Jリーグ ディビジョン1 第27節
2014.10.5 [SUN] 17:00 中銀スタ

甲府

0 - 1
0 前半 0
0 後半 1

大宮

  • 51' ズラタン
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 荻 晃太
DF 26 青山 直晃
DF 4 山本 英臣
DF 6 佐々木 翔
MF 11 ジウシーニョ
76'
MF 30 保坂 一成
67'
MF 8 新井 涼平
MF 27 阿部 翔平
FW 15 河本 明人
46*'
FW 9 阿部 拓馬
FW 10 クリスティアーノ

控えメンバー

GK 22 岡 大生
DF 35 畑尾 大翔
MF 16 松橋 優
MF 23 稲垣 祥
MF 29 水野 晃樹
76'
FW 7 石原 克哉
67'
FW 20 キリノ
46*'

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 18 横山 知伸
DF 17 高橋 祥平
DF 22 和田 拓也
MF 5 カルリーニョス
78'
MF 23 金澤 慎
MF 39 泉澤 仁
90+1'
MF 41 家長 昭博
FW 28 富山 貴光
FW 11 ズラタン
85'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 3 福田 俊介
90+1'
DF 34 片岡 洋介
MF 38 増田 誓志
78'
MF 10 渡邉 大剛
MF 4 橋本 晃司
FW 32 長谷川 悠
85'

監督

試合詳細
8 シュート 9
14 GK 8
3 CK 6
16 直接FK 14
1 間接FK 5
0 PK 0
試合データ

主審

飯田 淳平

副審

大塚 晴弘

副審

金井 清一

第4の審判員

山村 将弘

入場者数

5,416人

天候

雨、弱風

ピッチ状態

全面良芝、水含み

気温/湿度

16.9℃/89%
堅い守備とズラタンの2試合連続ゴールで、降格圏を脱出する。
誰もが、この一戦の重みを感じていたはずだ。
 
J1残留争いのライバルと言っていい甲府との直接対決。難しいアウェイゲームとなるが、勝点3差で13位につける甲府に勝てば、降格圏脱出も見えてくる。直前の試合で17位の清水が14位のC大阪を下したことで、生き残りを懸けた戦いはより一層混沌としてきた。熾烈なサバイバルレースから抜け出すために、必ず勝点3を持ち帰りたい。
 
試合開始が近づくにつれて、降りしきる雨が激しさを増す。それでもアルディージャをサポートするファン・サポーターの熱量は下がらない。その身を雨に晒しながらも声援を送り続ける彼らのためにも、いつも以上に闘志溢れる姿を見せたい。34試合中の1試合には留まらない注目の一戦は、富山のボールタッチでキックオフした。

前半は、両チームとも決定機を作れないまま時間が過ぎた。アルディージャはボールを支配するものの甲府の守備を崩せない。両サイドも低い位置までポジションを下げて、DFの3人と合わせた5人が自陣を固める甲府の堅守に手を焼いた。なんとか流れをつかもうとする金澤が積極的にミドルを放つが、GK荻を脅かすことはできない。
 
とはいえ、ピンチもなかった。ロングボールでクリスティアーノの速さを生かす甲府の攻撃に対して、横山、高橋の両センターバック、さらにはボランチの金澤が対応。GK北野の見せ場はバックパスを処理する程度で、セービングを見せる機会はなかった。
 
30分を過ぎると、さらに雨脚が強くなる。良質なピッチに水たまりは見当たらないが、過酷な条件のなかで試合が進む。泉澤が左サイドを突破し、富山が正確なポストプレーで起点を作り、家長が巧みなボールタッチでアクセントをつける。だが、スコアは動かない。ともに無得点のままハーフタイムに突入した。

「立ち上がり、絶対にやらせない意識を持つこと。絶対に勝って帰ろう」
 
そうやって渋谷監督に送り出された後半開始早々、試合が動く。50分、北野のファインセーブでピンチを凌いだアルディージャは、その直後、泉澤とのコンビネーションから家長がゴール前へ正確なクロスを上げる。そこへ走り込んだのはズラタン。軽快なジャンプからGKの眼前でボールを押し込み、待望の先制点となってネットを揺らした。
 
リードを奪ったアルディージャは、さらにたたみ掛ける。泉澤が絶妙なループシュートを放ち、和田のセンタリングに反応したズラタンがヘッドで荻を強襲。追加点の気配が色濃くなる。統率の取れた守備で甲府の攻撃を封じた65分には、今井の縦パスを金澤が頭でつなぎ、最終ラインの裏へ飛び出したズラタンがペナルティエリア内へ持ち込む。スライディングを受けて追加点とはならなかったが、アルディージャの攻勢が続いた。
 
