF 23 山本 康裕
MF 10 田中 亜土夢
87'
FW 18 成岡 翔
71'
FW 16 岡本 英也
70'

控えメンバー

GK 1 黒河 貴矢
DF 17 宋 株熏
DF 24 川口 尚紀
MF 25 小泉 慶
87'
FW 9 田中 達也
FW 28 鈴木 武蔵
70'
FW 30 指宿 洋史
71'

監督

スターティングメンバー

GK 21 江角 浩司
DF 14 中村 北斗
90'
DF 2 菊地 光将
DF 18 横山 知伸
DF 17 高橋 祥平
MF 4 橋本 晃司
72'
MF 22 和田 拓也
MF 41 家長 昭博
MF 28 富山 貴光
46*'
FW 8 ムルジャ
FW 11 ズラタン

控えメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 3 福田 俊介
MF 10 渡邉 大剛
90'
MF 13 チョ ウォニ
MF 38 増田 誓志
72'
MF 39 泉澤 仁
46*'
FW 32 長谷川 悠

監督

試合詳細
13 シュート 5
9 GK 12
8 CK 7
13 直接FK 12
2 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

池内 明彦

副審

名木 利幸

副審

亀川 哲弘

第4の審判員

篠藤 巧

入場者数

26,949人

天候

曇、無風

ピッチ状態

全面良芝、乾燥

気温/湿度

25.9℃/86%
後半に泉澤が躍動して主導権を握るも、勝点には届かず
苦しい時期は、どんなチームにも必ずやって来る。思うように歯車が噛み合わず、試合を重ねても結果が出ない。戸惑い、消極的になり、本来の姿から遠ざかってしまう……。そんな日々を打ち破るための特効薬は勝利しかない。選手たちは勝点3を手にすることで自信を取り戻し、前を向き、大胆に進んでいける。「一つの勝利ですべてが好転する」と断言するのは、絶対的な柱の一人となりつつある新戦力のムルジャだ。

対戦相手の新潟も苦しんでいる。ここ5試合で1勝4敗。ゴールを奪えず僅差で敗れる試合が続き、アルディージャと同じく中断期間明けは勝点3を得るに留まっている。5月のホームゲーム、6月のヤマザキナビスコカップともに引分け。力の差はない。アルディージャとしては6試合ぶりとなる先制点を奪い、自分たちのリズムで試合を進めたい。苦境を打破すべく、選手たちは19時4分キックオフのアウェイゲームに挑んだ。

序盤は両チームともに慎重な姿勢が目立ち、ゴール前までなかなかボールを運べない。好機を作り出せないなか、アルディージャでは3試合ぶりに戦列復帰した菊地が軸となる最終ラインの堅守、前線に張るムルジャの果敢なスライディング、対峙した相手をゴールライン近くまで追い詰める家長の執拗なディフェンスが光った。

しかし、落ち着いた立ち上がりを過ぎて迎えた20分、アルディージャはまたもセットプレーから先制点を押し込まれてしまう。小林のコーナーキック、山本の折り返し、舞行龍のオーバーヘッド、それに反応した成岡の嗅覚と、全てが上手く重なったゴールだったとはいえ、十分に警戒していたなかでの痛恨の失点だった。

中断期間明けから6戦連続で相手を追いかける展開となったアルディージャは、流れに乗れない。新潟にポゼッションを許し、押し込まれる時間帯が続く。41分には左サイドを突破されて、小林、田中のコンビネーションから決定機を作られた。その後も何度かゴールを迫られ、江角がボールに触れる回数が多くなる。攻撃では橋本の右足から放たれるセットプレーから新潟のゴールに近づくが、フィニッシュには至らない。ムルジャ、ズラタンの2トップも沈黙。公式記録に記された前半のシュート数は2本だった。

大熊監督はハーフタイムに動く。富山に代えて泉澤を投入。緩急のあるドリブル突破が持ち味の大卒ルーキーに状況を変える役目を託した。そんな思惑通り、泉澤が続けてチャンスを演出する。まずはペナルティエリア内でボールをキープし、走り込んだ橋本にラストパス。さらに左サイドを突破して鋭いクロスを送り、高橋のシュートにつなげた。守田のセーブ、そして、わずかなタイミングのズレから同点ゴールは生まれなかったが、とことん勝負を仕掛ける泉澤の積極性が、チーム全体を後押しした。

すると61分、待望の同点ゴールが生まれる。家長のロングパスを受けた泉澤が左サイドで一気にスピードアップ。巧みに身体を入れ替えてマーカーを置き去りにし、ゴールライン付近までえぐり、絶妙なラストパス。ゴール前で待ち構えていたムルジャが冷静に左足で合わせ、歓喜のゴールを流し込んだ。アウェイまで詰め掛けたアルディージャサポーターの声援が大きくなり、自陣のゴール前では江角がファインセーブを連発。逆転への期待は増していった。

終盤、前線2枚を入れ替えて2点目を奪いにくる新潟に対し、アルディージャは粘り強く戦った。相手のセットプレーの際は全員が自陣に引いて身体を張り、ボールを奪えば素早いカウンターを展開。とりわけ泉澤のドリブルは鋭く、家長、ムルジャ、ズラタンとのコンビネーションで追加点の気配を漂わせた。

