Jリーグ ディビジョン1 第31節
2014.11.2 [SUN] 16:00 Eスタ

広島

  • 76' 山岸 智
1 - 1
0 前半 1
1 後半 0

大宮

  • 11' オウンゴール
試合経過
メンバー

スターティングメンバー

GK 1 林 卓人
DF 33 塩谷 司
DF 5 千葉 和彦
DF 4 水本 裕貴
MF 18 柏 好文
MF 6 青山 敏弘
MF 30 柴﨑 晃誠
MF 16 山岸 智
FW 9 石原 直樹
MF 10 髙萩 洋次郎
76'
FW 11 佐藤 寿人
70'

控えメンバー

GK 13 増田 卓也
DF 2 ファン ソッコ
MF 25 茶島 雄介
MF 27 清水 航平
MF 7 森﨑 浩司
76'
MF 24 野津田 岳人
FW 22 皆川 佑介
70'

監督

スターティングメンバー

GK 1 北野 貴之
DF 27 今井 智基
DF 2 菊地 光将
DF 17 高橋 祥平
MF 22 和田 拓也
MF 18 横山 知伸
MF 38 増田 誓志
55'
MF 10 渡邉 大剛
MF 4 橋本 晃司
70'
MF 41 家長 昭博
FW 11 ズラタン
82'

控えメンバー

GK 31 清水 慶記
DF 3 福田 俊介
70'
DF 14 中村 北斗
55'
MF 5 カルリーニョス
MF 39 泉澤 仁
FW 8 ムルジャ
82'
FW 32 長谷川 悠

監督

試合詳細
14 シュート 3
3 GK 16
4 CK 2
12 直接FK 11
3 間接FK 2
0 PK 0
試合データ

主審

山本 雄大

副審

越智 新次

副審

中野 卓

第4の審判員

宮部 範久

入場者数

14,024人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝、水含み

気温/湿度

18.3℃/71%
耐えてつかんだ勝点1は、絶対に生きてくる!
2014年シーズンのJ1リーグ戦も、いよいよ残り4試合となった。リーグ戦は1試合ずつの積み重ねという「線」の争いだが、ここからは目前の1試合という「点」がひときわ重みを持つ。
 
ここ2連敗中のアルディージャは、先発を組み替えてきた。最終ラインを構成するのは、右から今井、菊地、高橋、和田の4人だ。ケガで戦列を離れていた菊地は、22節以来9試合ぶりの出場だ。
 
ダブルボランチは横山と増田で構成され、2列目は右が渡邉、左が橋本だ。2トップは家長とズラタンである。広島の3-4-3のシステムを意識しつつ、攻撃面でも活路を見出す意図が込められた変更だっただろう。
 
J1リーグ戦では4勝3分10敗と負け越しているが、今シーズン15節の記憶は鮮烈だ。前半を0対3で折り返しながら、後半から出場したムルジャがJリーグデビュー戦で2ゴールを叩き出し、ズラタンもネットを揺らして3対3の同点に持ち込んだのだ。
 
敵地エディオンスタジアム広島には、約300人のファン・サポーターが駆けつけている。彼らとともに3試合ぶりの勝利をわかち合うことが、苦境を切り開く推進力となるはずだ。

試合が動いたのは11分だった。前線からの連動したディフェンスが、相手のオウンゴールを誘ったのだ。
 
広島の攻撃は流動性が高いが、アルディージャの守備陣はチャレンジ&カバーを忠実に遂行し、決定的なシーンを作らせない。ボールを奪うエリアが自陣深くになってしまう傾向はあったものの、敵陣に広がる広大なスペースを家長とズラタンが独力で生かすことで、相手の攻撃を抑止することができていた。
 
0対1で迎えた後半開始とともに、自陣に押し込まれる時間が長くなる。それでも、アルディージャに混乱はない。「相手がギアを上げてくるのは想定していたし、そこで耐えれば落ち着くと思っていた。実際に後半開始から15分くらいで落ち着くことができたし、中でしっかりはね返すこともできていた」という渡邊の肌触りは、チーム全体に共通するものだったと理解していい。
 
渋谷監督は55分に増田を下げ、中村を投入する。中村は左サイドバックに入り、和田がボランチへポジションをあげた。
 
70分には橋本が退き、福田が出場する。福田は最終ラインを構成し、システムは5-4-1へ変更された。広島が長身FW皆川を送り込んできたことへの対処である。「4バックではうまくスライドしながら対応していたけど、5バックのほうが頭はすっきりする」と和田が話したように、アルディージャの守備に混乱は見られなかった。両サイドからのクロスをはね返すだけでなく、セカンドボールへのアプローチも悪くなかった。
 