終盤、1点を追う甲府は攻撃的な選手を投入して反撃に出てきたが、アルディージャの守備陣は慌てなかった。「声を掛け合って、セーフティーに、シンプルにプレーした」と言う北野を中心に、全員が身体を張ったディフェンスを披露。相手の仕掛けに食らいつき、クロスを跳ね返し、セカンドボールを拾い続けた。途中出場の増田、長谷川、福田も高い集中力を保ち、ゲームバランスをキープ。結局4分のアディショナルタイムにもゴールを守りきり、アルディージャはアウェイで価値ある勝利を手に入れた。

総得点で清水を上回ったアルディージャは、第11節以来となる15位に、順位を上げて降格圏を脱出した。とはいえ、「スタートラインに立っただけ」と言う渋谷監督の言葉のとおり、笑顔を見せる選手は少なかった。一瞬も気の抜けない試合終盤にピッチに立ち、闘志を前面に出したプレーで無失点勝利に貢献した増田は「僕たちはホーム、アウェイに関係なく勝ち続けることでしか残留を手にできない。今日の勝利に本当に価値があったかどうかは、リーグ戦が終わってみないと分かりません。15位になったとはいえ、降格圏を抜けたということは僕たちが一番思っちゃいけないこと」と気持ちを引き締めた。
 
J1リーグ戦は残り7試合――。降格圏を抜けてスタートラインに立ったアルディージャは、必勝を誓って眼の前の一戦一戦に臨む。

(総評:粕川哲男/写真:早草紀子)

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監督コメント
監督 渋谷 洋樹
まずは雨の中、大宮のファン・サポーターの皆さんが1000人、そして甲府のファン・サポーターの皆さんがたくさん来られているということで、この大雨の中でも両チームのファン・サポーターの方が来てくれて、選手たちを後押ししてくれたことに、非常に感謝しています。あと今日会場入りするときにアウェイにも関わらず、ファン・サポーターの方が会場入りに応援しに来てくれて、今この様に厳しい状況で、あの様に応援してくれるということを深く感謝して必ず勝利を納めようということで、選手たちに伝えてグラウンドに立たせました。

試合内容については、甲府さんの5-4-1という非常にしっかりとした守備組織の出来ているチームに対して、ボールを動かされているな、といいますか、(自分たちで)動かしているのではなく、持たされているなという印象で前半が終わりました。なので、我々のペースの様に見えるのですが、あまりチャンスを作れているシーンが無くて、逆にピンチになりそうなシーンが前半からあったので、後半の入り、特にここ何試合か、そこで失点していますので、とにかくそこで点を取られない様、大事にしてということで(後半に入りました)。(得点シーンについては)相手が整う前に、5-4-1を作る前に得点を取れたということは非常に満足しています。ただゲームの中でもう少し落ち着いてボールを動かしたり、あと守備のところでの厳しさというのは、もっともっと高めなければいけないと感じています。ただ、いつもいい準備をしてくれている選手たちが、今日ピッチで、増田選手もそうですが、非常にいい準備をしてくれていて、今日はカルリーニョスに交代という状況で出ましたが、ああいう形で貢献してくれて、あとその他にも左サイドバックで大宮に来てからは特に(左サイドバックの)経験の無い和田拓也選手であるとか、ああいう形でしっかりとチームに貢献してくれたことを非常に感謝しています。本当にいいゲームだったと言えるのかは分かりませんが、勝てたということはこれからスタートかなと思っています。本当にこれからがまた厳しい状況だと思いますが、とにかくいい準備をして、次の一戦に向け、頑張っていきたいと思います。

Q:得点シーンですが、家長選手が左に流れて、泉澤選手と連携という形だと思いますが、ああいう(家長選手の)逆サイドでの展開というのは狙いとしてあったのか?それとも選手が自身で判断したのか?
あの得点シーンは、私のイメージ(記憶)では、セットプレーからか何かの流れだったかと思いますが、新井涼平選手がクリアミスして、それを拾ったという流れだったと思いますが、本当に組織を作られると難しいと思うので、ああいうチャンスを見逃さずにクロスを上げてくれて、そこにズラタンが入ってくれたのは非常に良かったと思います。先ほどから言ってますが、5-4-1を敷かれたときは本当にチャンスが無かったんじゃないかと思うので、ああいうところの狙いという点では良かったかなと思います。