中盤を省略するような展開のなか、ゴール前で見応えのある攻防が続く。指宿の決定的ボレーを江角がセーブし、中村、ズラタンの組み立てに走り込んだ家長がゴールに迫る。ところが88分、混戦から鈴木に追加点を決められてしまう。それでもアルディージャの選手たちは懸命に戦い続けたが、再び追いつく時間は残されていなかった。

泉澤を起用し、「攻守のバランスを考えて」(大熊監督)トップ下に家長、2列目の右サイドにズラタンを配置した後半、アルディージャは完全に試合の主導権を握った。何度か決定機を作り、新潟をあと一歩まで追い詰めた。しかし最終的に、いま最も必要な勝点を手に入れることはできなかった。「自分が前へ出る、出ない判断を含めて、またしてもセットプレーから失点したことが悔しい。」とは江角。自らも追加点を決められなかった橋本は、「惜しいで終わっちゃいけない。とにかく勝ちたい」と悔しさを露わにした。

セットプレーからの失点という課題は残ったものの、後半の戦いぶりには希望が見えた。ただし残り試合は多くない。じっくり戦術を熟成させる余裕はない。まずは、ここ6戦で勝点3という現実に危機感を抱き、とことん結果にこだわらなければいけない。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 大熊 清
新潟相手にアウェイということで、苦しい試合になることは想定していましたが、(先制され)後半に向けて、気持ちを入れ直して役割を変えようと思っていたので、前半をどうにか0-1で耐えなければと思っていました。後半は自分たちのリズムで出来ていたと思いますが、お互い最低限の(攻守の)バランスを堅持しながら、勝点1ではなく3を目指していたので、チャンスはあるとは思っていましたが、決定的な場面が作れている中、キーパーとの1対1を外す場面があったので、勝利を手繰りよせる、点を取って試合を決めきることが出来なかったのは残念でした。ディフェンスラインの裏にも結構出ていましたし、気持ち的にも粘りがあったので、どうしても勝利をサポーターとともに勝ち取りたかったのですが、非常に残念な試合になってしまったと思います。後半はバランスも良かったので、しっかり準備をし続けていくことが大事だと思います。

Q:後半開始に泉澤選手を入れたときに、並びと役割を変えた意図は?
中盤の力がJ1で突出してある訳ではないので、役割を変えないと(中盤と)ムルジャとの距離感が遠くなってしまい長いパスが多くなってしまうので、前半から変えることも考えていました。(後半は)変えたことによって攻守の距離感もよかったと思いますし、守備も安定してきたと思います。J1なので個でやられ、何回かチャンスを作られていましたので、攻撃面だけでなく攻守の距離を縮めることも必要と思い並びを考えました。
選手コメント
MF 4 橋本 晃司
前半は相手のプレスが厳しくてはまってしまい、なかなか攻撃ができませんでしたが、後半はチャンスは作れていたので決めてれば、と言っても仕方ないのですが、(チャンスで)決めないと相手にチャンスが行ってしまうので、それに尽きると思います。

Q:新潟と対戦するにあたって意識した点は?
守備が前からくるというのが分かっていたので、相手の網にかからないようにと皆で話していましたが、前半は引っかかる場面が多かったです。後半は割と自分たちの時間も増えてチャンスも作れていました。とにかく先に失点することだけはやめようと話していたのですが、またセットプレーでやられてしまったので、相手との勝点の差も開きますし、いいかげんその部分をしっかり直していかなくてはいけないと思っています。

Q:失点は残念でしたが、後半はシステムも変更してから攻撃が活性化されたと思いますが?
後半はずっと攻めていて個人的にもチャンスが2つあったので、そこを決めきれず、(決めていれば)逆転できた流れだったので悔しいですし、そこを決めきらなければ(試合を)落としてしまうということを改めて痛感しています。

Q:次の試合は来週水曜日が天皇杯の湘南戦、土曜日はJ1リーグ戦の鳥栖戦となります。どのように取り組んでいきますか?
公式戦で勝つということから遠ざかっているので、リーグ戦ではありませんが、また難しい相手ですが、しっかりと勝ってリーグ戦に繋げていくことが大切だと思います。
MF 39 泉澤仁
0対1で負けていたので、とにかく点を取りにいこうという気持ちで試合に臨みました。

Q:大熊監督からどのような指示を受けて入りましたか
裏を狙うことやドリブルなどの仕掛けの部分を増やしていけと言われていました。

Q:泉澤選手が出場してから攻撃が活性化されたと感じましたがいかがですか
(チームで)1点しか取れなかったので、2点、3点と取れていたら納得できましたけど、悔しい結果になってしまいました。

Q:家長選手と崩していくシーンが見られましたね
アキさん(家長選手)はボールを失わないので、アキさんに預けておけば何かが起こるので、信頼してパスを出していました。

Q:泉澤選手の得意なドリブルが見られました。今日の試合は自信になりましたか
(試合に)勝っていませんが、少しずつJリーグに慣れてきたところもあるので、もっと慣れていって早く大宮を勝たせたいです。

Q:次の試合は来週水曜日が天皇杯の湘南戦、土曜日はJ1リーグ戦の鳥栖戦となります。どのように取り組んでいきますか?
天皇杯は優勝を狙えるチャンスがあるので優勝を目標にやっていきたいと思います。リーグ戦の方は鳥栖の方がいい順位ですし、強いと思うのですが、負けないように頑張って、絶対勝ちます。
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