しかし76分、左サイドからのクロスを山岸にヘディングで決められてしまう。
 
82分、渋谷監督が3枚目のカードを切る。前線からのチェイシングを繰り返してきたズラタンを下げ、ムルジャを送り出す。ムルジャは後半アディショナルタイムに右サイドを突破したが、右足のフィニッシュはわずかに枠を捕らえることができなかった。
 
「サイドでは相手に持たせてもいい、中央で跳ね返せばいいという意識があったかもしれない」
 
中村はこう振り返り、和田も「もうちょっとボールにいきたかったけど、相手は食いつかせたあとを狙っていたので、スペースをあけないことを優先した」と話した。ディフェンスのタスクはほぼ遂行されていたが、追加点を奪えなかった歯がゆさと、リードを守りきれなかった悔しさを、試合後の選手たちは胸に抱いていた。
 
2週間の中断期間でチームのやるべきことを整理し、次節のホームゲームに臨みたい。残留争いを演じているチームの立場は、まだ何も決まっていないのだ。
 
だからこそ、選手たちは気持ちの切り替えの重要性を認識している。試合後の彼らは「最後まで粘って勝点1を取れたのは、絶対にプラスになる」と口を揃えたが、それは、渋谷監督が選手たちに伝えた言葉だ。
 
苦境を乗り越える一体感が、アルディージャにはある。

(総評:戸塚啓/写真:早草紀子)

続きを読む

監督コメント
監督 渋谷 洋樹
選手たちは最後まで粘り強く闘ってくれて、勝点1を得てくれたことに感謝しています。また遠く大宮からの多くのファン・サポーターの皆さんが大声援を送っていただいたのに、勝点1しか上げることが出来なくて本当に申し訳ない気持ちで一杯です。今日の試合に関しては、メンバーも少し変えて、守備から入るということを意識して、前半はしっかりと戦えていたと思いますし、あのオウンゴールもいい守備があったからこそ生まれたのだと私は思っています。それに対して後半は相手も少しオーガナイズを変えてきて、前に前にという力に対して最後の局面を体を張って守ったのですが、5-4-1という形にしてからやられた(失点した)ことを私自身悔しく思っています。ただ選手たちは横浜FM戦でも最後逆転されたり、神戸でも逆転されてしまいましたが、(今日の試合で)粘って勝点1を取れたのは、絶対にこの残留争いに対してはプラスになると私自身思っています。この勝点1を次の絶対に最後の3戦に繋げられるようにこれから頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

Q:広島にある程度攻められることは想定されていたと思いますが、実際にほぼ一方的な展開となりましたが、そこまでも想定の範囲内だったのでしょうか?
前半のうちはボールをサイドにもう少し持っていって欲しかったのですが、そこに持っていけていなかったことが、攻撃が出来なかった一つの要因かと思います。それと我々がボールを持っているとき、(ボールの受け手が)立っていて欲しいというところに(ポジションを)取れていなかったので、相手のプレッシャーを受けてしまっていた、というのが私の感想です。広島さんは再開後、ある程度守備ベースでやっていたと思うのですが、我々の方が2連敗していましたので、少し守備を意識して、相手に持たれても前からプレッシャーに行かずに、しっかりと落ち着いた守備をするという点では、予定通りでした。ただ後半はそれでもあれだけゴール前を(ボールが)横切っていたら、どこかで1点入ってしまうと、それを防ぐためにもシステムを変えたのですが、逆にそれで点を取られてしまったのは残念なところです。

Q:守備をベースにするということでやり方を変えたとのことですが、連敗をしていたということも関係していますか?また福田選手投入のタイミングと、意図としては完全に守備に割り切ったということだったのでしょうか?
そうです。あとは広島さんにボールを動かして守備からカウンターというのが効くと思いまして、守備から入りました。福田選手については、相手の皆川選手が入ったので、高さで来るということで入れました。割り切ったというよりは、皆川選手の投入を機に(福田選手に)代えたということで、佐藤寿人選手のままでしたら交代はしていません。人によって代えたということです。