Q:これで15位に浮上しましたが?
まだ7試合ありますので、先ほどもいいましたがスタートラインに立っているんじゃないかなと思います。それ以外は何もありません。

Q:甲府のことは良くご存知な渋谷監督だと思いますが、甲府の攻撃という面ではどのように対策をし、選手に落とし込んだのでしょうか?
この5-4-1というのはデータでも分かる通り、シュートはあまり打たれていない、何処かに引っかかってカウンターをしかけられるという(システムですので)、今日はアタッキングのポジションを少し変化させたので、それで少しケアできたのではないかと思います。それだけです。

Q:今日スターターに富山選手を使ったこと、また交代選手で長谷川選手と最後に福田選手というのは高さという点で甲府対策として意識した点ということはあったのでしょうか?
ズラタンの交代については本人が確か足をつったか何かで、詳しく状況は分かりませんが自分から言ってきたので(交代しました)。ただセットプレーなどありますし、相手はボールを中に入れてくるというもありましたので、福田選手に代えたというだけです。富山選手は今ムルジャ選手がいないということで、先日は橋本選手を使いましたし、今回の富山選手の起用については、色んなゲームで得点を獲っているということですね、練習試合や天皇杯であるとか、得点に関わっているということで、あとは後半、もし何かあったら渡邉大剛選手などを入れて変化させたいとも思ったので、最初に富山選手を使って勢いをつけるというのがありました。
選手コメント
MF 22 和田 拓也
我慢する時間帯がかなり長かったと思います。ズラタンがいいタイミングで(先制点を)取ってくれて、チームとしてもその1点を守り切ると、はっきり意識を皆持っていたので、そういう意味ではよく守り切ることが出来たと思います。

Q:久しぶりの先発出場はいかがでしたか?
チームがずっと勝てていたので、自分としては我慢する時期でしたが、チャンスをもらえて勝つことが出来て良かったです。

Q:左サイドバックでの出場でしたが、意識した所を教えてください。
久しぶりだったので、守備の必要最低限のところをやりつつ、攻撃は(泉澤)仁を上手く活かせればと思ったのですが、少し前半は(泉澤)仁と被ってしまって上手くボールが入らない時間がありましたが、後半は(泉澤)仁が中に入ってくれたので上手く回ったと思います。

Q:無失点で勝てたこともチームにとっては大きいのではないでしょうか?
今までは失点が多かったですし、前線が1点取れば(勝てる)という流れに持っていけるのはチームとしていいことだと思います。

Q:この試合で降格圏脱出となりました。率直な今の気持ちを聞かせてください。
まだ試合が残っているので、勝ち続けれるよう明日からまた練習していきたいと思います。

Q:次の試合までは少し間が空きますが、それまではどのように取り組んでいきたいですか?
まだボールが持てても最後のところの精度だったり、守備もまだ後手に回ってしまうシーンがあるのでそこを突き詰めていきたいです。
GK 1 北野 貴之
甲府はとても守備の強いチームなので、どのように崩すかプランニングしていましたけれど、まずは自分たちも相手の長所である守備を上回るぐらい迫力の持った守備が出来れば必ず勝てると思って(試合に)入りました。

Q:激しい雨が降る中での試合となりましたが、どのようなところを意識しましたか?
非常に高い集中力が必要なピッチグラウンドのコンディションだったので、DFの背後など一つ一つの一瞬の油断が失点につながってしまいます。なので、常に声をかけながら、そしてセーフティに出来るところはチームでセーフティにしてかつシンプルなサッカーを心掛けました。

Q:積極的に前に飛び出していく姿も印象的でした。
非常に裏へのボールが多いチームなので、DFが上げた所のラインのカバーを心掛けてケアが出来たので良かったと思います。

Q:この試合で降格圏脱出となりましたが?
一つスタートラインに立てたということは非常に満足していますが、ここからがこれからの大宮を見せるのにもってこいの相手が続きますので、上位のチームをしっかりと叩き、後半戦から一気に勢いづいて良い順位で締めくくりたいと思います。

Q:次の試合まで少し間が空きますが、それまではどのように取り組んでいきたいですか?
天皇杯からまた連戦が始まるので、良いコンディションを作り、今空いた時こそもっと練習や自分の体のケアをすることが出来るかと思いますので、より逞しくなれるような期間にしたいと思います。
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