Q:甲府・清水が勝つという結果となり、勝点1は取りながらも厳しい状況は続くという中で、これからのJ1残留に向けての意気込みをお願いします。
甲府さんが勝ったというのは聞いていましたが、清水さんが勝ったというのは今知りました。横浜FMさんに負けた試合、あれは勝点3を獲るべきゲームだったということで、勝点1というのは取り続けていれば最後にプラスになる時がありますので、私も残留争いをしていますので、もちろん今日も前(FW)を3枚にして点を獲りに行こうとしてもカウンターで負けてしまって勝点0では、上とも離れてしまいますし、闘う意識が無くなってくるので、この勝点1というのは、絶対に最後の最後まで持って行けるので、重要な勝点1だったと思います。ラスト3試合についてはこの勝点1があることで非常に戦いやすくなったと思っています。上と一勝差というのは、得失点差もありますが、上に一回勝てば逆転出来るという意識が選手に出てくるので、大きな勝点1だったと感じています。

Q:以前から安定とバランスが重要とおっしゃっている中で、先発を3人代えた理由は?
変えた理由はコンディションです。
選手コメント
MF 10 渡邉 大剛
立ち上がりしっかり入ろうとしたところで、相手のオウンゴールで先制しましたが、そこから少し守備的になって後半はずっと押し込まれた状態で、その中で勝点3が獲れればと思いましたが、追いつかれてしまいました。ただ、そこで(気持ちを)切らさずに勝点1でも拾って帰ろうとみんなで話し合いながら最後まで闘いました。

Q:広島戦に向けて守備のやり方が変わったように見えましたが、具体的にはどのあたりを変えたのですか
スタートは4-4-2というか4-2-3-1でスタートしましたが、相手の特長がサイドを起点にして仕掛けてきてクロスか、中央の3人のコンビネーションでセンターバックのところを崩してくるというところだったので、そこで数的不利な状況である裏だったり間を使われるのでボランチを一枚落として前に入ってくる相手の5枚に対してしっかり見るというところが違ったやり方でした。

Q:実際にやってみていかがでしたか
後ろに人数がかかる分、比重が下がってしまいました。奪った後に前にボールを配給できなかったですし、相手の切り替えも速かった。やはり自陣でボールを失うとそのままゴールに向かわれるので、なかなか攻撃に繋げられなかったという印象です。

Q:後半は立ち上がりから相手が押し込んできたようでしたが、そんな中どんなことを意識して戦いましたか
後半は相手がエンジンをかけてくることはある程度想定はしていて、実際にかなり押し込まれましたが、そこをしっかりと耐えることができればゲームは落ち着くなと思っていました。実際に後半15分くらいに相手の猛攻に耐えて少し落ち着けていて、押し込まれた中でもそこまで怖さはなかったですし、中で跳ね返すことができたのでそのまま行けるかなと思いました。失点してしまったことが残念でしたし、自分たちでボールを動かしていければよかったですけど、今は勝点3だったり1が必要な状況なのでそこは割り切ってやりました。

Q:残り3試合は負けられない戦いが続きますが、どのように取り組んでいきますか
目の前の試合に対してしっかりといい準備をして全力で戦うということが大事だと思いますし、残留争いをしている他のクラブがありますけど、やはり自分たちで勝って勝点を積み上げていかないと残留ということはできないと思うので、しっかりと最後まで戦い抜いていきます。
DF 2 菊地 光将
90分間、守備が長い戦いでしたけど、あのような形で1点取って、最後まで90分集中を切らさずに守り切って勝点3を奪えたらよかったですけど、あのような形で失点してしまって、そこからは難しい試合になってしまったと思います。

Q:広島戦に向けてどのような守備を意識されたのでしょうか
相手のトップが5枚並んでいて、うちは4バックでやっているので、上手くスライドさせて大外を捨てるという形でやっていましたけど、前にヨコ(横山選手)がいたのでヨコを上手く使いながら、ヨコが下がってくれるときは対5枚になりますし、そこは使い分けてやりました。

Q:試合全体を通して攻め込まれるシーンが多かったですが
もう少しラインを上げたかったですが、あれだけボールを持たれる時間が長かったので、前線の選手も守備をしてくれて、いい感じではあったし、ボールも回されていましたけど、中を締めて外からクロスを上げられても自分たちとしても守りきる自信はありましたし、そこはしっかりと割り切って最後のところで守れればいいと思っていました。

Q:菊地選手のクロスボールへの対応が効いていたと思いましたが
いいえ、全然です。中でマークをはっきりしようと声を掛けていたので、皆の頑張りだったと思います。

Q:今回の試合の勝点1をどのように受け止めますか
このような残留争いをしている中では勝点3が欲しいですが、アウェイでの90分間このような流れの中での勝点1は今後に生きてくると思います。他のチームも勝ったり負けたりしていますが、あと3試合ありますし、次はホームですので残り3試合全部勝つつもりで皆と一緒にやっていきたいと思います。
フォトギャラリー

カテゴリー


X

パートナーバナー